IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍   作:柏葉大樹

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 2020年最後の投稿です。こちらも1万字オーバーとなっています。
 なんだかんだで描写と話にこだわるとなかなかコンパクトになりません。
 2020年、いろいろとありました。その中で私の作品を楽しんでいただきありがとうございました。
 それでは良いお年を!



仮面ライダー輝龍 第5話

side三人称

 マドカが変身した仮面ライダーウィッチはウィッチドライバーの左側にあるホルダーからオレンジ色のウィザードリングを取り出し、右手薬指に填まっていたウィザードリングと取り換えた。

 

 ≪チョーイイカンジ!コネクト!オ~ン!≫

 

 指輪をドライバーに読み込ませた仮面ライダーウィッチは魔法陣を召喚、魔法陣から杖型の武器であるウィッチランスケインを取り出した。

 

 「大樹、待ってて。今、楽にしてあげる!」(ウィッチ)

 ≪ルパッチタッチマジック!ハイタッチ!オーシャン!≫

 

 仮面ライダーウィッチはウィッチランスケインの手形に手を合わせた。その瞬間からウィッチランスケインに周囲から水が集まりだしていく。

 

 「ハアッ!!」(ウィッチ)

 

 仮面ライダーウィッチがウィッチランスケインを仮面ライダーアギトヴォルカニックフォームへと向ける。ウィッチランスケインに集まっていた水は空中で広がりそのままアギトヴォルカニックフォームを包み込んだ。

 

 「うおっと!」(アギトシャイニングフォーム)

 

 先程までアギトヴォルカニックフォームを抑えていたアギトシャイニングフォームは仮面ライダーウィッチがアギトヴォルカニックフォームを拘束した瞬間に離れたのだった。

 仮面ライダーウィッチはそのまま指輪を取り換える。

 

 ≪チョーイイカンジ!セデイション!オ~ン!≫

 「ハッ!」(ウィッチ)

 

 ウィッチは指輪からあふれ出てきた緑色の液体をアギトヴォルカニックフォームを拘束する水球へと放つ。二つの液体は混ざり合う。

 

 「ガアアアアア!!」(アギトヴォルカニックフォーム)

 

 アギトヴォルカニックフォームは水球の中で暴れまわるが徐々にだが動きが鈍くなり始めていた。

 

 「グッ、クッ。」(アギトヴォルカニックフォーム)

 

 徐々にだが獣のような狂乱は収まり、水球内で落ち着きを見せ始めるアギトヴォルカニックフォーム。それに伴って水球を弾けさせて解除するウィッチ。

 

 「はあ、はあ、はあ。」(アギトヴォルカニックフォーム)

 

 アギトヴォルカニックフォームは荒く呼吸し、オルタリングから光を発すると変身が解除された。

 

 「大樹!」(ウィッチ)

 

 それを見たウィッチも変身を解除して大樹に駆け寄る。

 膝をつく大樹に秋人と変身を解除した翔一が肩を貸して立ち上がらせる。

 

 「あ、えと、ありがとう。翔一さん、それと...。」(大樹)

 「ん?どうした?」(秋人)

 

 大樹が秋人に何か言おうとする。それに秋人が声を掛ける。

 

 「助けてくれて、ありがと。父さん。」(大樹)

 

 秋人に感謝の言葉を述べる大樹。だが、肝心の最後の言葉はかなり小さかった。

 小さかったものの、大樹の放った言葉は小さかったがそれはしっかりと秋人に届いていた。

 

 「ああ、大丈夫だよ。」(秋人)

 

 秋人はそう言うとそのまま前を向く。

 マドカが近づくと大樹は秋人と翔一の肩を借りずに立つ。

 

 「大樹!大丈夫!?」(マドカ)

 「ああ、ありがと。」(大樹)

 

 そういう大樹だったが体勢を崩してマドカに抱えられる。

 

 「ああ、ごめん。」(大樹)

 「良いよ。帰りはお父さんに送ってもらお?」(マドカ)

 「うん。」(大樹)

 

 こうして、十三異界覇王の一人であるイーヴィルアギトに関わる事件は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、篠ノ之神社にて。

