IS×仮面ライダー 炎竜シーズン2 仮面ライダー輝龍 作:柏葉大樹
side3人称
ロシア、チェルノブイリでは始まりの男=葛葉紘汰こと仮面ライダー鎧武が十三異界覇王の一人、ファブニール=仮面ライダー炎竜と激しい戦いを繰り広げていた。
鎧武は最も使い慣れている基本形態オレンジアームズの姿で大橙丸と無双セイバーを使って次々と攻撃を繰り出す。一方の炎竜は武器を合体させてもっとも扱いなれている無双セイバーナギナタモードで鎧武の攻撃を防ぎながら自身も反撃を行っていた。
互いの武器が激突する度に火花が散り、両者ともに一歩も退かない戦いを見せる。
拮抗する戦局に鎧武は大技を放つことで変えようとした。
≪ソイヤ!オレンジスカッシュ!≫
「セイッハー!」(鎧武)
空中からのライダーキック=無頼キックを放ち、炎竜に向かって突進する。対する炎竜も大技で応戦する。
≪ソイヤ!ドラゴンフルーツスカッシュ!≫
「フンっ!」(炎竜)
エネルギーをチャージした無双セイバーを真正面から振るい、紅蓮の斬撃を鎧武に放った。
両者の攻撃が空中で激突して大爆発を起こした。
空中で無頼キックを放った鎧武は体勢を崩しながらも難無く着地する。それを見た炎竜は無双セイバーを振りかぶって鎧武を攻撃する。
鎧武は炎竜の攻撃を躱すと戦極ドライバーに拡張ユニットであるゲネシスコアをセットした。さらに、新世代型のドライバーであるゲネシスドライバーで使用されるエナジーロックシード、レモンエナジーロックシードを取り出す。
≪レモンエナジー!ロックオン!ソイヤ!オレンジアームズ!花道、オンステージ!ミックス!ジンバーレモン!ハハ―!!≫
ゲネシスコアにレモンエナジーロックシードをセットした鎧武は強化形態ジンバーレモンアームズにアームズチェンジした。武器をソニックアローに変えた鎧武はソニックアローによる遠距離攻撃で炎竜を追い詰める。
遠距離攻撃を行うことが出来る鎧武ジンバーレモンアームズに対して、炎竜は次々と来る光の矢を無双セイバーを振るうことで防ぐものの得意戦術である被弾を気にせずに無理矢理距離を詰めての接近戦を行えなかった。鎧武の卓越した身体能力は炎竜の攻撃を軽々と躱してさらには反撃の一撃も迷うことなく放っており、炎竜もそう簡単には戦うことが出来なかった。
≪シークワーサー!≫
だが、炎竜も太刀や大刀を使った力づくの近距離戦闘一辺倒の戦士ではない。新たにシークワーサーロックシードを開錠した。
炎竜の頭上にクラックが開き、そこから抹茶色をした巨大な鋼のシークワーサーが現れた。
≪ロックオン!ソイヤ!シークワーサーアームズ!蒼雷、ライトニング!≫
炎竜は敏捷性に優れた形態であるシークワーサーアームズにアームズチェンジ、無双セイバーからシークワーサーアームズ専用アームズウェポンの蒼雷杖に持ち変える。
「行くぞ、紘汰。」(炎竜)
炎竜はそのまま蒼雷杖を持ってジグザグに高速移動を始めた。
鎧武は炎竜の狙いを即座に理解して、別のエナジーロックシードであるチェリーエナジーロックシードを取り出してレモンエナジーロックシードと入れ替えた。
陣羽織の模様がレモンからサクランボへと変わり、高速移動能力を発揮するジンバーチェリーアームズへとアームズチェンジした鎧武。
常人ではどのように戦っているかを捉えることが出来ない高速戦闘が始まった。
高速移動能力を発揮する鎧武はソニックアローによる斬撃で炎竜を攻撃していく。
炎竜は高速移動能力を発揮する鎧武に対して戦極ドライバーを操作した。
≪シークワーサースパーキング!≫
炎竜は蒼雷杖を頭上で回転させて、杖の石突きの部分を地面に突きつけた。
炎竜の周囲には巨大なシークワーサー型の光球がいくつも地面から出現し、空中へと浮かび上がる。
「ハアッ!!」(炎竜)
炎竜が掛け声を発すると光球は高速移動する鎧武へと次々と飛んでいく。
