星のカービィ Wish in the Symphony   作:テンカイザー

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連"続"投"稿"!
ただ今回は大分短めです。

今回にてこの章は一旦完結です。
次回からは幕間を挟みながら新章を書く予定です。

なんとか今年中に終わらせられてよかったあ……


十九星目 影で微笑む者

「みなさん、お待たせしました」

「ぽよっ!」

 

 治療を終えたセレナとカービィが、皆が待つ部屋へと入って来る。

 二人とも元気そうだ。

 

「本当に大丈夫なのですね……?」

「はい、心配いりません」

 

 尚も心配するナスターシャに、セレナは笑顔で返事をする。

 ナスターシャもセレナの様子を見て安堵した。

 

「カービィも本当に大丈夫なの……?」

「うぃっ!」

 

 次に響がカービィに心配の声を上げる。

 だが、カービィはいつものように元気良く返事をした。

 

「カービィの方が重症だった筈なのに、何で……?」

「それがカービィなのさ……」

 

 カービィの余りの回復力に響は疑問を浮かべる。

 それにメタナイトがさり気なく答えた。

 未だに理解しきれてはいないが、カービィの摩訶不思議は今に始まったことではないため、それで飲み込むことにした。

 

「まったく、突然いなくなって何をしていたのかと思えば、相変わらずお節介を焼いていたとはな」

 

 カービィの相変わらずの様子を見て、デデデは呆れの声を漏らす。

 

「さて、あなたたちのおかげで、フェニックスの羽による騒動は無事終息しました。本当にありがとうございます」

「何、これくらいどうってことないわよ」

「ああ、いつだって人々を守護するのが我らの役目だからな」

 

 ナスターシャのお礼に、装者たちはそれぞれ答える。

 

「ですがセレナ、あなたは今回無茶をしましたね」

「―――ッ」

 

 ナスターシャの言葉に、セレナは思わず反応する。

 

「絶唱のバックファイアがどれほどのものか、あなたもわかっている筈です」

「はい……」

「あなたはこの世界で唯一の装者なのです。あなたがいなくなってしまえば、それだけ大勢の人間が救われなくなってしまうのです。それをお忘れなく」

「はい、ごめんなさい……」

「わかったのなら、今後は二度とこんなことをしないように」

 

 ナスターシャは鋭く言い放つ。

 セレナはそれに、ただ頷くだけであった。

 

「今回はここまでにしておきます」

 

 そう言うと、ナスターシャは話を切り替える。

 

「あの親子は、無事なのですね」

「はい、ヴェイグさんのおかげで、ミレニアムパズルの中で安心して過ごせています」

 

 セレナが親子を隠すのに使ったのは、聖遺物『グレイプニル』。

 その力は、特殊な空間『ミレニアムパズル』を自在に操ること。

 それにより、ダイナブレイド親子はミレニアムパズルの中に隠すことができた。

 

「ならばあの親子はもう安心ですね。本部の方には、私から都合良く言っておきましょう」

 

 本部にはグレイプニルやミレニアムパズルの情報は行き届いていない。

 故に、ダイナフェニックスは装者により討伐されたと言っておけば誤魔化せるであろう。

 フェニックスの羽についても、ダイナフェニックスとの戦いの末跡形も無く破壊されたと言えば問題無い。

 

 かくして、ダイナフェニックスの事件は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

「だが、まだ全てが終わった訳ではない」

「―――へ?」

 

 メタナイトの言葉に、気が緩んでいた響が思わず声を漏らす。

 

「まだ今回の件の黒幕が見つかっていない。奴はまた何か事件を起こすやもしれない」

 

 その言葉により、響もようやく理解した。

 

「えぇ、ですが一先ずその黒幕の目論見は失敗しました。次に出るまでまだ時間があるでしょう」

 

 ナスターシャはそう言う。

 だが、全員が安堵などせずにいられた。

 

「一先ずあなたたちは一度元の世界へ戻るべきでしょう。そしてこのことも報告しなければなりません」

「そのことだが、少し良いだろうか?」

 

 ナスターシャが言い終わると、そこへメタナイトが割って入る。

 

