IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍 作:柏葉大樹
東京都某所、そこには火星からもたらされたパンドラボックスによって日本が3つの国に分けられていた世界において秘密結社ファウストが使っていた地下施設があった。なお、この世界においてはそんなものはない、はずだった。
「にしても、こういう場所があるのは便利やなあ。」(ゼブラロストスマッシュ)
「そうね。あんな奴らに姿を隠し続けるのは面白くないけど。」(シザースロストスマッシュ)
そのファウストを創設した異星人エボルトの同胞であるブラッド星人の二人、ゼブラロストスマッシュとシザースロストスマッシュ。そして、二人を従えるのは豪奢なローブに鎧の飾りが目を引く蛇の仮面ライダー、仮面ライダーブラッドである。
彼らが居るのは東京都内にある地下施設でそこは異世界においてはファウストの人体実験の研究を行っていた場所であった。彼らは異世界においてはファウストを裏から操っていた黒幕であった。
「我らの王であるキルバス様もこの世界に遠からず来る。その際には我らの本来の力を思う存分に発揮できる。」(ブラッド)
「それにしても伊能さん、王様はいつになったら来はるんです?僕らに先にこの世界を手中を納めてこい言うたんにはあん人は来るのが遅いとちゃいますか?」(ゼブラ)
「また、どこかで面白そうな相手を玩具に戦っているのでは?でも、流石にこのままいるのは面白くはないわね。」(シザース)
1年前、仮面ライダービルドたちに新たな仮面ライダーであるシュバルツを相手に戦った彼らは自分たちの王である十三異界覇王の一人、星滅蜘蛛王キルバスの配下であった。この1年の間に彼らは王であるキルバスがやって来るを待っていたが痺れを切らそうとしていた。
「我らが王、キルバスの到着を待てないか。」(ブラッド)
「伊能さん、流石の僕らも暴れまわりたいんや。少しばかりええとちゃいますか?」(ゼブラ)
「何も全てを壊しはしませんよ?ただ、ちょっとばかり、ね。」(シザース)
数多の星を滅ぼしてきた異星人たちは目の前の貧弱な種族を痛めつけたい欲望を満たしたがっていた。
「構わん。だが、完全に滅ぼすな。キルバス様が手にする為にはすべてを失っては元も子もない。」(ブラッド)
「分かってますって。」(ゼブラ)
「それでは郷原さん、行きましょ?」(シザース)
ゼブラロストスマッシュとシザースロストスマッシュは自分たちの肉体を血色の液体へと変えてその場から居なくなった。
「さて、われらが王は一体どこへ居るのか。」(ブラッド)
ブラッドはそう言うと漆黒のパネルを眺める。
ロシア、チェルノブイリ。かつては原子力発電に関わる産業でにぎわっていた地域だが原子力発電所の爆発事故がきっかけで起きたメルトダウンによりゴーストタウンと化した土地である。現在は人々の生活の名残をとどめながら人間が入る前の自然豊かな姿に戻ろうとしていた。そんな場所に歪な巨大な球体が出来ていた。外観はさまざまな瓦礫やスクラップなどによって作られた醜悪な物であり、無機物であるのにまるで生きているかのような外観をしていた。その物体の近くに異界からの裂け目であるクラックが開き、そこから十三異界覇王の一人であるファブニールが竜人の姿で現れた。
「まさか、こんな場所で戦い始めたのか。ドラス、ネオ生命体はともかくこんなインターネットにも接続されている環境が無いこんな場所でゲムデウスと108が?ゲムデウスはどこでも実体化できる以上はおかしくないが。」(ファブニール)
ファブニールは周囲を警戒してその物体へと近づく。そして、背中に背負っていた薙刀を抜き放ち振るった。だが、ファブニールが振るった刃は物体の表面を多少削っただけでその内部までは届かなかった。
「ドラゴンフルーツアームズの武器でこの程度か。ファブニールアームズに変われば一か八か破壊できるかもしれないが、まだ不安だな。」(ファブニール)
ファブニールはこの物体の中へ入る方法を考えるが現状としては自身だけで何とかするには限界があった。
「大樹。」(???)