鎧武も何とか高速移動能力を駆使して躱すものの一瞬だけ立ち止まってしまった。
≪シークワーサースカッシュ!≫
その隙を逃さずに炎竜はシークワーサーアームズの必殺技であるボルトパニッシュを発動。エネルギーをチャージした蒼雷杖の穂先を鎧武に向かって突き出した。
鎧武はソニックアローで攻撃を防ぐが蒼雷杖のエネルギーがソニックアローへと流し込まれソニックアローが内部から爆発を起こした。
「くっ!」(鎧武)
鎧武は寸でのところでソニックアローを手放し、難を逃れた。この攻撃で鎧武も炎竜の本気がどれほどのものなのか窺い知れた。だからこそ、鎧武も全力で応じることにした。
≪カチドキ!≫
オレンジ色の大型のロックシード、カチドキロックシードを開錠した鎧武。新たに出現した鎧はこれまでに見せたアームズの鎧よりも大型だった。
≪ソイヤ!カチドキアームズ!いざ、出陣!エイ!エイ!オー!≫
鎧武の姿はより大型の鎧を纏った最強の極アームズに進化する前の中間強化形態であるカチドキアームズへとアームズチェンジした。
重装甲と高火力を誇るカチドキアームズにアームズチェンジした鎧武は背中に装備されているカチドキ旗を手を取り、炎竜に向かって大きく振りまわした。
カチドキ旗がたどった軌跡はそのまま衝撃波となって炎竜に襲い掛かる。
炎竜は放たれた衝撃波を真正面から受けて、吹っ飛ばされる。敏捷性に秀でているが防御力が低下しているシークワーサーアームズでは強力な上位ロックシードの攻撃はひとたまりもなかった。
「大樹!もう諦めてくれ!」(鎧武)
ここまでの攻撃であればそう簡単には立ち上がれない、そのことを理解している鎧武は炎竜にそう呼びかけた。だが、大きなダメージを受けた炎竜はそのまま立ち上がったのだ。途轍もない怒気を漲らせて、仮面に隠された素顔を憤怒の表情にして。
「諦めろ?そう言ったのか?」
その声音はかなり冷たかった。だが、次の瞬間に放たれたのは燃え盛る爆炎の如き怒声だった。
「ここまで来て諦めるわけないだろ!!」
鎧武に対して怒声を発した炎竜。溢れる感情のままに鎧武に自身の思いを告げたのだった。
鎧武の放った諦めろと言う言葉、生半可に自身を救おうとする気持からの手加減が許せなかった。その思いから自身の前に立ちはだかるのかと怒りを感じたのだった。
「良いか、殺さない限り俺は止まらない、止まるつもりはないっ!!父さんと母さんが、一夏が、箒が、鈴が、セシリアが、シャルが、ラウラが、簪が、楯無先輩が、千冬姉ちゃんが山田先生が弾が蘭ちゃんが、俺のそばで一緒に育った仲間たちが、家族が平和に暮らせる世界を作るためなら俺はどんなことだってする!そして、マドカが、俺の愛する彼女が平穏な世界で、平穏な何不自由のない当たり前の世界で暮らせるためなら、俺はどんなことだってしてやる!!それがどんな地獄を産もうとも!俺は!俺の大切な人達を護るために!今度こそ彼女達を護るためにここにいる!俺のしていることが悪なら喜んで悪になってやる!その果てが俺の死だろうとそんなものに構うものか!!俺の命一つで俺の大切な人達を今度こそ守れるなら本望だ!!」(炎竜)
感情を爆発させて鎧武にぶつける炎竜。
そう言うと炎竜はファブニールロックシードを取り出した。
「葛葉紘汰!俺は十三異界覇王の一角、仮面ライダー炎竜!いや、俺はもう仮面ライダーじゃない、俺の名はファブニール!!黄金の果実を使い、俺の望みを叶えるために怒りの炎を滾らせる覇王!十三異界覇王、獄炎龍覇王ファブニールだ!!」(炎竜)
≪ファブニール!≫
炎竜はファブニールロックシードを開錠したクラックから鋼のドラゴンが現れ火炎を吐いて周囲を炎が燃え上がる戦場へと変えてしまった。
「俺を止めたいなら俺を殺せ!だが、俺は止まるつもりは毛頭もない!!俺が望む世界を作るために!俺の愛する者達が死ぬその時まで平穏を享受する世界を作る!!そのために数多の世界を滅ぼしてもな!!」(炎竜)
