星のカービィ Wish in the Symphony   作:テンカイザー

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まさかの連続投稿!
やっぱ土日は執筆意欲が湧く!

それと、ようやくLOST SONG編2章始まりましたね。
ちなみにこの作品は、LOST SONGの前日談となっております。なのでanother組は出さない方針で行きたいと思います。


十一星目 不死鳥の依代

 ダイナブレイドが逃亡した後、一同はF.I.S.研究所へと集まっていた。

 

「まさか、あなたたちが来ていたとは……」

「えぇ、久しぶりマム」

 

 マリアの相変わらずの様子を見たナスターシャは、そっと微笑みを零す。

 だが、ナスターシャの目は、すぐさまマリアたちの背後にいるカービィたちへと向けられる。

 

「それで、彼らは……?」

「それも含めて、今回私たちが来た理由を話すわ」

 

 そしてマリアは、ナスターシャにことの全てを話した。

 

 ディメンションホールの発生……

 カービィたちとの出会い……

 ギャラルホルンの未知の反応……

 

「なるほど、こことは異なる次元を繋ぐ穴ディメンションホール、それの発生に伴うリーパーたちの出現にギャラルホルンの異常な反応、そしてディメンションホールを通じてこの世界に迷い込んだ異星人たち……」

 

 異星人の出現という、今まで経験のない事態に、ナスターシャは最初ほんの少しばかり疑惑を向ける。

 だが、マリアたちが自身にそんな出鱈目を言う筈がないのを、彼女はよく知っている。故に、疑惑はすぐに消えた。

 

 すると、一同はメタナイトへ目を向ける。

 

「それで、あなたは一体何者?」

「あぁ、そう言えばまだであったな。私の名はメタナイト、カービィとは同郷の者だ」

「やっぱりなんだ……」

「まあ、頭身がこれだしな……」

「……こんな頭身で悪かったな」

 

 どうやら響と翼に言われたことは、メタナイトの胸に相当刺さったようだ。

 

「そういえば、メタナイトはどうやってここに来たの?」

 

 するとそこで、ワドルディはメタナイトに問う。

 

「あぁ、私はカービィを探すためにポップスターの各地を回っていた。だがその途中、突然異界の穴が現れ、不覚にも私はアナザーディメンションへ吸い込まれてしまった。そして気づけばこの世界にいた」

 

 メタナイトは内心不甲斐なさそうに語る。

 

「ふむ、やはりお前もカービィたちと同じ経緯か。だが、何故こうもカービィと同郷の者ばかり現れるのだ?」

「さあな……?元々アナザーディメンションは様々な次元が乱脈したとても不安定な空間だ、何が起きても不思議ではない」

 

 この場でアナザーディメンションについて一番知っているのは、カービィたちだ。

 だが、そんな彼らでもアナザーディメンションについて全てを理解している訳ではない。

 

「だが妙だ、本来ディメンションホールは自然に開く物ではない。開くにはそれ相応のエネルギーが必要のはず。それに君たちの話によればこの世界だけでなく別の世界でもほぼ同時期に発生している。どう考えても異常だ」

 

 メタナイトは今の現状から、只ならぬ予感を感じていた。

 複数の世界でのディメンションホールのほぼ同時期の発生……

 これは彼らでさえ経験のない前代未聞の事態だ。

 

「それはともかく、あの鳥について聞かせてくれないだろうか?」

「そうです……ッ!あの鳥は一体……!?」

「セレナ……?」

 

 翼が鳥の話を持ち出した途端、異常に反応したのはセレナだ。

 セレナの慌ただしい様子を見て、マリアは違和感を抱く。

 

「ナスターシャ教授、雛鳥のメディカルチェックが終わりました」

「ぴぃー」

『―――ッ!?』

 

 すると、研究室の扉から研究員が入って来る。

 研究員の隣には、あの雛鳥が一緒に歩いて来ている。

 

 雛鳥を見た途端、カービィたちは驚愕する。

 

「ダイナベイビー!?君も来てたのッ!?」

「ぴぃ?……ぴぃー!」

「ぽよっ!?」

 

