IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍 作:柏葉大樹
それでは、仮面ライダー輝龍第34話、どうぞ!
side三人称
アナザーオーマジオウにより召喚された仮面ライダー黒龍ブラックドラゴンアームズ。
輝龍ファブニールアームズは新たに出現した敵を前に邪龍DJ破断剣を構える。
黒龍は漆黒の竜炎刀=黒龍刀と無双セイバーを持ち、輝龍に斬りかかる。
「っ!!」(輝龍)
輝龍は邪龍DJ破断剣を盾にして黒龍の攻撃を防御する。
攻撃の威力は強化形態のファブニールアームズと比べると低いものの、絶え間ない連撃が輝龍を襲う。
輝龍はあまりの連撃を前に防戦一方となる。
怒りの感情により大幅な強化を発揮するファブニールアームズは、パワーに秀でている形態であるためスピードについてはそこまで秀でている形態ではない。そのため、スピードに秀でている相手とはあまり相性が良くない。
(こいつ、とにかく先手を取る戦いをしてきてる!この形態、そんなにスピードに秀でていない所為で余計に動けない!)(輝龍)
黒龍は攻撃の合間に戦極ドライバーを操作する。
《ソイヤ!ブラックドラゴンスカッシュ!》
無双セイバーと黒龍刀に漆黒のエネルギーが集まる。そこから放たれたのはまさに暴風の如き連続斬りだった。
輝龍は一層踏ん張って耐えるものの、ついに邪龍DJ破断剣が輝龍の手から弾き飛ばされた。
防御する術を持たない輝龍は黒龍の攻撃を受けてしまう。流石に、まともに攻撃を受けたことで少なからずダメージを受けてしまう。
輝龍は攻撃を受けた胸部を抑える。
「はあ、はあ、この形態じゃなかったら危なかった。」(輝龍)
「流石に、これで終わりにはならないか。」(黒龍)
安心の一言を漏らした輝龍に黒龍が言葉を発した。その声は輝龍=大樹と全く同じだった。
「お前、俺なのか。」(輝龍)
「アナザーワールド、別世界の可能性だからな。さて、まだやるか。」(黒龍)
黒龍が生み出されたのはアナザーディケイドの能力である。
アナザーワールドという世界に人間を取り込み、取り込んだ人間の望む別の世界を生み出すことでダークライダーを召喚する能力である。その詳細を知らない輝龍はどうにか突破口を探していた。
「じゃあ、一撃で吹っ飛ばしてやる!」(輝龍)
《ソイヤ!ファブニールスカッシュ!!》
輝龍は戦極ドライバーを操作、右足にエネルギーを集めて前蹴りを放つ。
真正面から輝龍の攻撃を受けた黒龍は爆散した。
「今度は、加古川飛流だ。」(輝龍)
そう言って輝龍はアナザーオーマジオウの方へ向かおうとする。その輝龍の目の前に灰色のオーロラが現れ、黒龍が再度姿を現した。
「残念だが、アナザーワールドがある限り俺は復活する。マドカが別の世界を望む限りな。」(黒龍)
再度現れた黒龍の言葉から、輝龍は事態が非常に危険なことを察した。
アナザーオーマジオウの手により、人々が囚われている今の状況。それは敵が際限なく現れることを意味していた。
アナザーオーマジオウと激しい戦いを繰り広げるジオウたち。ジオウたちも輝龍と黒龍の会話を聞いていた。
「加古川飛流!囚われている人々を開放しろ!」(ジオウ)
「お前の言うことを聞くものか、常磐ソウゴ。ちょうどいい、ここでお前たちにも見せてやろう!」(アナザーオーマジオウ)
アナザーオーマジオウはアナザーワールドから新たなダークライダーを召喚した。
仮面ライダーゴーダ、仮面ライダーシルフィー、仮面ライダーアマゾンネオアルファ、仮面ライダー4号。それぞれがここではない別の世界で仮面ライダーたちを苦しめたダークライダーたちである。
「ついに出してきたか。」(ゲイツ)
