悪の帝国魔王軍に敢然と反旗を翻し、
海賊の汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!
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「今こそ決着だ!」
ダブりのいない色であるレッドが勇んで愛刀片手に斬りかかってくる。
ダクネスにもイエローとピンクが。
和真にグリーンとブルーがそれぞれ得意の獲物を片手ににじり寄ってくる。
「待て!」
黒獅子、ネジレンジャーを制した。
「何故です!?目の前に仇敵がいるのに!」
「ついでだ。魔王に頼まれた調査もある。
一応本人の口からきいておこう。
ベルディアやウィズを倒し、元人間とあの身長の分際で偉そうにしているチビ魔王に一杯食わせた赤き海賊団とかいうのはお前らだな?」
「それがどうした?」
「何、情報が正しかったのなら偽物でも暴れさせて評判を落し、街から排除させたところで『残念!じつはやってたのは魔王軍でした!』と、やる仕事も済ませて実は恩知らずにも英雄を追い出してた事実に絶望と責任転換で沈む衆愚共の悪感情をたらふく食らう一石二鳥の計画を早めるべきだったな、と思っただけだ。」
「発想が悪魔過ぎねこいつ?
俺らだけで勝てるか微妙だけどこの場でとっちめた方が絶対いいよな?」
「え?総一さんマジですか!?
相手、ネジレンジャーもいるんですよ?」
「何を言うカズマ。我らは冒険者で、海賊だろう?
それに私は敬虔なるエリス教徒。
悪魔、それも魔王軍幹部を前に引き下がれるはずもない!
刺し違えてでも倒す!」
「全く物騒だな。
この前そこの小賢しい男と風呂で鉢合わせた時割れてる腹筋が見られてないか気にしてる子娘。」
「ふ、腹っき…私の腹筋はそんなに割れてない!
2人とも悪魔の甘言なんかに耳を貸すな!
そんな生易しい顔をするな!全部嘘!嘘っぱちだ!」
慌ててこちらを向いて何やら言い訳じみた説得をする彼女をスルーし、バニルに尋ねる。
「なんでその計画を実行しなかったんだ?
今からでもその計画結構効果的だと思うけど…」
「それはだな、そこの小男と馬鹿女神と罵ってはいるはいるが最近はそこまで怒りを感じなくもなっている相手に昔描いたラブレターを見られて死にたくなった男よ。」
「その前情報要るか!?」
「それより早くそこの仲間のクルセイダーや黒髪の歌い手の湯上り姿を嘗め回すような目で見ていた男が捕まったので普通に暴れさせただけの事。」
今度は総一とダクネスが和真に視線を向ける番だった。
ただし、ダクネスに二人が向けたのとはだいぶ違う。
「そんな目で見てない!
2人とも本当だよ!そんな生ごみを見る目をするなよ!」
「カズマ…お前と言う男は…」
「ララティーナちゃんの次のはリア?
お前年下相手に節操なしか。真正のロリコンじゃねえか。」
「いやそんなことねえから!」
「はっはっは!蔑視の悪感情大変美味である!」
そう言って高笑いするバニルを睨み和真は元々お前のせいだろ!と叫び、そして続いて糾弾する。
「けどそれってダンジョンに潜む理由にはならねえだろ!
あのへんな人形に人襲わせる理由にも!
仕事終わったならさっさと帰れよ!」
「人を、襲う?
という事はもうダンジョン内のモンスターは駆逐したのか。
ならもうバニル君人形の製造は中止して計画を第二段階に移行させるか。」
「第二段階?」
「あんた、一体何企んでるんな?」
「教えてほしいか?
そこの鎧娘が数日帰ってこなかっただけで心配して船内を隈の様にうろうろしていた男よ。
吾輩には悪魔として大きな夢があるのだ。
偶々必要な空きダンジョンがここにあった。それだけの話よ。」
「本当に何でもかんでも見てきたように言うんじゃねえ!
お前もモジモジするなダクネス!
総一さんもその含みを持った笑顔辞めてくださいよ!
そいつの大好きな悪感情造ってますよ!」
咳払いをして和真は話題をすり替えるべくバニルに尋ねた。
「で?自分のダンジョンなんかもって何がしたいんだよ?」
「もう限りなく永遠を生きた吾輩にはな……。
昔から、とびっきりの破滅願望があるのだ。
それは思考の悪感情を食した後、華々しく散りたいというもの。」
そこまで聞いて総一はモバイレーツとキーを構えた。
ネジレンジャーも武器を構え直す。
「まあ聞け。
しかし一口に悪感情と言ってもどうせ最期に食すなら吾輩好みの味がいい。
ではどうしたらいいかと、悠久ともいえるときの中考え続け、
遂に吾輩は答えにたどり着いた!」
二ヤリ、と笑うバニルに聴きに徹して来た和真も変身アイテムを構える。
「まずダンジョンを手に入れ、
ネジレンジャーをはじめとする吾輩自慢の配下を配置!
それに挑むは貴様らのような力を持った冒険者たち!
きっと吾輩が魔王軍幹部と大々的に知らせればいつか必ず最奥にたどり着くものが現れるだろう!」
そう言ってバニルは大きく手を振るって三人に熱弁し出した。
黒獅子の姿のままだと違和感を感じる。
「そしてダンジョンの最奥で待ち受けるはもちろん吾輩!
そこで言うのだ。
『よくぞここまでたどり着いたな冒険者よ!
吾輩を倒し、莫大な富をその手にせよ!』と!