その時、ファブニール=異世界の柏葉大樹に声を掛けた人物が居た。
「紘汰、随分と俺にご執心みたいだな。」(ファブニール)
葛葉紘汰、仮面ライダー鎧武その人である。今は始まりの男としての白銀の姿ではなく、かつてこの世界で生きた時の姿で現れたのだった。
「もう辞めろ。魔蛇が何を企んでいるのか分かっているだろ。」(紘汰)
紘汰の言葉にファブニールはその姿を本来の姿である青年の姿に戻った。
「それはそうだ。あいつは全ての並行世界を手にする為の強大な力を手に入れようとしている。俺をはじめとした13人の世界を滅ぼした力を持つ奴らを集めたのはその力を完成させるためだっていうことも知っている。」(ファブニール)
「それがどういうことになるのか分からないのか。」(紘汰)
「すべての並行世界にヘルヘイムの脅威、それも全てを侵食する魔蛇によって滅んでしまう。その危険性を分かったうえで俺は奴に協力している。」(ファブニール)
「なぜ。大樹が元居た世界まで滅ぶかもしれないんだぞ!!」(紘汰)
「その心配はいらない、俺の世界は滅んだからな。」(ファブニール)
そこでファブニールは自分の世界が滅んだ経緯を話し始めた。
「俺のいた世界はこの世界にかなり似ていて、まあアーマードライダーもインベスも最初はいなかったし、他の仮面ライダーも存在しなかった。俺は織斑一夏の幼馴染として過ごしていて、受験シーズンにISを動かした。そこから俺はIS学園へ入学して一夏たちと一緒に学園生活を楽しんでた。ある日、俺は戦極ドライバーを手に入れた。誰かが作ったもので3種類のロックシードと一緒に手に入れた。そこからだった、インベスの、ヘルヘイムの侵略が始まったのは。」(ファブニール)
「お前の世界にも!?」(紘汰)
「不幸なことに、この世界と違ってユグドラシルのようにヘルヘイムを研究して情報統制を行う組織がいないもんだから被害がどんどん広がっていってな。1年もたたないうちに世界の半分がヘルヘイムに覆われた。そうなれば当然黄金の果実が現れる。それをめぐって生き残った数少ない人類が争い始めた。その中で俺の大切な人々がどんどん死んでいった。ある奴は戦地で戦いながら、ある奴は生き残っている人間に裏切られて、ある奴は慰み者にされてインベスたちに襲われて、ある奴は家族と逃げている最中に。気付いた時には俺とマドカだけ残っていた。それで黄金の果実はマドカを選んだ。俺は世界を救うためにマドカと一緒にその力を使おうとした。だけど、それを他の奴らが、俺の兄貴が邪魔をした。マドカは最期に俺に黄金の果実を託して死んだ、俺に生きてと言って死んだ。俺は兄貴を含めた残っている奴らを皆殺しにした。そして、誰の手にもわたらないように黄金の果実を持って他の世界へ渡った。その瞬間、俺の世界はヘルヘイムを燃やし尽くすための核の炎で消滅した。だから、俺を待つ人間も、俺が帰るべき世界もない。」(ファブニール)
ファブニールの言葉を受けた紘汰はかつてのユグドラシルが行おうとしていたことを思い出していた。そして、目の前の相手は紘汰にもあり得たかもしれない世界の終わりを体験してきたのだった。
