星のカービィ Wish in the Symphony   作:テンカイザー

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遅れてすんません!!(スライディング土下座)
リアルで色々と忙しかったものでして……。


十五星目 大王の到来

「失礼します。風鳴翼、ただいま帰還いたしました」

 

 元の世界へと戻って来た翼は、司令室へと入る。

 そこには、弦十郎の他にクリスの姿もある。

 

「先輩ッ!?大丈夫だったのか!?」

「……?どうした雪音、何をそんなに慌ただしくしている?」

 

 入るや否や、クリスは翼を見た途端に駆け寄る。

 クリスの様子を見て、翼は違和感を感じる。

 

「よく戻って来てくれた翼。戻って来て早々に悪いが、至急報告を頼む」

「畏まりました」

 

 翼は並行世界で起こった事の全てを話した。

 

「なるほど、あの鳥は並行世界で現れたものだったか。だが、まさかカービィくんと同郷の者が別の世界にまで現れるとは……」

「―――!?もしや、この世界にもダイナフェニックスが……」

「あぁ、数時間前クリスくんたちが交戦した」

「―――ッ!?」

 

 弦十郎の話を聞き、今度は翼が驚愕する。

 

「こちらの世界に現れたのは、並行世界の干渉による鏡像です。なので、正確にはまだこちらの世界にはいません」

 

 エルフナインが説明を入れる。

 

 並行世界は互いに干渉し合い、影響を及ぼし合う特性がある。

 それ故に、並行世界の存在がこの世界に鏡像として現れることがごく稀にあるのだ。

 だが、あくまでそれは一時的なものであり、時間が経てば世界からの揺れ戻しで消えてしまう。こちらの世界のダイナフェニックスが消えたのはそのためだ。

 

「ともかく、そのダイナブレイドから聖遺物の力を引き剥がす必要があるわけだな?」

「はい。しかし、ダイナフェニックスには強力な再生能力があり、こちらが有効打を与えることが出来ません」

「うむ……」

 

 翼の話を聞いた弦十郎は、すぐさまエルフナインの方を向く。

 

「エルフナインくん、頼めるか?」

「はい、任せてください!」

「ナスターシャ教授から預かったフェニックスに関する資料だ。役に立てば良いのだが……」

「ありがとうございます」

 

 翼から資料を受け取ったエルフナインは、早速コンピューターに向き合い、解析に没頭し出す。

 

(フェニックス、不死鳥の名の如き再生力を持つ怪鳥。その再生力を破るには……)

「おいっ!!」

 

 エルフナインが思考の海に浸っていると、突如として第三者の声が司令室に響く。

 自身の聞き慣れない声を聞き、翼は僅かに困惑する。

 

「どうなっている!?食堂の奴ら、オレさまに料理を出さんぞッ!」

 

 声の主は、デデデだ。

 デデデの顔は、何故か怒りに染まっている。

 

「司令、彼は……?」

「彼の名はデデデ、カービィくんたちの故郷の王らしい……」

「―――ッ!?」

 

 弦十郎の言葉に、翼は驚愕する。

 

「ちょっと待つデス!」

「あんなに食べたのに、まだ足りないの!?」

 

 すると、後から調と切歌も入って来る。

 だが、二人とも汗をかき、何かに困っているようだ。

 

「お前たち、一体どうしたんだ?」

 

 弦十郎はすぐさま調と切歌に質問する。

 

「実は……」

「デデデが食堂でご飯を食べてたんですけど……

 

 

 

 

 

 

食堂の食材の大半がなくなるまで食べちゃって……」

『……は?』

 

 調の言ったことに、一同は唖然となる。

 

「オレさまをこんな所に連れて来ておいて、食事もろくに出さないとはどう言うつもりだ!?」

「だからあれ以上食べたら食材がなくなったゃうんデスよぉ〜!!」

「知ったことかッ!オレさまは大王だぞッ!」

 

 切歌の言うことも聞かず、デデデは我がままを言う。

 

 一方で、唖然としていた藤尭が、ガクガクと震えながら口を開く。

 

「……おい、今食材の大半を食べたって言ったか?」

 

 藤尭は胃を痛め始める。

 

 さらに藤尭の言葉を皮切りに、全員が以前の悪夢を思い起こす。

 以前カービィが食料を全て食い尽くしたあの日のことを。

 

「この前のカービィの時だって、食費が大分吹き飛んだんだぞ……」

 

 今回唯一の幸いは、全てが食い尽くされずに済んだことだろう。

 だが、これでまたS.O.N.G.の予算の大部分が、文字通り()()()()()()()()のに変わりはなかった。

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 ―――翼が去った後のF.I.S.研究所

 

 翼の帰還を待ちながらも、こちらでもダイナフェニックスを救う方法を模索していた。

 

「翼さん、良い方法を持って来てくれますよね……?」

「今はまだわからない。けど、期待するしかないわ」

 

