IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍   作:柏葉大樹

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 本編では断片的に語られていた大樹が最初の世界で戦っていた情報を纏めた回想録です。今回はその最初の一つ目です。どうぞ。


仮面ライダー輝龍 回想録1

 俺は柏葉大樹。戦極ドライバーとロックシードを使って仮面ライダーに変身してこの世界を守っている。これは俺と仲間たちがどんな出会いをして、どんな敵と戦って来たのかをまとめたものになる。これはその記録の一番最初、俺が最初に転生した世界での戦いを記録したものだ。俺がその世界の記憶があるうちに書き記したものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この世界の最初の戦いの前に俺は少々奇妙な体験をしてきた。この世界に生まれる前の記憶、いわゆる前世の記憶があって前世でも仮面ライダーとして戦って来た。前世において記憶している限りのことをここに書き記していく。

 前世において俺は織斑一夏の友人の一人として過ごしていた。ある日、一夏がISを動かしたことで日本全国の同世代の男性を対象にIS適正検査が行われた。その時の俺は既に志望校に合格していたこともあって出来ることならIS学園への入学はしたくなかった。そもそも、一夏の友人たちの中で言えば俺は特撮オタクで、あの女子高に入って一から人間関係を構築するのに苦労することが目に見えていた。それに、一夏が超が付くほどの朴念仁であるために恐らくはその尻拭いをそちらでもすることになるのが嫌だった。私的なことを書いても良いならここで心置きなく書かせてもらうが俺と一夏の付き合いは小学校からになり、それこそ数えることを辞めるくらいにあいつが関わったトラブルとかも後始末と言うかフォローをしまくっていた。そ・れ・を!小・学・校・か・ら!9・年・間・も・だ!!そりゃ、高校に受かって一夏がIS学園に行くということになって「災難だなぁ、でも、俺は楽!」ってなったよ!!いや、人の不幸を笑うと罰って当たるもんだな。お察しの通り、俺も適正があってIS学園に行くことになったよ。

 学園に入学して最初にあったのはイギリスの国家代表候補生のセシリアと一夏の喧嘩を発端とするクラス代表決定戦だった。経緯に関してはまあお互いに国の悪口を言って、という流れで仲裁しようとした俺がそのとばっちりを喰らって巻き込まれたというあまりにも理不尽な経緯だった。あと、この時の俺に渡されたのは倉持技研の倉庫で眠っていた第2世代IS打鉄の試作機である打鉄零式というISで性能で言えば装備群の豊富さが特徴の打鉄というじゃあ訓練機を渡してくれよ!という奴だった。本当に、なんでこんな仕様のISを俺の専用機にするんだよ!って思ったよ。そもそも、剣道をやっていたとはいえずぶの素人が1週間で才能の塊の友人と代表候補生相手にまともにやり合えるなんて奇跡が起きるはずもないんだよ!!結果は試合にすらならななかった。正確にはセシリアとの試合は玉砕覚悟で突っ込んだら、地面に頭から刺さってた。いや、気付いたらもう視界が真っ暗でうん。それで地面から脱出しようとしたら全然出られなくて。その後は一夏との試合をせずに俺は試合そのものを辞退することになった。ブースターをふかし過ぎて頭から地面にツッコんで犬神家する奴と試合をするのはダメになり、さらにさらにはそんな奴をクラス代表にすると悲惨としか言えないということでクラスの皆の意見が一致した。それからはISの操縦をとにかく練習した。おかげでアリーナに何度ぶつかったことか...。

 訓練による生傷が着き始めてきたゴールデンウィークに俺は一度家に帰ることにした。その世界での俺の家族についてここで触れることにする。俺の両親である柏葉玲人、柏葉陽菜(二人ともこの世界での生みの親と同姓同名)は研究者をしていた。その詳しい研究内容は俺は知らなかったが遺伝子操作に関することをしていることは何となくだが聞いたことがあった。そのためか幼い頃から両親は家を空けていることが多かった。だから、俺自身も両親とは本当に数える程度しか会話をしていないと思う。愛情が無かったわけじゃないのは分かっているがすこぶる家族仲が良好というわけでもない家族だった。そして、俺の家族にはもう一人いた。俺の兄の柏葉勇吾だった。

 兄貴と俺は一夏と千冬姉ちゃんと同じくらいに年の差がある兄弟だった。兄貴は端的に言えば天才だった。それも本当に天才だった。努力するというよりも本質的には束姉ちゃんに近い存在だったと思う。周囲からほめたたえられることが多かった兄貴はそれはそれは尊大な人物だった。自分より劣っている奴は屑扱い、周りは道具同然、自分こそが全てなんていうはっきり言えば弟の俺から見れば本当に人間としては問題大ありな人物だった。そんな奴だから年齢を重ねるにつれて俺も兄貴のことが大嫌いになっていった。