「その後は、黄金の果実の力を使って俺の世界が続く可能性を探し続けた。それこそ三千世界を超える世界を追体験し続けた。それこそ、生まれてから死ぬまでの80年近くを何度も何度も体験した。その結果な、結局俺の探していた可能性は一切存在しなかった。俺が生きている限り、俺のいる世界は俺が生きているうちに滅んでしまう。俺の愛した者が全て死んで、俺だけが残る結末、それしか俺には示されなかった。だから、紘汰、俺は魔蛇が手にする力を手に入れる。それを使って俺が望まないすべての可能性を消す。俺の愛する者を守るためにな。」(ファブニール)
「大樹!それは違う!そうしても他の世界でも同じことが起きる!!」(紘汰)
「いいや、それはない。なぜなら、全ての並行世界にいる俺を全て消せば良い。それだけでも違うさ。」(ファブニール)
「世界が消えたのは大樹の所為じゃない!」(紘汰)
「だけど、守れなかった。俺には一夏たちが、マドカがいればそれだけで十分だった。彼女たちが死ぬくらいなら俺は最初から居ない方が良い。」(ファブニール)
「大樹、俺は、俺も裕也を、戒斗をこの手で殺した。だから、自分が死ぬなんて選んじゃいけないんだ。」(紘汰)
「紘汰、俺はもうそうやって自分を許すことは出来ないんだ。数多の並行世界を追体験した俺にはそれを許す優しさも強さも残っていない。残っているのは自分に対しての、俺から大切なものを奪った奴らへの激しい怒りだけだ。止めたいなら、力づくでやれ。」(ファブニール)
≪ドラゴンフルーツ!≫
ファブニールはドラゴンフルーツロックシードを開錠する。
それを見た紘汰は悲痛な面持ちでオレンジロックシードを出した。
「大樹、そんなことは俺が絶対にさせない。変身!」(紘汰)
≪オレンジ!≫
クラックから巨大なオレンジの鎧が現れた。紘汰はそのまま戦極ドライバーにオレンジロックシードをセットしてカッティングブレードを倒した。オレンジの鎧が紘汰の頭に落ちてきて、紘汰の体を紺色のライドスーツが覆った。
≪オレンジアームズ!花道、オンステージ!≫
戦極ドライバーから音声が流れるとオレンジの鎧が展開して変身が完了して、紘汰の右手に専用アームズウェポンの大橙丸が握られる。
仮面ライダー鎧武オレンジアームズ、鎧武の基本形態である。
「変身。」(ファブニール)
≪ロックオン!ソイヤ!ドラゴンフルーツアームズ!竜王、オン・バトルフィールド!≫
ファブニールも仮面ライダー炎竜ドラゴンフルーツアームズに変身して専用アームズウェポンの竜炎刀を右手に持つ。
「ここからは俺のステージだ!」(鎧武)
「この戦場、俺が勝ち取る。」(ファブニール=炎竜)
二人の仮面ライダーは駆け出してお互いの武器を振るった。大橙丸と竜炎刀の刃がぶつかり合い、火花を散らした。
面影堂では大樹とマドカが輪島が手掛けた様々な指輪を見ていた。二人でこういった物を見る機会は学生の二人にはあまりなく、さらには二人とも仮面ライダーとして戦っていることもそれに拍車をかけている。なお、残った短い時間を二人の時間としているのだが。
「それでどうだい、この指輪は?」(輪島)
「はい!すごく良いです!ね!」(マドカ)
「はい、俺も良いと思います。」(大樹)
その中で今日は輪島が手掛けた指輪を見ていたのだった。その時に店の扉が開いた音がした。大樹とマドカ、輪島が扉の方を向くと小さい女の子を抱っこした晴人と傍らに共にいる女性が入って来た。
「ふい~。ほら、到着したぞお姫様。」(晴人)
「輪島のおじさん、来たよ!」(???)
「輪島さん、遅くなってごめんね。」(???)
