星のカービィ Wish in the Symphony   作:テンカイザー

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カービィが歌ったたらヤバいんじゃないかと言った読者の皆様へ。
これが私の答えです!

前回の最後の辺りも少しあるものを付け足したので、良ければ見返してみて下さい。


十七星目 聖腕の力

 姿を変えたカービィは、ダイナフェニックスへ向けて駆け出す。

 するとカービィは、アームドギアを蛇腹剣に変え、鞭の如くダイナフェニックスへ振るう。

 

「マリアッ!」

「マリアさんッ!」

 

 するとそこへ、散り散りになっていたセレナを除く全員が集う。

 全員がカービィの姿を見て、その変化に気づく。

 

「カービィのあの姿は、一体……?」

「あれ、何だかあの姿、マリアさんのギアに似てる……?」

 

 響が言ったことに、全員が頷く。

 

 だが一方で、メタナイトたちは唖然としている。

 それもそうだ、何故なら彼らの目の前で―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()のだから。

 

「……カービィが、唄っている?」

「どう言うことだ?我々は無事だぞ……?」

「おい、もしやオレさまたちは、既にこの世にはいないのではないか……?」

 

 本来なら、彼らの知っているカービィの歌は一種の()()()()である筈。

 だが、今のカービィが唄っているのはその様な面影など一切無い、とても綺麗な物であるのだ。

 

 メタナイトたちが何故唖然としているのか、装者たちはわからずにいる。

 だが、それよりも彼女たちはあることに注目していた。

 

「あれって、マリアさんと同じ歌……?」

 

 そう、カービィが唄っているのは、マリアが戦う際に唄うのと同じ歌なのだ。

 現在のカービィに対し、一同は疑問が尽きない。

 

「とにかく、私たちも行くわよッ!」

 

 だが、そこでマリアの言葉に全員がはっと割れに返り、それぞれ構える。

 マリアも左腕のガントレットから新たなアームドギアを引き抜く。

 

 今自分たちがすべきことは、ダイナフェニックスを止めることなのだ。驚いてばかりいる場合では無い。

 すぐさま全員カービィに加勢する。

 

「遅れてごめんカービィ!私たちも一緒に戦うよッ!」

「ぽよっ!」

 

 まず響が前に出て、ダイナフェニックスに拳を叩き込む。

 更にパイルバンカーが作動し、激しい衝撃が躰中を駆け巡る。

 

「せいやッ!」

 

 今度は翼が、脚部の装甲から刃を展開し、逆立ちになる。

 そのまま高速回転し、ダイナフェニックスの脚を斬り付ける。

 

 ―――『逆羅刹』

 

 脚を斬られたことにより、ダイナフェニックスはバランスを崩し、倒れてしまう。

 

「はぁッ!」

 

 更にマリアが前に出る。

 

「やあっ!」

 

 すると、カービィも同時に出て来て、二人の攻撃が重なる。

 二人の攻撃は、異様なほどに息が合っていた。

 

(―――?今のは……)

 

 そこでマリアは違和感を覚える。

 まるで、()()()()()()()()()()()()()()()()かの様であった。

 

 だが、ダイナフェニックスは起き上がり、お返しと言わんばかりに熱風を起こす。

 

「くっ……!」

 

 全員なんとか踏ん張ることで、地面に張り付く。

 

 すると、カービィはアームドギアで弧を描く。

 そこからアームドギアが複数展開される。

 そして、カービィがアームドギアを振り下ろすと同時に、複数の小太刀が射出された。

 

 ―――『INFINITE†CRIME』

 

 ダイナフェニックスは小太刀を喰らい、熱風が止む。

 一同は、先ほどのカービィを見て驚きを隠せずにいる。

 

「今の技は、マリアの―――!?」

 

 そう、カービィはマリアの技をそっくりそのまま使ったのだ。

 これにはマリア本人も驚いている。

 

「一体どうなっているのよ?何から何まで、まるで私じゃない!」

 

