カタカタッと窓ガラスが風で叩かれる音が鳴る、窓から入ってくる隙間風が部屋の空気を冷やしていく、それによって部屋の隅で気を失うように壁に寄りかかりながら目を閉じていた男が目を覚ます。
男が外へと目を向けると太陽が沈み、月が上がってくるのが見える。
「…」
男は東側の空に浮かぶ"赤い月"を見てまるで忌々しいものを見たように顔を顰める。
しかしその言葉とは裏腹に一向に男は月から目を離そうとしない、するといきなり部屋の扉が乱暴に開かれ、陽気な声が部屋の中に響く。
「おい小僧、生きてるかぁ!今日も今日とて追い出されたから泊まりに来たぞゥ」
入ってきたのは、適当に伸ばされた燻んだ金髪に体の至る所に傷が入り眼帯をつけた、おおよそ堅気の人間とは思えない風貌の初老の男がズカズカと部屋に入ってくる。
それに対して男は手を頭に当てながらため息をつく。
「ハァ、またか、ロバーツのおっさん、今月で何回目だよ、まさかとは思うが収入が無くなったから追い出されたとか言うんじゃないだろうな……」
「流石にそれはないぜ、坊主ただ仕事終わりに酒を飲んでいたら『たまには飲むのをやめろ!』って言われてそのまま追い出されちまった、こちとらそれだけが人生の楽しみなのになぁ、酷いってもんだぜ、そう思わないか?」
「さっきから小僧って言い過ぎだ、もうそう呼ばれる年齢じゃないし、俺にはアルバって名前がある……あと酒に関してだが、俺も飲み過ぎという意見には同感だ、おばさんも心配するぞ、顔を見ろ顔を全く、どれくらい飲んだのか」
男、アルバは呆れ混じりに返事をする。
「へいへい、全く、いつも俺の後ろにひっついて歩いていたガキがもうここまで成長しちまったか…にしても19年前か…」
それに対してロバーツは苦々しい顔をして、 何かを言い淀み。
「赤い月が現れたのは」
そして言い切った。
「俺はあの日、中東で発生した紛争を鎮圧し
て帰ってきたばかりだった、その時だ、空にあの赤い月が現れたのは、それと同時にどこからともなく異形の集団が現れ世界中はパニックに陥った」
そこで瓶を傍らに置いて一呼吸おき、夜空を見上げながらまた話し始める。
「アメリカを中心として即席の部隊を編成し異形の集団の討伐に動くが、銃で撃とうが、爆撃しようが、奴らを倒す事ができずに最終防衛地点も突破されちまった…それで」
そしてアルバを見ながら懺悔するかのように呟く。
「それで、撤退中に見つけたんだ、赤ん坊の頃の坊主に覆いかぶさりながら死んでいたお前の母親をよ…それで、俺は…俺は…」
「その話は何度も聞いた、ロバーツ、あんたは酔うといつもその話しか…おい、おい?…寝てるのかよ」
眠りながら話し続けるロバーツに適当に毛布を投げながら自分自身もベットに身を投げる
次第に瞼が重たくなってくる、周りの景色が朧げになってくるのに対し、嫌なほど淡く輝く赤色が瞼に焼き付いて離れなかった。
初めまして、凄い案山子です!昔からネットに作品を上げたいなと思いながら自信がつかずに早数年、ドキドキしながら初投稿してみました、今まで、アドバイスとかも受けたことがないので、辛口評価でアドバイスしてもらえると嬉しいです!それでは次話で会いましょう!