星のカービィ Wish in the Symphony   作:テンカイザー

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相変わらずの至らない点の多い文章ですが、どうか温かい目で見てくれれば幸いです。



四星目 再会の友

 戦場(いくさば)へとたどり着いた装者たちは、即座にシンフォギアを纏いあたりを飛び交うリーパーたちへと向かい合う。

 

 翼は自身のアームドギアである剣で、リーパーを切り裂いた。

 

 斬られたリーパーは真っ二つになり、一瞬にして跡形もなく塵となる。

 一匹、二匹……

 リーパーは次々と斬られていき、数を減らしていく。

 

 そして翼が握る剣は、途端にその姿を変える。

 次の瞬間身の丈ほどはあるであろう大剣が現れる。

 

 大剣を持ち上げ、そのまま一気に振り下ろす。

 衝撃で風がなびくと同時に蒼く光る巨大な斬撃がリーパーの群れへと向かって行く。

 

―――『蒼ノ一閃』

 

 リーパーたちは、突然飛んで来た斬撃になす術もなく切り裂かれていく。

 

 だが、リーパーたちの数はまだまだ残っている。

 すぐにまた別の個体が翼に狙いを定めて突進を繰り出す。

 

 だが、リーパーは突如飛んで来た大量の弾丸によって葬り去られた。

 

「おいおい、仲間同士でぞろぞろしてんのはそっちだけじゃねぇぞ」

 

 翼が声が聞こえた方を振り向けば、そこには両手に銃を構えたクリスがいる。

 

 翼はクリスのどこか得意げな顔を見て、そっと微笑んだ。

 

 翼とクリスは互いに眼を合わせ、何も言葉を発することなく同時に駆け出す。

 言葉にせずとも、二人の中では通じ合っていた、

 

―――背中は預けたと

 

 クリスは銃をあらゆる方向へ向け、次々と引き金を引く。

 四方八方へ放たれる弾丸の数々が、リーパーたちをあの世へと送る。

 

 そんな時、

 

「えーいっ!」

 

『……!?』

 

 突然聞こえてきた聞き覚えのない声に、装者一同はあたりを見回した。

 

 すると、

 

「…やっ、やっ!」

 

 そこに声の主はいた。

 

 カービィと同じくらいの背格好。

 木製の槍を巧みに操り、リーパーと応戦している。

 

「……へ?あれなに!?」

「……どことなくカービィに似ている?」

 

 謎の生物を見て響と調はそれぞれ反応する。

 調の言う通り、謎の生物の外見はどことなくカービィに似ている。

 

 突然現れた謎の生物に呆気をとられていた装者たち。

 だが、すぐに我に帰り、リーパーたちへ向き直る。

 

 目の前の生き物がなんであれ、自分たちと同じ敵と戦っているのであれば、助けない道理などない。

 

 決意を固めた装者たちは、謎の生物の周りを飛び交うリーパーへ狙いを向けて駆け出した。

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 バンダナワドルディは困惑していた。

 

 異界の穴に飲み込まれたと思いきや、気づけばプププランドとはあきらかに違う場所にいる。

 

 更に辺りには、かつてカービィと共に冒険したときに出会ったリーパーたちがたくさんいるではないか。

 

 そしてリーパーたちはワドルディに気付いた途端、見境もなく襲いかかって来る。

 

「わぁっ!?」

 

 いまだに混乱がおさまらないワドルディ。

 だが、悠長に考えている場合ではないと彼は悟る。

 そして、背中に背負っていた愛用の槍を取り出し、構える。

 

 自身に迫って来るリーパーを即座に突き、そのまま度振り回し背後にいたリーパーを槍の先端で切り裂く。

 何度も槍を振り回し、リーパーたちを倒していく。

 

 そんな時、

 

「はあっ!」

 

 突然聞き覚えのない声が響いた。

 同時に、自身の周りにいたリーパーの一体が何かによって切り裂かれた。

 

 そして今度は、自身よりも遥かに背が高い、全体的にピンク色の格好をした女の子が目の前に現れる。

 

「……えぇっ、なに!?」

 

