遂に始まる再世編!
間に幕間を挟もうか悩みましたけど、このまま再世編を書くことにしました!
というわけでどうぞ!
第27話
破界の王であるガイオウによって引き起こされたこの戦乱を、人々は“破界事変”と呼んだ。
この破界事変から大きな変化が起きていた。
黒の騎士団、ソレスタルビーイング、コロニーのガンダムといった反政府組織の壊滅。
暗黒大陸では早乙女研究所で倒されたはずの真ドラゴンが姿を現した。
しかし、真ドラゴンを恐れた政府の強硬手段によって次元境界線が歪曲してしまった。
何故そうなってしまったのか、詳しい事情は一般市民には知らされていない。
その後に設立された地球連邦によって世界は平和へと進むと思われていた。
「まったくどうしてこうなった……」
ゴビ砂漠にある収容所でジンは嘆いていた。
ジンは陰月でのガイオウとの戦いの後、動けるまで再生したマスターガンダムで地球に戻っていた。
それからは機体が再生するまでの間、療養もかねて世界を見て回っていた。
そして、近くの街をうろついていたら治安独立部隊の“アロウズ”に、怪しいという理由だけでここに連れてこられた。
「確かに身分を示す物はないけど………何も調べずにって酷いな」
ここにはジンと同様に無実の罪でここに連れてこられた人が何人もいる。
今後のことを考えていると、向かいの独房に青年が入れられた。
「待ってください!話を聞いてください!」
青年は軍人に呼びかけるも、軍人は無視してここを出ていった。
「そんな………どうして……」
青年は膝をついて頭を抱え、自分の身に起こったことを理解できないでいた。
「あ~そこの青年君?」
「え?ぼ、僕ですか?」
「君だよ。それで、君も何かやってここに連れてこられたのか?」
「違います!僕は何もやってません!」
そうして青年“沙慈・クロスロード”は少しずつ話してくれた。
彼はコロニーの建設作業員として働いていた。
その職場の同僚が反連邦組織“カタロン”の構成員だったらしい。
沙慈はその同僚と仲が良かったから、お前もカタロンの構成員だろという不確かな理由でここに送られたようだ。
「なるほどな。それは酷い話だ」
冤罪ここに極まりない話だ。
「どうして……どうしてこうなったんだ……」
「まあ、色々と事情があるみたいだね。話してくれないか?」
それからジンは沙慈の話を聞いていた。
彼の肉親がソレスタルビーイングについて調べていたせいで亡くなり、恋人もソレスタルビーイングの攻撃によって両親を亡くしてしまった。
そんな沙慈は恋人との夢のために宇宙に上がっていたようだ。
「(話を聞く限りどう考えてもカタロンの関係者とかありえないな)」
「すいません。こんなこと聞いてもらって」
「構わないよ。……沙慈君、その思いは一度吐き出したほうがいい」
「え?」
「そうした思いは吐き出すんだ。何でお姉さんが亡くなり、恋人が傷つかなればならなかったと。そうしないと、いつか後悔するかもしれないからね」
我ながら恥ずかしいことを言った思い、頭を搔いていると軍人がジンの独房の前に軍人が歩いてきた。
「出ろ」
鍵を解錠して鉄格子を開けると短く告げる。
「沙慈君、大切なのは諦めないことだ。諦めなければいいことがあるはずだ」
「喋らずについてこい!」
軍人はジンを殴って黙らせる。
「ジンさん!」
ジンは手で制し、問題ないと言わんばかりに親指を上げる。
そして、ジンは軍人にある一室に連れてこられた。
「それでこれから取り調べしてくれるのか?」
「いいや、その必要はない」
軍人の手には拳銃が握られていた。
「貴様はカタロンの構成員として処刑することが決まった」
「はぁ~ここまでくると腐りきっているな」
取り調べもせずに処刑するという事実に、ジンはどうしようもないと嘆いていていた。
「言いたいことはそれだけか?」
「なら一つ。舐めるな!」
軍人が銃を撃つ前にジンは接近すると、拳を鳩尾目掛けて強烈な一発を入れた。
「がっ!?」
軍人はあっさりと気絶してしまった。
「さて、どうするか?」
あのまま撃たれるわけにはいかないので抵抗したが、この状況を見られたら確実にテロリスト扱いされるはずだ。
ところが考える暇もなく、収容所の外から爆発音が聞こえる。
窓があるのでこっそりと覗いてみる。
外ではアロウズのMS部隊にソレスタルビーイングのガンダムや黒の騎士団の紅蓮弐式と無頼、他にコロニーのガンダムやATに黄色のブラスタが戦っていた。
他にもカタロンのMSが収容所に攻撃を仕掛けている。
「沙慈君のことは気になるが、今はここを逃げるか」
ジンはアロウズが外の戦闘に気を取られている隙に、この収容所からこっそりと逃げだすのであった。