 そんな俺の家族だが俺自身は、今も俺にとっては大切な家族の一つだ。それははっきりと言える。

 俺の家族の話は一度ここでお終いにしてゴールデンウイークにあったことを書こうと思う。俺の両親は共働きでそれも世間の休みなんて関係ないくらいに仕事があった。その休日にどう食材をやりくりしようかと考えて家に帰ったら父さんと母さんがすでに家に居た。この時は平日の夕方6時と普段であれば仕事でいないはずだった。その時はまあ珍しいこともあるもんだって思った。

 翌日、久しぶりに慣れた家で寝れた俺は大きくあくびをしながらリビングに来た時だった。

 

 「大樹、渡したいものがある。」

 

 そう父さんに話しかけられた。その時、俺の方では特に心当たりになるようなことは無かったはずだ。その時には母さんから父さんの話を聞くように言われ、俺は父さんとリビングの机を挟むようにして向かい合った。

 その時、父さんが机の上に出したのは銀色のアタッシュケースだった。どういった物が入っているのか全く見当も着かなかった。

 

 「中を見てみろ。」

 

 父さんの言葉に従ってケースを開けた。そこには小刀型のパーツがついた黒いバックルとドラゴングルーツ、シークワーサー、パッションフルーツがモチーフとなっている3つの錠前が入っていた。戦極ドライバーとロックシード、その世界に転生する前に俺が見ていた特撮番組に出てくる仮面ライダーへ変身するための重要なアイテムだった。

 

 「これって。」

 「戦極ドライバーとロックシード、極限状況下において使用することを想定されたパワードスーツを使うためのアイテムだ。」

 

 父さんの説明を聞いていたようで聞いていなかったと思う。目の前にあるのが俺が生きていた世界で映像越しで見ていたものと全く同じものだった。手に取ると玩具なんかじゃなくてしっかりとした重量を持っていた。

 

 「重装甲と大太刀による近接戦闘を行うドラゴンフルーツロックシード、錫杖を使った中距離戦を得意とする敏捷形態のシークワーサーロックシード、重火器による遠距離戦を行うパッションフルーツロックシードの3種類だ。」

 

 父さんが朱色のパインロックシード=ドラゴンフルーツロックシード、緑色のオレンジロックシード=シークワーサーロックシード、銅色のメロンロックシード=パッションフルーツロックシードの説明をした。そのすべてを手に取るがこれらも玩具なんかじゃない、金属の冷たくて重い感触が手のひらから伝わった。これらを見た時に俺は

 

 「IS、じゃないの。」

 

 と聞いた。IS、戦極ドライバーを見た時にその考えがよぎった。なんせ、神様転生の二次創作ではISのコアを加工して仮面ライダーの変身アイテムを作るパターンもあった。

 

 「いや、これはISとは全く別物だ。男性でも女性でも誰でも使えるものだ。」

 

 この説明で俺の中でこれがIS由来という可能性が完全になくなった。

 

 「なんで俺に?兄貴もいるじゃん。」

 

 この時、就職してから疎遠になっていた兄貴のことを口に出した。悔しいが人間として問題は大ありだったがどんなことでも常人を超える結果を出せる兄貴ではなく俺に渡すということに引っ掛かった。

 

 「いや、勇吾には頼めない。大樹にしか頼めないことだ。これを渡すというのはそういうことだ。」

 

 俺にしか頼めない、その言葉に嫌な予感がした。一夏との付き合いとかでもあったけど、俺はよく何らかの頼まれごとをすることが多い。それは大体俺以外にする人間がいないことが多かったりする。その中で、その世界で15年生きてきた中で最大級の、俺の残りの人生までも決定づけるような、それを引き受けたら最後もうこれまでのような平穏な生活に戻れない、そんなことをたった数秒の間に感じた。

 

 「これを使って実験生物、インベスと戦ってくれ。」

 

 その言葉を聞いた時に即座にやらないと言って戦極ドライバーを突っぱねればまだ違っていたかもしれない。いや、俺のことだ。なんだかんだ理由をつけてやらないと言っても引き受けていたと思う。そして、この時は俺の返事を聞く前に父さんがインベスの資料を渡してきた。それを見たときに「いや、拒否権ないじゃん」と思った。たぶん、顔には出ていただろうけど。

