目標:敵の攻撃目標を破壊しろ
地形:宇宙
時間制限:なし
備考:君たちはガンダムAGEは好きかな?
たっぷり火星を味わってくれたまえよ!
メンバー:ソウマ ハレ ヒロト
ガンプラを動かして遊べるゲーム「ガンプラネクサスバトルオンライン」通称GBN。
多種多様なミッション、2000万人を超えるアクティブプレイヤーは程度の差はあれ皆ガンダムファンであった。。
クエストを受けるターミナルにはいつでも人が多く、普通の人間からからケモ耳を生やした人、完全に獣人な人までいろんなアバターが見える。驚くべきは機動戦士ガンダム00に出てくる人気キャラ『不死身のコーラサワー』がいたりする事だろう。
1年前はチートツールの使用者が増えて治安が酷かったりだとか謎のバグが大量にあったりとオンラインゲームとしては大分致命的な状態だった。そこから運営が頑張って持ち直した結果が今の平和な状況である。
プレイヤーが特に減少しなかったのは運営が有能だったこととバグの原因であったELダイバーの処遇を巡ったあの戦いを見て感化されて人が多かったからだろうか。
「私このクエスト行きたい!」
「いや、二人だときついんじゃないかな」
薄ピンク色の髪を長く伸ばしている少女が騒いでいた。綺麗な形をした瞳が怒りによって吊り上がっているがそれでも美人だ。言動は荒っぽいように見えてきている服装はロングスカートの上にジャケットなのはあざといの一言だろう。
逆になだめている男性はぼさっとした髪に野暮ったい服装とそんなに気にしていないのがよく分かる。
こうやって人前で喧嘩するカップルがいる位にはともかく今のGBNは平和だった。
「そのマップこの前いったじゃん! 私はまだ見てないところがいいの!」
「んーそうは言ってもなぁ……今度マギーさんにおすすめのミッション聞いてくるから今日はこっちのミッションで勘弁してくれない?」
「いーやーだ!」
とても平和だった。
「このミッション最低2人からだよ?」
「私とソウマで2人でしょ」
何を当たり前のことを言ってるんだ言わんばかりの表情をする少女に対して
「僕とハレじゃよくて1人分にしかならないよ」
「はぁ? ソウマが半人前で私が1.5人前で合わせて2人分に決まってるでしょ」
「あ、僕が弱いのは否定しないんだ……」
「事実でしょうが」
「そんなぁ……」
情けない声を上げたソウマはその場でうずくまり落ち込んでるアピールをしだす。
アピールされた方はというと特に気にすることなく受け流している。
「要はもう1人居れば受けてくれるんだよね」
「え? まぁフレンドさんに頼めば呼べるとは思うけど今日やれるとは限らないからね」
「分かった」
「分かってくれたら何より……うん?」
顔を上げるともうそこにはおらず既にいなくなっていた。
~10分後~
「マジで連れてきた……」
「一緒にミッション受けてくれる人を探してたら声をかけられた!」
「どうしてまた……」
ハレが連れてきたのは黒い髪を伸ばして後ろで軽く纏めている男だった。
来ている服装もポンチョのようなものを着ている以外に特筆すべき点はない。
だが何より印象に残るのは無機質な目だ。ここを見ているようで見ていない、全てがどうでもいいと言いたげな目。
「俺もそのミッション受けたくて」
(正直怪しいと言えば怪しいんだけど……うーん、これはやるしかないかなぁ)
ちらりとハレを見るとこれから行けるミッションに思いをはせてる様子。
どうにも気が早いがそこら辺も愛嬌と言えるのだろう。
「じゃあ、お願いしようかな。えーと……」
「ヒロトです」
「僕はソウマ、こっちはハレ。短い間だけどよろしく。」
「よろしくねっ!」
「あぁ」
『これでよろしいですか?』
YESボタンを押す。
「よし、じゃあMSに乗ってマップまで行こうか」
「やった!」
「わかった」
GBNには様々なミッションが存在している。数えきれないほど存在するフィールドは同じだけのミッションが存在しており、敵を倒すタイプから採集するタイプまで幅広いミッションがある。
ターミナルから格納庫にコンソールを操作することで移動しそこから自分が作ったガンプラに乗ってゲートをくぐる。
「I have controle. アリオスガンダム
「GNアーチャータオツー、ハレ……」
「出撃するっ!」
「出撃するわっ!」
