星のカービィ Wish in the Symphony 作:テンカイザー
やっぱり戦闘描写が書いてて一番苦労します。
セレナはFAIRIAL†TRICKを繰り出し、ダイナフェニックスを切り刻む。
だが、ダイナフェニックスは全く動じず、セレナに向けて火炎放射を放つ。
「はぁっ!」
マリアがセレナの前に立ち、シールドを展開することでそれを防ぐ。
次に翼が跳躍し、空中でアームドギアを大剣に変形させる。
だが、今回は蒼ノ一閃とは違い、大剣を鞘に見立て、刀を抜刀する。
そして、二本の剣を十の字に振り、そこから蒼い十文字を放つ。
―――『蒼刃罰光斬』
十文字はダイナフェニックスの胸に当たり、傷をつける。
「グ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」
『―――ッ!?』
すると、ダイナフェニックスは突然、再び咆哮をあげる。
同時に、傷を負った箇所が炎に覆われる。
そして、炎が晴れると―――
「傷が、治った!?」
なんと、装者たちの攻撃で受けた傷が、まるで何事もなかったかの如く再生したのだ。
「ハハハハハハッ!」
『―――ッ!?』
突如として聞こえて来た謎の笑い声。
すぐさまその声の主を探し始める。
―――そして、その者は現れた。
「見たかね、これがフェニックスの力だよ」
白衣を纏った黒髪の男。
その風貌から、恐らく科学者であることが窺える。
「お前は……?」
「私かい?今はそのフェニックスの主人さ」
―――フェニックスの主人
男は堂々とそう名乗った。
「フェニックスの主人……どういうことだッ!?」
「そう焦らずとも、見せてやるさ」
翼が問うと、男は服の中からリモコンのような物を取り出し、操作し出す。
「やれ、フェニックス!」
「―――グ"ォ"ォ"ォ"ォ!!!!」
すると、ダイナフェニックスの首輪から電流が流れ出す。
苦し紛れに咆哮を上げるダイナフェニックスだが、次の瞬間―――
『ッ……!?』
ダイナフェニックスは苦しみながらも、一同へ向けて突進を繰り出したのだ。
何とか全員横へ跳ぶことで難を逃れる。
だが、ダイナフェニックスが通った跡は、炎が激しく燃え上がっている。
そしてダイナフェニックスは、今度は空中で羽を振るい、炎の羽を飛ばす。
瞬時に跳んで躱した装者たちだったが、次の瞬間―――
「―――ッ!?アッ―――!」
地面に刺さった羽が突如爆発し出した。
装者たちは爆発を喰らい、ぶっ飛んでしまう。
「素晴らしいッ!実に素晴らしぞッ!これこそ、私が追い求めたフェニックスの力だッ!」
装者たちはなんとかダメージを耐えながら立ち上がる。
その時、マリアはあることに気づく。
先ほどから、男をがリモコンを操作するのと、ダイナフェニックスが攻撃を仕掛けるのが、ほぼ同時であることを……。
それはつまり―――
「まさか、あなたがダイナフェニックスを操っているのッ!?」
「気づくのが遅いねぇ。だから言っただろう、私はフェニックスの主人だと」
そこでようやく、全員がの男が言っていた言葉の意味を理解する。
同時に、何故ダイナブレイドが自分たちを襲ったのかも―――
「この装置がある限り、フェニックスは私の思うがまま。この町での実験により、その立証性がより証明出来た」
「何……?」
仮面越しでわからないが、メタナイトは眉を上げている。
さらに、剣を握る力も強まっていた。
「つまり、この町の者たちは、お前のその装置の実験のために犠牲になったと言うのか……?」
「いかにも、お陰で良い成果が得られた。この町の者たちもさぞ幸福の限りであろう、この私の偉大なる実験に貢献出来たのだからなぁ」
男は笑みを浮かべながら楽しそうに語る。
そんな男の様子を見て、メタナイトの何かが切れた。
「ふざけるなっ!!」
『ッ……!?』
メタナイトの怒声が、全員の耳に響き渡る。
メタナイトのことをよく知るカービィとワドルディでさえ、普段の冷静さを保った彼とはかけ離れた姿に動揺している。
「幸福だと、……そんなばずがなかろうッ!この町の者は貴様の玩具ではないッ!平穏を生きる者たちの命を、貴様の身勝手な理由で弄ぶことが、許されるはずかなかろうッ!!」
メタナイトの怒りは、全員が同じである。
目の前の者は、見ず知らずの命をなんとも思わない、正に外道その者だ。とても許せる筈がない。
「黙れッ!私の研究は偉大なのだッ!フェニックスを制御し、その力を研究すれば、不死身の肉体の神秘に迫れるかもしるはない!そうすれば、人は永遠の命を手にすることが出来るのだッ!永遠の命のためならば、僅かな犠牲など大した物ではなかろうッ!」
