IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍   作:柏葉大樹

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 皆様、特別回のクリスマス回です。クリスマスということである怪人が出ます。ヒントは、最近Youtubeで登場しました。それでは、どうぞ!


仮面ライダー輝龍 日常編第2話 クリスマス

side大樹

 ファブニールとの戦いが終わり、世はクリスマス。

 俺の生まれた日で、一夜に家族を失った日でもある今日この日。忌まわしい記憶と同時に、今の家族が祝ってくれるこの日。今年からは俺の弟として住むようになった修羅が主役(と言いながら、俺も主役だと言われるだろうけど)になるだろうクリスマスに俺は修羅へのプレゼントを買いにレジデンスへ来ていた。

 買い物を終え、レジデンスを出た時に街中でとんでもないものを見た。

 

 「クリスマスには、鮭を食え!!」(???)

 

 魚の怪人が鮭の切身を持って、街中の人々に迫っていた。人々は急に現れた魚の怪人が逃げていた。

 

 「インベス?オーバーロード?え、なんで鮭?え?」(大樹)

 

 喋る怪人が鮭を食えと切り身を持って人々に迫っている。さっきと同じことを繰り返し言っているけど、まじで目の前でそんなことが起きてた。あ、魚の怪人がこっちを向いた。

 

 「お前も鮭を食え!!」(???)

 「いや、なんでさ!?」(大樹)

 

 迫る怪人に俺はいつもどおりの動作で戦極ドライバーを取り出して、腰に当てた。

 この怪人との遭遇がいつも憂鬱なクリスマスがどこか愉快な、されど精神的にかなり疲れた一日になったのは間違いない。そして、それは俺だけではなかったとだけ言っておく。

 

 

 

side三人称

 大樹は知らないが、怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーというスーパー戦隊シリーズがあった。毎年恒例のクリスマス回、ネットミームにまで発展したある怪人が初めて出てきたのがルパンレンジャーVSパトレンジャーである。

 異次元の犯罪組織、ギャングラーの構成員であるサモーン・シャケキスタンチン。この怪人の登場により現実世界ではクリスマスに鮭を食えというのが恒例となった。挙句の果てに農水省ともコラボしている。

 複数の異世界で、サモーンによるクリスマスの鮭テロ(と本作品では呼称)が毎年の如く起きるようになってしまったのだ。そんなことをつゆ知らず、大樹はいつもどおりに仮面ライダー輝龍ドラゴンフルーツアームズに変身してサモーンと戦い始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「え、弱。」(輝龍)

 

 戦闘開始数秒で輝龍の前にはボロボロになり地面に倒れたサモーンの姿があった。

 輝龍の転生前の知識は仮面ライダービルドで止まっている。さらに、この世界では十三異界覇王を除けば基本的にインベスを相手に戦ってきた。

 言葉を喋るインベスということでオーバーロードである可能性を考慮したうえで戦ったのだが、開始数秒ではなった数回の攻撃で既にサモーンが息も絶え絶えの状態になってしまったのだ。

 サモーン・シャケキスタンチンという怪人、戦隊で言うところの1話に登場する怪人でそれもクリスマスのコメディ色強めの話に登場した怪人である。基本、戦隊ヒーローが複数で対応するレベルの怪人だが、輝龍=大樹はここまでの激戦で早々苦戦することはない程度に実力のある戦士である。であれば、この結果も当然だろう。

 

 「き、貴様。よくも、やってくれたな!!」(サモーン)

 「ボロボロで倒れている状態で言われてもな。てか、あんたインベス?」(輝龍)

 

 倒れた状態で輝龍を睨むサモーン。対する輝龍は地面に倒れたままのサモーンにインベスかどうか質問してみた。

 

 「俺はギャングラーのサモーン・シャケキスタンチンだ!俺の力でこのクリスマスを鮭一色にしてやる!!」(サモーン)

 

 フラフラと立ち上がったサモーンが輝龍の質問に答える。

 

 「インベス、ではない?ギャングラー、って何?そもそも何でクリスマスに鮭?てか、なんで切り身を持ってんの?」(輝龍)

 

 ツッコミどころ満載のサモーンに困惑する輝龍。ここまで一見してふざけているように見える相手は初めてだった。

 輝龍にとって意思疎通のできる敵は軒並み相容れないような相手ばかりだった。今回のサモーンも意思疎通はできるがこれまでの敵とは別ベクトルで相容れない相手だった。

 

 「俺がクリスマスを鮭一色にする目的を教えてやろう!」(サモーン)

