Q月F日
あれから俺はZEXISを尾行していた。
理由としてはカミナの弟分のシモンが気になったからだ。
あのチミルフという獣人との戦いでカミナが死んでしまい、その原因が自分にあると考えて落ち込んでいないか心配だ。
俺自身、あの戦いでまだ未熟であることを思い知った。
明鏡止水の心を会得できたからと、心の中で浮ついていたのかもしれない。
そんな自嘲気味で尾行していると、ダイカンザンから発進する小さな機影が見える。
小さな機影はラガンだった。
後をつけよう。
後をつけて見れば、ラガンは2機のガンメンを容赦なく攻撃していた。
その攻撃は憎しみや怒りをぶつけてるように見える。
あれは駄目だ。
あんな戦い方は自分も傷つけるはずだ。
とはいえ、俺がシモンに近づいて言っても意味はないかもしれない。
だからとって見過ごすわけにはいかない!
そう日記に書き記して閉じる。
「くそ!くそ!どうして動かないんだ!ラガン!!」
レバーを何度も操作するも、ラガンは動くことなく機能を停止していた。
「これじゃ兄貴の代わりに……誰だ!」
後ろ近づいてくる足音に気づいてシモンは振り返る。
近づいてきたのは紫の武闘着を身に纏い、顔を布で隠す男だった。
「……酷い戦い方だな」
「誰だよ、あんた?」
「私は君たちがUGと呼ぶ者だよ」
目の前の男があのUGのパイロットであることに、シモンは驚くも興味がない様子だった。
「……何の用だよ?」
「何、あの男が後を託した弟分があんな酷い戦いをしていたからな。流石に見過ごせなくてな」
「……あんたには関係ないだろ」
「確かに関係ないな。それにしても………あの男も哀れだな」
「……どういう意味だ?」
尋ねるシモンの声には少し怒気が含まれていた。
「哀れとしか言えないだろ。後を託した弟分がこれでは奴は無駄死になってしまうからな」
「ふざけるな!」
カミナを侮辱するジンに、シモンは怒りを露わにして掴みかかる。
「ふざけるな……か。なら、今のお前は何だ!?」
「っ!?」
「あの男がお前に託したものは何だ!ただ怒りと憎しみのままに獣人と戦うことか!」
「そ、それは……」
ジンの言葉にシモンは動揺して掴む力が弱くなる。
「あの男が託したものはそんなくだらないものじゃない。それはお前が一番わかるはずだ!」
「う、うるさい!お、お前に……お前に兄貴の何がわかるんだよ!」
「わからんさ!だが、一つだけわかることはある」
ジンはシモンの目を見ながらカミナのことを思い返す。
「あいつは強い信念を持つ熱い男だったことだ」
「…………」
「短い時間だったが、それだけは俺にも分かった。シモン、そんな男がお前に託したものをもう一度思い出せ」
「兄貴が俺に託したもの……」
ジンの言葉に考え出すシモン。
「さて、私はお暇するよ」
そう言うやいなやジンは立ち去ったのであった。
「何だよ……兄貴が俺に託したものって……あれは?」
ジンの言葉が未だに頭に残る中、シモンは白い箱を見つけた。
Q月G日
うむ………熱くなりすぎた……。
思い返すとやっぱり思うよ。
自分でもわからないくらい熱くなりすぎました。
いやはや……何か似合わないことしたな。
あれからバレない様に尾行すると、ZEXISにガンメン部隊が攻撃を仕掛けてきた。
迎撃のために各艦から機体が発進してた。
あれ?何か……数が少ないか?
発進した機体の数は何故か少なかった。
何かトラブルがあったのかな。
そう思って様子を見ると、耳鳴りの音がする。
次元獣かと思ったら、見たことない生物だった。
何だあれ?
突然現れた生物にZEXISはこれも迎撃していた。
そんな中、状況はさらに混乱し始めたよ。
ZEXISの戦艦が敵前逃亡したら、今度はニュースになっていた紅いダンクーガが現れたよ。
紅いダンクーガはZEXISのダンクーガと戦い始めた。
二機のダンクーガの戦いは激しく、両者は一歩も引かなかった。
ところが紅いダンクーガの一撃に、ZEXISのダンクーガは様子がおかしくなった。
見ていてちょっと心配だな。
何が起きたかわからないが、新たに現れた黒いダンクーガに何か言われたようだ。
やられていたダンクーガは黄金に輝きだす。
そして、そのまま紅いダンクーガに突撃するやまるで野生の獣のように攻撃し始めた。
その攻撃を受けた紅いダンクーガは、形勢不利とみて離脱した。
いや~見ていてこっちはちょっと怖かったよ。
あ……黒いダンクーガも離脱した。
離脱した黒いダンクーガに入れ替わるように、先程の生物がまた現れた。
ZEXISは新たに現れた生物に臆することなく、それどころかシモンに何か言葉をかけていた。
お!?もしかして……これは?
仲間たちの言葉にシモンは闘志を取り戻し、グレンと合体してグレンラガンになった。
これならもう大丈夫だな。
さて、こっちも移動しますか。
再び合体したグレンラガンを見た俺はこの場から移動するのであった。