 雛鳥改め、ダイナベイビーはカービィを見た途端、真っ先に彼の元へ走り出す。

 そしてそのまま、カービィにべったりとじゃれついたのだ。

 

「あの鳥は……?」

「ダイナベイビー、私たちが先ほど戦った鳥、『ダイナブレイド』の子どもだ」

「―――ッ!?やっぱりッ!」

 

 メタナイトの言葉を聞いた途端、セレナはメタナイトに詰め寄る。

 

「あの大きな鳥は、やっぱりあの子の親なんですねッ!」

「セレナ、落ち着きなさい」

 

 マリアはそっとセレナを宥める。

 セレナも冷静さを取り戻した。

 

「……ごめんなさい、取り乱しちゃいました」

「セレナ、教えてちょうだい。あの鳥と一体何があったの?」

 

 マリアの問いに応えるべく、セレナは全てを話す。

 

 ダイナベイビーとの出会い……

 彼が誰かに拷問されていたかもしれないこと……

 そして、必ず親と会わせると約束したことを……

 

「なるほど、それであんなにあの鳥と戦うのを躊躇っていたのか」

「はい、あの子はずっと寂しかったんです。独りぼっちになって、誰かに酷いことまでされて、だから私は、あの子を早く親に会わせてあげたかったんです」

「セレナ……」

 

 セレナの思いは、全員の心に染みじみと伝わっていた。

 彼女がダイナベイビーのためにどれだけ必死だったかが、よく理解出来る。

 

「そうか、君がダイナベイビーを保護してくれてたのか」

「……へ?」

 

 突然メタナイトが言ったことに、セレナは唖然とする。

 

「えぇーっ!メタナイト、ダイナベイビーに会ってたの!?」

「あぁ……」

 

 ワドルディの驚きながら質問に、メタナイトは自然と答える。

 

「私が最初この世界に迷い込んだ時、私はこの研究所の近くの森にいた。そこでダイナベイビーを見つけてな、まるで何かから逃げて来たかのようだった。その時、私はアイツについていた首輪を斬った」

「え?あなたが斬ったんですか!?」

 

 ダイナベイビーに付けられていた首輪は、当初リーパーたちに破壊されたと思われていた。

 意外な事実が判明し、セレナは呆気に取られる。

 

「だがその後、ダイナベイビーは逃げてしまってな、後を追おうとしたが、リーパーたちに足止めを喰らってしまった。その後すぐに追いかけたが、既にその時は姿を消していた。恐らくその時に君が保護してくれたのだろう」

「はぁ……」

 

 メタナイトはセレナを向きながら答える。

 一方でセレナは、あの日あの場所にメタナイトがいたことに驚いている。

 

「それで、あの鳥……ダイナブレイドと言ったか?あれはなんなのだ?」

「ダイナブレイドは、我々の故郷に住む巨大怪鳥だ。普段はおとなしいのだが、子どものことになると手がつけられなくなるものでな……」

 

 仮面越しでわからないが、メタナイトは苦笑いを浮かべていた。

 

「その巨体怪鳥と雛が、何故この世界に……?」

「それは私にもわからない。だが、今の状況から見るに、恐らく彼女らも我々と同じくアナザーディメンションを通じてこの世界に迷い込んだのだろう……」

 

 メタナイトの言ったことに確証はない。

 だが、確かに今の事態を見てみれば、彼の推測が一番妥当である。

 

「だが、あの炎に包まれた姿はなんだ?あんな力、以前のヤツにはなかった筈だ……」

「それは恐らく、フェニックスの羽によるものでしょう」

 

 メタナイトが提示した疑問に、ナスターシャが応える。

 

「フェニックスの羽……?」

「フェニックスの羽とは、こことは別の研究機関にて研究されていた聖遺物です」

 

 ナスターシャは、マリアたち並行世界の装者たちに向けて説明する。

 

「もしや、あの時スフィアローパーが落としたあの羽か……!?」

 

 翼はスフィアローパーを撃破した後、チラッと見えた赤い羽のことを思い出す。

 あの時はすぐにダイナブレイドが現れたため、気にしている余裕がなかったが……

 