 「教えてくれるんだ。てか、フラフラなのに大丈夫?やっておいて、こんなことを聞くのもあれだけど。」(輝龍)

 「正直、かなりキツい。」(サモーン)

 「じゃあ、座ろう。俺も座るし、一応武器は置いておくから。」(輝龍)

 「ほう、お前案外いい奴だな。」(サモーン)

 「怪人にいい奴って言われてもな。」(輝龍)

 

 周りで人々がいる中で座り始める輝龍とサモーン。そんなこんなでサモーンは自身の目的を輝龍に話し始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 輝龍がサモーンの目的を聞いている頃、別の場所では颯斗と簪がクリスマスパーティーの買い物をしていた。

 

 「ねえ、かんちゃん。飾りとかはこれで良い?」(颯斗)

 「うん。帰ったら飾り付けしよう。」(簪)

 「じゃあ、次はパーティーの食べ物だね。」(颯斗)

 

 クリスマスパーティーに使用する飾りを買った二人は次の買い物へ向かおうとしていた。そこに、普段は見ないであろう光景が視界の端に捉えるまでは。

 

 「どうですか?北海道産の鮭です。このクリスマス、鮭も食卓に加えてみませんか?どうですか?」(???)

 

 魚の怪人が道行く人々に鮭の街頭販売を行っていた。それも様々な鮭料理の試食を提供しながら。

 

 「あれ、何?」(颯斗)

 「鮭の怪人?」(簪)

 

 道行く人々に試食を呼びかける魚の怪人、それは大樹が遭遇したサモーン・シャケキスタンチンと瓜二つだった。なお、こちらのサモーン(仮)は人々に試食を呼びかけるだけで常識的な行動をしていた。

 

 「鮭、鮭どうですか?はあ、流石に買わないよな。」(???)

 「あの〜。」(颯斗)

 

 その様子を見ていた颯斗と簪はサモーン(仮)に話しかけていた。

 

 「ああ、いらっしゃい。鮭、どう?」(???)

 「ええと、この時期に鮭の販売を?」(颯斗)

 「ああ、まあ。ええと、見てくかい?」(???)

 「あの、全然人が止まってませんけど。」(簪)

 「まあ、クリスマスに鮭を買う人はそんなに居ないよね。それでも、恒例というか、なんというか。」(???)

 

 はっきりとしない返答をするサモーン(仮)。

 颯斗ははっきりしないその話し方に、特殊な事情があると思った。なお、これはアニメオタクである彼特有の深読みとも言えるものだが。

 

 「あの、もしかして普通の人じゃないですよね。」(颯斗)

 

 颯斗の問いにサモーン(仮)がはっとしたようなリアクションを取った。

 

 「まあ、こんな格好だからね。」(???)

 「僕、留芽颯斗と言います。高校生で仮面ライダーやってます。何か困っているなら相談に乗ります。」(颯斗)

 

 颯斗と簪は持ち歩いているマッハドライバーをサモーン(仮)に見せる。

 

 「仮面ライダー!?君たちが!?」(???)

 「はい。話してくれますか?」(颯斗)

 

 颯斗の言葉にサモーン(仮)が話し始める。

 

 「俺はサモーン・シャケキスタンチン、とは言ってもこの姿の時はね。本当の名前は神一海(ジン カズミ)。ちなみに、こんな姿だけど本当は人間なんだ。北海道で漁師兼魚介類の販売をしている。」(神)

 

 颯斗と簪に自己紹介するサモーン(仮)改め神一海。

 

 「ここ2,3年は、クリスマスの時にはいつも怪人の力が強くなるんだ。それで、ここ最近はクリスマスにはこんな姿になってね。」(神)

 「怪人に変身、何かの特殊能力ですか?」(颯斗)

 「う〜ん、君たちは前世の記憶を持っているって言ったら信じるかい?」(神)

 

 神の言葉に颯斗は親友である大樹のことを思い出す。

 

 「もしかして、転生者なんですか?」(颯斗)

 「その反応からすると君も?」(神)

 「いや、僕じゃなくて友達がそうなんです。その、神さんのその力って?」(颯斗)

 「この姿に変身して鮭をきれいに捌いて、完璧に調理する力なんだ。お陰で三枚おろしは楽にできるよ。お腹の金庫は特に能力はないから保冷庫にして鮭を入れているんだ。」(神)

 

 神の説明を聞いて、脳内で「鮭を完璧に調理する力って、すごい限定的だなぁ。てか、お腹の金庫ってそんなふうに使えるの?」と思った颯斗。それは簪も同様だったらしく二人して微妙な表情をしていた。