だが、目の前の外道は全く悪びれる様子もない。
それどころか、自分のことを正当化する始末。まるで駄々をこねる子どものようだ。
「どんな理由があろうと、誰かを平然と犠牲にすることが、許される筈がありませんッ!」
次に怒りをあらわにしたのは、セレナだ。
「それに、あの鳥には大事な家族がいるんですッ!あの鳥の子は、今もひたすら親の帰りを待っているんですよッ!」
セレナが怒りを示すのは、町の人たちへの仕打ちだけではない。
目の前の外道は、己の身勝手な欲望のために、ダイナブレイド親子を引き裂いたのだ。
普段は優しいセレナも、今回ばかりは怒りに燃えていた。
「あぁ、あの雛か。なるほど、キミたちの所にいたのか」
「―――ッ!?」
その時、セレナは自身が犯した失態に気づく。
男がダイナブレイドを操っていた犯人―――それは即ち、ダイナベイビーに首輪をつけていた犯人でもあると言うことだ。
セレナの言葉により、ダイナベイビーの居場所が知られてしまった。
「未確認生命体の襲撃の際に逃げられてしまったが、そうかキミが保護してくれてたのか。礼を言うよ、私の貴重な実験材料を見つけてくれて。ではすぐに回収させて貰おう、あれもフェニックスの実験体だからね」
「…………」
セレナはアームドギアを握る力を更に強める。
目の前の男は親子を引き裂いたことを悪びれる所か、そもそも親子を親子としてすら見ていない。
この男は、元は仲良く暮らしていた親子を、自分の道具も同然に言い放ったのだ。
その上、まだ幼いダイナベイビーを実験体にするとまで言った。
ダイナブレイド親子の命を踏み躙り、その上自分の欲望のために関係の無い命を平然と犠牲にする。
もはやセレナの怒りは頂点に達していた。
「そんなことさせませんッ!あの子は絶対に私が護りますッ!そしてダイナブレイドも返してもらいますッ!」
だが、セレナはそれを抑え、今自身がやるべきことを優先する。
今はまだ怒りを解き放つ時ではない。
今やるべきことは、ダイナブレイド親子を護ることなのだから。
「えぇい、やかましいッ!やれっ、フェニックスッ!」
「―――グ"ォ"ォ"ォ"ォ!!!!」
またしても苦し紛れに男に従うダイナフェニックス。再び火炎放射を繰り出す。
だが、何度も見たが故に、全員はそれを難なく躱せた。
「―――はぁぁぁっ!」
そしてカービィは火炎放射の一部を吸い込み、ファイア能力を発動する。
さらにダイナフェニックスの胸に、バーニングアタックで激突した。
「―――ぽよっ!?」
だが、ダイナフェニックスにダメージを与えた様子はない。
それ所か、そのまま胸を前に出し、カービィを弾き返してしまう。
ダイナフェニックスの属性は炎。
炎に炎で攻撃したところで、意味がないのは明白である。
「カービィッ―――!!」
カービィが地面へ叩きつけられる前に、駆けつけた響が何とか彼を受け止める。
「カービィッ!大丈夫ッ!?」
「……ぽよ」
響の必死の問いかけに、カービィは苦し紛れに答える。
ダメージを負いながらも、何とか立とうとしている。
「ハァッ!」
するとメタナイトがダイナフェニックスへ一撃を叩き込み、押し出す。
―――二人から距離を離すためだ。
そして二人の元へ降り立つ。
「カービィ、コレを使え!」
メタナイトが取り出したのは、以前ワドルディが持っていたのと同じ『コピー能力の素』。
しかし、前回とは違い、今回のは全体が白く竜巻のようなものが描かれている。
「ぽよっ!」
すると、カービィは響の腕の中から跳びだす。
どうやら先ほどのダメージはある程度回復したようだ。
そして、メタナイトが取り出した素を吸い込んだ。
すると、カービィの頭にファイアのときのに似た輪っかがはまる。
その上からは、小さい竜巻が吹いている。
―――コピー能力『トルネイド』
すると突然、カービィは身体を高速回転し始める。
次の瞬間、カービィの姿が小型の竜巻にかわり、ダイナフェニックスへ激突する。
―――『トルネイドアタック』
そして今度は、空中で身体を横にした状態で竜巻に変身し、突進を繰り出す。
―――『スクリュータックル』
一撃を喰らったダイナフェニックスは、ほんの僅かに後退する。
その体格差故に大きく押し出すことは叶わない。
だが、先ほどに比べ手応えは確かにあった。
「カービィッ!」
すると今度はワドルディが駆け寄ってくる。
「トルネイドなら"アレ"、出来るよね」
「ぽよっ!」
すると二人は、何かのやりとりをし出す。
