スーパー戦隊このすばメガフォース   作:伊勢村誠三

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冒険とロマンを求めこの世界を往く若者たちがいた。
悪の帝国魔王軍に敢然と反旗を翻し、
海賊の汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!


ぼっち魔導士(ウィザード)、現る!

「何としても無罪を証明する!」

 

裁判が終わった数日後。

ガレオンにもどった和真は憤懣やるかたないと言った様子で机をたたいて立ち上がった。

その理由は今日の朝、ダクネスがあの豚領主に呼び出されて出て行ってしまった事にある。

 

「ああそうです!あのスケベ親父ダクネスさんにきっと……きっと……」

 

和真に同調してリアも立ち上がる。

しかしなぜか段々とテンションが下がっていき、下を向いて頭を抱えた。

 

「リア?どうしたの?具合悪い?」

 

「いや、ルカさん。私は平気なんですよ。

ただダクネスさんがあのスケベ親父に色々されて顔では嫌がっても心では、その…」

 

その言葉を聞いて船内にいる全員、普段はアクアが頑として譲らなかった条件として結界で幽閉しているウィズを除き全員が同じ想像をしただろう。

ダクネスはあの豚の泊まる宿に連れ込まれあのたわわに実った乳房をさらけ出されそして…

 

「……ああああああああああああーっ!

こうしちゃいられねえ!

一刻も早くあの脂ぎった変体親父の化けの皮を剥ぎ散らかさねえと!」

 

「でも大丈夫なのか?

屋敷消し飛ばされたといっても相手は領主だぞ?

それなりの財産や切り札がある。」

 

冷静に言うジョーに珍しくアクアがそうね、と冷静に返した。

 

「絶対あの親父には邪悪な何かがあるわ!

裁判長が判決を言う直前に邪悪な何かを行使したのよ!

私が言うんだから間違いないわ!」

 

裁判所であの時思い切り舌打ちしたのはそうだったからか。

総一が納得しながらジョーを見ると、彼はどこかおびえた様子でアクアを視界から外した。

まあ、普段との差でそう感じるのも無理ない。

 

「じゃあなんであの時言わなかったんですか?

あの場で言ってやったらよかったじゃないですか!」

 

「だって…私が発言したところでジョーとのあれをみんなが見てたわけでしょ?

もしあの邪悪な力が魔道具にまで作用してたら意味ないし…カズマの心証を余計悪くしちゃうじゃない…。」

 

めぐみんからのもっともな指摘にアクアはしおらしく答えた。

それを聞いて和真は目を丸くし

 

「アクア…」

 

「カズマ…」

 

「お前今日は本当に血の巡りがいいな?

どうした?調子悪いのか?」

 

「アンタ相手が女神じゃなくても言っていい事と悪い事があるわよ!?」

 

そう言ってアクアは和真にヘッドロックをかました。

 

「はいはい。落ち着けバカケンカップル。」

 

総一とルカに引きはがされて和真は不機嫌そうに。

アクアは若干頬を赤くして一歩下がった。

 

「とにかく一回街に出て情報を集めよう。

食い気と色気にしか興味のねえ冒険者野郎の集まりにでもなんかしらは収穫あるさ。」

 

「情報に収穫って言ってもどうするつもり?」

 

「決まってるだろ?海賊のやり方でやる。そんだけだ!」

 

 

 

「やっと見つけましたよ!サトウカズマ!」

 

昼前。結局あの豚領主がろくでもない人間だという証拠しか上がらなかった和真、アクア、めぐみん、ジョーは途中クエストがあって別れた総一、ルカ、リアとは別で昼食を取っていた。

そこにこの前の検事、セラが駆け込んできた。

条件反射で抜刀したジョーがギガゾメタルの切っ先を喉に突き付ける。

 

「ひっ!あ、ああ…」

 

「おっと失礼。てっきり人の悪いところだけを異様に誇張してあたかも人を極悪人かのように見せて有罪にさせようとした血も涙もない卑劣なメス豚が来たのかと思った。」

 

店内から青い顔をしたセナをゲラゲラと笑う声が響く。

彼女はますますすぉまるめておびえ始めた。

 

「はぁ…それで?今度は何の用ですか?

まだ次の審議まで時間ありますよね?」

 

そう和真が言うとセナははっ!として咳ばらいをすると

 

「今朝ギルドの調査員からジャイアントトードの群れが何かにおびえるように出てきたとの報告がありました!

それからここ数日決まった時間にカエルが出てきたあたりに何の意味もなく爆裂魔法が放たれていたという報告も!」

 

そこまで聞いアクアとめぐみんは我先にと入口の方に向かって走り出した。

当然和真とジョーは二人の首根っこを掴んで止める。

 

「待ってください、話を聞いてください、

私はアクアに命令されてやっただけなんです!