 

 「ああ、まあ鮭を調理する力の怪人なんてね。生憎、戦うにはちょっとね。」(神)

 

 二人の微妙な表情を察して苦笑しながら話す神。傍目から見て魚の怪人のコスプレをしている販売員に話しかける高校生二人という奇妙な風景である。

 

 「でも、クリスマスの日に力が強くなるってどういうことなんですか?」(颯斗)

 「俺の力、サモーンは元々この世界とは別の世界の怪人で。クリスマスの時に鶏肉を奪って、鮭を押し付けていった怪人だ。まあ、特に破壊活動をしていないけどね。」(神)

 「鮭を押し付ける、嫌がらせじゃないですか。」(簪)

 「うん、元のサモーンは大好きな鮭を無理矢理押し付けていた迷惑な怪人だった。好きな食べ物をみんなに知ってもらいたいって気持ちは分かるけどそれは良くないだろ。サモーンの力を持っているけど、俺はみんなが幸せになれる形で鮭を食べてもらいたい。漁師をして、販売をしているからなおさら。」(神)

 

 そう言って神は颯斗と簪に試食の鮭を差し出す。

 

 「流石にクリスマスの時期に塩鮭は雰囲気が合わないと思って、鮭のムニエルにしてみたんだ。どうぞ。」(神)

 

 神から手渡された颯斗と簪は試食のムニエルを食べる。

 

 「っ!!美味しい!!」(颯斗)

 「うん、本当においしい。」(簪)

 

 試食のムニエルは程よい塩味とバター風味、レモンの仄かな酸味で鮭の旨味を十二分に引き出していた。プロの料理人が手掛けたとも思えるその味は颯斗と簪を虜にした。

 

 「これ、すっごい美味しいです!!今までで食べた鮭の中で一番美味しいです!!」(颯斗)

 「本当にすごく美味しいです。」(簪)

 「いやあ、そう言って貰えるのはありがたいな。試食はまだまだいっぱいあるけど食べるかい?」(神)

 「良いんですか!!頂きます!!」(颯斗)

 

 颯斗は神から試食のムニエルを受け取ると勢いよく食べ始まる。周りに居た人々は颯斗の様子を見て、近寄り始めた。

 

 「あの、うちに3切れ貰えるかしら?」

 

 最初に近づいた主婦が神にそう言った。

 

 「ええ、はい3切れですね。こちらになります。」(神)

 

 最初の主婦を皮切りに次から次へと鮭が売れていく。瞬く間に鮭は売り切れた。多くの人が買いに来たので颯斗と簪も手伝った。

 

 「いやあ、ありがとう。君たちのお陰で売り切ることができたよ。」(神)

 「いえ、試食ごちそうさまでした。」(颯斗)

 「売り切れることができてよかったですね。」(簪)

 「ああ、ありがとう。それと申し訳ないけど仮面ライダーの君たちの力を借りたいんだけど良いかな。」(神)

 

 神の言葉を聞き、颯斗と簪の表情が年相応の高校生らしい表情から戦いを知る戦士の表情に変化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「もう、どこでトラブルに巻き込まれているの?」(万夏)

 

 万夏は買い物からまだ戻ってこない大樹を探していた。

 織斑家でクリスマスパーティー+大樹と修羅の誕生日パーティー(元々は同一人物だった)の準備を家族としていた万夏。修羅のプレゼントを買いに行った大樹の帰りが遅いことから準備が終わった万夏が探しに出たのだった。

 なお、大樹のことをよく理解している万夏を始めとする織斑家一同は寄り道よりもどこかでトラブルに巻き込まれているだろうと予想していた。なお、その予想は間違っては居なかった。

 レジデンスの近くへ来た時、万夏は変身した大樹=輝龍の姿を見た。大樹がいることで安心すると同時に、変身していることで警戒レベルを一気に引き上げる。

 

 「大ちゃん!!」(万夏)

 

 急いで輝龍のそばに駆け寄る万夏。

 万夏の声に気付き、輝龍は振り返る。

 

 「万夏。どうして?」(輝龍)

 「どうしてって、帰りが遅いから。敵がいるの。」(万夏)

 

 万夏が来たことで輝龍は変身を解除する。

 変身を解除した大樹は腕時計を見る。

 

 「あ、時間大幅オーバーか。敵は居たけど、もう終わったよ。」(大樹)

 