近くで聞いていた響は、ワドルディの"アレ"と言う言葉に首を傾ける。
一体何をし出すのかと思っていると、二人は早速実行し始めた。
ワドルディはカービィの前で、突然槍を掲げだす。
すると何と、カービィは再び竜巻に変身し、ワドルディの方へ向かってるではないか。
「ちょっとカービィッ!何してるの―――!?」
「いや、あれで良いんだ」
すぐさま響は止めに入ろうするが、メタナイトがそれを止める。
何故止めるのか分からず戸惑う響だが、次の瞬間―――
「はあっ!」
カービィがワドルディに当たると、彼の身体を覆っていた風が、なんとワドルディの槍に纏わり始めたのだ。
―――フレンズ能力『ウィンガスピア』
「あれって……?」
「フレンズ能力、カービィと絆で結ばれた者のみが扱える力だ」
ワドルディは早速その力を見せつけるべく、動き出す。
だが、ワドルディは突然何もない目前に槍を振るい出す。
一見空振りかと思われたが、次の瞬間―――
「グォッ!」
何とワドルディの槍から突風が放たれ、ダイナフェニックスに激突したのだ。
さらにワドルディは、ワドコプターを繰り出す。
だがその様子は以前とは違い、突風を身に纏っている。
そしてそのまま、ダイナフェニックスへと突撃する。
「グォォォォッ!」
突進の衝撃と共に、吹き荒れる風の刃がダイナフェニックスの身体を連続で斬りつける。
「グ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」
だが、またしても傷を再生させてしまう。
「いくらやった所で無駄だ!フェニックスの不死身の力にはどうやっても勝てないのさっ!」
これではいくらダメージを与えてもまたすぐに再生されてしまう。
このままではジリ貧だ。
(―――?首輪が……)
その時、セレナはダイナフェニックスの首輪に傷が入っているのに気づく。
どうやら先ほどのワドルディの攻撃で傷ついたようだ。
(あの首輪を壊せば―――)
先ほどから、男が命令する度にダイナフェニックスが苦しんでいる。
あの首輪を破壊すれば、ダイナフェニックスを苦しみから解放出来るに違いない。
セレナは、再びFAIRIAL†TRICKを繰り出し、首輪を攻撃する。
「―――!?まずい!フェニックス、あの娘から焼き払えッ!」
すると、男はセレナの意図を悟り、ダイナフェニックスの標的をセレナへ移させる。
やはりあの首輪がダイナフェニックスを操っているようだ。
ならばやるべきことは一つ。
セレナはダイナフェニックスへ迫り、跳躍して首輪を切り刻む。
時折来る火炎放射を躱しつつ、首輪へダメージを与えていく。
「くっ……!何をしてるフェニックス!さっさとそいつを倒せっ!」
この時、男は自身が犯した過ちに気づかなかった。
本来なら首輪に傷がついた時点で撤退すべきであったのだ。
だが、フェニックスの力を過信するが余りに、敵を倒すことを優先してしまった。
「―――!待て、今首輪を破壊しては不味いっ!」
だが、そこでメタナイトまでもがセレナを止めに入ろうとする。
「……?何故止めるの?」
「彼女はダイナフェニックスの束縛を解くつもりだ。だが、今のヤツの意識は―――」
「―――ッ!」
メタナイトが言い切る前に、マリアはその意味を瞬時に理解する。
「セレナ、止まりなさいッ!今彼女を解放しては不味いわッ!」
すぐさま制止をかけるが、すでに遅かった。
「―――!?首輪が―――!」
遂に首輪は砕けて
「くそぉっ!!あいつ、なんて物を渡してるんだ!全然丈夫じゃないじゃないか!!」
男は愚痴を零しながら地団駄を踏み出す。
まるで玩具を取られた子どものようであった。
だが、この時彼は怒る余りに大事なことを忘れていた。
―――自身に迫る
「グ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」
男の束縛から解放されたダイナフェニックスは、先ほどよりもさらに激しく咆哮を響かせる。
そして次の瞬間―――
「―――!止めて下さい!どうしたんですか!?」
ダイナフェニックスは威力の増した火炎放射を放ち、辺り一面を焼き尽くす。
セレナが何度も呼び掛けても、止まる気配は微塵もない。
この時、セレナはダイナブレイドを助けようと必死になるあまり、大事なことが抜け落ちていた。
ダイナブレイドは聖遺物に意識を奪われた上で、男に無理やり使役されていた。
例え束縛を解いても、ダイナブレイドの意識は乗っ取られたままなのだ。