 

 「あのね、ここはよその家よ。流石にそこでするのはどうなの?」(春奈)

 

 なぜかなぜか篠ノ之家の居間にて正座をして春奈に説教されている大樹がいた。

 

 「いや、あのさ、俺もダメって言ったよ。流石に箒の、束姉ちゃんのいるこの家でするのはダメだって。」(大樹)

 

 なお、正座はしているが弁明をしている大樹。その大樹に対して春奈は言うと大きくため息をした。

 

 「それでなんでしたの?我慢できなかったの?」(春奈)

 「それ、俺に言う!?俺、最後まで抵抗したのに!?」(大樹)

 「結局したならダメよ。」(春奈)

 「いや、襲われたの俺!」(大樹)

 

 まあ、速い話が余所様の家で致すことを致してのお説教だった。なお、これには一番の戦犯はお咎めなしだが。

 

 「まあ、良いわ。」(春奈)

 「何が!?何が良いの!?余所ん家で(ピー)したことをたった一人でお説教されて何が良いの!?」(大樹)

 「万夏にはあとで話すから。襲われただの抵抗しただのは結局やった以上は意味はないのよ。」(春奈)

 「すげえ、釈然としねえ。」(大樹)

 

 なお、この場合における大樹の心境はお叱りを受けていること自体はあまり文句はないのだが。

 

 「それであなたには罰を与えることにします。」(春奈)

 「いや、待ってよ。せめて家に戻ってからにして。」(大樹)

 「この話が終わった瞬間から私のことをお母さん、秋人君のことをお父さんと呼ぶこと。」(春奈)

 「............。」(大樹)

 

 春奈が言った罰は大樹にとってはあまり予想もしなかったものだった。なお、これは流石に、流石に心の中で、自身の中で織斑家の人々を家族と受け入れたもののこれをまともに口にするのは大樹にとってかなりのハードルだった。なお、これを拒否したところでまた別の機会で迫られるのは目に見えているのも分かっていた。

 

 「...はあ。」(大樹)

 

 天井を見上げて大きなため息を一つする大樹。しばし、考えること数分。

 

 「分かったよ、母さん。」(大樹)

 

 話題が終わる直前にさっさと言うということに決めた。大樹のその返答に春奈も驚いた。なにせ、こういったことでも頑なに距離を保っていた大樹がいきなりその距離を大きく縮めるようなことをしたのだ。

 大きな驚きの後に来たのは純粋な嬉しさが感じられてきた。それにつれて春奈は自分の視界が滲みだしていたことに遅れて気付いた。

 

 「ん、何?え?えっ!?」(大樹)

 

 そして、春奈は大樹を抱きしめていた。

 

 「良いから、今くらいは。あなたはいつもいつもそうやって遅いんだから。」(春奈)

 

 母として愛を注いできた。そのことが、欠片でも伝わっていたことに春奈は嬉しさを感じていた。

 

 「一番悩んで頑張って一緒に来たんだもの、こうでもしないとあなたが一生言わないじゃない。」(春奈)

 「ああ、その、うん。」(大樹)

 

 実の両親と死別して長い大樹。秋人と春奈から多大な愛情を受けている自覚はあった。それでも、久しぶりの母親からの抱擁はかなり気恥ずかしさがあったが。

 

 「あの、ありがとう。育ててくれて。」(大樹)

 「その言葉はまだ早いわよ。まだまだ一緒に居なさい。」(春奈)

 

 改めて、改めて大樹は、自分の家族を、居場所を手にした。それはとっくに手に入れていたもので彼がやっとそう認識したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side大樹

 小母さ、母さんとの話も終わって家に戻った俺達。家の方は束姉ちゃんと正則兄ちゃんが業者を頼んでくれたおかげですごくきれいになった。それと部屋の中を確認すると、まあ、減っていたよ、俺の持ち物。学園の新しい部屋に明らかに見慣れたものが送られていたからそうかもとは思っていたけど、まさか本当に送られているとは。久しぶりに見た部屋は今までに見た中で一番質素な部屋になっていた。いや、予想していたとはいえ、自分の部屋がまさかベッドと勉強机だけのあまりにも何もない部屋になっているなんて思わないじゃん!?あまりにも何もなさすぎて驚くことすらできなかったよ。いや、流石に何かしら娯楽の類は残っているでしょ、って思っていたいけどさ、こうまで何もないと逆に「まあ、良いか」とまで思っちゃうよ。