「けど、なんでそれをスフィアローパーが……?」

「先日、この聖遺物を保管していた研究所がスフィアローパーたちに襲撃を受け、その時にフェニックスの羽を奪われてしまったのです。今回あなたたちが戦ったのは、その時現れたのと同じ個体だったのでしょう……」

 

 ナスターシャの説明を聞き、メタナイトはスフィアローパーとの戦いを思い出し、一人で納得しだす。

 

「なるほど、やはりあの時のヤツの異様な強さはあの羽によるものだったのか。スフィアローパーは元々強力なエネルギーを秘めた物を好物とする。それ故、聖遺物に秘められたエネルギーに惹き寄せられたのだろうな」

 

 メタナイトは推測を交えながら語る。

 

「そして、戦闘中にあなたたちから放出されたフォニックゲインにより、フェニックスの羽が起動してしまったようです」

 

 聖遺物は歌に秘められた力―――『フォニックゲイン』を取り込み、起動することで真の力を発揮する。

 聖遺物に高い適性を持つ装者たちの歌には、強力なフォニックゲインが秘められている。

 故に、戦闘中に彼女たちが唄った歌が、フェニックスの羽を起動させるに至ったのだ。

 

「だが、何故フェニックスの羽はダイナブレイドに反応したのだ?」

 

 全員が思っていた疑問を、メタナイトが代表して提示する。

 

「それについてですが、この聖遺物を取り扱っていた研究機関から預かった資料があります」

 

 そう言うと、ナスターシャはいくつかの用紙を取り出す。

 

「この資料によりますと、フェニックスの羽には、僅かながらフェニックスの残留思念のようなものがあったそうです」

「残留思念……?」

 

 全員が、ナスターシャが発した残留思念という用語に反応する。

 

「起動したことで、フェニックスの意思が本格的に覚醒し、自身の肉体となる"依代"を求めたのかもしれません」

「それに、ダイナブレイドが選ばれたと……?」

「恐らく……」

 

 メタナイトの問いに、ナスターシャは答える。

 

「なるほど、今のアイツはフェニックスに意識を奪われた状態、差し詰め『ダイナフェニックス』とでも言った所か……」

「……ぽよぉ」

「カービィ……?」

 

 すると響は、カービィがどこか落ち込んだ表情をしているのに気づく。

 

「ダイナブレイドとカービィは、互いに助けられた仲だからな。思う所があるのだろう」

「カービィ……」

 

 カービィの心情を察し、響は顔を曇らせる。

 

 一方で、メタナイトはまだ疑問を浮かべている。

 

「だが、まだ気掛かりなことがある。ヤツはフェニックスに取り憑かれる前から我々を襲って来た。普段は温厚なヤツにしては妙だ……」

「それに関しては、あの"首輪"が関係しているのでしょう」

 

 ナスターシャは、今度はコンソールを操作し、ダイナブレイドが写った映像を出す。

 

「この首輪、あの子についていたのと似ているような……?」

 

 セレナは、ダイナブレイドに取り付けられた首輪を見て、ダイナベイビーに付いていた首輪を思い出す。

 

「恐らくこの首輪は、ダイナベイビーが付けていた物と同じ開発元でしょう」

「ていうことは、まさかダイナブレイドも……ッ!?」

「えぇ、ダイナベイビーと同じ場所に監禁されていたのでしょう。あなたたちを襲ったのは、人間にされた仕打ち、及び自身の子どもを傷つけられたことによる怒りかもしれません」

 

 ダイナブレイドが受けた仕打ちがどれほど辛いことか、想像するに容易かった。

 

 自身はおろか、子どもまで傷つけられて怒らない訳がない。

 響たちは、もどかしさを感じずにはいられなかった。

 

「だが待て、ヤツはカービィにまで襲いかかって来た。いくら人間を警戒していたとは言え、それはおかしい」

 

 だが、メタナイトはそこで異を唱える。

 

「ヤツが我々を襲ったのには、何か別の理由があった筈だ。だが、あの首輪が関わっているのは間違いないだろう……」

 

 ダイナブレイドは以前、カービィには大きな借りがあった。

 それ故、時にはカービィを手助けすることもあったぐらいだ。

 カービィに恩義を持っているダイナブレイドが、いくら怒り狂っていたからと言え、カービィを襲うとは考えられない。

 

「そう言えばマム、首輪の発信源はまだわからないの?」

「残念ながら、まだ解析中です……」

 

 セレナはナスターシャに問うが、期待していた答えではない。

 

「ともかく、今はダイナフェニックスをどうにかしなければならん」

 

 そこで、メタナイトは今やるべきことを宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ブォーン!ブォーン!