「グ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」
制御が効かなくなったダイナフェニックスは、目に映る全てを焼き尽くすだけ。
束縛が解けたことにより、その勢いはさらに増している。
「―――ッ!!うわあああああ!!??」
その時、ダイナフェニックスの吐いた炎が、男を目掛けて飛んでいく。
迫り来る死の恐怖で、男は叫び出す。
「はあっ!」
だが、響が彼を抱えて離れたことで、男は最悪の運命を魔逃れた。
この男のしたことを響は許した訳ではない。
だが、例えどんな人間であろうと、死の危機に接してるのを見逃すなど、彼女には出来なかった。
「お願いです!止まって下さいッ!」
一方で、セレナは尚も必死に訴え続ける。
だが、やはり声はダイナフェニックスには届かない。
セレナは困惑する。
ダイナブレイドを助けるためにしたことが、かえってダイナブレイドを余計に暴走させてしまっている。
「はあっ!」
その時、翼が空中から自身の身の丈を遥かに超える巨大な剣を、ダイナフェニックスへ向けて蹴り飛ばす。
―――『天ノ逆鱗』
しかし、ダイナフェニックスは翼を振るうことで、翼の大剣を振り払ってしまった。
次にダイナフェニックスは翼へ狙いをつけ、飛翔する。
「―――ッ!」
そしてなんと、その足で翼を鷲掴みにしてしまった。
余りの速さに、翼も反応しきれなかったのだ。
さらにそこから、翼を蹴り飛ばしてしまう。
「―――ッ!風鳴さんッ!」
翼は近くの建物へと激突した。
自身がダイナフェニックスの制御を解いてしまったばかりに、次々と最悪の事態が起こる。
この現状に、セレナは焦る。
その時―――
「―――きゃッ!?」
考え込む余りに、ダイナフェニックスの頭突きをモロに喰らってしまう。
セレナはそのまま吹き飛び、後ろの建物に激突する。
その衝撃で、瓦礫が辺り一面に崩れ落ちる。
「……うぅ」
先ほどのダメージが余りにも大きかったが故に、セレナは立ち上がろうにも立ち上がれない。
さらに最悪なことに、ダイナフェニックスはセレナに向けて火炎放射の体制に入る。
しかも、見れば口の中で炎を溜めているのがわかる。
どう見ても喰らったら不味い。
「―――セレナッ!」
すぐさまマリアが駆けつけようとする。
だが、セレナとの距離は遠すぎる。
―――もう間に合わない
セレナは自身の未来を悟り、咄嗟に目を瞑った。
その時―――
「ぽよっ―――!」
突然身体が、横から何かに突き飛ばされた。
訳がわからず、セレナは目を開き、自身を突き飛ばした犯人を探す。
するとそこには、
「ぽよおぉぉっ!?」
自身が喰らうはずであった火炎放射を、モロに浴びるカービィの姿があった。
「―――ッ!?」
刹那、カービィの姿が巨大な火の海に飲み込まれ見えなくなる。
やがて炎が晴れると、そこにいたのは、身体中黒焦げになってうつ伏せになるカービィであった。
「カービィぃッ!!」
すぐさまワドルディが彼の元へ駆け寄る。
だが、カービィはワドルディの呼び掛けに、ピクリとも反応しない。
(……そんな、私のせいで……)
セレナは目の前の光景を見て唖然とする。
―――何故
―――自分を庇ったからだ
―――何故ダイナフェニックスが暴走したのか?
―――自分が首輪を壊したからだ
―――何故……
―――何故……
―――何故……
―――
「セレナッ!」
マリアはようやくセレナの元へ辿り着く。
だが、今のセレナは
「セレナ!聞きなさいッ!」
「―――ッ!?」
自分の世界に入り込んでいたセレナだったが、マリアの呼び声でようやく意識を取り戻す。
「―――グォォッ!?」
その時だ―――
突然ダイナフェニックスが攻撃を止めたのだ。
一体何事かと思って見てみると、ダイナフェニックスは何かにもがき苦しんでいる。
「一体何が―――?」
すると、ダイナフェニックスは再び飛翔しだした。
すぐさま警戒する一同だが、次の瞬間―――
「―――ッ!?逃げるつもり!?」
何とダイナフェニックスは一同に目もくれず、空の彼方へと姿を消してしまった。
―――一体何故ダイナフェニックスは突然逃亡を図ったのか?
一同が疑問を残したまま、その場は一先ず終戦を迎えた。
はい、と言う訳で黒幕は名もなきモブでした←
最初は名前考えていたんですけど今回限りの出番なので良いかなと思いまして。
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こんな半人前のポッと出の作品を気に入ってくれて本当にありがとうございます。