 話は片付けのことに戻すけど家の中はあの日アギトが現れた時からそのままで一夏、千冬姉ちゃんも加わって皆で後片付けに追われてた。まあ、家族6人でやればそれなりに速く終わるものだったからまだ良い方だ。庭の方の血痕とかは何にも残っていなかった。それくらいに本当にきれいになっていた。だから、束姉ちゃんにどんな業者を雇ったのかは怖くて聞けないと考えてしまった。まあ、聞く気も無いし、これについてはありがとうだけを言うだけにしておく。

 翔一さんはアギトたちが居なくなった以上はやることはないらしく、作り置きの総菜を作って母さんたちに渡した後は自分のお店に戻った。颯斗の方はと言うと色々と何とかしようとしているらしく、しばらくは土日は会えないらしい。

 それと、箒の家でマドカに襲われた(性的に)件についてだけど、まあいつも通りだった。でも、戦いが終わってからしばらくの間、倒れていた。幸いその日の夜には元気になって押し倒されたから問題にはしなかったが。

 マドカが使っていた新しいドライバー、それを使った後にそんな様子だから何か関係があるとは思うが。

 マドカのことの他は俺のアギトの力も問題だ。まだ変身して最初の2,3分なら正気を保てる。だけど、時間が経つにつれて全身を襲う痛みは強くなっていき、それに伴って怒りの感情の制御が利かなくなっている。ただ、変身して戦うにも怒りの感情が爆発したら多分敵味方の区別なく俺は暴れ続けるだろう。それを抑えるためにマドカの新しい力があるのだろうけど昨夜の様子を考えると正直なことを言えばあまり使わせたくない。

 あのアギトとしての姿に関係するかどうかは分からないけど、たぶんここまでに俺が使っているロックシードが変化したのは俺の中にあるアギトの力が一番の要因なんだろう。そうじゃなかったらヘルヘイムに由来するロックシードが変化するのに説明が着かない。

 

 「おい、大樹。手を動かせよ。」(一夏)

 「ん?ああ、うん。ごめんごめん。」(大樹)

 

 完全に手が止まっているところを一夏に注意された。ああ、そう言えば居間のものの整理をしながら考えていたから進行が遅くなっていたみたい。

 

 「どうしたんだ、考え事をして。」(一夏)

 「うん?ああ、まあ。色々。」(大樹)

 

 流石にこんなに手を止めていたら気になるよな。ただ、考えることが多すぎて話しきれないだろうし。たぶん、だけど考えていることを話したらなんとなくだけどお互いに言い合いになって終わりそうだから話さない。そもそも、何が良くて兄弟同然に育った幼馴染みに君の妹とセックスをしている時に気になったことがあってなんて話せるかよ。

 

 「なあ、俺に話してくれよ。」(一夏)

 「大丈夫だって。それほど重たいことを考えていたわけじゃあない。それとそっちは良いのか?一夏だって掃除をしていろって言われてるし。」(大樹)

 「ああ、俺はもう終わったぞ。」(一夏)

 「まじ?」(大樹)

 「おおマジ。」(一夏)

 「マジか。」(大樹)

 「手伝うか?」(一夏)

 「いや、良いよ。」(大樹)

 

 俺は一夏の申し出を断って掃除を再開する。まあ、考えたところですぐに解決策が出てくるわけでもない。ただ、今のままで戦い続けて良いのか。

 なんだかんだする中で掃除は終わった。実際には全部で1時間半くらいで終わることが出来た。

 久しぶりに大掃除になってしまった後片付けに俺はそのままリビングの定位置であるソファーの上にうつぶせに倒れた。

 

 「あ~、動きたくない。何もしたくない。このまま寝たい。」(大樹)