 不安になる響に、マリアが声をかける。

 

「例え何があっても、私は絶対にダイナブレイドさんを元に戻します!」

「セレナちゃん……?」

 

 そん中、セレナが強い気迫を込めて宣言する。

 

 先ほどまでの落ち込み具合からのあまりの変わりように、響は思わず驚いてしまう。

 一方で、マリアはそっと微笑んでいた。

 

「ふ、どうやら迷いは晴れたようだな」

「はい、私はあの子(ダイナベイビー)のためにも、もういつまでも迷いません!必ずあの子を元の幸せな生活に戻してあげます!」

 

 前とは違い、セレナは迷いなく言い切った。

 その様子に、メタナイトは仮面の裏でそっと微笑む。

 

「それはそうと、気になることがあったんだ」

「気になること?」

 

 セレナの方はもう心配ないと判断すると、メタナイトは即座に話を切り替える。

 

「ああ、最後の戦いで、ダイナフェニックスは何故撤退したのかだ」

 

 メタナイトの言葉を皮切りに、全員が同じ疑問を浮かべる。

 

 思えばあの時、明らかに不利だったのは装者たちの方であった。

 ダイナフェニックスに撤退する理由など無かった筈なのだ。

 

「そう言えば、あの時何故か苦しんでいたわね……」

 

 するとそこで、マリアがダイナフェニックスが撤退する際に苦しんでいたことを思い出す。

 あの再生能力故にダメージなど与えられていなかった。その上、あの時既にダイナフェニックスは首輪の束縛から解き放たれていた。

 苦しむ理由などなかった筈だ。

 

「……あくまで、これは憶測に過ぎないのだが―――」

 

 すると、またしてもメタナイトが声をあげる。

 

「もしかしたら、ダイナブレイドの意識がまだ僅かに残っているのではないだろうか?」

『―――ッ!?』

 

 メタナイトが言ったことに、全員が注目する。

 

「それはどう言うことッ!?」

「落ち着け、あくまで憶測だと言ったろう。だが、一応そう思った理由がある」

 

 一同は沈黙し、メタナイトの言葉に耳を傾ける。

 

「まず、あの時のダイナフェニックスの苦しみ方だが、私にはまるで何かに抵抗しているように見えた」

 

 その言葉に、全員がその時の様子を思い出し、納得する。

 確かにあれは見方によっては何かに抵抗していたように見えるだろう。

 

「そして、その抵抗していた物が聖遺物の力だと言うのですね?」

「ああ、聞けばこの世界で言う聖遺物とは欠片のことだそうじゃないか。欠片の力なら、本来の力より衰えているのが普通なのではないのか?」

「ええ、その通りです」

 

 メタナイトの言うことは的を突いている。

 この世界で言う「聖遺物」とは、あくまで古代の異端技術の欠片のことを指している。

 故に、本来の状態と比べて力は劣っている。

 ならば、ダイナブレイドが抵抗出来る可能性もあり得るのだ。

 

「ならば、その隙を突けば……!?」

「ダイナブレイドを助けられるかもしれない……!」

 

 ここで、希望が見え始めた。

 

「おい、これは憶測に過ぎないと言っているだろう」

「でも、私たちには十分希望だよッ!」

 

 メタナイトの言葉に、響は明るく笑顔で応える。

 

 確かに、これには確証がない。

 だが、今まで何の可能性も掴めずにいた彼女たちにとっては、十分希望である。

 

 メタナイトは内心呆れる。だが、そこまで悪い気はしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ブォーン!ブォーン!

 

『―――ッ!?』

 

 すると突然、またしてもアラートの音が鳴り響く。

 

「何事ですかッ!?」

「ダイナフェニックスがまたしても現れましたッ!更にそれだけじゃありませんッ!リーパーたちもいますッ!」

 

 研究員の報告を聞き、全員が驚愕する。

 

「そんな、まだ翼さんが戻って来てないのにッ!」

「それでも、今は私たちで行くしかないッ!」

 

 翼はまだ帰還していない上に、カービィもまだ眠ったまま。戦力は以前よりも明らかに減ってしまっている。

 カービィに関してはただ寝ているだけかもしれないが、一応メディカルチェックを受けているため、今は連れて行くことは出来ない。

 その上今回はリーパーの群れまで加わっているのだ。どう見てもこちらが不利なのは目に見えている。

 

 だが、マリアの言う通り、だからとてこのまま野放しなどと言う訳にはいかない。

 例え戦力が不利でも、今の自分たちにやれるだけのことをやるしかない。

 

 決意が固まった一同は、すぐさま外へと駆けて行った。

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 ―――とある町。

 そこはダイナフェニックスの手によって、何時ぞやの時と同じく修羅と化していた。

 

 それだけではない。辺りにはたくさんのリーパーたちが徘徊している。

 

「止めなさいッ!」

 

