星のカービィ Wish in the Symphony   作:テンカイザー

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今年初の投稿です。
皆様、大変ながらくお待たさせして本当に申し訳ございませんでした!!(泣)


月魄の絡める契りの糸
二十星目 新たなる異変


 とある日の本部。

 今日は、装者の一部は出張任務にいっているため何人かが欠けている。

 残ったのは翼、クリス、未来の三人のみ。

 

「ふッ、やるな!」

「そちらこそ、たぁッ!」

 

 そんな中、訓練室にて翼とメタナイトは互いに剣を交えていた。

 

 メタナイトは常に己を磨き続けるために鍛錬を怠らない。

 故に弦十郎に頼んで訓練室の使用を要請したのだ。

 

 弦十郎はこれにすぐ許可を出した。

 これからは限定的とは言え彼らは共に戦う仲間だ。ならば仲間として鍛錬くらいは自由にさせてやらねばと思ったのである。

 

 そんな時、メタナイトの相手として名乗りを挙げたのが翼だ。

 メタナイトも自身と同じ剣士と言うこともあり、是非とも手合わせしたいと思っていたのである。

 

「まったく嬉しい限りだ、君ほどのやり手の剣士と剣を交えられるのはッ!」

「あぁ、こちらとて同じだッ!」

 

 言葉を交わしながらも、剣をぶつけ合う。

 両者とも目にも止まらぬ速さで剣を振るい、刃が交わる度に火花を散らす。

 

 互いに一歩も譲らず、詰め合う。

 

「はあッ!」

「せやあッ!」

 

 両者共に再び剣を振り下ろそうとしたその時、

 

 ブォーンッ!ブォーンッ!

 

『ッ!?』

 

 突如鳴り響いたアラートの音により、両者ともに剣を止める。

 すぐさま翼は通信機を取り出し、弦十郎に繋ぐ。

 

「何事ですかッ!?」

『ギャラルホルンのアラートだッ!至急発令室に集まってくれ!』

「了解!」

 

 翼の様子から、メタナイトも只事ではないのを悟った。

 

「どうやら並みならぬ事態のようだな」

「あぁ、ともかく共に来て欲しい」

「了解した」

 

 かくして二人は発令室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 発令室には既にクリス、未来、そしてカービィたちが集まっていた。

 

「それでおっさん、一体何だってんだよ?」

「うむ、またしてもギャラルホルンが以前と同じ反応を示した」

 

 ギャラルホルン。

 その単語が出てきただけで全員瞬時に悟った。

 再び並行世界での事件だと。

 

「以前と同じということは、またしてもディメンションホール絡みか?」

「恐らくは……」

 

 その中で、メタナイトは"以前と同じ反応"と言う部分に反応する。

 それはつまり、この異変の元凶が関係していると言うことだからだ。

 

「そこでだ、君たちに異変の起きた並行世界の調査を頼みたい。勿論、今回はカービィくんたちの同行も許可する」

 

 許可を貰ったカービィたちは、新たなる戦いに向けてそれぞれ心意気を整える。

 

「あの、私も行かせてくれませんか?」

「ん、未来くんもか?何故これまた……」

 

 そこで未来が自身も同行することを要請する。

 

 だが、翼とクリスがいる上、カービィたちも戦力となってくれる。

 さらに未来は装者の中で一番経験が浅い。わざわざ無理に行くこともない筈だ。

 故に、弦十郎は問いかけた。未来の真意を聞くために。

 

「響がいない間、カービィは私が守らなくちゃいけないから……ッ!」

 

 響は出張任務に行く前、未来にあることを頼んでいた。

 カービィを守ってと。

 

 前回のメディカルチェックから、カービィが融合症例に近い状態になってしまったことは未来にも伝わっていた。

 

 嘗て響が融合症例になってしまった際、未来が纏う神獣鏡(シェンショウジン)の輝きによってことなきを得た。

 いざと言う時は、神獣鏡の力を使えばカービィを救える。

 故に未来は決心していたのだ。

 いざと言う時は、カービィは自分が救うと。

 

 未来にとって響は自身の大切なお日様のような存在。

 響の友達であるカービィもまた彼女にとって大切な存在だ。

 なんとしても守らなければならない。

 

「うむ、わかった。未来くんの同行を許可しよう」

「ありがとうございます!」

「ただし、無茶はするなよ」

「はい!」

 

 未来は返事をし、弦十郎はそっと笑みをみせる。

 そして一同はギャラルホルンの元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 アァ、さっそく新しいオモチャを見つけちゃった♪

 

 これでまた面白いアソビができちゃうネ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ケド、これで来てくれるカナァ、カービィ?