 そして、辺りをよく見渡せば、彼女と同じくらい、はたまた彼女よりも更に背の高い者も含めた、色とりどりの女性たちが他にもいるではないか。

 

 その外見は、どことなく以前出会った仲間の一人である画家見習いの少女に似ている気がする。

 だが、格好や雰囲気などから、あきらかに違うのがわかる。

 

 突如現れた者に気付いたワドルディは驚いてしまう。

 

 すると今度は、銀色の格好をした、彼女たちの中で一番背の高い者が自身へと近づいて来る。

 

 これには突然ワドルディも警戒心を出さずにはいられなかった。

 

 しかし、……

 

「大丈夫、私たちはあなたの味方よ」

 

 なんと相手はこちらに対し、笑顔を向けてこちらに優しく声をかけて来たのだ。

 これには警戒心丸出しであったワドルディも拍子抜けしてしまった。

 

 だが、それが仇となってしまったことに、ワドルディは気付けなかった。

 

 今の彼は拍子抜けしたことで動きが止まってしまう。

 リーパーたちからすれば格好の的である。

 

 それをみすみす逃すほど、リーパーたちは間抜けではない。

 

 リーパーの一体が、ワドルディ目掛けて突進を繰り出した。

 

 しかし、

 

「うおりゃっ!」

 

 勢いの入った声に、ワドルディは朦朧としていた意識をはっと取り戻し、反射的に声が響いた方を向く。

 

「……えっ!?」

 

 するとそこには、黄色の格好をした少女が右拳を前に出していた。

 

 彼女の拳の先では何かが弾け塵となったのが見えたのだ。

 

 その塵の正体が何かなど、考えるまでもなかった。

 

 突然のことに驚くワドルディだったが、自身に迫っていた身の危険から彼女が助けてくれたことは辛うじて理解出来た。

 

「君、大丈夫?」

「……う、うん」

 

 今度は黄色の少女に自身の安否を問われる。

 ワドルディはそれに、思わず答えてしまった。

 

 次から次へと起こる事態に、ワドルディはまだ事態をちゃんと飲み込めていない。飲み込めるはずがない。

 

 だが、ワドルディは自身のなかから立ち込めて来る焦りをなんとか押し殺す。

 そして、頭の中で物事を出来る限り整理し始める。

 

 少なくとも、今自身の周りにいる彼女たちから敵意は感じられない。

 むしろ彼にとって願ってもいない救援ではないか。

 

 とすれば、すくなくとも今自身が向き合うべき相手はリーパーたちのみ。

 

 考えをまとめたワドルディは、リーパーたちを再び見据える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――その時であった

 

「ぽよー!」

 

『!?』

 

 それはどこからともなく聞こえてきた。

 

 緊迫感に包まれた、この戦場には似つかわしくない可愛らしい声。

 

 だが、その声を聞いた途端、自身の焦りと不安との戦いに傷ついていたはずの彼の胸中の痛みが、ほんの一瞬で和らいだのだ。

 

 その声は、ワドルディにとってとても馴染み深いものだった。

 

―――聞き間違えるはずがない

 

 それはずっと再会を望んでいた、彼の心からの"友"の声なのだから…。

 

 そこから、ワドルディがその声が発せられた方向に向き直るのは早かった。

 

 自身を助けてくれた少女たちは、何故か慌てふためいてた気がするが、今の彼にはそんなのなど眼中に入らない。

 

 そしてついに見つけた、―――

 

 

 

 

 星型の乗り物を優雅に乗りこなし駆けつけた、カービィ(最愛の友)の姿を……。

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 響に置いて行かれたカービィは、本部内のモニターから響たちの様子を見守っていた。

 画面の向こうの響たちは、それぞれの武器(アームドギア)を巧みに使いこなし、リーパーを次々と倒している。

 

 だがそんな時、

 

「司令、あの場所に新たな生態反応を確認っ!」

「なんだと……っ!?」

 

 友里からの報告に、弦十郎は驚愕を浮かべる。

 

「その生態反応を中心に未確認生命体の反応が少しずつ消失していっています!」

「なに……?」

 

 藤尭からの新たな報告に、弦十郎はまたしても驚愕する。

 二人の報告から何が起こっているのか想像するのは弦十郎にとって容易である。

 