「仮面ライダーゴーダ、仮面ライダーシルフィー。我が魔王が初めて変身した後に現れたダークライダーだね。さらに、アマゾンネオアルファと4号か。別世界のダークライダーを出すとはあちらも相当本気のようだ。」(ウォズ)
新たに姿を見せたダークライダーたちはそれぞれの武器を展開し、ジオウたちに襲いかかる。
ジオウたちは、新たに現れたダークライダーたちを相手に戦いを始めることとなる。そこへアナザーオーマジオウまでも加わり、互角だった戦況もアナザーオーマジオウが有利になり始めていた。
アナザーワールド内、万夏が囚われている世界。
強烈な睡魔に襲われ、眠りの中にあった万夏。いつの間にか、ベッドの上で眠っていた万夏のそばに誰かが居た。
そこで、万夏の目が覚めた。
覚醒した万夏は目の前の誰かを見る。
「大樹?」(万夏)
万夏は最愛の人の名前を、目の前の人物を大樹だと思って呼びかける。
万夏が覚醒したことで朧気だった相手の姿は大樹の姿となる。
「ただいま、マドカ。」(大樹)
そういった大樹は万夏のことを抱きしめる。
万夏は自身を抱きしめる大樹に驚きながらも、抱きしめ返す。
現実世界で黒龍と戦い続ける輝龍。スペックの差でなんとか有利に戦おうとするが、形態の相性が悪いために決定打を見出すことができないでいた。
「くっ、はあ!!」(輝龍)
《ファブニールスカッシュ!》
輝龍は戦極ドライバーを操作、向かってきた黒龍に邪龍DJ破断剣を振るう。
断末魔を上げる前に、黒龍は爆散した。だが、またもアナザーワールドから黒龍は復活する。
「はあっ、はあっ、きりがないな。」(輝龍)
「だから、言ったろ。マドカが別の可能性を望む限り、俺は存在し続けるってな。」(黒龍)
輝龍はファブニールアームズで戦い続けていたが、如何せん相手が何度も復活することから疲労が見え始めていた。
(どうする、このまま戦ってもジリ貧だ。なにか、なにか手を。)(輝龍)
疲労の中に、焦りも混じり始める輝龍。その輝龍を見て、黒龍は襲いかかる。
「マドカを助けたいんだろ?だが、俺を倒してもマドカは戻らない。どうする、柏葉大輝!」(黒龍)
思考することで隙を見せてしまった輝龍。
黒龍は激しい二刀流で輝龍の装甲が薄い場所を何度も切り刻んだ。
「グッ!」(輝龍)
ついに明確なダメージを受けてしまった輝龍。怯んだ輝龍の腹部に黒龍の無双セイバーの刃が刺さる。
「さあ、終わりにしようか。」(黒龍)
ついに、輝龍も最後かと思われたその瞬間。
《ブドウスパーキング!》
《クルミスパーキング!》
洋館の入り口から紫色の龍が、胡桃色の巨大な拳が勢いよく飛んできた。
ジオウ一行とアナザーオーマジオウ陣営、輝龍と黒龍の間を切るように放たれたそれらは洋館の壁を破壊する。
ここまでの戦いを仕切り直すかのような攻撃、それは輝龍のよく知る二人の人物の必殺技であった。
「ここからは僕たちも加わるよ。」(龍玄)
「道中の奴らは倒したぜ。後は、ここにいる奴らだけだ。」(ナックル)
アナザーオーズとアナザーフォーゼと戦っていた仮面ライダー龍玄と仮面ライダーナックルだった。
龍玄とナックルは輝龍のそばに駆け寄る。
「大樹くん、大丈夫かい?」(龍玄)
「すみません、結局一人じゃあ解決できませんでした。光実さんとザックさんが止めたのに、ごめんなさい。」(輝龍)
「気にすんな。俺達がいる。」(ナックル)
腹部の傷を押さえる輝龍。ヴァルハラでのやり取りも含め、龍玄とナックルに謝罪する。
輝龍の謝罪に対して、龍玄は首を横に振り、ナックルは気にするなと言って輝龍の肩に手を置く。
「大樹くん、大切な人たちを取り戻す方法がある。」(ジオウ)
そこにジオウが輝龍に話しかける。それを見ていたアナザーオーマジオウは不機嫌になる。
「そんな雑魚にかまっている暇があるのか、お前たちはここで終わりだ!」(アナザーオーマジオウ)