 大樹は万夏に戦い終わっていることを伝える。その大樹の足元にはボロボロのサモーンの姿があった。

 

 「え、それってインベス?」(万夏)

 「インベスじゃない、と思う。ただ、すごく弱かった。」(大樹)

 

 万夏が来る前、サモーンの目的を聞いていた大樹=輝龍。

 

 「俺の目的はクリスマスを鮭一色に染めることだ!!クリスマスの風景であるチキンを消して、俺様の大好物の鮭にすることでこの世界を俺様のものにしてやる!!」(サモーン)

 

 輝龍の前で胡座をかいたサモーンは意気揚々と自分の目的を話した。なお、それを冷静に聞いていた輝龍。ただのイタズラをしている怪人かと思ったら、これまたおかしな考え方をしていた。

 この1年、十三異界覇王という強敵と戦っていた輝龍。世界征服を企んでいるのであれば、話は早かった。

 

 「じゃあ、世界征服を考えているならぶっ倒させてもらうぞ。」(輝龍)

 

 その言葉と同時に竜炎刀を振るいサモーンを斬りつける輝龍。強化をしていない一撃、それで十分であることを理解していた輝龍はためらいもなくサモーンを切り捨てた。それが万夏が来る前にあったことである。

 

 「じゃあ、おしまい?」(万夏)

 「確実に入ったから、もう動かないと思う。」(大樹)

 

 倒れて動かないサモーンを見る大樹と万夏。同じ頃、颯斗と簪は神と共に急いでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ、この世界にそのサモーンがいるんですか!」(颯斗)

 「ああ。ここ2,3年で、俺のなかにあるサモーンの力がクリスマスに活性化した理由はそれだ。5年前にサモーン本人が現れ、世界征服を持ちかけられた。断ったから、こうなったけど。」(神)

 「ここ2,3年って十三異界覇王が出始めた時期だから。その影響で神さんの怪人化も。」(簪)

 「多分ね。奴はこの世界を征服するって言ってた。それを協力するように言われたけど、断ったんだ。」(神)

 「ああ!!だから、異世界関連は嫌なんだよ!!毎回毎回事件ばっかり!!」(颯斗)

 

 神が颯斗と簪に協力を頼んだこと、それはこの世界に来ているサモーン・シャケキスタンチンを倒すことだった。神は実は、この世界に転生した当初は自分の力をコントロールすることができたいた。それが変化したのは5年前だった。漁の準備をしている神の前にサモーン・シャケキスタンチンが現れたのだった。同じ能力を持つ神に世界征服を持ちかけたが断られたことで、クリスマスの日に怪人化するようにしたのだった。

 

 「実際にやつと会ったけど、戦えなかった。それを関係ない君たちにお願いするのはお門違いなのは分かっているけど。」(神)

 

 神が申し訳ないと締める。隣で走る颯斗は口を開く。

 

 「それは違います。僕たちは仮面ライダー、だから困っているなら助けるのは当たり前です。それが異世界の敵でも。」(颯斗)

 「ありがとう、颯斗くん。」(神)

 

 颯斗たちはいつもの如くブレンにサモーンの探索を任せていた。その結果、大樹=輝龍とサモーンが交戦していることを知り、そこへ急いでいた。

 

 「あ、居た!」(簪)

 

 簪が大樹と万夏、倒れているサモーンの姿を確認した。3人は大樹と万夏と合流した。

 

 「大樹!」(颯斗)

 「ん?颯斗、ってええ!?サモーンがもう一人!?」(大樹)

 「大ちゃん、驚いていないで!!」(万夏)

 

 突如現れたサモーン=神の姿に驚く大樹。万夏が戦極ドライバーを出して臨戦態勢になろうとしていた。

 

 「待って待って!ストップストップ!この人は良い人だから!」(颯斗)

 

 颯斗は急いで神のことを説明。それを聞いた二人は納得した。

 

 「俺と万夏以外の転生者、か。兄貴以外にも居たなんて。」(大樹)

 「でも、この人が言っていたサモーンは大樹がもう倒したよ。」(万夏)

 

 大樹と万夏の話を聞き、倒れているサモーンを見る3人。そう、普段であれば終わりである。普段であれば。

 

 「いや、サモーンはルパンレンジャーとパトレンジャーの世界の怪人だ。戦隊ヒーローの怪人は一度倒されると復活して巨大化する。」(神)

 「そういうことだ!!」(サモーン)

 

 神の説明を聞いた4人の前で倒れているサモーンが起き上がった。

 

