星のカービィ Wish in the Symphony   作:テンカイザー

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捕捉回です。
今回はシンフォギアコピーについて説明します。


幕間星 シンフォギア能力

「それと、もう一つ気になることがあります」

 

 エルフナインはそう言い、話を切り出す。

 

「先ほどの報告にあった、カービィさんがシンフォギアの力を使ったことについてです」

『―――ッ』

 

 その言葉を聞き、先ほど並行世界へ赴いていた者たちが思い出す。

 ―――カービィがマリアとセレナのシンフォギアの力を使って戦ったことを

 

「そう言えば、…あれは何だったのだ?」

 

 全員が思っていた疑問を、翼が代表して言う。

 

「恐らくは、コピー能力の一種であろう……」

 

 そう言うのは、メタナイトだ。

 

「コピー能力って、確か……」

「吸い込んだ物の力をコピーする力だったデスよね?」

 

 調、切歌の順にそれぞれ言葉を出す。

 

「それでですが、その能力はマリアさんとセレナさん、それぞれお二人のギアに酷似していたのですね?」

「ええ、間違いないわ」

「そう言えば、見た目だけでなく歌や戦い方まで似ていたぞ」

 

 マリアの返答に、翼が付け加える。

 

「だとすると、気になる点がいくつかあります」

『……?』

 

 エルフナインの言葉に、全員が疑問を浮かべる。

 

「みなさんもご存知の通り、シンフォギアは本来適性が無いと使えません。それをカービィさんが使えたと言うことは―――」

「―――!カービィも適合者と言うことか!?」

 

 全員が悟ったことを、またしても翼が言う。

 

「おい待て、そもそもコイツ人間じゃねぇだろ。適性とかそんなのあるのか?」

「それは、…僕からはなんとも」

 

 クリスの言葉に、エルフナインはしょんぼりと答える。

 だが、カービィは全てが未知に包まれた存在だ。わからないのも無理はない。

 

「あなたたちは、何か知らないの?」

「すまぬ、我々もカービィの全てを知っている訳ではないのだ……」

 

 次にマリアがメタナイトに問う。

 だが、またしても明確な答えは出なかった。

 

「まあいずれにせよ、シンフォギアの力を使えた以上、カービィくんも適合者と見て良いだろう」

 

 弦十郎の言葉により、一同は一先ず納得するのであった。

 

「それで、他に気になることは?」

「はい、それはカービィさんのギアの形状やアームドギアがマリアさんやセレナさんと同じだったということです」

『……?』

 

 またしても全員が首を傾ける。

 

「シンフォギアの形状やアームドギアは、装者の心象によってその形状は異なります。それがカービィさんのは他の装者と同じ物を使っていた、それはつまり―――」

「カービィはシンフォギアの力だけでなく、装者の心象までコピーしているということね……」

 

 エルフナインが言おうとしたことを、今度はマリアが言う。

 

 だが、全員がその言葉に納得しきれずにいる。

 

「心象をコピー、そんなことが可能なのか?」

「正直、これは僕にもわかりません。メタナイトさんたちは何か知らないでしょうか?」

 

 エルフナインは再びメタナイトに問う。

 メタナイトには、その疑問について心当たりがあった。

 

「それは恐らく、フレンズハートの力が関係しているのだろう」

「フレンズハート?」

 

 メタナイトはあの時リーパーと戦ってる最中に、フレンズハートがセレナに宿ったのを見たことを思い出す。

 一方で、フレンズハートのことを知らない一同は、全員疑問を浮かべる。

 

「君たちなら見ただろう、カービィから出たあのハートを」

「―――!まさかあの時の!?」

 

 メタナイトの言葉で、件の三人はカービィから出たハートのことを思い出す。

 

「そう言えば、カービィがギアをコピーする時、必ずあのハートが現れていたわね」

 

 マリアが思い出し、言葉に出す。

 一方で、当事者でない者たちは首を傾ける。

 

「それで何なのだ、そのフレンズハートとは?」

 

 翼がメタナイトに問い、それにつられて全員がメタナイトを凝視する。

 

「フレンズハートとは、カービィの中に宿っている神の心の一部だ」

『―――ッ!?』

「神の、心の一部だとッ!?」

 

 メタナイトの言葉に、全員が驚愕してしまう。

 

「そんな物が、カービィの中に……」

「ああ、以前の冒険で色々とあってな」

 

 メタナイトは嘗ての()()()()との決戦を思い出しながら言う。

 一方で、装者たちはメタナイトが言う冒険が全く想像出来ず困惑してしまっている。

 