アナザーオーマジオウの言葉にダークライダーたちが襲いかかる。
「じゃあ、後は頑張って。君の力ならなんか行ける気がするから。」(ジオウ)
ジオウたちは武器を構え、アナザーオーマジオウとダークライダーたちと戦う。
輝龍はジオウの言葉に、冷静に考えた。そして、ワイバーンロックシードを取り出す。
「やる気十分だな。」(ナックル)
「それで、作戦は?」(龍玄)
輝龍の様子から心配はないと結論づけた龍玄とナックル。
龍玄の問いかけに輝龍は二人を見る。
「まずは、もう一人の俺を倒します。そこで灰色のオーロラが出たら、俺がそこに飛び込みます。」(輝龍)
「その後は?」(龍玄)
「向こうの世界で大暴れしてきます。」(輝龍)
作戦のようではあるが、決して理論的ではない作戦。それでも、輝龍の言葉には決意と覚悟がにじみ出ていた。
龍玄とナックルはそれを聞き、前を見る。
「この戦場、俺たちが勝ち取る!」(輝龍)
《ワイバーン!》
ワイバーンロックシードを解錠、輝龍の頭上にクラックが開く。
クラックからは漆黒に煌めく黒曜石の飛龍が姿を表した。
輝龍はファブニールロックシードを戦極ドライバーから取り外し、ワイバーンロックシードに付け替えた。
《ロックオン!ソイヤ!ワイバーンアームズ!黒翼龍、ブラックトルネード!》
輝龍の姿は漆黒に煌めく軽装の鎧をまとったワイバーンアームズへと変わる。
輝龍ワイバーンアームズは薙刀型の専用アームズウェポン、翼竜嵐刃を手に取る。
輝龍の両隣に並ぶ龍玄とナックル。
「じゃあ、やろうか。」(黒龍)
黒龍は無双セイバーと黒龍刀を構える。それに対し、輝龍と龍玄とナックルも構える。
輝龍たちと黒龍が同時に駆け出す。
輝龍は翼竜連刃を振るい、黒龍も二刀流で応戦する。そこに、龍玄がブドウ龍砲で遠距離から攻撃する。
黒龍は輝龍の攻撃を中断し、龍玄の攻撃を回避することに専念する。
ナックルは黒龍が攻撃の手を止めた瞬間に、インファイトを仕掛ける。
3対1の状況になったことで、黒龍も先程と違い防戦一方になり始める。この状況になった要因は龍玄とナックルが加わっただけではなかった。
輝龍ワイバーンアームズ、魔蛇との戦いで黒崎修羅=大樹の別人格との和解で入手したワイバーンロックシードで変身したこの形態。先程まで変身していたファブニールアームズと違う特性を有していた。
ワイバーンアームズは大樹の感情で大幅に強化されるという特性はない。だが、この形態は輝龍の変身する他の形態にはない特性を有していた。
「はっ!」(輝龍)
輝龍が翼竜連刃を振るうと小規模の竜巻が発生、黒龍に襲いかかる。
黒龍は襲いかかる竜巻に飲まれ、吹き飛ばされてしまう。
輝龍ワイバーンアームズの特性、それは自由自在に風を操ること。バハムートアームズが持つ誰かを守りたいという思いによる能力の強化、ファブニールアームズが持つ怒りの感情によるパワーの上昇のような強化系の能力ではないが、スピードに秀でているスタータスに周囲の環境を操作することができるこの能力は非常に強力である。
さらに、ワイバーンアームズは比較的鎧が多い形態だが、そのスピードは尋常ではない。さらに、パワー面もある程度の高さを有していることから戦闘力の高い形態と言える。
歴戦のアーマードライダー二人と輝龍の新たな姿。それはここまでの劣勢を覆すほどに強力な布陣だった。
side輝龍
仮面ライダージオウ、常磐ソウゴが話したこと。
「俺はゲイツとウォズ、二人の力と仮面ライダーエターナルの力を使ってアナザーワールドを破壊した。その時は、アナザーワールドの中になんとか入り込んで、エターナルの力を利用して破壊した。同じ方法は使えないかもしれない。けれど、君の力ならなんか行ける気がする。」(ジオウ)