「私もなるべく多くのことを調べたい。そのためにも、どうか私を君たちの世界に連れて行ってはくれないだろうか?」

 

 メタナイトの言葉に、全員が俯く。

 

「ああ、それなら歓迎しよう」

「感謝する」

 

 そして一同は、元の世界へと帰って行った。

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

「失礼します。全員帰還いたしました」

「うむ、みんなご苦労であった」

「あ、お帰りなさいデース!」

 

 司令室には、弦十郎の他にクリスたち装者もいる。

 

 弦十郎は全員が無事帰還したことを確認し、安堵する。

 すると、初めて見る姿―――メタナイトの存在に気づく。

 

「む、もしや君が翼からの報告にあった―――」

「ああ、メタナイトだ。よろしく頼む司令殿」

 

 メタナイトは礼儀良く弦十郎に挨拶をする。

 

「おい、何かまたちっこいのが増えたぞ。一体あと何匹増えるんだよ……」

「……小さくて悪かったな」

 

 クリスの言葉に、メタナイトは思わず反応する。

 

「んんっ!とにかく、報告を聞かせてもらおうか……」

「はい、まず―――」

 

 そうして、翼は弦十郎にことの全てを話した。

 

「なるほど、今回の異変の黒幕が影を見せ始めたか……」

「はい、ですが尚その足取りは掴めずにおられます」

 

 その言葉に、全員が思い悩む。

 

「だが、黒幕の存在が明らかになったんだ。これもまた一歩全身だ!」

 

 そこで、弦十郎は全員の気を持ち直すべく励ましの言葉をかける。

 

「だが、我々の世界だけでなく並行世界にまで異変を起こすほどの者だ。間違いなく相当手を焼くであろう。全員気合いを入れておけ!」

『はいッ!(デース!)』

 

 全員が弦十郎の言葉に、根気良く返事をする。

 

「そう言えば、本部にリーパーは現れなかったの!?」

 

 するとそこで、マリアが以前危惧していたことを思い出し、慌てて問い出す。

 

「いや、そのようなことはなかったぞ……?」

「そう……」

 

 マリアは安堵するが、同時に疑問も湧く。

 ギャラルホルンが出したのは、確かにリーパーの発生の元凶であるディメンションホールであった。

 それなのに、何故本部にリーパーが現れないのか?

 

「そのことですが、詳しい理由はまだわかりません」

 

 そこで話に入って来たのは、エルフナインだ。

 

「ですが、ここには僕たちよりもディメンションホールについて知る方たちがいます」

 

 そう言うと、全員がメタナイトの方を向く。

 

「ああ、あのディメンションホールについてだが、あれは私たちの知る物とは別物だ」

 

 メタナイトの言うことに、全員が疑問を浮かべる。

 

「私たちは過去に何度かディメンションホールに飲み込まれたことがある。だが、今回見たのはそれとは明らかに違う。ディメンションホールの先に続く空間、アナザーディメンションは様々な次元が入り乱れたとても複雑な空間だ。だが、先ほどのあれは一本道であった」

 

 その言葉に、先ほど並行世界へと赴いた一同が俯いた。

 

「まず我々は君たちの言うギャラルホルンとやらについて知り得てない。まずはそれを教えてくれないか?」

「わかりました。僕たちが知り得る限りのギャラルホルンについての情報を説明します」

 

 そうしてエルフナインは、メタナイトにギャラルホルンについて説明した。

 話しを理解出来ないカービィたちは途中で寝ていたが。

 

「うむ、あくまでこれは私の推測だが、聞いてくれるか?」

 

 全員がメタナイトの話に耳を傾ける。

 

「要するに、そのギャラルホルンというのは並行世界の異変を感知する機能を持っている。それにより、並行世界でのディメンションホールの発生を捉えたのだろう」

 

 そして、とメタナイトは続ける。

 

「恐らく、それに合わせてアナザーディメンション内に我々を異変が起きた世界へ導くための通り道を作ったのだろう、何者の干渉も受けないな。リーパーが現れなかったのはそのためだろう」

 