 「よくもやってくれたな!お返しにお前たちを踏み潰してやる!そのためにお前の力を俺によこせ!!」(サモーン)

 

 そう言うとサモーンは神の中にあるサモーンの力を吸収する。

 

 「うっ!」(神)

 「神さん!」(颯斗)

 「よ〜し、これで!!」(サモーン)

 

 サモーンは神の中にあるサモーンの力を根こそぎ奪う。それにより、神が本来の人間の姿になる。それと同時にサモーンが50m大まで巨大化する。

 

 「さあ、この力でこの世界を俺様の思い通りにしてやる!クリスマスには鮭を食え!!」(サモーン)

 

 巨大サモーンは足を振り上げ、大樹たちを踏み潰そうとする。

 大樹たちはそれぞれ回避し、巨大サモーンを見据える。

 

 「神さんはここで待ってて。」(颯斗)

 「いや、でも。あそこまで巨大な敵は仮面ライダーの君たちでも危険すぎる。」(神)

 「大丈夫です。私達、負けませんから。」(簪)

 

 神に力強く言う颯斗と簪。

 大樹と万夏の隣に並び立つ。

 

 「さっさと終わらせよう。シュウのクリスマスパーティーと誕生日会があるんだ。」(大樹)

 「違うよ。シュウちゃんと大ちゃんの、だよ。」(万夏)

 

 大樹の言葉に対して万夏が修正する。特に、大樹のことを強調して。それを隣で聞く颯斗と簪。

 

 「じゃあ、早く終わらせないとね!」(颯斗)

 「うん、私達もお姉ちゃんたちが待っているから。」(簪)

 

 家族が待っていること、クリスマスという1年に一回の特別な日であることから4人は決意を改める。

 4人は同時にドライバーを装着し、叫ぶ。

 

 「「「「変身!」」」」

 

 仮面ライダー輝龍、仮面ライダーヴァルキリーブルーベリーアームズ、仮面ライダーロードタイプデッドヒートハート、仮面ライダーロードレディに変身した4人。

 輝龍は竜炎刀の切っ先をサモーンに向ける。

 

 「この戰場、俺たち仮面ライダーが勝ち取る!」(輝龍)

 

 力強く宣言する輝龍。4人の仮面ライダーは同時にサモーンに飛びかかり、攻撃する。

 4人の仮面ライダーの攻撃を受けて倒れるサモーン。いくら巨大化したとはいえ、輝龍ドラゴンフルーツアームズの強化していない攻撃で大ダメージを受けるサモーン。巨大化したところで4人の仮面ライダーの敵ではない。

 

 「よし、この巨大鮭を一気に料理するぞ。万夏と簪は遠距離攻撃で動きを止めてくれ。俺が斬った後は、颯斗がとどめを刺してくれ。」(輝龍)

 「分かった!」(ヴァルキリー)

 「うん。」(ロードレディ)

 「こんがり焼いてやるぜ!!」(ロード)

 

 ヴァルキリーとロードレディはお互いのシステムを同期、ヴァルキリーの攻撃を強化させる。

 ヴァルキリーはブルーライフルの銃口をサモーンに向けて、引き金を引いた。

 放たれたレーザーはロードレディの操作により、ある一点から複数に枝分かれしてサモーンを撃ち抜いた。

 

 「ぎゃああ!!」(サモーン)

 「今度は手加減なしだ、喰らえ!!」(輝龍)

 

 輝龍は無双セイバーナギナタモードにロックシードをセット、サモーンの脳天に刃を突き立て股下まで一気に斬り裂いた。

 完全に息も絶え絶えなサモーン。そこへ空中に飛び上がったロードが右腕を引いていた。

 

 「デッドゾーンの向こう側まで付き合えっていつもなら言うけど、今日は特別!絶品ムニエルにしてやる!!」(ロード)

 

 赤熱化した右腕を勢いよく前に突き出した。空気の摩擦で発火、必殺のデッドヒートパニッシュがサモーンの胸部に炸裂した。

 

 「がああああああ!!クリスマスには鮭えええええええええええ!!」(サモーン)

 

 断末魔を上げてサモーンは炎上、消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから1時間後、織斑家では大樹と修羅の誕生日会とクリスマスパーティーが行われていた。

 

 「よし、シュウ。これ、兄ちゃんから。」(大樹)

 「兄ちゃん、ありがとう!!」(修羅)

 

 修羅は受け取ったプレゼントの箱を開封、中に入っていたおもちゃで遊び始める。それを穏やかな笑顔で見る大樹。

 