そして戦いは苛烈を極め、ついに土をつけられる吾輩!
そして冒険者は厳重に封印された宝箱の前にたどり着く。
意識が薄れゆく吾輩が最期に見るのは!」
「見るのは?」
「……『スカ』と書かれた紙だけが入ってるのを見て泣き崩れる冒険者!
勿論髪はしっかり防腐性だ!」
「「「ゴーカイチェンジ!」」」
<<<ゴーーッカイジャー!>>>
<<<ファ~~ッイナルウェイ~ブ!>>>
チェンジした三人はエネルギーの銃撃に斬撃を重ねた一撃をバニルめがけて叩き込んだ。
流石にこの一本道の通路ではダクネスも外しようがなくバニルにもろに当てる。
「くたばれカスが。」
「死に方選べるなんて思うな!」
「ぶっ殺してやる!」
こいつは邪悪だ。
ひとかけらも生かしておく理由がない。
「いくぞ!」
「おう!」
イエローにはイエローとピンクが。
グリーンにはブルーとグリーンが。
レッドにはレッドと黒獅子が相対する。
「和真!サーベル!」
「はい!」
レッドとグリーンは武器を交換しそれぞれ二刀流と二丁流スタイルを取る。
レッドは徒手空拳とネジセイバーをそれぞれの剣で、
グリーンはネジトマホークとネジロッドを牽制射撃と裏拳や肘中心の打撃で対抗。
イエローは自慢の防御で遠距離攻撃を強引に突破し近接に持ち込む。
「はぁああ!おら!どうしたどうした?
不意打ちとは言え名に喰らってんだ!幹部だろ!」
「ふっ!当然!剛勇吼波!」
バニルはゼロ距離でレッドにリンライオンを模した黒いエネルギーを叩きこむ。
吹っ飛ばされたレッドは奥の部屋まで吹っ飛ばされ、ドアを壊しながら転がる。
「痛~~~!あ?この魔法陣…和真が言ってたやつか。」
立ち上がって札を張って解除するとレッドはすぐさま外に、出ようとしたが足を止めた。
何故かバニルにネジレッドが斬りかかっているのだ。
「なんのつもりだ!?」
「俺が倒すべき宿敵はレッドレンジャーただ一人!
ブルーやグリーンの様に二人いないからとかそんな理由ではない!
あまねくレッドレンジャーは、俺の敵だ!」
「全く…嫉妬の悪感情を入れ過ぎたか。
ならば死んでもらう!」
そう言うとバニルは太刀取りでネジセイバーを奪い、
連撃を加えると剣を放り投げ再び徒手になり、
「烈蹴拳!はぁ!はぁ!はぁああああ!」
顔面に一撃。足払いで一撃。
そして仰向けに倒れた腹を踏み潰すように一撃!
合計三撃の強烈なキックがネジレッドを倒してしまった。
「嘘だろあんな簡単に…」
「元々お前らは吾輩が作った意志のある傀儡。
対策ぐらいしてないと思ったか?不意打ちでも勝てると思ったか!?」
「き、貴様ァアアアアア!」
「はっはっは!憤怒の悪感情大変美味である!
まだまだ役立ってもらうぞ?全臨伝授!」
バニルはネジレッドの首を掴んでそのエネルギー、いや、レンジャーキーのパワーで体が作られている彼からすれば直接肉体を吸い取られ、消滅させられた。
そしてパワーを吸い取ったバニルは背後で戦う残り六人にも目を向ける。
「和真!ダクネス!伏せろ!」
レッドが叫び終えるより早くバニルは六人の間を駆け抜け、その背後に移動していた。
「ウ、ウギギギ…」
「ま、待ってやめ…」
そしてすれ違いざまに捕まえたネジグリーンとネジピンクも吸い上げる。
「ふぅう…ふっふっふ!素晴らしいぞこの絶命への恐怖の感情…。
もう吾輩では自分で味わえない感情!ああ…ああ良い!良すぎる!」
幻気外装!そう叫ぶとバニルはさらに金色の外装を纏い、パワーアップする。
「おいおいまじかよ…」
「マジであーる!マジレンジャーではないがな。
吾輩は幻獣王理央!」
「幻獣王って…」
「どうする?」
「分が悪すぎる!引くぞ!」
そう言って残るネジブルーとネジイエローは去って行った。
「あ。おい!」
「ふむ。数が減って少々さみしいな。
では四幻将とは少々大向きが異なるが…」
そう言ってリオはダミーラッパラッターに四本のキーをセットし、吹く。
「まだまだ!お代わりであーる!」
金色のエネルギーが実体化し、四体のレンジャーが現れる。
「モモレンジャーにデカブルー!?」
「黒騎士にオーグリーンまで!」
「最近やけに魔王の奴羽振りがよくてな。
さあ!行け!」
モモレンジャーのモモビーズが投げつけられ、爆発。
視界がふさがれた瞬間に黒騎士の炎のたてがみで押し出される。
「おいおい!ゴーカイすぎるだろ!」
なんとか立ちあがり、武器を構える。
だが、じりじりと距離を詰めるレンジャーたちを前に強い不安を感じる三人だった。
次ーーッ回!第十七話!
バニル「さあかかってこい!万が一ということもあるぞ!」
アクア「この匂い…ダクネスまさか!」
バニル「さあ、仲間の体を攻撃できるかな!?」
和真「スーパービーストオン!」
ルカ「あれって…大いなる力!?」
ギリギリ!奪還作戦!
和真「過激にゴーカイ!いっちょ行くぜ!」