ターミナルから出てくるのは機動戦士ガンダム00に出てくるアリオスガンダムを青く塗った機体、アリオスガンダム
「じゃあヒロト君と合流しようか」
「おー!」
遠くに青いフライトシステムのようなものにちょこんと座っているガンダムタイプの機体が見える。ガンダムのモチーフは遠目からだと分かりづらいが一番特徴的なのは
「なんか、ちっちゃい?」
「ホントだ、ファストグレードかな?」
「いいな~、今度あれ作ってよ」
「いやいや、僕の腕じゃ無理だって。明らかに下にあるフライトシステム作りこまれてるよ。」
『……どうも』
探していたヒロトの声が小さいガンダムからの通信から聞こえる。
ハレがヒロトの周りを子供のように飛び回る。
『それヒロトの機体?』
『……はい』
『一人じゃ飛べないの?』
『いや……別に……そう……』
『ちっちゃくて可愛いね!』
『……どうも』
「ほら、困らせてるから。早く行くよ」
明らかに陽キャに気おされる陰キャみたいな図が出来上がってるので助け船を出してあげるソウマ。
『まだ見てたいんだけどー!』
「強制合体しまーす」
『ちょっと酷くない!?』
アリオスガンダム
「ヒロト君もごめんね」
『いえ、大丈夫です』
「じゃあ行こうか。ハレもそれでいいよね」
ゲートを超えると視界いっぱいに星空が広がる。
否このディメンションは宇宙戦が楽しめる場所である。
『じゃあミッションスタート』
『いっくよーーーー!』
『いやまだ早いって!?』
進んでいくとこのミッションの敵がセンサーに表示される。いるのはガフランとバクトが2機ずつ、それにゼダスである。ファルシアがいないのは作った人が戦わせたくなかったという事だろうか。
ミッションの名前からしてAGEにでてきたヴェイガンのMSしか出てこないようだ。
アーチャーアリオスがビームをばらまきながら敵陣に切り込んでいく。
(やはりアーチャーアリオスで敵陣に切り込んでいく戦い方か)
パーティーメンバーがどういう戦い方をするのか分からない為後方でアーチャーアリオスが堕とし損ねた敵機を撃っていく。
(GNアーチャーのライフルがソードライフルに変わっているのは接近戦をするからか?)
アーチャーアリオスが敵陣の上に抜けた後合体を解除、ヒロトの予想通りGNアーチャータオツーが混乱が未だ収まらない敵に向かって突撃。両手にもったGNライフルで周囲の敵をどんどん堕としていく。背後からGNアーチャーに近接攻撃を仕掛けてくる敵に対してアリオスガンダム
『いい加減学んでほしいんだけどな……!』
今回のミッションは相手の拠点にある攻撃目標を破壊することである。
戦力は十分とは言い難い、がアリオスガンダムの元々のコンセプトは変形した状態での拠点強襲である。今回は背後にミサイルポッドとGNキャノンを装備したいわゆる最終決戦仕様になっている。
GNアーチャーの装備はGNライフルが接近戦をすぐに仕掛けに行くハレの為にGNソードライフルになっている以外は変わっていない。しかし操縦技術があるため中々被弾せず大きい戦力になる。
そしてソウマ達は知らないがヒロトの機体コアガンダム……アースリィーガンダムはヒロト自身の操縦技術と優れた機体性能で元々トップランクのフォースに所属してた強さを持っている。ソウマが想定していた戦力を大きく超えるポテンシャルを秘めていた。
『これなら二人だけでも良かったんじゃない?』
「バカ言うな、まだ1wave目だぞ。これからだって」
結果として余裕をもって最初を突破することができた。
そのまま2wave目に突入する。
敵はさっきもいたガフランとバクトにアセム編からヴェイガンの主力機になったドラド、それにゼイドラだ。敵の数が増えている、が。
『余裕じゃない』
「…………そうだね」
『私達だけでよかったんじゃない』
「それはヒロト君に失礼でしょ。ヒロト君もごめんね」
「いえ、大丈夫です」
割と余裕目に突破。3wave目に突入する。
敵はドラドに加えて赤いギラーガ、青い巨体が特徴のザムドラーグが出てくる。
「……これは流石におかしくないか?」
『あぁ、クエスト情報の難易度と比べると敵が弱すぎる』
『二人とも気にしすぎだって!』
3wave目
「いやレギルスもダークハウンドも弱すぎでしょ」
『この流れで行くと次に待ってるのはヴェイガンギアか?』
4wave目。