「……何者かが、戦っているのか?」

 

 弦十郎の疑問に答えるが如く、その様子がモニターに映し出される。

 そこには……

 

「な……っ!?」

「これって……」

 

 モニターを見た途端、一同はまたしても驚愕した。

 

「カービィくん、に、似てる……ッ!?」

 

 そこに映っていたのは、槍を巧みに使いこなしてリーパーと戦うバンダナワドルディである。

 その背格好から、誰もがカービィへの類似性を感じられずにはいられなかった。

 

「ぽよ!?ぽよぽよ!」

 

 一同がカービィを見てみれば、案の定彼は映像に反応していた。

 何を言っているかまではわからない。

 だが、モニターを見た途端に反応しだしたのと、現在の驚きと喜びが入り混じったかのような反応から、一同は察した。

 

―――あれはカービィに関係があると

 

 だが、モニターをカービィに見せたのは痛手でもあったことに、一同はこの後すぐ気付くことになる。

 

 映像に釘付けになっていたはずのカービィが、突然司令室の出口へ向かって駆け出したのだ。

 

「おい、カービィくん!?」

 

 弦十郎の呼び止めも聞き入れず、カービィはすぐさま司令室を出て行ってしまった。

 

 カービィを止めに追いかけたい弦十郎だが、自身はこの場で指揮を取らなければならないゆえ、動くことが出来ない。

 

「司令、カービィが本部の外へ出ました!」

「…なんだとぉ!?」

 

 藤尭からの報告に、弦十郎はただ焦ることしか出来なかった。

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 本部から脱走に成功したカービィは、入り口で佇んでいた。

 道中で何人もの職員に捕まりそうになったが、カービィの小さい身体からのすばしっこい動きに翻弄され、カービィを捕らえることは出来なかった。

 

 カービィは友だちが戦っている場所へ向かうべく行動を起こす。

 

 カービィはどこからともなくある物を取り出す。

 

 それは、"携帯電話"であった。

 全体的が彼の身体と同じくピンク色で、星型のアンテナが付いている。

 

 カービィは携帯電話のボタンを押し、すぐさま耳―――と思われる位置に持ってきて、何かを喋りだした。

 

 するとすぐに"それ"はやって来た。

 

 突如空から謎の光がやって来て、カービィのもとへと向かって来る。

 

 そして、その姿があらわになった。

 

 それは正しく、黄色い星型。それ以外何の表現のしようもない姿形である。

 

―――『ワープスター』

 

 長い間カービィとともに旅をしてきた存在。

 例えカービィが遠く離れたどんな場所にも現れる、正にカービィの相棒とも言える存在。

 その正体は、カービィですらわかっていなかったりする。

 

 長年の旅の相棒と再会を果たしたカービィは、ジャンプして己をワープスターに乗せる。

 バランスを整えながら、カービィは自身が向かうべき場所を思い浮かべる。

 

 カービィが乗ったことを確認したワープスターは、そのまま発射態勢に入りる。

 

 そして、溜め込んでいたものをいっきに解き放ち、一瞬で地平線の向こうへと飛び立って行った。

 

 友が待つ場所へと向かって―――

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 響たちがいる場所へと辿り着いたカービィ。

 

 すぐさまワープスターから降りて響たちの元へと走りだした。

 

「ぽよ!」

「カービィ、なんで来ちゃったの!?」

 

 響はカービィの身を案じて置いて来たのだ。

 なのに、カービィが自分から来てしまったことに困惑を隠せない。

 

「カービィ!」

「ぽよ!」

 

 だが、そんな響のことなど知らずに事は進む。

 

 ワドルディはカービィを見た途端に駆け出す。

 

「カービィ、会いたかったよ!心配したんだよ!」

「ぽよ、ぽよ!」

 

 一番の親友との再会にワドルディは大はしゃぎしている。

 カービィも同じように喜んでいる。

 

 だが……

 

「はぁ!」

 

 再会を喜ぶカービィたちをよそに、マリアが自身の武器(アームドギア)である短剣でカービィたちの方向へ向かっていたリーパーを切り裂く。

 