 「久しぶりに皆で大掃除だったもんね。」(マドカ)

 「にしても千冬姉、どれくらい部屋の片づけをしていなかったんだよ。千冬姉だけで洗濯機は一回、ゴミ袋は2つも出すなんてさ。」(一夏)

 「おい、一夏。」(千冬)

 「流石に社会人としてはアウトよ、千冬。もしかして、学園のあなたの寮監室も?」(春奈)

 「それは.............大丈夫だ。」(千冬)

 「今度、真耶ちゃんに聞いてみるわね。」(春奈)

 「それは待ってくれ、母さん!!」(千冬)

 「はあ、ああ、皆は終わったんだ。」(秋人)

 「ああ、父さん。終わったの?」(大樹)

 「うん。ああ、そうだ。大樹、渡したいものがあるんだけど後で良いかい?」(秋人)

 「うん。ちょっと、休憩してから。」(大樹)

 「良いよ。元気になってからで全然大丈夫だから。」(秋人)

 「いや、大樹。今、父さんって言ったのか!?」(一夏)

 「私のことをお母さんって呼んでくれるのよ。」(春奈)

 「はあ!?」(一夏)

 「なあ、大樹。何があったんだ?」(千冬)

 「まあ、ちょっと。」(大樹)

 「いや、絶対にちょっととかじゃないだろ!?」(一夏)

 「一夏のことはお兄ちゃんって呼ぼうか?」(大樹)

 「なんか、それは辞めて欲しい。」(一夏)

 「じゃあ、今まで通りに。」(大樹)

 「私のことは姉さんって呼んでくれるのか?」(千冬)

 「千冬姉ちゃんは千冬姉ちゃん。」(大樹)

 「変わらんのか。」(千冬)

 「もう、良いでしょ。部屋に行くよ。」(大樹)

 「何んにも無いのに?」(春奈)

 「...行くね。」(大樹)

 

 そう言って話を切り上げて部屋に戻るために体を起こしたその瞬間にマドカに手を引っ張られた。

 

 「ん、何?」(大樹)

 「良いから。」(マドカ)

 

 マドカは俺の手を引いて、皆が集まっている今のテーブルの辺りへ移動する。

 

 「皆で写真を撮ろう。」(マドカ)

 「そうね、ちゃんとした写真も少ないし。良いでしょ、秋人君。」(春奈)

 「うん、そうだね。一夏、カメラをお願い。」(秋人)

 「ああ、分かった。」(一夏)

 

 そうこうするうちにリビングで撮影会、なのかな。皆で集まって写真を撮ることになった。

 

 「ほら、大樹が真ん中で。マドカ、腕を組んで。一夏は大樹の隣で。」(秋人)

 「俺、真ん中で良いの?」(大樹)

 「良いから。秋人君、もう良いかしら?」(春奈)

 「よし、タイマーをセットしたから。あと、3秒。」(秋人)

 

 父さん、母さん、千冬姉ちゃんの並びに俺達3人。たぶん、まともな形で撮った初めての写真。その日のうちに印刷をしてリビングのテーブルの上に飾られるようになった写真。満面の笑顔の一夏とマドカに、優しい笑顔の千冬姉ちゃんと父さんと母さん。そして、気恥ずかしい表情で写っている俺。俺にとってただ一つの、たった一つ手元にあるちゃんとした家族写真。ただ、家族で撮った写真で最後に家族全員で撮ったのはこの写真が最後になる。そのことをこの時の俺は、マドカは、父さんと母さんも全く思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side三人称

 翌日、大樹とマドカ、一夏と千冬はIS学園へと戻っていた。何日かぶりの学園で学友たちと触れ合う大樹たちはひと時の平穏を過ごしていた。だが、その平穏もそう長くは続かなかった。

 

 「それでは行くぞ。」(???)