 「じゃあ、大ちゃんにもプレゼント。」(万夏)

 

 そう言うと万夏がある紙を大樹に見せる。

 

 「ん、これ婚姻届。どうして。」(大樹)

 「大ちゃんのプレゼント、大ちゃんの欲しいものを考えたらそれが一番だと思って。」(万夏)

 

 すでに万夏と秋人と春奈、正則と束の署名の入ったそれは万夏の隣の欄だけが未記入だった。

 

 「私達と家族になろう。心だけじゃなくて、本当の意味でも。」(万夏)

 

 万夏を始めとした織斑家の人々が考えた大樹へのクリスマスプレゼント、それは自分たち家族だった。

 

 「いや、でも。」(大樹)

 

 紙と万夏たちを何度も見る大樹。心の準備ができていなかった、考えても居なかったもの。もう二度と手に入らないと思ったもの、渇望していたものが予期せぬ形で目の前で現れた。

 

 「兄ちゃん、泣いてる?」(修羅)

 「え?」(大樹)

 

 おもちゃに夢中だった修羅が大樹の顔を覗き込む。気付かぬ内に涙を流していることに自覚する大樹。

 

 「いや、大丈夫だよ。うん、嬉しいんだ。」(大樹)

 

 涙を拭き、大樹は万夏を織斑家の人々を見る。

 

 「もう、みんな俺の家族だと思ってた。そうだね、本当の意味でも家族にね。」(大樹)

 

 そう言って婚姻届を受け取る大樹。

 

 「来年、みんなで役所に行こう。大樹が18歳の誕生日を迎えたらそうするのが良いって、そう話し合ったんだ。」(秋人)

 「あなたはうちの子、それは変わらないわ。だからこそ、そういう形がある方があなたもいいと思ってね。」(春奈)

 「万夏のことをよろしくな、大樹。」(千冬)

 「親友から、兄弟になるんだな。なんか良いなって思ってさ。」(一夏)

 

 言葉をかけられるたびに涙があふれる大樹。そうしたかった、でも、迷惑になるかもしれないと思っていた大樹。

 

 「1年後に結婚、してくれる?」(万夏)

 

 そして、万夏からの逆プロポーズの言葉。それに対して涙を流しながら笑顔を見せる大樹。

 

 「うん、結婚しよう。絶対に幸せにするから。」(大樹)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ありがとう、颯斗くん。」(神)

 「僕の方こそありがとうございます。」(颯斗)

 

 颯斗と簪は挨拶をしたいと訪ねてきた神と会っていた。

 

 「神さんはどうするんですか?」(簪)

 「まだ、年内の仕事があるからね。君たちと出会えてよかった。やっぱり、好きな魚を美味しそうに笑顔で食べてもらうのは良い。それを二人の姿を見て、改めて思ったよ。」(神)

 

 神にとって颯斗と簪と会えたことは良かったことだった。力を失ったものの、自分の仕事に改めて誇りを持つことができたのだ。

 

 「お礼に、良い鮭が入ったら送るよ。」(神)

 「良いんですか!!」(颯斗)

 「あの、大丈夫ですか?お金とか。」(簪)

 「良いよ、お金は。じゃあ、元気で。」(神)

 

 そう言って神は北海道へと帰っていった。それから、毎年の秋に神から秋鮭が送られるようになった。

 颯斗が送られてきた鮭を三枚おろしにしようと四苦八苦することになるのは別の話。




 ギャグ多めの予定でしたが、実際に書いてみるとラストは感動系になりました。まあ、こんな話もいいのではないのでしょうか。それでは、皆様。良きクリスマスの夜を。



 登場怪人
 サモーン・シャケキスタンチン
 「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」に登場した怪人。クリスマスの鮭ネタの始まり、現実世界の侵略を成功させたという稀有な怪人。なお、作中では2大戦隊を相手に互角に渡り合うという実力を見せた。今回の話に登場したのはルパンレンジャーVSパトレンジャーの世界で撃破された本人で十三異界覇王たちの影響で復活した存在。
 輝龍たちと戦うも、ファブニールを始めとした十三異界覇王と戦った輝龍たちの敵ではなかった。


 登場人物
 神 一海
 北海道で漁師兼魚介類の販売を行っている男性。見た目は「獣電戦隊キョウリュウジャー」のキョウリュウブルーこと有働ノブハル(仮面ライダーギーツで最速退場した仮面ライダーシローの人)。
 サモーンの力を持って転生した転生者だった。事件後、颯斗と簪と交流が続くことになる。
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