 

 キミがいてくれなきゃ面白くならないんだヨォ……

 

 だからお願いだヨォ、……またボクと遊んでヨォ……

 

 ボクがまた悪いことをすれば、キミはまたボクを邪魔するんだロォ……

 

 

 

 

 またボクと遊んでヨォ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボクを一人にしないで……ヨォ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボクを寂しくさせないで…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボクを…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タス……ケテ…………

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

「ここが、今度の異変が起きた世界か……」

 

 ギャラルホルンのゲートを抜けた一同は、自身たちが着いた場所を確認する。

 そこは、特に変わった様子は見られない街であった。

 何の変わり様もない、至って平和な光景が広がっている。

 

「特になんともないですね」

「あぁ、だがギャラルホルンがアラートを発したということは何かあるはずだ。油断はするな」

 

 翼は全員に用心するよう言葉をかける。

 今は何もなさそうに見えても、ギャラルホルンが反応を示したと言うことは何か原因がある筈。今までそれは大抵が碌な物ではなかった。故に、充分に警戒する必要があるのだ。

 

 すると、

 

 –––––!!!

 

 程なくして異変は起こった。

 突如として辺りに巨大な悲鳴が鳴り響く。

 すぐさま一同は異変の根源を探すべく動き出す。

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 あれから走り続け、ようやく悲鳴の根源の場所に辿り着く。

 

「–––––!?あれは」

「リーパー!」

 

 そこには、またしてもリーパーたちが人々を襲っていた。

 

「予感はしていたが、やはりまたコイツらか……」

「でも、リーパーぐらいならどうにかなる!」

「当たり前だ!オレさまが全部けちらしてやるわ!」

 

 メタナイトたちはそれぞれ武器を構え出す。

 

「我々も行くぞ!」

「はい!」

「あいよ!」

 

 装者三人もペンダントを握り、詠唱を奏でる。

 

 ––––– Imyuteus amenohabakiri tron

 ––––– Killter Ichaival tron

 ––––– Rei shen shou jing rei zizzl

 

 三人の身体を光が包み込み、ギアが纏われる。

 未来のギアは紫を基調とし、手にはアームドギアである扇子を握っている。

 

 かくして一同は戦闘に突入する

 

 

 

 

 –––––と思われたが、そこでまだカービィが無防備状態なのを思い出す。

 

「ほら、お前はコレを使え!」

「ぽよ!」

 

 デデデがそう言いながら取り出したのは、爆弾が描かれた黒い能力の素であった。

 

 カービィがそれを吸い込むと、頭に花火のような模様が描かれたとんがり帽子が現れる。

 さらにカービィの手には、導火線の付いた爆弾があった。

 

 ––––––コピー能力『ボム』

 

 カービィは手に持つ爆弾をリーパーの群れへと投与する。

 次の瞬間、爆弾が弾け数体のリーパーを吹き飛ばした。

 

 さらにカービィは今度はどこからともなく取り出した爆弾を両手に持ち、辺りに乱れ投げる。

 あちこちで爆弾が弾け、次々と花火が上がる。

 

「おい、もう少し慎重にやりやがれっ!」

「雪音こそいつも何でも吹き飛ばしてるだろう」

「あたしはあんな乱暴じゃねぇっ!なりふり構わずやるのはあのバカのほうだろ!」

 

 カービィの荒れ狂う爆弾の雨にクリスは怒鳴る。

 そこへ翼が口を挟み、クリスは頬を染めながら抗議する。

 

「はあっ!」

 

 傍らで言い合う二人を他所に、未来はアームドギアからビームを放ちリーパーたちを葬って行く。

 

「早く逃げて下さい!」

 

 時折逃げ遅れた人を庇いながらも、順調にリーパーたちを減らしていく。

 

「はあっ!」

「えいっ!」

「おりゃっ!」

 

 装者に続き、メタナイトたちもリーパーたちを倒していく。

 メタナイトが空中を滑空しながら華麗に切り裂き、ワドルディが巧みな槍捌きで翻弄し、デデデが豪快な一振りで蹴散らす。

 

 カービィはリーパーの群れを駆けながら、次々とリーパーたちとすれ違って行く。

 一見ただ通り過ぎているだけで、何もしてないように見え、リーパーたちも呆れている。

 

 だが、その頭にはいつのまにか爆弾が乗せられていた。

 次の瞬間、リーパーたちに乗せられた爆弾がほぼ同時に爆ぜ、辺りを黒い煙が覆う。

 

 –––––『おき逃げ爆弾』

 

 次々と数を減らしていく。だが、それでもリーパーの群れはまだ無くなる様子を見せない。

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃあああああああっ!!!」

 

 –––––!?