 驚いている一同を他所に、カービィは更に追撃に出る。

 ダイナフェニックスの火炎放射を避けながら、切り刻んで行く。

 

(―――ッ!これは……)

 

 その時、マリアの頭―――正確には心に何かが伝わって来た。

 だが、マリアには何故かそれが何なのか謎の確信があった。

 

 故に、彼女はその感覚のまま前へ出る。

 ダイナフェニックスはマリアが近づいて来るのに気づき、火炎弾を乱れ打つ。

 それをマリアは、アームドギアでいなしながら近づいて行く。

 

「はあっ!」

 

 すると、カービィは蛇腹剣をダイナフェニックスの首へ巻き付ける。

 喉が締められたことにより、ダイナフェニックスは火炎弾が出せなくなる。

 

 そして、マリアはのガントレットを砲身に変え、砲撃を放つ。

 砲撃が当たる寸前、カービィは蛇腹剣を解いた。

 

 ―――『HORIZON†CANNON』

 

 砲撃を喰らったダイナフェニックスは、後方へ大きく吹き飛ばさる。

 だが、ダイナフェニックスはすぐさま立ち上がり、低空飛行を始める。

 そして、突進を繰り出す。

 

 マリアとカービィは同時に飛び上がり、蛇腹剣でそれぞれダイナフェニックスの両翼を拘束する。

 

「―――ッ!?」

 

 そして、柄の部分から銀色の光が剣先を伝い、ダイナフェニックスへと向かって行く。

 

 ――― 『BRILLIANT†ROAD』

 

 光が到達すると、その場で爆発が起こる。

 そして爆風の向こうから、カービィとマリアが降り立った。

 

「凄い、二人とも息ぴったり!」

「ああ、だがいつの間にあんな連携を……?」

 

 響は二人の連携に感嘆する。一方で、翼はいつあんな連携を身に付けたのか疑問に思う。

 彼女たちは、まだカービィと出会ってから僅か数日しか経ってない。おまけにカービィと共に戦う機会など滅多になかった。

 あんな連携を身に付ける機会など無かった筈だ。

 

「それなんだけど、さっきからカービィの考えることが伝わってくるのよ」

「え、カービィの考えることが……?」

「ええ、何故かはわからないけど、カービィが何をしようとするのかが自然とわかるの。だからカービィに動きを合わせられたの」

 

 そう、マリアが感じていた謎の感覚の正体、それはカービィの心だったのだ。

 カービィが何かしようと考える度に、カービィの思いがマリアに伝わっていたのだ。それ故にあそこまでの連携を為し得ていた。

 

 その時―――

 

「グオォォォォォォッ!!」

 

 爆風が晴れると、そこには先ほどダメージなどまるで無かったかの如く五体満足のダイナフェニックスが姿を現した。

 

「くッ……、再生能力か!」

 

 翼の推測通り、ダイナフェニックスは再生能力により先ほどのダメージを回復したのだ。

 

 更に―――

 

「―――ッ!?リーパー!?まだこんなにいたのッ!?」

 

 どこからともなく、またしてもリーパーの大群が現れたのだ。

 

 すぐさま皆それぞれリーパーと応戦し始める。

 だが、そこへダイナフェニックスが火炎放射を放つ。

 

「くッ……!」

「うわっ!?」

 

 辛うじて避けることに成功する。

 だが、このまま避けながら戦うのは至難だ。

 

「やっぱりダイナフェニックスをなんとかしないとッ!」

「だが、あの再生能力はどうするッ!?」

 

 ダイナフェニックスを抑えるにも、まだ再生能力の攻略法は見つかっていない。

 このままでは彼女たちの体力がもたない。

 どうすれば良いのか、全員が思考の渦に呑まれる。

 

 

 

 その時―――

 

「ていッ!」

「―――ッ!?」

 

 突如空から飛んで来た謎の影が、ダイナフェニックスを切り裂いた。

 突然の不意打ちにより、ダイナフェニックスは僅かに怯む。

 

