星のカービィ Wish in the Symphony   作:テンカイザー

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………未だに物語は進展しませんが、どうかご了承を。(土下座)
今回は前回より短めですが、それもご了承を。(土下座二度目)


三星目 その頃、盟友達は

 プププランドに存在する巨大な山――『デデデ山』。

 その頂上に位置する顔のような装飾が施された巨大な城――『デデデ城』。

 その中ではある者達が集まっていた。

 

「それで、カービィがいなくなったというのは真か?」

 

 その中で先に声を挙げたのは、仮面の騎士だ。

 紺色の丸い身体に、顔全体を覆う白銀の仮面。

 背中からは漆黒のマントをなびかせ、腰には黄金の剣を携えている。

 

―――『メタナイト』

 

「……うん。気がついたらいつの間にかいなくなってて、家にもいなかったんだ」

 

 メタナイトの質問に答えたのは、彼より少し小さめの生き物。

 橙色にそまった丸い身体に、顔は肌色に染まっており、何故か口がない。

 頭には青いバンダナを巻き、背中には木製の槍を背負っている。

 

―――『バンダナワドルディ』

 

「だがあいつのことだ、また誰かにケーキでもとられて追いかけにいったんじゃないのか?」

 

 また次の者が声を挙げた。

 この場にいる者たちの中で最も背が高く、赤いガウンを着込んでいる。

 顔はまるでペンギンのようで、頭には金色の卵のような飾りのついた赤い帽子を被っている。

 

―――『デデデ大王』

 

 大王の名を冠しているが、それはあくまで自称である。

 

 デデデ大王が挙げた意見には、誰も反対の意を示さなかった。

 否、示せなかった。

 

 何せこの場の者達全員がカービィの大食いぶりを知っていたからだ。

 

 プププランド所か、ポップスター全体のレベルですらカービィほどの暴食など存在しない。

 なにせ以前とある事件で、カービィのおやつのケーキが紛失してしまい、それを取り戻すために宇宙にまで行ったほどである。

 

 だが、そこでメタナイトは新たな意見を言う。

 

「………確かにその可能性も否定出来ない。だが、カービィがこれまで関わってきたことはこの星(ポップスター)はおろか、宇宙全体の危機にまで至る程の物ばかりだった。もしやすれば、今回も何かの事件に巻き込まれたやもしれぬ」

 

 メタナイトが言ったことに一同は沈黙する。

 それは、肯定の沈黙だ。

 

 確かにカービィは基本的に自由奔放で気ままな故にすぐいなくなることもあった。

 

 しかし、メタナイトの言ったようこれまで何度も大規模な事件に巻き込まれたのも事実だ。

 

―――ある時はとある星から来た妖精を助けるために宇宙を巡り、

 

―――ある時は突如暴走した鏡の世界を救い、

 

―――ある時は突如天空の大陸へ誘われ、悪しき女王の圧政から天空の民を救い、

 

―――ある時は突如現れた侵略者により機械の世界に変えられた故郷を救い、

 

―――ある時は全てを破壊せし破神を仲間達と共に打ち倒し、

 

 とにかくカービィがこれまで為し得た功績は大規模な物ばかり。

 そのためカービィの存在は宇宙にまで知れ渡っている。

 

 その上カービィは純真無垢な故に、困っている人を見れば放ってはおけない性分なのだ。

 

 故に、カービィが大事に関わることは珍しくはない。

 

「………とにかく、私はこれよりメタナイツ総員を率いカービィを探しにいく。カービィがまた何かの事件に巻き込まれたのなら我々も無視する訳にはならん」

 

 メタナイトには彼の剣士としての腕前とカリスマ性に惹かれ、彼の元で日々共に強さを磨きながら共に戦う配下――『メタナイツ』がいる。

 

 そしてメタナイトは、配下達と共に宇宙の平和を守るため、そして自身の剣士としての腕を上げるための鍛錬として、愛機『戦艦ハルバード』で宇宙を彷徨っている。

 

 故に、メタナイトは宇宙の平和を守る者として、今回の件を放っておく訳にはならない。

 

「おい、少し大袈裟すぎんか?まだ結果は分からんのだぞ?」

 

 メタナイトの宣言に、デデデ大王は意見する。

 

 彼の言う通り、まだカービィが事件に巻き込まれたと決まった訳ではない。

 最初に言ったよう、ただ大したことのない理由で何処かへ消えただけかもしれない。

 

「……確かにな。だが生憎私は万が一のことも考慮せずにはいられないのでな、好きにやらせて貰う」

「……そうか」

 

 メタナイトの返答に、デデデ大王はただ一言だけ返した。

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 その後、メタナイトは自身の拠点へ戻り、一同は解散となった。

 

 ワドルディは、一人帰り道で途方に暮れていた。

 

「………カービィ、何処にいっちゃったんだろう?」

 

 彼はカービィが心配でならない。

 もし、カービィの身に何かあればと。

 

 何せカービィはこの星を何度も救ってくれた恩人であり、彼にとっての掛け替えのない"友達"なのだから。

 

 

 

 

 

 

―――すると突然

 

ゴォォォォォォォッ!!

 

「……え!?」

 

 突然大きな音と共に地面が揺れだす。

 突然の事にワドルディは慌てふためく。

 

 だが、そんなのおかまいなしといわんばかりにまたしても事は起こる。

 

 突如何もない空中に、星形の穴が現れたのだ。

 それはカービィが別の世界へと飛ばされた元凶と同じ物であった。

 

「え、アナザーディメンション!?」

 

 ワドルディには、それに見覚えがあった。

 嘗てカービィやデデデ、メタナイトと共に冒険へと出た時に遭遇した"異界の穴"だ。

 

―――何でこれがここに?