「それで、そのフレンズハートがどのように関係しているのでしょうか?」

 

 全員が愕然とする中、エルフナインはメタナイトに元々聞きたかったことを改めて問い直す。

 

「ああ、フレンズハートには宿主とその力の影響を受けた者の絆を繋げる力がある。それによりカービィは君たちと心の繋がりを生み出したのだろう」

「では、それを媒介にして装者の心象をコピーしたということなのですね?」

「ああ……」

 

 メタナイトの説明に、エルフナインはようやく納得出来たようだ。

 だが、一部の者は未だ良く理解出来てないようである。主に、響と切歌だ。

 

「えぇと、ようするにどういう事?」

「お前はいい加減理解力をつけろッ!」

「イダッ!?…殴ることないじゃんクリスちゃん」

 

 クリスは響の理解力の無さに、思わずいつもの勢いで殴る。

 

「まあ、とにかくカービィに新しい力が増えたってことだね!」

「はぁーい!」

「シンフォギアをコピーしたんだから、『シンフォギア能力』だね!」

 

 ワドルディはカービィの新たな力に喜ぶと同時に、名前を付ける。

 

「随分短絡的だな……」

「そうか?私は良いと思うぞ、シンフォギア能力」

「先輩……」

 

 ワドルディが付けたあまりにも安直な名前に、クリスは言葉を漏らす。

 だが、翼はそれに肯定的であり、思わずクリスは呆れてしまう。

 

「そう言えば、まだ気になることがある」

 

 そう言ったのは、マリアだ。

 

「あの後出て来た、あの星はなんだったのかしら?」

 

 マリアが思い出すのは、ダイナフェニックスとの決戦の際に現れた銀色の星形。

 カービィがマリアのギアからセレナのギアをコピーする際に、カービィが握っていたアームドギアが変化した物だ。

 更に、カービィが向こうの世界にて二度目のメディカルチェックを受ける際、能力が解除された時にも同じような物が現れていた。

 その後、その二つの星はどちらもカービィの中に溶け込むかのように入っていったのだ。

 

「あの星は、私とセレナのアームドギアから生まれていたわ。あの後、カービィの中に入ったのだけれど……?」

 

 マリアの言葉を聞き、エルフナインは思考の海に浸り始める。

 エルフナインの中で、ある予感がよぎり始めたのだ。

 

「アームドギアが変化し、それがカービィさんの中に……まさか―――ッ!?」

 

 すると、エルフナインは突然立ち上がり、険しい表情になる。

 

「すぐにカービィさんを検査させて下さい!」

「エルフナインちゃん……?」

 

 エルフナインの突然の変わり様に、一同は疑問を抱く。

 

「何か気になることがあるのか?」

「はい……」

「でも、向こうの世界で治療を受けた時は、もう大丈夫だったけど?」

「だが、それはあくまで応急処置にすぎなかった。詳しい検査まではしない内にカービィがすぐ元気になったから、そのまま戻って来たのだろう……」

「あっ……」

 

 翼の指摘で、響は気づいた。

 確かにその通りであった。カービィがあまりに早くもいつも通りの元気な姿に戻ったため、見落としていたのだ。

 

「とにかく、直ちに検査をさせて下さい!もしかしたら、カービィさんは……」

「わかった、許可しよう。だから少し落ち着け」

 

 そうして、弦十郎の言葉によりほんの少しばかり冷静になったエルフナインは、カービィを連れて医療室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

「検査が完了しました……」

 

 医療室から出てきたエルフナインは、未だ険しい表情のまま出てきた。

 

「それで、どうだったの?」

 

 その様子から嫌な予感がする中、マリアが問いかける。

 

「それなのですが、カービィさんの体内から、聖遺物の反応があったんです」

「それって……?」

「まだはっきりとはわかりません。けど、もしかしたら今のカービィさんは、()()()()に近い状態かもしれないんです」

『―――ッ!?』

 

 その途端、全員に衝撃が走る。

 

 ―――融合症例

 

 それは、嘗ての響がそうであった、聖遺物が肉体に文字通り融合した状態のこと。

 聖遺物の力をより引き出すことが可能となるが、その代償に聖遺物に体内の器官を侵食され、やがてその者は死へと至る。

 

 カービィが今まさにそのようになっていると言うのだ。同様せずにはいられない。

 

「カービィは、大丈夫なのッ!?」

 

 響は顔を険しくしてエルフナインに問いかける。

 嘗て自身も融合症例だった故に、その危険性は身を以って理解していた。

 今自分の友だちが、過去の自分と同じ目にあっているかもしれないのだ。

 