 やがて謎の影は、地面に降り立つ。

 

「お待たせさました、皆さん!」

「ぴぃー!」

 

 影の正体は、セレナを背に乗せたダイナベイビーであった。

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 時は僅かに遡り、カービィがセレナたちからダイナフェニックスを引き離した後の時間。

 

 ダイナフェニックスが離れたのを確認したセレナは、すぐにダイナベイビーに向き直る。

 

「さあ、今のうちに早く逃げて―――」

「ぴぃー!」

 

 下さい、と言おうとしたセレナだが、ダイナベイビーの鳴き声に遮られる。

 

 ダイナベイビーの眼差しは、とても真剣な物だ。

 その瞳の奥から、確かな覚悟を感じ取れる。

 

「……本当に行くんですか?」

「ぴぃー!」

 

 セレナの問いかけに、ダイナベイビーは根気よく答える。

 

「今のあなたの母親はあなたが知っているものではありません。もしかしたらあなたにまで攻撃するかもしれません。それでも本当に行くんですか?」

「ぴー!!」

 

 ダイナベイビーは迷いなく答える。

 その威勢、眼差しから、セレナは彼の思いを感じ取った。

 

「わかりました、なら一緒に行きましょうッ!」

「ぴー!」

 

 すると、ダイナベイビーは後ろを向き、前身を前に倒し、背中を出す。

 まるで乗れと言っているかのようだ。

 

「乗せてくれるんですか?」

「ぴぃー!」

 

 ダイナベイビーはまたしても根気良く答える。

 まだ幼いこどもに乗せて貰うのに抵抗があるが、彼の思いに応えるためにも、セレナはダイナの背中に乗った。

 

「ぴぃー!」

「うわっ!」

 

 そして飛行を開始する。

 その際に揺れたことにより、セレナは一瞬バランスを崩すが、すぐに持ち直す。

 

 そのまま二人は、空の向こうへと飛んで行った。

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 セレナはダイナベイビーから降り、ダイナフェニックスを見据える。

 

「今度こそ、必ずあなたを助けますッ!」

「ぴぃー!」

 

 セレナはダイナフェニックス―――否、ダイナブレイドに向けて宣言する。

 ダイナベイビーも同意を示すべく鳴き声を上げる。

 

「ぽよっ!」

 

 そんなセレナの隣に、カービィが並ぶ立つ。

 

「……?カービィさんの格好、まるでマリア姉さんみたい……」

「話は後よセレナ、今はダイナブレイドを助けるわよ」

 

 マリアを筆頭に全員が並び立つ。

 するとリーパーたちが、一斉に体当たりをしかける。

 

『はあッ!』

 

 だが、それをワドルディ、メタナイト、デデデの三人がそれぞれの武器で薙ぎ払う。

 

「リーパーたちは我々に任せろッ!君たちはダイナフェニックスを頼むッ!」

「大丈夫なのかッ!?」

「ふん、オレさまを誰だと思ってる!?」

「大丈夫、ボクたちリーパーとは戦い慣れてるからっ!」

 

 メタナイトとワドルディの実力は既に知っている。

 デデデについてはまだ知らないが、他の二人が信頼する程なのだから問題はないと全員が判断する。

 

 画して、リーパーたちの相手を三人に任せ、残りの者たちはダイナフェニックスへ向けて掛ける。

 

「はあッ!」

「おらあッ!」

 

 翼が四方八方から斬り、響が胸元を叩き込む。

 

「はあぁッ!」

「ていッ!」

「やあっ!」

 

 そしてセレナが片手剣を自在に操り、マリアとカービィが息のあった蛇腹剣による斬撃をお見舞いする。

 

(凄い、マリア姉さんと息ぴったり……)

 

 セレナは二人の連携に、思わず見惚れてしまう。

 しかし―――

 

「グオッ!!」

『―――ッ!?』

 

 突如ダイナフェニックスを中心に、強大な爆撃が放たれる。

 予想だにしなかった攻撃に、全員が吹き飛ばされてしまう。

 