炎竜=ファブニールはロックシードをシークワーサーロックシードからファブニールロックシードへと変えて、自身が持つ最強の姿になる。
≪ソイヤ!ファブニールアームズ!邪龍、アウトレイジ!≫
鎧武に向かって攻撃をするドラゴンが炎竜の方へと向き直り、咆哮した。その瞬間、ドラゴンはバラバラになって炎竜に鎧となって装着された。
仮面ライダー炎竜ファブニールアームズ、邪龍の名を冠する憤怒の戦士。他の十三異界覇王と違い、自身の手で自身の世界を滅ぼしたわけではない、その彼が十三異界覇王に名を連ねたのはひとえに黄金の果実の力があっただけ、ではない。彼の中にある自身に向けられる憤怒の炎、これから他の世界を破滅せんとする強い決意がただの人間である彼を人外たちと名を連ねる程の高みへと押し上げたのだった。
邪龍ファブニール、元々は北欧神話にその存在が知られる悪しき龍である。その龍は元は人間だったがラインの黄金と呼ばれる呪いの黄金を発見し、その黄金を我がものとして独占すべく龍へと変貌したのだ。最終的にはファブニールはシグルド、もしくはジークフリートと呼ばれる英雄によって倒される。そんな邪龍の名前を名乗る、それは自嘲と自戒を込めたものである。
おのが望みのために黄金の果実を独占する、彼の中で決してやってはいけないことをした結果として彼はファブニールと名乗っている。それを、目の前で彼と戦う鎧武は知らない。
≪邪龍DJ破断剣!≫
右手に巨大な両刃の大剣、邪龍DJ破断剣を持つ炎竜は背中に備えらえた翼を広げて鎧武に襲い掛かった。
鎧武は咄嗟に戦極ドライバーを操作、カチドキ旗にエネルギーをチャージして炎竜に向かって強化された衝撃波を放つ。
強化された攻撃を邪龍DJ破断剣で切り伏せる炎竜。本来、必殺技級に強化された攻撃を打ち消すのは容易ではない。それを強化されていない武器で成し遂げるということからファブニールアームズの性能は非常に高い。それが怒りの感情でより性能が強化されていくという対峙する相手にとってはまともに太刀打ちすることが出来ないアームズである。
「喰らえ!!」(炎竜)
炎竜は邪龍DJ破断剣を振りかぶり鎧武に向かって邪龍DJ破断剣を振り下ろした。
鎧武はカチドキ旗を交差させて炎竜の一撃を受け止めるもののその衝撃はすさまじく鎧武ごと地面を陥没させるほどの威力だった。
(ここまでの力を発揮できるのかよ!?今ので持っている旗が完全に折れちまった!!)(鎧武)
そして、鎧武が持っていたカチドキ旗が炎竜の邪龍DJ破断剣の攻撃により旗の中程で折れてしまっていた。さらには鎧武本人も動けるものの少なからずダメージを受けていた。黄金の果実を得て始まりの男、神になった彼でも決して軽くはない一撃を受けてしまった。
(一度、距離を取って極アームズに、いや、下手すると大樹を殺してしまいかねない!)(鎧武)
鎧武は炎竜から距離を取るためにその場から跳び退った。炎竜の力に自身の最強の力にして本来の姿である極アームズを使うか迷うもののカチドキアームズの専用アームズウェポンである火縄橙DJ銃を召喚した。鎧武はカチドキロックシードを戦極ドライバーから取り外して火縄橙DJ銃にセットした。
≪ロックオン!一、十、百、千、万、億、兆、無量大数!カチドキチャージ!≫
火縄橙DJ銃の銃口にエネルギーが集まり、そのエネルギーはオレンジ型の巨大な光弾へと変わる。鎧武は火縄橙DJ銃の引き金を引いた。次の瞬間には巨大な光弾が炎竜に向かって放たれた。
≪ソイヤ!ファブニールスカッシュ!!≫
炎竜は戦極ドライバーを操作、赤黒いエネルギーが邪龍DJ破断剣の刀身に集まり赤黒く光る巨大な刃を形成した。
炎竜は向かってくる光弾を強化された邪龍DJ破断剣で両断した。