ついに見えるようになった敵の拠点。
そしてそれを守るようにこのミッションのボスが現れる。
細長い胴体に悪魔のような翼を持ったMA。そのシルエットはドラゴンを思わせる。
その名はヴェイガンギア・シド。『機動戦士ガンダムAGE』のラスボスにあたる機体である。
『あーヴェイガンギア・シドか』
『敵が何かなんて倒せば全部一緒だってば!』
『ちょっと!?』
ハレがGNアーチャー桃を駆って突っ込んでいく。
ヴェイガンギア・シドが吠えるように動くと翼からビームがばらまかれる。
『そんな弾幕っ!……ってうぇええ!?』
弾幕を華麗に避けていくGNアーチャー桃だが避けたはずのビームが弧を描いて追尾してくる。必死に回避行動をとるも徐々に追い詰められていく。
『ほら言わんこっちゃない……!』
アリオスガンダム蒼が追い付いて肩についてるGNシールドで防いでやる。
原作本編ではパイロットが強かったために使われなかった機能ではあるが本来の使い方だ。何でシールド使わないで済んでるんだろう。
『このッよくもやったわね!』
お返しと言わんばかりにビームを撃ち込んでいく。
巨体のヴェイガンギア・シドは動かない。
命中する。
無傷。
あまりの無敵さにカキンとした音が聞こえたようだった。
『ヴェイガンギア、堅かったとはいえ無傷とかどんだけ装甲盛ったんだよ……!』
「それなら……コアチェンジ、ドッキング・ゴー!」
コアガンダムが乗っていた飛行ユニットのパーツごとに空中で分解されコアガンダムの周りに集まっていく。まずは足に次に手にパーツが合体していく。
装甲が全て合体した時、青い装甲のガンダムが現れる。
名はアースリィーガンダム。ヒロトが作ったコアガンダムを中心としたアーマー感想システム、プラネッツシステムで最初に作られた機体である。
『凄い! 大きくなった!?』
『ギミックすごいな……』
アースリィーガンダムがビームライフルをチャージし始める。
『あれは……僕たちでヒロトのカバーするよ!』
『了解!』
飛行形態に変形したアリオスガンダム蒼がビーム弾幕を避けながら牽制としてGNミサイルをばらまく。
大半のミサイルは撃ち落されるがそれでも何個か命中する。
それでも大したダメージは与えられていない様だった。
(ミサイルは効いてるのか……? )
それは戦闘宙域で弾幕を派手に避け続けてる二人は気づかず少し離れた所で落ち着いて見れてるヒロトだからこそ気づけた事。
「チャージ完了」
激流のような光がビームライフルから溢れ出てヴェイガンギア・シドを飲み込む。
『やったか!?』
『本当に余計な事ばっかり学んでるな!』
ビームが放たれ終わって機械仕掛けのドラゴンの姿が見えるようになる。
それは異様な光景。全くの無傷。
『そんな……嘘だろ……』
『今のをもっと撃ち込めばいいんじゃ!』
「いや……俺はこのまま攻撃目標に向かう」
ヒロトはそのまま機体を反転、戦闘空域を抜けていく。
『はぁ!? ちょっとソウマ! ヒロトを止めないと!』
「いや、あの攻撃が最大威力だったとしたら僕たちじゃどうしようもないって! だからなるべく時間を稼ぐよ!」
他のパーティーメンバーを囮にコアガンダムを敵の拠点に向かって飛ばしていくヒロト。
攻撃が効かない相手に時間を稼ぐことになった二人。
だがもう一つタイムリミットが存在していた。
ヴェイガンギアが尻尾の部分から極大のビームを吐き出す。
原作を知らないがゆえに初見殺しになるそれを持ち前の反射神経で避けようとする、が
GNアーチャーの動きがいきなり鈍る。
『しまっ……!』
「危ないっ!」
アリオスガンダムが射線からどかしてくれることで事なきを得た。
「エネルギー不足か……!」
『こうなったら突撃するしかないんじゃない!』
「いつもそうしてないか……? でもそれしか手は無いか」
二人が合流し再び一つの飛行形態に変形する。
「それじゃあ」
「行くよ」
「「TRANS-AM!」」
機体が赤く染まる。
性能が一時的に増したアーチャーアリオスが宇宙に赤い線を描いていく。
最早機体の動きを捉えるのは人の目では不可能だろう。
弧を描くいくつもの線が宇宙を彩った。
ヴェイガンギア・シドに向かって突撃する!
「あ」
「あ?」
突如としてトランザムが解除される。
追ってきたビームに取り囲まれ次の瞬間爆発した。