 何度か地面を跳ね、そのまま倒れ伏す。

 そしてそこへ、ダイナフェニックスは無慈悲にも火炎放射の溜めの体制に入る。

 なんとか全身の力を振り絞り、立ちあがろうとする。

 だが、傷ついた身体は言うことを聞かず、中々立ち上がれない。

 

「ぴぃっ!!」

 

 そこへ、ダイナベイビーが全員を護るかの如く前へ出てくる。

 

「ダメ……早く逃げ……」

「ぴぃー!ぴぃー!」

 

 このままではどうなるか目に見えている。()()()()()が。

 一刻も早く逃げるように声を振り絞るが、ダイナベイビーは全く逃げる様子を見せない。

 

 そして―――

 

「グオッ!!」

 

 ダイナフェニックスの口から眩い紅が放たれ―――

 刹那、激しい爆音がその場を包み込んだ。

 

「…………え?」

 

 思わず全員が目を見開いた。

 そこには―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まったく無傷のダイナベイビーが立っていた。

 

 見れば、ダイナベイビーの横には激しく焼き尽くされた痕がある。

 そう、火炎放射は大きく狙いを外れていたのだ。

 

「グオッ!!グオッ!!」

 

 そしてその前には、必死に何かを抑え込んでいるかのような仕草を取るダイナフェニックスの姿がある。

 

「まさか―――!?」

 

 その時、全員の脳裏に以前メタナイトが言っていた言葉が過ぎる。

 

 

 ――― もしかしたら、ダイナブレイドの意識がまだ僅かに残っているのではないだろうか?

 ――― 聞けばこの世界で言う聖遺物とは欠片のことだそうじゃないか。欠片の力なら、本来の力より衰えているのが普通なのではないのか?

 

 その場の全員が、瞬時に状況を理解する。

 

「あの子のために、必死に戦ってる……」

 

 目の前でダイナブレイドは、自身の大事な子どもを傷つけまいと、フェニックスの力と必死に戦っている。

 

「助けなくちゃ……だって……」

 

 全員が倒れ伏す中、セレナは身体の底から僅かに残った力を全て出し切り、真っ先に立ち上がる。

 

「あの子と…………約束したからッ!」

ぽよっ!

 

 刹那、セレナの言葉に呼応するかの如くカービィが立ち上がり、セレナの横に立つ。

 

 セレナのダイナブレイド、及びダイナベイビーを助けたいと言う思いが、カービィの心に響き、彼を突き動かしたのだ。

 

 その時―――

 

「ぽよっ!」

「―――ッ!?これは一体―――!?」

 

 カービィの身体が再び桃色に光り輝き、フレンズハートを生み出したのだ。

 

「あれは……フレンズハート!?」

 

 その様子を、リーパーたちと戦いながらメタナイトは遠目から見た。

 

 そして、フレンズハートはセレナの前に移動し、そのまま彼女の中に溶け込んだ。

 

「―――ッ!?一体何が―――!?」

『何だこれ?……まさかコイツ、セレナと精神を同調させているのか!?』

 

 次の瞬間、セレナの握っていた片手剣(アームドギア)が一人でに動き出し、カービィの目の前に移る。

 

 すると、カービィの握っていた短剣が()()()()()へと姿を変え、カービィの中へ溶け込む。

 するとカービィは、一旦元の姿へと戻る。

 

 そして、目の前に浮かぶ片手剣を握り―――

 

――― Seilien coffin airget-lamh tron

 

 聖詠を奏でた。

 

 刹那、カービィの身体が銀色の光に包まれ、再びその姿を変える。

 

 背中に桃色の花びらのような装飾が付き、両肩には白銀の装甲。

 身体の下辺りには、セレナの胸元の装飾を小型化したような物が付いている。

 そして右手には、先ほど手にしたセレナのアームドギアである片手剣を握っている。

 

 その姿は正しく、セレナのギアを模した物であった。




次回、遂に決着!(章末ではない)
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