両断された光弾は二つに分かれて、炎竜の背後にある巨大な球体へと当たって大爆発を起こした。
そのまま、炎竜が鎧武に向かって行こうとした時だった。
光弾を受けて大爆発を起こした球体がひび割れて崩れ出したのだった。球体は構成していた車や建物などの瓦礫へと戻っていき、激しい音を立てて崩れていった。そして、そこから1体の異形が土煙の中で佇んでいた。
背後の変化に炎竜が、目の前のことに鎧武がそこへ注視する。
土煙が止むとそこに十三異界覇王の一人、人工生命体ネオ生命体の戦闘用躯体である怪人ドラスがいた。
「まさか、ダークドライブとゲムデウスが倒されたのか。」(炎竜)
炎竜が聞いていた他の十三異界覇王であるダークドライブとゲムデウスの姿がそこには無かったのだ。そして、その理由もすぐに明らかになる。
「おい、大樹。あいつの腰を見てみろ。」(鎧武)
先程まで戦っていたとは思えない言葉を発する鎧武。炎竜は鎧武の言わんとすることを即座に理解した。
「まさか、取り込んだのか。」(炎竜)
ドラスの腰には仮面ライダードライブが使うドライブドライバーが、左腕にはシフトブレスが装着されていた。そして、ドラスが装着しているものは元はダークドライブが使っていたものである。そのことから炎竜は最悪の事態が起きていることに気が付いた。
「取り込んだってどういうことだ。」(鎧武)
「俺が魔蛇から聞いたのは目の前の怪人がダークドライブとゲムデウス、2体の十三異界覇王と戦っていたことだ。実際に現れたのは奴一人、奴の能力から考えて他の2体は取り込まれた可能性が高い。ドライブドライバーを装着していることから既にダークドライブ、ロイミュード108は吸収されているだろう。」(炎竜)
鎧武と炎竜は目の前にいるドラスを警戒する。そして、ドラスは鎧武と炎竜を知覚するとドライブドライバーのエンジンを始動した。
「恐らく、ゲムデウスも吸収されているだろう。その場合、俺と紘汰で勝つのはかなり難しい。」(炎竜)
炎竜の言葉を証明するように禍々しい金色の剣型のシフトカーをドラスはシフトブレスにセットした。
≪ドライブ!タイプダークネス!トライイーヴィルズ、ユナイト!!≫
ドライブドライバーから軽快な音声が響くとドラスの姿が変化した。その姿はバッタを思わせる有機的なものから仮面ライダーらしいフォルムへと変化した。元となったダークドライブがゲムデウスの体色となりながらもバッタの意匠が色濃く反映されたドライブ版ドラスとでも言うべき姿になった。
十三異界覇王、新生鋼蝗王ドラスは時空氷結王ダークドライブと電脳主神王ゲムデウスを吸収して進化した。新生鋼蝗王仮面ライダードラス、3体の十三異界覇王が一つとなった姿である。
仮面ライダードラスはそのまま鎧武と炎竜に襲い掛かった。
場所は移って、面影堂。そこには戦うための準備を整えた大樹とマドカが店を出ようとしていた。
「行くのかい。」(輪島)
「はい。放っておけないので。」(大樹)
「俺も凛子と一緒に現状を聞いてから向かう。」(晴人)
「それじゃ、後で。行くよ、マドカ。」(大樹)
「うん。」(マドカ)
大樹はロックビークル、ハイビスカストライカーを起動してマドカと共に戦いの場へと向かった。
「ねえ、今度の相手って。」(マドカ)
「分かんない。あの映像だけじゃあなんとも。」(大樹)
「その相手と戦っていたのって、もしかしてもう一人の大樹?」(マドカ)
「まさか。」(大樹)
「遺体はあったの?」(マドカ)
「確認してない。だけど、あいつの体は紘汰さんが作った。残ってなくてもおかしくないって考えてた。」(大樹)
現場へ向かう中でマドカが大樹に黒崎修羅について話しかけた。なお、大樹自身はそう口にした通りに修羅がすでに死んでいたと考えていたが。
「大樹。」(マドカ)
「何。」(大樹)
「最初の前の世界の記憶を思い出した時、本当はもう一人の大樹だったんでしょ?」(マドカ)