「貴方たち、今は悠長に喜んでいる場合じゃないわよ!」

 

 マリアの言葉に、一同は我に返った。

 

 リーパーたちはまだたくさんいる。

 これ以上危害を広めないためにも早く全て倒さねばならない。

 

 カービィは眉を上げてリーパーたちと向き合う。

 

「待って、カービィ!」

 

 そこでワドルディは待ったをかける。

 カービィが戦いにおいて本領を発揮するにはコピー能力が必要不可欠である。

 だが、今のカービィはなんの能力も持たない、いわゆるすっぴん状態だ。

 これでは敵を吸い込んで吐き出すことしか出来ない。

 

 攻撃手段が無いわけではないが、あまりにも効率が悪い。

 

 故に、ワドルディは、カービィが本領を発揮出来るようある物を取り出す。

 

「これをつかって!」

 

 ワドルディがどこからかともなく出したのは、ワープスターとも違う黄色い星型の物体。

 その中には、刃のような絵が描かれている。

 

 ワドルディは黄色い星をカービィ目掛けて投げる。

 カービィは、即座に吸い込みの体制に入り、黄色い星型を吸い込んだ。

 

 すると、カービィの身体に変化が起きる。

 

 カービィの身体が一瞬光り輝く。

 

 光が晴れると、カービィの頭にはさっきまでなかった筈の帽子がある。

 そのてっぺんにはギラりとひかる刃、左右には小さな羽が生えている。

 真ん中にはカービィと同じくつぶらな瞳が描かれている。

 

―――コピー能力『カッター』

 

「……また姿が変わった?」

 

 カービィの新たな姿に調はそっと声をもらす。

 

 カービィは帽子のてっぺんについた刃を取り外す。

 

 次の瞬間、刃をリーパー目掛けて投げ飛ばした。

 

 すると刃は空中で軌道を曲げながら飛び、次々とリーパーたちを横一文字に切り裂く。

 

―――『カッターブーメラン』

 

 投げ飛ばした刃は、ブーメランの名の通り孤を描いてカービィの手元へ戻って来る。

 

 刃を再び手にしたカービィは、今度はリーパーたちへむかって駆け出す。

 

 今度は、高くジャンプしながら刃を前に出し、リーパーを縦真っ二つに切り裂く。

 

―――『なでぎりカッター』

 

「斬撃武器だったら、あたしだって負けてないデス!」

 

 自分と同じ斬撃武器を使い出したカービィに何故か切歌は対抗心を燃やし始める。

 

 切歌は身の丈を超える巨大な鎌を構え、駆け出す。

 

 鎌を振り下ろすと、分裂した鎌の刃が、リーパーたち目掛けて飛んで行く。

 

――― 『切・呪りeッTぉ』

 

 飛んで行った刃は、リーパーたちを左右から挟み込むかの如く切り裂いた。

 

 見ればリーパーたちの数はいつの間にか減っており、残りは後僅かとなっていた。

 

 だがそこに"それ"は唐突に現れた。

 

『$♪#×$☆○%$○!!』

『―――!?』

 

 突然耳障りな鳴き声が聞こえたと思えば、"それ"はいきなり現れる。 

 

―――スフィアローパーだ

 

 だが、その姿は前回とは異なり、全身が緑色に染まっている。

 

「えぇっ、スフィアローパー!?」

「なに……!?」

 

 ワドルディがあげた驚きの声に、翼は反応する。

 

 今まで自分たちが未確認生命体と呼んでいた存在。

 だがワドルディは、それを明確な名称で呼んだのだ。

 それは即ち、バンダナワドルディは敵の詳しい情報を持っているかもしれないということに他ならない。

 

 だがスフィアローパーはお構いなく体当たりを仕掛ける。

 

「……!」

 

 単調な動きゆえ難なく躱せた。

 

 翼は詳しいことは後回しだとけじめをつけ、スフィアローパーと改めて対峙した。




中途半端になってしまいましたが、文字数が良い所だったので今回はここまでです。

携帯電話は、皆さんご存知64のアレです。←64未プレイ

一旦シナリオを整理したいため次回以降の更新は大分遅れると思いますが、どうかご了承下さい。
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