 

 その時、突如として、アラームが部屋中に鳴り響く。

 

「マムッ!一体何が……ッ!?」

「ダイナフェニックスが、町で暴れています!」

『―――ッ!?』

 

 ナスターシャの報告を聞いた一同は愕然となり、すぐさま町へ向かえるよう構える。

 

「あなたたち、頼めますか?」

「勿論です!必ずダイナフェニックスを止めて来ますッ!」

「ぽよっ!」

 

 ナスターシャの問いに、響とカービィが勢いよく答える。

 

 ここはS.O.N.G.ではないため、弦十郎の制止もない。

 ようやく響たちと戦えることで、カービィはやる気に満ちていた。

 

「ぴぃー」

 

 すると、さっきまでカービィにじゃれついていたダイナベイビーが、セレナに近寄ってくる。

 その表情は、セレナを心配しているかのようだ。

 

「大丈夫、私が必ずママに会わせてあげるからね!」

 

 それに対し、セレナは笑顔で答える。

 

 そして全員が部屋から出て行き、町へと向かった。

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 本来なら大勢の飛び交うはずの町。

 だが、そこは今修羅とかしていた。

 

 辺り一面が炎に包まれ、多くの建物が焼け崩れている。

 

 そんな修羅の中に堂々と君臨するのは、一匹の異形の鳥

―――ダイナフェニックスだ

 

「―――ッ!?なんて酷い……ッ!」

 

 町へ到着した装者たちは、町の変わり様を見て驚愕する。

 そこにはもはや、人々が暮らしていた町の面影など微塵もない。

 

 装者たちは、町を修羅とかした元凶―――ダイナフェニックスを見据える。

 その炎に包まれた眼からは生気など感じられない。

 感じるとすれば、目に写る物全てを焼き尽くさんとする荒々しさのみ。

 

「ダイナブレイドさん、目を覚まして下さいッ!あなたの子どもが待っているんですッ!」

 

 そんなダイナフェニックスに、まだほんの僅かでも理性が残っていることを信じて、セレナは必死に訴える。

 だが、―――

 

「グ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」

 

 セレナの言葉は届かず、ダイナフェニックスは装者たちを吹き飛ばすかの如く勢いで咆哮をあげる。

 

 なんとか踏ん張り、咆哮が止むのを待ち続ける。

 

 そして、咆哮が止んだと同時に、先に踏み込んだのはマリアだ。

 

 左腕から抜刀した小太刀を、振りかざすと同時に蛇腹状に変形させる。

 あらゆる角度から放たれる斬撃が、ダイナフェニックスの身体を切り刻む。

 

―――『EMPRESS†REBELLION』

 

 マリアはセレナの横に降り立つ。

 

「セレナ、いい加減構えなさいッ!」

「……マリア姉さん、でもッ―――」

「あなたの気持ちはよくわかる。けど、まずはダイナフェニックスを止めないことには何にもならないわッ!」

「マリア姉さん……」

 

 ダイナブレイドを助けたいが故、攻撃するのを躊躇ってしまう。

 だが、今はダイナフェニックスを止めなければ被害は広がるだけ。

 それにダイナブレイドを助けるにしても、まずは鎮圧化させる必要がある。

 

 マリアの説得により、セレナはようやくアームドギアを構える。

 

「マリア姉さん、一緒にお願い!」

「えぇ、行くわよセレナ!」

 

 白銀の姉妹(マリアとセレナ)は並び立ち、目の前の不死鳥(ダイナフェニックス)へと向かい合った。




すみません、やっぱりこの章おわるまでまだまだ掛かりそうです()
LOST SONGも早く終わらせて欲しい……
早くグレビッキー救われて……
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