「それが、確かにカービィさんから聖遺物の反応がありました。ですが、それがカービィさんの体のどこにあるのかがわからないんです……」

「……へ?」

 

 エルフナインの言うことが理解出来ず、響は思わず変な声を出してしまう。

 

「おい、一体どういうことだよッ!?」

 

 クリスが苛立ちを浮かべながら、エルフナインに詰め寄る。

 

「いくら検査をしても、聖遺物の反応は捕捉出来るのに、その反応の出所が特定出来ないんです。そもそもカービィさんの身体の構造自体が全くの謎で、何がどうなっているのかまったく……」

「んだよそりゃ……」

 

 エルフナインは、やるせない気持ちで答えた。

 

「お前らはどうなんだ!?お前らアイツと長い付き合いなんだろ!?何か知ってんじゃねぇのか!?」

「……すまないが、先ほども言ったよう我々もカービィの全てを知っている訳ではない」

「―――くッ」

「雪音……」

 

 クリスの中で、行き場のない苛立ちが駆け巡る。

 この場の誰もが悪い訳ではない。どうしようもないことを怒ったって仕方がない。

 頭の中ではわかっていても、苛立ちは消えることはない。

 

「だが、カービィに関しては問題ない筈だ」

 

 それを言ったのは、メタナイトだ。

 

 その言葉を聞いた途端、クリスの何かが弾けた。

 そしてそのまま、メタナイトの頭をがっしり掴んだ。

 

「―――ッ!?雪音!!」

「何勝手なこと言ってんだよテメェッ!問題ないだぁッ、アイツのことわかってんのかッ!?アイツはあのままじゃ死ぬかもしれねぇんだぞッ!」

「―――そこまでにしなさいッ!」

 

 マリアが止めに入り、クリスの怒号は止む。

 溜まっていた怒りを粗方出したクリスは、メタナイトを掴んでいた手を放す。

 メタナイトは、そのまま上手く床に着地した。

 

「君の優しさに感謝する。そして謝罪も、確かに私の発言はアイツの命を軽んじたものだったと捉えられてもおかしくない。すまなかった」

「…………」

 

 メタナイトは謝罪の言葉を送る。

 クリスはただそれを聞いて、何も言わなかった。

 

「だが、何度も癪に障るようかもしれないが、アイツに関しては問題ない」

 

 だが、こともあろうことか、メタナイトはまたしても先ほどと同じ言葉を口に出す。

 

「別に私はアイツの命を軽んじてる訳ではない。だが、私は知っているのさ、アイツはこんなことでくたばる奴ではないと」

「……どういうことだよ」

 

 溢れんばかりの怒りを抑えながら、クリスは話を聞き続ける。

 

「アイツには、昔から私たちにもわからない不思議な力があってな。今までもどんな危機に陥っても、アイツは必ずその不思議な力で乗り越えて来た。それが何なのかは、未だにわからない。だが、確かにアイツにはあるんだ、理屈などすっ飛ばすほどの、何を用いても解明出来ない"何か"がな」

 

 メタナイトの言うことには、全くクリスを納得させるほどの物などない。

 どう聞いても、何の根拠も理屈も何も無い。

 

「クリスちゃん、メタナイトくんの言うことを信じよう」

 

 そこで声をかけたのは、響だ。

 

「何言ってんだよお前、お前だってアイツが心配なんじゃねぇのかよ!?」

「うん、勿論心配だよ。だけどね、何故か私も大丈夫な気がするんだ」

「……は?」

 

 クリスは響の言ってることが理解出来なかった。

 

「私もまだカービィとは会ったばかりだし、カービィのことちゃんと知れた訳じゃないのかもしれない。けど、カービィを見てると、何故かメタナイトくんの言う通りな気がするんだ。だから、きっとカービィは大丈夫。それに私だって助かったんだもん、きっとカービィだって危なくなったら助かるよ。ううん、私たちが助けるもん!」

 

 響は笑顔で言い切る。

 響のあまりの能天気ぶりに、クリスの怒りは逆に呆れた末に鎮まっていた。

 

「ぽよっ!」

 

 すると、検査を終えたカービィが、一同の元に駆け寄って来た。

 

「あ、カービィ!検査お疲れ様」

「はぁーい」

 

 響はカービィを抱き抱え、二人は互いに笑顔を浮かべ合う。

 

 そんな二人の様子を、一同はそっと見守るのであった。

 




次の章は、現在内容をまとめ中なのでどうかもう少々お待ち下さい……()

クリスマス回も同時に見て下さい!
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