実行犯は確かに私ですが主犯はアクアです!」

 

「ずるいわめぐみん!話を持ち掛けた時はノリノリだったじゃない!

我が力を見るがいい!とかいってノリノリだったじゃないの!」

 

「知るかよどっちがどうとか!

さっさと屋敷に戻って装備を整えるぞ!

アンタ、セナさんだっけ?先に門の方で待っててくれるか?」

 

「いえ、あなた達のことはしっかりと、監視させていただきます。」

 

 

 

一面降り積もった雪の作る銀世界。

 

「なんで私!私監視に来ただけなのに!

いやあああああ!来ないでぇええええええ!」

 

何故アクアではなく彼女が追いかけられているのか。

それは数十分前、まず16匹いた群れをめぐみんのレンジャーキーでブーストかけた爆裂魔法で半分を木っ端微塵にしたはいいのだが、背後から来た別の一匹に食われたところまでさかのぼる。

 

「カズマどうする!?」

 

「ジョーさん頼んます!」

 

「いえ、アクアを追っている方を先にお願いします。

外は寒いですし、カエルは温いですから。」

 

こいつは爆裂魔法への異常なまでのこだわり以外は多少、多少?切れやすい事以外は結構まともなのかと思っていたが意外とたいそうな奴なのかもしれない。

 

「まあ、お前がそう言うんなら。」

 

「ええぇ?あ、あなたたち冷静すぎませんか?

仲間が食べられてるんですよ?」

 

「何他人事みたいに言ってるんだ?

お前だって場合によってはカエルの餌になるぞ?」

 

「ここにいる誰もセナさんの事真剣には守らねえからな?」

 

そう言われてセナは一瞬キョトンとしてからサーッと顔を青くした。

そしてすがるようにジョーを見る。

 

「覚えておけ。バーナード国の人間は結構根に持つんだ。」

 

「日本人もな。」

 

そう言ってジョーは別の元気に動き回ってるカエルに、和真は助けを求めて走って来たアクアが連れてきたカエルに矢を向ける。

最近覚えたスキルを使うためだ。

『弓』と『狙撃』だ。

和真にはダクネス、総一にはリアという優秀な盾役がいるのに派手な遠距離攻撃しか出来ないのはもったいない。

そう考えた二人はルカ経由で知り合ったアーチャー職の冒険者にこれらのスキルを教わったのだ。

 

『弓』は覚えればどんな人間でも一端の弓使いになれるスキル。

そして『狙撃』は弓以外に拳銃などの武器でもデストロイヤー戦で総一がウィズの魔法操作をずらすために使っていたのと同じように有効なスキルで、飛距離アップ、使用者の運によって命中精度もアップするという和真には打って付けのスキルなのだ。

 

「カズマー!早くしてー!早くしてーー!」

 

「よーし……『狙撃』!」

 

矢が真っ直ぐにカエルの眉間に吸い込まれるように命中!

大当たり(ジャックポット)だ!

 

「ちょっと!いま私の頭のチャームポイントをかすめていったんですけ…」

 

眉間に矢が刺さったままのカエルはパクっとアクアに頭からかぶりついた。

……まあ、冷静に考えてみれば攻撃力が足りなすぎるな。

 

「おーいジョーさーん!?そっちはーー!?」

 

「一人で五匹は少しきつい!

あと向こうからもう二匹やってくるぞ!」

 

最悪の知らせに和真はすぐに状況を分析する。

ジョーはちょっとやそっとではカエルごと気に後れを取らないし、

アクアはまだ飲み込まれかけるまで時間がある。

今動き回ってる敵は二匹。

こっちには囮が一人。

 

「ひっ!ちょ、ちょっと待ってくださいまさか…。」

 

「すいませんセナさん。何とかさっさと一匹倒すんでお願いします。」

 

「ほ、本気じゃないですよね?

け、検事をそんな風に使うなんて国家反逆…」

 

「そうゆうのいいんで!」

 

そう言うと和真は問答無用で彼女の手を取って走り出す。

当然カエルはついてきた。そして和真は途中で手を離し別方向に走り出す。

 

「なんで私!私監視に来ただけなのに!

いやあああああ!来ないでぇええええええ!」

 

そして冒頭のシーンに戻る。

 

「すいません。私も少しずつ飲まれ始めたのでそろそろ救助を…」

 

「あーもー分かったちょとまて!

スキルポイントあんだけかかったんだから頼むぞ!

コンドルフィニッシュ!生!」

 

和真は弓矢をしまうと腰からブリンガーソードを引き抜き文字通り生身でコンドルフィニッシュを発動。

どうにかカエルを一体討伐する。

 

「よしジョーさんは…」

 

「一匹!……二匹っ!三匹ぃいいい!」

 

持ち前の技術と恐らくはこの世界で一、二位を競う切れ味のギガゾメタルの剣でもう半分以下に数を減らしている。

これならどうにかなる!

