「嬢ちゃんをコッチの道に引き込んだのは俺なんだがなぁ、もうすっかりついて行けねぇや」
「それ、客に対する態度?」
「金落とさねぇ奴は客じゃねえ」キリッ
店長と雑談しつつで糸が解れたドレスを縫い直し、クィーンに着付ける
「それじゃあ店長、GBNに潜るね」
「おー、いってら」
こちらを向かず手だけ振る店長の姿を確認し店の奥にある筐体にダイバーギアをセット、その上にクィーンをセットする
(今日はお姉が帰ってくる日だから早めに切り上げなきゃ)
いつも通り見慣れた景色を後にし受付で何時ものように
自作したミッションを受注する。
内容はただの
「クイーン、いくよ」
ハッチを飛び降り、荒れ果てた荒野に着地する
四方から撃たれたビームライフルを避け、一部を切り払い近くにいたダガーに接近し切り捨てる。
囲うように集まるダガー達の攻撃をよけつつ背中の大剣を鞘ごと振るうと、その攻撃に当たったダガーが吹っ飛び爆散する。
その勢いのまま鞘から大剣を引き抜き、返して一振り、斬擊は飛翔し少し離れたダガーを喰らう。
背後から迫ってきた敵に対して鞘を突き刺し、右手の大剣を納刀しつつ切り上げる。
背負い直した大剣の代わりに刀を取り鯉口を切る、接近してきたダガーがビームサーベルを振り下ろす、その横をすり抜けるように刀を一閃
勝利アナウンスが流れる、経過タイムは5分38・・・自己ベストを2秒更新できた
(だいぶ滑らかな抜刀ができるようにはなったかな)
納刀と抜刀を繰り返し、満足できたのでログアウトする
「店長、終わった」
「おー、そうか」
「いつもの糸って、在庫ある?」
「もちろんあるぜ、お客様」
いつも通り500円分の糸を買って店を後にする
「…バトル頑張れよ」
「ストーカーですか、通報しますね」
「あーはいはい捕まる捕まる」
「また来ますね」
「おぅ、またのご来店お待ちしとるぞ」
「だって、レンたんはクイーン使うバトル前日って、いつも服縫い直してるよね」
夕食後、お姉にその話をしたらすぐに答えられた
「え、そんなにしてた?」
「うんうん、してたしてた。しかもやる度に服のクオリティーが上がってるし」
ちなみに、あのお店に行って一戦して糸買って帰ってくるまでが1セットね
なんてこと無いように語るお姉に対して、私の顔が少し赤く染まる
「それだけ思い入れがあるんだから、素敵じゃない?」
ニコッと笑う顔に少しドキドキしつつ、風呂に逃げる私
風呂から上がり、自室に入ると携帯が鳴っていた
髪を乾かしていたタオルを頭に巻き、電話に出る
「もしもし、リサ」
「ご、ごめんね。忙しかった?」
「風呂」
「そっか、ほんとにごめんね」
「次言ったら切る」
「ヒッ…」
「用事は」
「明日は、無理しなく」ブチッ
さて、明日も早いし寝ようかな プルルル
「謝ったら許さない」
「ご、ゲフンゲフン…」
「私が売った喧嘩に、リサが謝る必要は無い」
それに
「
「相変わらずのシスコンだなぁ」
「そうよ、悪い?」
「開き直れるのすごいよね」
「だからリサは、私を応援してくれればそれでいいの」
「…うん、わかった。おやすみ…明日は頑張ってね」
「お休み」