入って来た彼らを見た輪島が声を掛ける。
「お~、良く来たな暦ちゃん。晴人、凛子、遅いぞ。お客さんがお待ちだったぞ。」(輪島)
晴人と共に入ってきた女性は妻の操真凛子と娘の暦である。そして、店にいる大樹とマドカに気付いた晴人は気付いた。
「君達はこないだの。」(晴人)
大樹とマドカは席を立ち、晴人に会釈した。
「さ~て、ほな行くで!!」(ゼブラロストスマッシュ)
東京ではゼブラロストスマッシュとシザースロストスマッシュが破壊活動を始めていた。
ゼブラロストスマッシュは両手の強固な蹄を使って次々とビルを破壊していく。一方のシザースロストスマッシュは全身に隠されているハサミを発射して走行する車を次々と斬り裂いていく。
突如現れた2体の怪人の破壊活動によって多くの人々が逃げ惑う。所々では逃げ遅れた人々が傷を庇いながら、傷を負った愛する者を庇おうとしていた。
「ほら、逃げないと死んでしまうわよ。まあ、逃げたところで皆死ぬのは変わらないのだけど。」(シザースロストスマッシュ)
そして、逃げ遅れた親子に対してシザースロストスマッシュが刃を振り下ろそうとした。その時、どこからかシザースロストスマッシュに向かって2つの弾丸が撃たれた。一方の、ゼブラロストスマッシュには漆黒のコートを纏った何者かが姿を見せて強烈なハイキックを浴びせた。
「なんや、前にあった小僧やないか。」(ゼブラロストスマッシュ)
「1年ぶり、なるか。」(修羅)
黒崎修羅、大樹の中にあった凶暴な別人格が仮面ライダー鎧武=葛葉紘汰によって肉体を与えられた存在である。そして、彼もまた仮面ライダーである。
「へえ、私の相手はあなたたちね。」(シザースロストスマッシュ)
シザースロストスマッシュを撃ったのはかつては亡国機業に所属していた元テロリストのスコール・ミューゼルとオータムのIS乗りだった。
「今度こそは倒す。」(修羅)
≪ビルドドライバー!≫
ハンドルが付いたバックル、ビルドドライバーを装着した修羅はワイバーン型ガジェットのシュバルツワイバーンにワイバーンボトルをセットする。
スコールとオータムはそれぞれトランスチームガンにフルボトルをセットする。
≪イフリート≫
≪タランチュラ≫
修羅はビルドドライバーにシュバルツワイバーンをセット、ハンドルを回す。
≪シュバルツワイバーン!≫
「変身。」(修羅)
「「蒸血。」」(スコール、オータム)
修羅は漆黒の竜人仮面ライダーシュバルツに、スコールは爆炎の魔女フレアミストレスに、オータムは蜘蛛の女戦士であるスパイディアマゾネスに変身した。
仮面ライダーシュバルツは武器を持たずに両手に備わった鋭い爪でゼブラロストスマッシュの頑丈な肉体を切り裂いていく。
「まずはお前からだ、馬野郎。」(シュバルツ)
「返り討ちにするわ、餓鬼!」(ゼブラロストスマッシュ)
ゼブラロストスマッシュはシュバルツに右の強烈なストレートパンチを放つがそれをシュバルツはいとも簡単に躱し、ゼブラロストスマッシュの背後を取ってその背中を爪で切り裂く。
「黙ってろ、馬刺しにするぞ。」(シュバルツ)
「こんガキィ!!」(ゼブラロストスマッシュ)
ゼブラロストスマッシュは大振りの剛腕でシュバルツを叩き潰そうするがシュバルツは敏捷性を活かして瞬時にゼブラロストスマッシュの懐へと入り込み、ビルドドライバーのハンドルを回した。
≪Ready Go!ワイバニックフィニッシュ!≫
「破ッ!!」(シュバルツ)
シュバルツは右手にエネルギーを集めてゼブラロストスマッシュの腹部を殴りつけた。それによってゼブラロストスマッシュの数メートルほど吹っ飛んだ。
シザースロストスマッシュと戦うフレアミストレスとスパイディアマゾネスは長年培って来た阿吽の呼吸で息の合った攻撃を繰り出す。
「くっ!厄介ね。」(シザースロストスマッシュ)
「あらあら、これはまだ小手調べよ。もう終わりかしら?」(フレアミストレス)
「残念だけど、まだ行けるわよ!!」(シザースロストスマッシュ)
シザースロストスマッシュは両手のハサミをフレアミストレスに投げつけるがそれを突如フレアミストレスの前に出来た蜘蛛の巣が絡めとってしまった。