 メタナイトの言うことはあくまで憶測に過ぎない。

 だが、それが間違っているか確かめる術など今のS.O.N.G.には無い。

 故に、今はその憶測で納得する他なかった。

 

「では、装者でない筈のあなたたちが通れたのは何故なのでしょうか……?」

 

 そこでエルフナインは、新たな疑問を提示する。

 

「それは私にもよくわからん。アナザーディメンションが及ぼした影響で特性が変化したのか、今回の異変は君たち装者だけでは解決出来ないと判断されたのか……」

 

 メタナイトは更に憶測を並べるが、結局はっきりとした答えは出ない。

 

「うむ、取り敢えずギャラルホルンの変化については追々調べて行くとしよう。それはさて置きだ―――」

 

 そう言うと弦十郎は、カービィの方を向く。

 

「カービィくん、君はまたしても俺の許可無く勝手なことをしたな」

「ぽよっ!?」

 

 カービィは驚き、思わず跳び上がってしまう。

 

「おまけに君は並行世界で重症を負ったそうじゃないか?結果的にすぐ回復したとはいえ、これは黙認出来んな」

「ぽよぉ……」

 

 カービィは蹲ってしまう。

 

 並行世界を渡ったことに関しては、ワドルディも同罪と思われるだろう。

 だが、彼はカービィが並行世界へ移動した後弦十郎から特別な許可を得て、装者たちと同伴することを条件に行動していたのだ。

 故に、ワドルディへのお咎めはない。

 

「だが、今回の件で一連の事態の黒幕が並行世界間で動き回っていることがわかった。そして、その黒幕こそが君たちが元の星に帰るための鍵となり得る可能性も充分にある」

 

 故に、と弦十郎は言葉を続ける。

 

「今後は、ある程度の範囲内での行動は許可しよう。ただし、今回の件に関することのみ、そして必ず装者の誰かを同伴すること、これが条件だ。良いな?」

「ぽよ!?はぁーい!」

 

 カービィは行動の制限が緩和されたことに心から喜びを感じる。

 条件の範囲内とは言え、これでようやく響たちと一緒に戦えるのだ。

 

「が、それはそれとして今回の件に関しては処罰を下さなければならんな」

「ぽよっ!?」

 

 喜んでいたカービィが一転、嫌な予感を感じ始める。

 

「カービィくん、君は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――しばらくの間おやつ抜きとする!」

「ぽよおぉぉぉぉぉっ!!」

 

 その言葉により、カービィは床に手を付き、ドーンと落ち込む。

 

 一方で、他の者たちはカービィを見て呆れていた。

 

「おいおっさん!そんなんで良いのかよ!?」

「まあ、今回は並行世界であったし、情報の漏洩の恐れはないだろう。

 それに、彼には良い処罰さ……」

 

 弦十郎の視線の先では、未だに落ち込むカービィと、それをそっと励ます響の姿が写っていた。

 

「ぽよ……」

「カービィ、辛いのはわかるけど、師匠はカービィのためを思ってくれてるんだよう……」

 

 そんな様子を見て、装者たちは勿論、メタナイトたちも呆れていた。

 

「カービィ……」

「まったく、あいつと言う奴は……」

「はっはっはっ、ザマアないなカービィ!」

 

 唯一一人だけ、デデデはカービィを見て嘲笑っていた。

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 ―――人気の付かない暗闇の中

 "その者"は、不気味な笑みを浮かべていた。

 

「ア〜ア、折角ボクが首輪をプレゼントしてヤッタのにナアー」

 

 その者は愚痴を零しながらも、顔はニヤニヤと笑っている。

 

「でもまあイッカ。オカゲでこの世界のセイイブツってヤツが面白いってワカッタしネェ……」

 

 その笑みからは、とてつもない怪しさが溢れ出ていた。

 

「サア、また次の世界にイッてイタズラしてヤンナキャ。

 次はモット面白くしてヤンナイとネェ、ソシテそのまま世界を…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――支配してアゲルヨォ!




さて、敢えてききましょう。
あのイカサマ野郎がシンフォギア世界に来て悪巧みしないと思いますか……?
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