 

 その時、突如としてどこからともなく来た"ナニカ"が巨大な地響きとともに地面を大いに揺らす。

 すると強大な衝撃波が広がり、辺りを砂埃が覆う。

 

 突然のことに困惑する一同。

 警戒心を向けながら砂埃が晴れるのを待つ。

 

 やがて砂埃が晴れると、そこには

 

 

 

 

 

 

 まるでヒーローを思わせる黒いスーツを見に纏った巨体が佇んでいた。

 

「……え?」

「……はっ?」

 

 顔はバイザーで覆われている。

 だが、その見覚えのある体格からそれが誰なのか理解するのは容易であった。

 

「まさかこんな所で君たちにあうとはな!」

「おっさん!」

 

 そう、そこにいたのは正しく『風鳴弦十郎』である。

 カービィたちは最初半信半疑であったが、その声を聞いたことにより確信した。

 

「……弦十郎司令殿、なのか?」

「うむ、君たちは一体?見るからに人間でないが……」

「え、ボクたちはさっき弦十郎さんとは会ったばかりじゃ……」

 

 まるで自分たちを初めて見たかのような反応にワドルディは首を傾ける。

 そこにメタナイトが説明を入れる。

 

「バンダナワドルディ、ここは私たちがさっきまでいたのとは別の世界だ。だからこの司令殿も私たちの知る司令殿ではない」

「あぁ、そっか」

 

 メタナイトの説明に納得し、ワドルディは手をポンと打つ。

 そう、彼はこの世界に生きる並行世界の風鳴弦十郎。これまで装者たちとも何度も共に戦って来た仲だが、今の彼らは知らないこと。

 

「だが、何故司令殿が前線に出てるのだ?もしやこの世界では組織の司令ではなく–––––」

「話はそこまでだ」

 

 疑問を言おうとしたメタナイトだが、弦十郎に遮られ話を止める。

 目の前にはまだリーパーたちがいる。まずはそちらを片付けるのが先決だ。

 未だ疑問を拭えないメタナイトだが、一先ず置いておくことにし改めて剣を構える。

 

「おいおっさん、出てきて大丈夫なのか?またフィーネに怒られんぞ」

「なに、そのための変装さ」

 

 変装というには趣味が出過ぎている気がするが、一旦それは置いといて敵を見据える。

 

「はあっ!」

 

 先に出たのはメタナイトだ。リーパーたちを切り裂き、時に翼を広げ空中を飛びながらリーパーたちを切り裂いていく。

 

「あんな成だが、彼らも戦えるのか」

「はい、彼らも我々と同じく戦士です。まだ少ないですが、我々と肩を並べて戦ってくれます!」

「そうか、ならば遠慮はいらんな!」

 

 そう言い、全員が踏み出しリーパーたちへ向かって行く。

 弦十郎は拳を振るい、リーパーたちを吹き飛ばす。その拳からは一回振るい毎にとてつもない威力を出していた。

 

(何故普段前線に出ない筈の司令殿があんな凄まじい力を?やはりこの世界では戦士なのか?)

 

 そんな弦十郎の様子を見ながら、メタナイトは先ほどの疑問をまたしても思い出していた。

 彼らの知る弦十郎は、普段は組織の司令として後方から指示を出しており決して前線に出ることなどない。故に多少の心得はあるにしても、戦闘には向いてない筈であった。

 

 だが、目の前の弦十郎は前線にて優位に戦っておりとても普段は後方にいる者とは思えない程の戦いぶりだ。

 故にメタナイトは思った、彼はきっとこの世界では司令ではなく前線に立つ戦士なのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、彼らは知らなかった。

 彼がこの世界でも司令であることを。

 そして自分たちがいた世界の司令もまた規格外の強さの持ち主であることを。




という訳で今回から先覚世界が舞台となります。
ちなみにアイツがヤンデレっぽくなってるのにはちゃんと理由がありますのでどうかご了承を……

今回のように更新が大幅に遅れることが今後も多々あると思われますが、どうか今後もこの作品をよろしくお願いします!!(土下座)
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