 

 学園と本土を結ぶモノレールが発着する駅が隣接するアウトレットモール、レジデンス。そこに異様な姿をした怪人たちが現れた。

 レジデンスと駅をつなぐ遊歩道に出現した2体のうちの一体はさながら石像のような姿をしており、もう一体は植物がそのまま人型になったような姿をしていた。

 レジデンスの駐車場に現れたのは包帯で全身を包んだミイラのような姿をしており、その傍らに居るのはさながら蛇女と言うべき姿をしていた。

 出現した彼らはレジデンスで破壊活動を始めた。さらには彼らは人々を次々と怪人化させて配下としていた。

 当然ながらこの知らせを聞いた大樹、マドカ、一夏は現場に急行した。

 

 「十三異界覇王か。」(大樹)

 「我の名はマミーレジェンドルガのムンミヤ。我らレジェンドルガの王であるアーク覚醒の儀式の準備をしている。」(ムンミヤ)

 「私はメドューサレジェンドルガのゴルゴンよ。あなたたちも私達の眷属になってもらおうかしら。」(ゴルゴン)

 

 大樹とマドカは駐車場に現れた二体、マミーレジェンドルガのムンミヤとメドューサレジェンドルガのゴルゴンの方へと向かった。2体は既に複数の民間人を怪人へと変容させていた。

 ゴルゴンは蛇状の触手を、ムンミヤは体に巻き付いている包帯を大樹とマドカへと襲い掛からせた。

 

 

 

 

 

 

 「僕はガーゴイルレジェンドルガのガルグイユ。そして、こっちの無口なのが僕の相棒のマンドレイクレジェンドルガのドード。僕たちの王の完全覚醒の儀式の準備をしているんだ。」(ガルグイユ)

 

 一夏は民間人を避難させると出現していた2体のレジェンドルガのガルグイユとドードと対峙した。

 

 「お前たち、無関係な人々を襲いやがって!」(一夏)

 「だって、君達人間は13の魔族で一番弱くて数が多い。他の魔族から見ても君たちは搾取される側だよ?」(ガルグイユ)

 「何!!」(一夏)

 

 ガルグイユたちの凶行に怒りを燃やす一夏。その一夏を見たガルグイユは面倒くさそうにため息を漏らした。

 

 「はあ、君みたいなのが一番面倒なんだよね。そうやって自分たちこそ正義だって疑いもしない。そういう奴こそ僕たちレジェンドルガの一番嫌いな奴なんだよ。」(ガルグイユ)

 

 ガルグイユはそう言うと背中の翼を広げて一夏に向かって猛スピードで迫って来た。それに習いドードは周囲の環境を自分の得意なフィールドへと変え辺り一帯を植物が生い茂る環境へと瞬時に変えた。

 

 「もう良いよ、君。死んじゃいな。」(ガルグイユ)

 

 その冷たい響きは死刑宣告となって一夏に告げられた。

 ガルグイユは鎧の如き硬い表皮を纏った強靭な両脚が一夏へと襲い掛かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、未知の敵に対して彼らはそう簡単に後れを取ることは無い。

 

 ≪ゴールドドラゴンフルーツアームズ!黄龍、アップライジング!≫

 ≪ブルーベリーアームズ!マスティア―オブサファイア!≫

 

 大樹は仮面ライダー輝龍に、マドカは仮面ライダーヴァルキリーに変身して迫りくる蛇状の触手を、包帯を手に持ったアームズウェポンで切り裂いていく。

 

 ≪ソーダ!シルバーエナジーアームズ!≫

 

 一夏は即座に仮面ライダー白銀に変身。バニシングブレードを巧みに使いガルグイユのキックを防いだ。

 

 

 

 

 輝龍は2本の専用アームズウェポンである光龍剣と竜炎刀を構え、ムンミヤの包帯を次々と細切れにしていく。さらに、そこから竜炎刀を投擲してムンミヤの隙を突く。

 

 「ムン!」(ムンミヤ)

 

 ムンミヤは投擲された竜炎刀を払いのける。そこに瞬時に距離を詰めていた輝龍が光龍剣を両手で握り、横なぎに剣を振るった。

 輝龍が振るう光龍剣はムンミヤの肉体を切り裂き、火花が散った。

 

 「グっ!」(ムンミヤ)

 