そう思って和真がまだ鬼ごっこの途中のセナよりめぐみんを助けに行こうとした時、

 

「『ライト・オブ・セイバー』っっっ!」

 

光の斬撃がめぐみんを食いかけていたカエルを切り裂いた。

誰か見かねた冒険者が助けてくれたのか!

そう思って和真は他のカエルに向かおうとするが

 

「『エナジー・イグニッション』!」

 

セナを追いかけていたのとジョーと戦っていたカエルが急に爆発、炎上する。

混乱しながらも和真はアクアを食べていたカエルの口をブリンガーソードでこじ開けアクアを引っ張り出しもう一発コンドルフィニッシュを浴びせて倒す。

 

「ふー。どうにかなったな。」

 

「う、うわぁあああ!カズマぁあああ!

もっと早く助けてよぉお!怖かったぁあああ!」

 

泣きじゃくるヌルヌルのアクアの背中をさすってやってると剣を収めながら戻って来たジョーと憔悴しきったセナが戻って来た。

 

「しかし…さっきの上級魔法、誰が?」

 

「え、ええ……こんな、駆け出しの街に…」

 

どうやらさっきの使い手はめぐみんの方に向かってるらしいので四人も移動する。

そこにいたのは背も高く、グラマラスなスタイルの高校生ぐらいの少女だった。

 

「さっきの魔法は君が?ありがとう。助かったよ。」

 

和真がそう言ってアクアに引っ付かれてヌルヌルになっていない方の手を差し出す。

すると彼女は面映ゆそうにうつむいて

 

「た、助けたわけじゃなうです。

ただ、ライバルがカエルなんかに倒されたら私の立場が…」

 

「という事はその目といい、紅魔族か。」

 

「めぐみん、あなた知り合いなの?」

 

アクアとジョーが尋ねるとめぐみんは少女の方を向き、数秒見つめていたが

 

「どちら様でしょうか?」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

めぐみん以外の全員が驚いた声を上げた。

とうのめぐみんは演技なのか知らないが本気で不思議そうな顔をしている。

 

「わ。私よ私!ほら!紅魔の里の学園で一緒だった!

めぐみんが一番で私が二番で!

あれから修行してようやく上級魔法を使えるようになって!それで!」

 

あたふたしながら彼女がそう言ったところで和真が驚いてめぐみんの方に振り返る。

 

「ちょっと待って!?今お前が学園で一番だったとか聞き捨てならないセリフが聞こえたけど?」

 

「今更何を?

出会ったときに紅魔族随一の魔法の使い手と名乗ったはずですよ?

信じなかった和真が愚かなのです!

ですが長い付き合いの今ならわかるでしょう?」

 

「粘液だらけの格好で言われてもなぁ…」

 

「なにおう!」

 

喧嘩を始めそうになった二人に紅魔族の彼女が割って入る。

 

「ちょ、ちょっと本当に忘れちゃったの!?

ほら!良くテストで私が勝負を挑んだら

『勝負に対価はつきもの、弁当をかけるなら受けて立つ!』とか言って私の弁当を巻き上げてたじゃない!」

 

「お前そんなことしてたのか…」

 

「そういえば初めて会った時も空腹で倒れてたっけ?」

 

めぐみんはぷい、と目を逸らすと

 

「そんなことはどうでもいいんですよ。

それより本当に誰ですか?いい加減な乗ったらどうですか?」

 

めぐみんが意地悪そうな笑みを浮かべてそう言うと少女は恥ずかしそうに身もだえしたがやがて

 

「我が名はゆんゆん!

紅魔族が長の娘にしてやがてその座を継ぐもの!」

 

と、顔を真っ赤にしてポーズを決めた。




次ーーッ回!第十二話!

総一「ダクネスの奴、まだ戻らないのか?」

めぐみん「や、やはりもう既にアルダープの手籠めに…」

セナ「サトウカズマ!またお前の仕業だろ!」

ジョー(?)「兄ちゃんたち誰?」

ルカ(?)「ここは、一体?」

アクア「み、皆が…」

和真「子供になってる!?」

ダクネス父「頼む!娘を元に戻してくれ!」

襲来!暴魔怪人!

ダクネス(ロリ)「お兄さま!早く早く!」

和真「まてー!」




※先週はこちら側の手違いにより更新ができておりませんでした。
本日7時40分より第十二話を続けて投稿いたします。
今後はこのようなことのないように努めてまいります。
今後ともスーパー戦隊このすばメガフォースをよろしくお願いいたします。
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