マドカの問いに対して大樹は答えなかった。否、答え難かった。だから、答えることが出来なかった。
大樹自身はこの世界で転生したことを自覚している。だが、その直後の記憶というのはかなり朧気であった。実際にはこの世界で最初に目覚めたの人格は修羅だった。その修羅自身は葛葉紘汰によって大樹と別れるまでは自身のことを柏葉大樹と疑わなかった。その間の大樹本来の人格は深層心理の世界において閉じこもっていたのだ。葛葉紘汰の手によって修羅の人格を分けられた大樹はこの世界を生きた柏葉大樹の人格と融合して覚醒したのだ。そのため、大樹自身は転生をした当初の記憶はなく、その間のマドカたちとのやり取りもほとんど朧気であった。
マドカの問いに対して答えられなかったのはそのことを肯定するのはその間の記憶がないということを認めてしまうからだ。
「やっぱり、覚えていないんだ。中学の時に倒れて寝ていた間のこと。」(マドカ)
「はっ!?俺、ええ!?」(大樹)
いきなりのことで大樹はハイビスカストライカーを停めてしまった。
「いや、体調が悪かったのは覚えているけど。ええ!?」(大樹)
「3年生になる前、2年生の時の3学期の終わりに急に倒れたんだよ。覚えてない?」(マドカ)
マドカの問いに対して今度の今度は答えられなかった。何せ、大樹本人は完全に覚えていなかったからだ。自身が覚えていないことで急に話題が出たのだ。それで驚かない方も無理はないだろ。
「お父さんもお母さんも元気になったから大丈夫って言っていたから気にしなかったけど。」(マドカ)
なお、この時のマドカの言葉は聞いてはいるものの大樹本人は「いや、戦いの場に行くのにこんなことを急に話すか!?せめて、他の時に話してくれよ...。」と思っていたが。なお、このことを言ったとしても特にマドカ自身が悪気があったわけでは無いのは大樹自身も分かっている。
「そのこと、さ。終わったら話してよ。なんか、自分の知らない自分の時間があるのは気持悪い。」(大樹)
「じゃあ、すぐに終わらせよ。」(マドカ)
またすぐにハイビスカストライカーを走らせる大樹。なお、この時にはすでに大樹もマドカも意識を切り替えており、その腰には既に戦極ドライバーが装着されていた。
「死に晒せや、餓鬼ぃ!!」(ゼブラロストスマッシュ)
「喰らってろ、馬が!!」(シュバルツ)
≪ワイバニックフィニッシュ!!≫
ゼブラロストスマッシュと戦いを繰り広げるシュバルツはエネルギーを込めた右足でヤクザキックをかましてゼブラロストスマッシュを撃破する。だが、倒したそばから再生復活するゼブラロストスマッシュ。
「全く、何度丸焼きすれば完全に消えるんだよ。」(シュバルツ)
「流石の僕もかなり削られてもうたわ。まあ、いろんな星を滅ぼした僕らを殺しきるのは難しいで。」(ゼブラロストスマッシュ)
驚異的な再生能力を見せるゼブラロストスマッシュ。だが、彼の再生能力の無限に近しいものでシュバルツも攻略の糸口を掴みあぐねていた。
(彼此既に10回は殺した。それでも消耗した様子もなく復活している。このまま攻撃してもじり貧になるか。)(シュバルツ)
なお、現状ではシュバルツ自身は冷静に戦い方を考えていた。無限に近い再生能力を突破する方法自体はそう難しいものではない。相手の身動きや生命活動を制限することと相手が再生出来なくなるまで倒し続けることと再生する瞬間を与えずに完全に消滅させることの3つの方法である。1番目のの方法は大半の者が選択することが多く、3つ目の方法で分かりやすいのは留芽颯斗こと仮面ライダーロードが十三異界覇王の一人である純白鏖殺王ン・ダグバ・ゼバとの戦いで不死身のダグバを倒すためにデッドゾーンオーバーヒートによる超高熱で再生を上回る焼却力で倒したことである。では、なぜ一つ目を選ぶ者が多いのかではあるがそもそも倒せない相手と戦い続けるのはかなりの労力であり、基本は相手を制限、つまり封印することを選ぶことそのものが最善だったりする。2番目のの再生出来なくなるまで倒し続けるという方法はいわば我慢比べである。倒す側は自身の持つ最大限の労力を注ぎ続けなければならず、倒される側の限界が分からなければ自滅という終わりを迎える可能性があるのだ。