 腹部を抑えて下がるムンミヤ。そこに輝龍はさらに追撃の攻撃を仕掛けていく。

 右手で光龍剣を振るいながら落ちていた竜炎刀を拾い、次々と攻撃を繰り出していく。

 ムンミヤは両腕で輝龍の攻撃を防ぎつつ体から包帯を伸ばして輝龍を拘束しようとする。

 攻撃の最中に自身を拘束しようとする包帯に注意しつつ、輝龍は強烈なハイキックをムンミヤの頭部に当てていく。

 ゴルゴンは頭部にある蛇の顔を伸ばしてヴァルキリーに猛毒が滴る牙で噛みつこうとする。

 ヴァルキリーは宙を舞い、ゴルゴンの攻撃を躱しながらブルーライフルから光弾を連射する。

 ゴルゴンはヴァルキリーの攻撃を防ぎきれずに何発かその肉体に攻撃を受けた。

 

 ≪ゴールドドラゴンフルーツスカッシュ!!≫

 「ハッ!」(輝龍)

 「くっ!」(ムンミヤ)

 

 輝龍は戦極ドライバーを操作し、光龍剣と竜炎刀にエネルギーをチャージしてムンミヤに連続斬りを放つ。

 ムンミヤは瞬時に包帯を伸ばして攻撃を凌ごうとするが黄金に輝く刃を止める程の力はなく、そのまま肉体に二筋の切り傷が生じた。

 

 「少し、分が悪いわね。退きましょう、ムンミヤ。」(ゴルゴン)

 「そうだな。王の覚醒の儀式の準備はまたの機会とするか。」(ムンミヤ)

 

 ゴルゴンはレジェンドルガの紋章を宙に描くとムンミヤと共に紋章を通ってその場を逃走した。

 

 「新たな十三異界覇王か。」(輝龍)

 「それより、一夏兄さんの所に。」(ヴァルキリー)

 

 輝龍とヴァルキリーは逃走した2体を追うよりもいまだに戦っているであろう白銀の元へ向かうことにした。そして、白銀はガルグイユとドードの連携に苦戦していた。そもそも、扱っている武器の相性から言えば白銀が相手取っているガルグイユは悪いとしか言えず、相棒のドードも周囲の環境を操作して白銀の戦い方を封じるような戦法を取っていた。

 

 「クソっ、大樹と万夏も居れば!」(白銀)

 「無駄だよ。そもそも僕たちの中でも最強のムンミヤとゴルゴンが相手なんだ。あの二人が本気を出す前に人間なんて僕たちの眷属になるか、それこそ死体になるだけだよ。ハハハハハハハハ!」(ガルグイユ)

 

 ガルグイユは一夏の仲間が自分たちの仲間の手で無残な末路を遂げていることを予想してあざ笑った。だが、それに対して白銀はバニシングブレードを持ち直してしっかりと向き合った。

 

 「それはあり得ないな。俺の仲間は、俺の親友と妹は強いからな。」(白銀)

 

 その白銀の言葉に答えるように植物で覆われたその戦闘空間が外側から一気に崩れた。

 崩れた穴から差し込む光に照らされるのは輝龍とヴァルキリーの二人である。

 

 「そんな!ドードが作った空間をいともたやすく!?」(ガルグイユ)

 「強化した武器で斬れば一発だったからな。一夏、平気か。」(輝龍)

 「おう!」(白銀)

 「くっ!ゴルゴンとムンミヤは一体!」(ガルグイユ)

 「あの二人なら逃げたよ。残っているのはあなたたちだけ。」(ヴァルキリー)

 「形成逆転、ってことだ。」(輝龍)

 

 ガルグイユとドードを挟んで輝龍とヴァルキリー、白銀が武器を構える。

 

 「フフフ、アハハハハハ!まあ、良いや。ドード、やっちゃおうか。」(ガルグイユ)

 

 一気に形成が逆転となったはずだがガルグイユとドードは全く持って怯んでいなかった。

 

 「ゴルゴンとムンミヤが撤退したなら君たちは相当な相手ってことだな。なら、手加減する必要はないね。」(ガルグイユ)