 

 疑問を拭えないワドルディ。

 だが、目の前の異界の穴は、無慈悲にも彼を引きずり込み始める。

 

「うぅぅぅぅぅぅ……わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 足を地面にぎっしりとつけて何とか踏ん張る。

 だが、その抵抗は虚しく異界の穴へと吸い込まれてしまった。

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 S.O.N.G.本部。

 そこでは、再び装者一同並び弦十郎、エルフナイン、そしてカービィが集まっていた。

 ちなみに、カービィは響の腕の中で抱かれるのがすっかりお馴染みとなっている。

 

「それでエルフナイン君、何か分かったのか?」

 

 弦十郎はエルフナインへと真剣な顔で質問する。

 

「はい、あれからあの未確認生命体やカービィさんについて解析を行なっていました。その過程で、僕はあの未確認生命体が現れた日の現場を解析していました。」

 

 エルフナインが語り出すと同時に、彼女はコンソールを操作しながらモニターへ映像を映し出す。

 そこには、またしても装者達には理解できない数式やグラフなどが写る。

 

「すると、あのときあの場所から離れた所で未知の反応があったのです」

 

 エルフナインが挙げた言葉に一同は疑問を浮かべる。

 

「その反応とは?」

 

 エルフナインの言葉に先に疑問を挙げたのは、弦十郎だ。

 

「はい、それが今まで見たことのない未知の物だったので、詳しい所までは……」

 

 弦十郎の疑問に、エルフナインは自信なさげに答える。

 

「ただ、この反応は"ギャラルホルン"の反応に僅かながら似ていたんです」

 

『!?』

 

 エルフナインが後から言った言葉に、一同は驚愕する。

 

―――『ギャラルホルン』

 S.O.N.G.内で保管している完全聖遺物。

 嘗てS.O.N.G.の前身である特異災害対策機動部二課の研究員であった『櫻井了子』によって発見されたもの。

 

 その能力は、あり得たかもしれない可能性の世界――『並行世界』を繋げること。

 

 これまで装者達はギャラルホルンを使い幾多もの並行世界の危機を救った。 

 そして同時に、その世界の者達と絆を結んで来た。

 

 そのギャラルホルンに似た反応ということは、装者達にある可能性を浮上させる。

 

「つまり、あの生命体は並行世界から来たということ!?」

 

 一同が思い浮かべた疑問を真っ先に言ったのは、マリアであった。

 

「まだ確証はありません。この反応は確かに極僅かにギャラルホルンににていますが、ほとんどが完全に未知な物なので……」

 

 マリアの疑問にまたしてもエルフナインは答える。

 

「カービィは何か知ってる?」

「ぽよ?ぽよっぽよっ」

「ごめん、やっぱり言ってること全然わかりません!」

 

 響はなんとなくカービィへと問う。

 だが、カービィの言葉はやはり響には全く理解出来ない。

 

―――その時

 

ブォーーン!ブォーーン!

 

『!?』

 

 突如として本部内のアラートがけたましい音を立て、一同の耳を痛める。

 

「何事だっ!?」

 

 弦十郎は即座に思考を切り替え、職員達に何が起こったかを問いただす。

 

「さっきまで話しに上がっていた未確認生命体です!小型の方が大量に出ています!」

 

「既に民間人に被害が出ています!」

 

 弦十郎の問いに即座に答えたのは、二人のオペレーターだ。

 

―――『藤尭 朔也』

―――『友里 あおい』

 

 弦十郎は二人の報告を聞いた次の瞬間、すぐさま装者達の方へ向き直る。

 装者達の顔は、既に覚悟の出来た真剣な物となっていた。

 

「お前達、聞いての通りだ!直ちに現場へ急行してくれ!」

『了解(デース)!』

 

 弦十郎の発令に、装者達は気の入った声で力強く答えた。

 

「カービィ、すぐに戻って来るから此処で待っててね」

 

 響はカービィを放し、その場に置いて行こうとする。

 

 カービィに戦える力があるということは、すでに響も理解している。

 しかし、それでもカービィを危険な戦場(いくさば)へ連れて行くことは出来ない。

 まだ出会ってから日が浅いとは言え、彼はもう響にとって"友達"なのだから。

 

 しかし、カービィはそれを良しとしない。

 

「ぽよっ!ぽよぽよ!」

「……どうしたの?」

 

 カービィは響になにかを訴えるよう声をあげて響から離れようとしない。

 

 カービィは響達の話しを完璧には理解していなかったが、その慌てようからただ事ではないのは分かった。

 純真無垢なカービィは、すぐさま響達が何か大変なことになっていると思った途端助けずにはいられなかった。

 

 故に、彼女達の手助けをすべく響に自身を同行させるよう訴える。

 

 だが、当の響はカービィの言っていることが理解できず困惑する。

 

「何をしている立花、早く行くぞ!」

「翼さん!……でもカービィが、何か言っているんです!」

 

 翼は響の言葉を聞いてカービィへと目を向けるが、やはり翼にもカービィの訴えは伝わらない。

 

「立花、カービィには悪いが、今は後回しだ。我々は一刻も早く戦場(いくさば)へと赴かなくてはならぬのだ!」

 

 翼はそう言い残し、すぐさま司令室から駆け出す。

 そして響も、カービィに申し訳なさそうな顔を向けた。

 

「ごめんねカービィ、私行かなきゃ!」

「ぽよっ!ヒビキ!ぽよっぽよっ!」

 

 カービィの必死の訴えも虚しく、響はすぐさま司令室を出て行ってしまった。




色々悩んだ結果ここら辺で区切った方が良さそうだったので、今回はここまで。
…………大丈夫ですよね?
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