不死身の相手と戦う場合には颯斗のように相手を完全に消滅させることが出来る(颯斗の場合、自身も多大なダメージを負ってしまう危険性が非常に高いが)手段があれば容易ではあるものの仮面ライダーブレイドが戦っていた不死生物アンデッドはそもそも倒すことが出来ないためにカードに封印することしか出来なかった。仮面ライダーウィザードの宿敵のファントム、フェニックスは最終的には太陽に叩き込んで永遠に死と再生を繰り返すことで実質的な封印を行った。そのため、再生を繰り返す相手には基本的には封印若しくは完全消滅のどちらかしか対処法は無いと考えていることが多い。
だが、仮面ライダーシュバルツが選んだのはここで挙げた3つの方法の中で最も現実的ではない方法である。
≪ワイバニックフィニッシュ!!≫
「うおら!!」(シュバルツ)
両手の爪にエネルギーを込めてゼブラロストスマッシュを切り裂いた。
「ギャアアアアアア!!」(ゼブラロストスマッシュ)
ゼブラロストスマッシュはまたも爆散するが即座に再生する。そして、再生が終わった瞬間にシュバルツはまたしても必殺技を放っていた。またしても再生するゼブラロストスマッシュに何度も必殺技を放ち続けるシュバルツ。ここでゼブラロストスマッシュはシュバルツの思惑に気付いた。
(まさか、この餓鬼!僕が再生できなくなるまで殺し続けるつもりかいな!?)(ゼブラロストスマッシュ)
シュバルツが取った方法は相手の限界が来るまで倒し続ける、というあまりにも厳しい方法だった。
(それはそうだ。俺にはお前を瞬時に倒すすべはない。封印することも出来ない。なら、倒すなら取る方法は一つだろ。)(シュバルツ)
だが、シュバルツは仮面に隠された口の端を歪に歪ませる。
「さあ、俺が壊れるかお前が壊れるかのチキンレースだ。楽しもうぜ?」(シュバルツ)
「ひぃ!!」(ゼブラロストスマッシュ)
シュバルツの声音に恐怖を感じたゼブラロストスマッシュ。決して、臆することが無かった彼が初めて恐怖を、自分が劣等な種族と思っていた相手に感じたのだ。
(あ、あかん!!こんな奴と戦り続けるのはあかん!!伊能さんと王様に伝えんと!!僕らが戦った仮面ライダーとこいつは違う!!)(ゼブラロストスマッシュ)
ゼブラロストスマッシュは生まれて初めて目の前の敵に背を向けたのだ。背を向けて逃げたのだ。
「おい、待てよ。どこへ行くんだ?」(シュバルツ)
「ヒイイイイイイ!!」(ゼブラロストスマッシュ)
逃げるゼブラロストスマッシュを追うシュバルツ。本来であれば人間を襲う悪の存在であるゼブラロストスマッシュが無様に悲鳴を上げて逃げているのだ。
「全く、散々殺しまくって逃げるなんてな。」(シュバルツ)
≪Ready Go!ワイバニックフィニッシュ!≫
背中の翼を広げて飛び上がったシュバルツはゼブラロストスマッシュの背後にライダーキックを撃ち込んだ。
「ギャアアアアアア!!」(ゼブラロストスマッシュ)
悲鳴を上げて爆散したゼブラロストスマッシュ。今度は血色の液体のままどこかへ消え去った。
「逃げたか。まあ、良い。残っている鳥女の方を殺れば良いからな。」(シュバルツ)
シュバルツはそう言うと別の戦いの場へと向かう。
シュバルツとゼブラロストスマッシュの戦いが終わった時、
「クククク、さあ、俺をもっと楽しませろ!!」(キルバス)
十三異界覇王の一人である星滅蜘蛛王キルバスが仮面ライダー輝龍とヴァルキリーと対峙していた。