 そこへ駆けつけた装者たち及びメタナイトとワドルディ。

 すぐさまマリアが声を飛ばすが、ダイナフェニックスは聞く耳など持たず尚も暴れる。

 

「止めて下さいッ!あなたはちゃんと自分の意識を持てる筈ですッ!どうか聖遺物の力に負けないで下さいッ!」

 

 次に、セレナが必死に訴える。

 だが、やはりダイナフェニックスは止まる気配がない。

 

 ―――やはりやるしかない

 

 意を決した一同は、それぞれアームドギアを構え、前へ出る。

 

 だが、各々の行方をリーパーたちが阻む。

 

「そこをどきなさいッ!」

 

 大元のダイナフェニックスへ辿り着くべく、それぞれリーパーたちと交戦する。

 

 だが、当然それをただ黙って見ているダイナフェニックスではない。

 翼を激しく羽ばたかせ、巨大な熱風を巻き起こす。

 

 熱風はリーパーたちもろとも装者たちへと襲いかかる。

 

 リーパーたちが吹き飛ばされる中、一同は吹き飛ばされまいと、必死に地面へとへばり付く。

 だが、風と共に伝わってくる強力な熱気が、一同の体力をじわじわと奪って行く。

 

「―――ッ!はあッ!」

 

 その時、メタナイトが何とか耐えながらナイトビームを放つ。

 ナイトビームはダイナフェニックスの胸に直撃し、怯ませることに成功する。

 

 刹那、全員がこの瞬間を勝機とみなし、一斉にダイナフェニックスの元へ駆ける。

 リーパーたちは先ほどの熱風で吹き飛ばされたため、今度は邪魔はない。

 

 辿り着くや否や、全員ダイナフェニックスへ攻撃を仕掛ける。

 

「お願い、目を覚ましてッ!」

 

 時折ダイナブレイドの意識に訴えながら攻撃する。

 ダイナフェニックスも反撃に、口から火炎弾を放つ。

 

 時に躱し、時にいなし、なんとか追撃を仕掛けて行く。

 だが、一向にダイナブレイドの意識が戻る気配は無い。

 その上―――

 

「グ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」

 

 またしても再生能力で回復されてしまう。

 これではダイナブレイドを助ける所か、被害を食い止めることも出来ない。

 

(どうすれば……!?)

 

 どうすれば良いかわからず、葛藤する一同。

 

 

 

 

 その時―――

 

「はあッ!」

 

 突如聞き覚えのある声が響く。

 同時に、蒼い斬撃の孤がダイナフェニックスへとぶつかる。

 

「待たせて済まない、みんな」

 

 振り向けば、そこには翼がいる。

 

「翼さん!戻って来てくれたんですね!」

「ああ、だがすまない。肝心な情報はまだ得られていない」

 

 翼はどこか不甲斐ない顔をしながら答える。

 自身が元の世界へ帰還したのは、フェニックスの再生能力を破る手段を見つけるため。

 その役目を果たせていないまま戻って来てしまったことを、彼女は気にしていたのだ。

 

 それでも翼が戻って来たのは、またいつ現れるかわからないダイナフェニックスを見過ごせなかったからだ。

 

 そして、そんな彼女を責める者などいない。

 むしろ今の状況では、彼女の存在はとても頼もしいのだから。

 

「それでも、今はあなたが来てくれて助かるわッ!」

「ああ、だが援軍は他にもいるぞ」

『―――?』

 

 翼の言葉に全員が首を傾ける。

 

 一瞬他の装者かと思う一同。

 だが、答えはすぐさま自ら姿を現した。

 

「ふん、ダイナブレイドめ、おどろおどろしい奴になりおって」

 

 全員が聞き覚えの無い声を聞き、すぐさま発声源を探し始める。

 するとそこには彼―――デデデがいた。

 

「へ、また別の鳥?」

 

 装者たちがその異様な姿を見て唖然とする。

 だが、一部の者たちは違った。

 

「―――な、デデデ大王じゃないかッ!?」

「えぇぇぇぇっ!!大王さま、なんでここにッ!?」

 

 メタナイトとワドルディは、デデデを見て大いに驚く。

 

「ほぉ、お前たちもいたのか。それで、カービィの奴はどうしたのだ?」

「あ、カービィは―――」

 

「グ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」

 

 ワドルディが答えるのを遮るかのように、ダイナフェニックスが咆哮をあげる。

 

「―――と、どうやら話してる場合ではないようだな」

「ああ、……」

 

 全員がダイナフェニックスに向き直る。

 装者たちは、未だにデデデに対する疑問が絶えないが、それは後にすべきと割り切る。

 

 そして、全員がダイナフェニックスへと向かって行った。




最近はReach for the Stars(ソニックカラーズのop)と言う曲をよく聴いています。←ソニックシリーズ未プレイ

もう少しでこの章終わりますので、どうかよろしくお願いします。
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