 この時、この世界で戦うことになった13体のインベスについて初めて知った。

 この世界におけるインベスはよく知られる仮面ライダー鎧武のインベスとは発生の経緯が違う。仮面ライダー鎧武では異世界を侵食するヘルヘイムの森の植物からなる果実を摂取した生物が遺伝子レベルで驚異的な変化を遂げたことで誕生する。インベスはヘルヘイムの森でなければ生存することが出来ないので作中では仮面ライダー鎧武こと葛葉紘汰たちのいる世界に出現しても長くは生きれない可能性が示唆されている。なお、ヘルヘイムの森と異世界をつなぐクラックから瞬時にヘルヘイムの森の植物が発生、増殖をするためにインベスたちがヘルヘイムの森の浸食を受けていない世界で飢え死にするということは無い(インベスが出現した=ヘルヘイムの森の侵略がほぼ同義であるため)。

 この世界でのインベスというのは遺伝子改造によって誕生した生物である。ベースになる生物に複数の生物の遺伝子を組み込むことで誕生した。元は遺伝子病の治療目的の技術をラットやモルモットなどに行うことで哺乳類でも使えるかどうかを実験の過程で誕生したのがこの世界のインベスである。元々、俺の両親は生物関係の、それも遺伝子に関わる分野で研究者をしていて、インベスの誕生も知っていた。

 逃げ出した13体のインベスは父さんから渡された資料のコードネームからスパイダー、スネーク、アント、イーグル、シャーク、ゴリラ、アンテロープ、Tレックス、ドラゴンフライ、ホッパー、ケラトプス、キマイラ、グリフォンと種類を分けられていた。絶滅した動物から幻獣まで、資料を見たときの詳細を見たときには背筋が凍ったものだけど。

 話は戦極ドライバーに戻すが、そもそもはISが出る前から構想があったもので父さんと母さんが勤めている研究所でやっと完成した唯一のものだった。それを俺に託すということ、それを使ってインベスと戦えということ、課せられたことの大きさだけを実感していた俺がその本質を知るのはあまりにも遅かった。

 学園に戻るとほどなくスパイダーのコードネームが付けられたインベス、クモインベスと戦うことになった。この時の俺はまだ十全に戦極ドライバーの性能を把握できていなかった。そもそも、学園内で変身するわけにもいかず、変身して各アームズの性能を確認するのも皆が寝静まった深夜だった。深夜に戦極ドライバー、基各アームズの特性を知るために変身していた時だった。俺が持っていた戦極ドライバーにはインベスたちが近くにいると即座に知らせるアラームがシステムに搭載されていて、変身している時にはインベスたちの接近を知らせることが出来る。俺はその知らせに従ってクモインベスが出現した場所へ向かった。

 この時の俺の移動手段にロックビークル、この世界でも使っているバイク型のロックビークルのハイビスカストライカーである。ハイビスカストライカーも戦極ドライバー、ロックシードと共に父さんから渡された。

 学園と本土はモノレールで結ばれていて、本土へ向かう移動手段はそれだけである。それを解消するためにハイビスカストライカーをよく使っていた。前の世界でのハイビスカストライカーはクラックを自動作成、では無かったが一定の速度を超えると目標地点に瞬間移動のような形で移動することが出来る。それを利用してインベスが現れた現場に即座に駆け付けることが出来ていた。

 初めての相手であるクモインベス、資料には粘着質の糸を臀部から形成された尾のような器官から出すことで巨大な蜘蛛の巣を作ることが出来ると書かれていた。さらにはタランチュラを超える毒性を有する毒液を牙から分泌することが出来る。まあ、大体の人間がクモと聞かれて想像する特徴を持っていると考えても良い。そこにさらには鋼鉄をかみ砕く強靭な顎と牙、100メートルを5秒台で走破する脚力、大人一人をグズグズの肉片に出来る剛腕を持っている。速い話がバ〇オハ〇ードに出てくるようなクリーチャー、それも中ボスクラスに相当する奴ということ。そんな奴が剣道をやっていた以外にはそこらの平均的な高校1年生男児の手に負えると?そんな俺の初戦闘は憧れていたヒーローのような恰好の良いものじゃなかった。

 クモインベスは郊外の森に巨大な巣を作っていた。四方八方に張り巡らされた奴にとって有利な環境は初戦闘の俺に即座に対応できるものでは無かった。まだアームズの適正に慣れていない俺は自分のアームズを使いこなすことが出来ず、三次元的な攻撃を繰り出すクモインベスに翻弄され、蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされて振り回された挙句何度も何度も地面に叩きつけられた。幸い、そこで変身が解除されることは無かったが。クモインベスは俺が食べられない(それもそうだ、硬い装甲で身を守ってんだから)と分かった瞬間にぐるぐる巻きにした俺を宙へ放り投げたのだった。その時の俺が見たのは山から見える深夜の街の風景だった。

 

 

 

 

 

 

 

記録2巻へと続く。

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