彼は仲間たちの力とその時に出現した仮面ライダーエターナルの力を利用したと言っていた。仮面ライダーエターナル、風都を未曾有の危機に陥れた仮面ライダー。その力は風都の仮面ライダーの仮面ライダーWでも苦戦した。
それほどまでの力を使って、破壊できたアナザーワールド。それを俺の力なら行ける気がすると言った。
正直、今の自分の力がそれほどまでのものとは思えない。だけど、俺の力で、自分の力で大切な人たちを取り戻せるなら、ためらうことなんてない。
もう一人の俺、仮面ライダー黒龍を前に戦極ドライバーを操作する。
俺の動きを見た光実さんとザックさんも戦極ドライバーを操作した。
《ソイヤ!ワイバーンスカッシュ!》
《ハイー!ブドウスカッシュ!》
《クルミオーレ!》
湧き上がる竜巻を武器に集中させる。
黒龍を、光実さんとザックさんが遠距離攻撃で抑える。
武器の刃に竜巻の刃が出来上がる。
一気に黒龍との距離を詰め、武器を振り抜く。
風の刃が相手を一刀両断する。
黒龍の肉体が爆散すると灰色のオーロラが現れた。
この瞬間を待っていた。
「うおおおおおおおお!!」
俺はあらん限りのスピードでオーロラに向かう。
《ソイヤ!バハムートアームズ!龍帝、メガブレイズ!》
オーロラに竜炎刀と光龍剣を突き刺し、俺はあらん限りの力でオーロラをこじ開けようとする。
俺の力はオーロラをただ押し込んでいるだけ、まだ何も起きていない。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」(輝龍)
だけど、それは関係ない。ただ、力を、思いを、この瞬間に、不可能を打ち破るために、俺の思いを果たすために、持てる全てを注ぎ込む!!
眼の前のオーロラに変化はない、そんなのは関係ない。
今の俺にあるのは、思いを力に変えることだけ。その思いが俺の限界を突破させ続ける!!
「開き、やがれえええええええええええええええええええええええええ!!」(輝龍)
side三人称
アナザーワールドに繋がる灰色のオーロラ。そのオーロラを前に輝龍は竜炎刀・陽炎と光龍剣を突き出す。
全く変化のない状況で、撃破された黒龍がまたも復活する。
「おっと、大樹の邪魔はさせねえよ。」(ナックル)
「ここは僕たちが相手だ。」(龍玄)
龍玄とナックルが黒龍の前に立ちはだかる。
拮抗するに見えたこの状況、黒龍は武器を納めると輝龍を見る。
「もう十分だ。あとは、あそこの俺がこの世界のマドカを助けに行くだけだ。」(黒龍)
黒龍のその言葉、それが何を意味するのか龍玄とナックルにはすぐには理解できなかった。
輝龍はあらん限りの思いを、力を刃に込め続ける。
バハムートアームズの特性、それは護りたいという思いの強さを反映して能力を際限なく強化すること。その強化はファブニールアームズのような爆発的なものではない。だが、その能力の強化というのはステータスの強化に留まらない。
輝龍の全身が光り輝き始める。輝きが増していくごとに、竜炎刀・陽炎と光龍剣の切っ先がオーロラに突き刺さり始める。徐々に、切っ先がオーロラに刺さり始める。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」(輝龍)
バハムートアームズの能力、それは輝龍の思いを実現する力。不可能を可能にする輝龍の最強の力である。
光龍剣と竜炎刀・陽炎の刃が深々と灰色のオーロラに刺さる。そこから輝龍は灰色のオーロラを切り裂いた。
遂に、アナザーワールドへの道が開かれる。
ついに、アナザーオーマジオウとの決戦。
アナザーワールドに囚われた万夏。そこで、理解した彼女の真実とは。
「ごめんね、もう私は大丈夫。」
偽りの世界で、蒼龍姫は乱舞する。