「生憎だが、お前は動いて良いなんて言ってないけどな!!」(スパイディアマゾネス)
スパイディアマゾネスが右手から蜘蛛の糸を放ち、シザースロストスマッシュの動きを封じ込める。
「ごめんなさいね、相手の思うとおりに戦わせないのは定石なのよ。動きを封じるのも先手を取るのも。」(フレアミストレス)
そう言うとフレアミストレスは全身から炎を放出し、それを集めて巨大な火球にする。
「それじゃあ、これを受けたらどうなるかしら。」(フレアミストレス)
フレアミストレスはそのまま火球をシザースロストスマッシュに当てた。シザースロストスマッシュは爆炎に包まれて消滅、その数秒後に赤い液体となって再生した。
「よくも、やってくれたわね。」(シザースロストスマッシュ)
怒りに震えるシザースロストスマッシュは両手のハサミを展開してフレアミストレスとスパイディアマゾネスに襲い掛かる。
「なる程、だからおっちゃんの店に来たのか。」(晴人)
「こないだのお礼を改めてと思って。」(大樹)
「最近、仁藤君と真由ちゃんと一緒に追っているファントムの事件を調べている時に会った子たちなのは聞いていたけど。まさか、その子たちにIS世界王者の織斑千冬の弟と妹がいるなんて。」(凛子)
東京で激しい戦いが起きている頃、面影堂では晴人・凛子夫妻が大樹とマドカの話を聞き始めていた。
「お姉ちゃんはあまりプライベートのことは公表しないので。」(マドカ)
「千冬姉ちゃんの素顔を知ったファンの顔を見てみたいよ。」(大樹)
「それ、お姉ちゃんに言う?」(マドカ)
「言ったらどうなるか目に見えているから止めて。」(大樹)
「柏葉、ってもしかして。」(凛子)
「ああ、10年前の事件のことなら、まあ。」(大樹)
「いえ、お父さんとお母さんを殺した犯人は?」(凛子)
「去年、世界各地で同時多発テロを起こした俺の兄貴です。兄貴よりも遠い親戚でしたが。」(大樹)
「あの、晴人さんと凛子さんって夫婦なんですよね?」(マドカ)
大樹の家族に起きた事件のことが話題が出てしまったことから大樹の雰囲気を察したマドカが話題を切り替えた。
「ええ、それでどうしたのかしら?」(凛子)
「その、私と大樹は付き合っているんですけど夫婦として仲良くする秘訣とかを聞けると。」(マドカ)
その話題の中で面影堂のテレビを見ていた暦が晴人たちの元へ来た。
「ねえ、なんかすごいことが起きてるみたい。」(暦)
そこにはゼブラロストスマッシュとシザースロストスマッシュの破壊活動について速報だった。それを見た大樹とマドカ、晴人の表情が変わった。
「まさか、こんなに傷を負うなんて。」(ガルグイユ)
「古の魔法を扱う相手もいるとは。」(ムンミヤ)
魔界城、レジェンドルガたちの居城であるそこには大樹たちと戦ったムンミヤ、ゴルゴン、ガルグイユ、ドードがいた。彼らのいる大広間には巨大な棺があった。
「我らが王アークの覚醒のための儀式を行うにはあいつらは邪魔ね。でも、本来の力を発揮したガルグイユとドードが傷を負う程の相手なら油断はできないわね。」(ゴルゴン)
「次は最初から本気で行く。それなら奴らだって。」(ガルグイユ)
傷を抑えていたガルグイユとドードだったがその傷が癒えたらしくゴルゴンとムンミヤの元へ近づく。
「指輪の魔法使いがいる、油断はするなと言ってであろう。」(???)
そこにボロボロのローブに身を包んだ怪人が現れた。その姿は皮膚を張り付けた骸骨そのものだった。
「それで、あなたの方の準備はどうなのかしら?ファントムのリッチさん。」(ゴルゴン)
ゴルゴンがその怪人に話しかける。そう、ここに新たに現れた怪人こそが晴人たちが追っていたファントムである。リッチ、高名な魔法使いが死んだ末に変貌するという怪物の名を冠したそのファントムは指揮棒程度の長さだが禍々しい杖を取り出して魔法陣を描いた。
「すでに儀式の準備は出来ている。後はお前たちの方の準備だけだ。」(リッチ)
「それは心配することは無い。各地で集めた半分同化した人間たちがいる。残りも追々集まる。」(ムンミヤ)
「ならば、俺様は流暢に待つとしようか。」(リッチ)
リッチはそう言うと姿を消した。レジェンドルガとファントム、幻想の怪物の祖たる彼らの儀式まであと●●日。