 

 そう言うとガルグイユは頭部の口らしき場所から大量の水を吐き出した。その水は瞬く間に輝龍たちの腰までに溜まる。

 

 「レジェンドルガ、それもガーゴイルの伝説の元になった僕の種族はそもそも大量の水を操る龍のレジェンドルガなのさ。ドードの種族はマンドレイクの伝説の元になった奴らで水さえあればどこでも生きることが出来る。僕たちがコンビで居るのは相性がすこぶる良いからだよ!僕の水を吸収したドードは本来の力を発揮する!!」(ガルグイユ)

 

 水を吐き出し続けるガルグイユとその水を吸収し続けるドード。その二人の様子を見た輝龍はその危険性にやっと気が付いた。

 

 「ヤバい!ここから逃げるぞ!」(輝龍)

 

 輝龍のその声にヴァルキリーと白銀が従うもののガルグイユとドードの準備が出来る方が速かった。

 大量の水を吐き出したガルグイユは石像のような姿から文字通り龍のような姿となり、ドードはより巨大に強くなってしまった。

 

 「僕らの王の障害になるであろうお前たちはここで殺す。」(ガルグイユ)

 

 真の姿を見せたガルグイユとドードはあふれる力のまま輝龍たちに襲い掛かる。

 水の中で今までにない程のスピードで襲い掛かるガルグイユ、その巨体とパワーで叩きのめすドード。

 3人はなすすべもなく追い詰められてしまう。

 

 「ぐっ、ここまでかよ!」(白銀)

 「流石に、一筋縄ではいかないとは思ったけど。」(輝龍)

 「もしかして、さっきの二人も?」(ヴァルキリー)

 

 変身が解除される一歩手前まで追い詰められてしまい、どうにか対抗策を考える3人。輝龍とヴァルキリーは新しく手に入れた力のことを考えるもののそもそも目の前の相手がその隙を与えてくれるかどうかも怪しかった。

 

 「じゃあ、終わりだよ!!」(ガルグイユ)

 

 ガルグイユとドードがとどめの一撃を放った。だが、その一撃は繰り出される前に2体が別の方向から放たれた攻撃を防御したことで3人に当てられることは無かった。

 

 ≪スペシャル!ナウ!≫

 ≪ファルコ!ファ、ファ、ファルコ!≫

 

 龍の吐息の如き炎がドードを、ハヤブサのような素早い一撃がガルグイユに迫る。さらに、彼らの戦いの領域になっていた植物の空間が燃え盛る炎の弾丸で消し炭となったのだ。

 

 「誰だ!」(ガルグイユ)

 

 ガルグイユは新手の出現に彼らの名を問う。

 膝をつく輝龍たちの前に3人の仮面の魔法使いが並び立つ。

 

 「あなた方は。」(輝龍)

 「まあ、皆まで言うな!ここからは俺たちに任せな。」(???)

 

 輝龍の言葉に右肩のハヤブサのマントを纏った獅子の如き仮面を被った仮面ライダーが言った。

 

 「大丈夫です。私達は味方です。ファントムの相手は任せてください。」(???)

 

 彼に続くように右手に巨大な爪を帯びた仮面ライダーが言った。その声と背格好から女性と言うのがすぐに分かった。

 

 「俺達が片付けるから君たちは休んでくれ。」(???)

 

 そして、彼らの真ん中に立つ赤き宝石の如き仮面を被った仮面ライダーが言った。その仮面ライダーはガルグイユとドードに向かって左手にはまっている指輪を見せつけるように言った。

 

 「俺達は最後の希望だ。」

 

 彼こそ指輪の魔法使い、仮面ライダーウィザード。彼の仲間である仮面ライダービースト、仮面ライダーメイジ。彼らもまた歴戦を潜り抜けた仮面ライダーである。




 新たな十三異界覇王との戦いで現れたのは魔法使いであるウィザードたちだった。そして、レジェンドルガたちが目指すアークの覚醒とは?戦いの最中で繰り広げられる十三異界覇王同士の戦い。
 新たな展開を迎える戦いに大樹たちは...。
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