悪の帝国魔王軍に敢然と反旗を翻し、
海賊の汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!
1
「暇ねー。ルカー!あなたもどう?」
「遠慮しとく…ていうかアクア!それにジョーも和み過ぎよ!
何ピクニックシート敷いてお茶飲んでるわけ!?」
大分バニル人形が減り出してるとはいえ、
二人はあんまりにものんびりし過ぎに見えた。
「いいじゃない!私たちが行っても回復ぐらいしか役に立たないし!」
「俺も打撲と切傷ぐらいしか手当てできんしな。
2人とも、クッキー焼いて来たんだが食うか?」
「あら気が利くわね!もぐもぐ…それになかなかおいしいじゃない!」
「なんて緊張感のない…いつもこんなんなんですか?」
セナが信じられないものを見る目二人を見ながらルカに尋ねた。
ルカは苦笑いしながらまあ、時々、と返した。
「セナ!ホラあなたも!」
そう言ってアクアは箱から一枚クッキーを取り出して勧めた。
セナは戸惑いがちにではあったが、そのサクッと焼けたクッキーに手を伸ばす。
「「「うわぁああああ!」」」
そのクッキーは悲鳴と爆風、
そして変身した三人と共に飛んできた破片に当たって砕け散った!
「あれは…ソーイチ!ダクネス!カズマ!」
ルカは三人の下に駆け寄った。
倒れた三人い続いて、四体のレンジャーと幻獣王理央が出てくる。
理央は一度変身を解除すると
「おやおや!随分と集まっているではないか!
まずは自己紹介と行こうかな?我が名はバニル!
地獄の公爵にして魔王軍幹部の大悪魔!
さあかかってこい!万が一ということもあるぞ!」
そう言い切ると集まっていた全員が
「『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」
訂正、一人だけいきなり不意打ちで浄化魔法をぶっ放す馬鹿がいた。
五人の敵は煙の奥に消える。
「アクアお前何してんの!?」
「何って、神の理に反するゴミ以下を掃除しただけよ!
褒めて褒め殺して甘やかしてもらえる言われは有っても責められるいわれはないと思うけど!?」
そう言って最後にドヤ!と胸を張るアクア。
しかしそれをあざ笑いながら煙の中から再び幻獣王は現れた。
「流石は悪名高い嫌われ者のアクシズ教の女神と同じ名前のプリースト。
骨の髄まで無礼と無粋でできてるようだな…やれ!」
四人のレンジャーはそれぞれ武器を構えて前に立つ。
「いいぜ…第二ラウンド行くぞ!」
もう既に変身している三人とジョーにルカはモバイレーツと新しいキーを構える。
「「「「「「ゴーカイチェンジ!」」」」」」
<ゴーーッゴーファイブ!>
<シーーッンケンジャー!>
<デーーッカレンジャー!>
<ゲーーッキレンジャー!>
<ジェッーートマン!>
「ゴーピンク!」
「シンケンブルー!」
「デカイエロー!」
「ラブウォーリアーメレ!」
「ブラックコンドル!」
総一が変身したゴーピンクはモモレンジャーと。
ジョーが変身したシンケンブルーはデカブルーと。
ルカが変身したメレはオーグリーンと。
和真が変身したブラックコンドルは黒騎士と。
ダクネスが変身したデカイエローは幻獣王理央と対峙する。
「ファイブレイザー!」
ゴーピンクは次々投げられる爆弾を撃ち落とし、時に耐火性の高いスーツでゴリ押しモモレンジャーと距離を詰める。
それを嫌がるモモレンジャーは爆弾を巻きながら距離を取る。
「つれないねえ…もっといい相手いるとか!?」
「こんな時にも軽口か…全くアイツらしい!」
シンケンブルーはバックルから取り出した『双』の秘伝ディスクを使い、
シンケンマルを二刀に増やしてデカブルーに切りかかる。
デカブルーはディーロッドで対抗する。
「棒術相手は初めてだな…面白い!」
「男子ってすぐ熱くなるのよね。
ホント、なんでかしら!」
メレは2本の
スクエアクラッシャーに対抗する。
「よ!は!これはどうかしら?」
メレは透明化し、四方からオーグリーンを攻撃する。
「みんな余裕だな!?こいつぅうう!」
ブラックコンドルは黒騎士相手に苦しい戦いを強いられていた。
パワーで圧倒的にまさる黒騎士に何とかブリンガーソードで対抗するがすぐに押し切られ斬撃を喰らう。
「やあ!はああ!このおおお!」
「ふっはっはっは!どうしたその程度か?」
軽く、非常に軽く…まるでダンスでも踊るようにデカイエローのディーナックルをよけながら嘲笑う幻獣王。
「このぉおおお!馬鹿にしおってぇええ!」
「馬鹿にしているとも!こうすればいいだけなのだからな!」
そう言うと幻獣王はダクネスの腕を掴み、
捻り上げてディーナックルを落させると、変身を解除して自分の仮面をダクネスに付けさせた。
するとバニルの体は元の土になって崩れ落ち、仮面を付けさせられたダクネスは身震いを始める。
「この匂い…ダクネスまさか!」
「フハハハハハハハ!フハハハハハハハハハハハハ!
聞くが良い!この子娘の体は私がもらった!
さあ、仲間の体を攻撃できるかな!?」
2
「うぎゃああああ!」
黒騎士の『黒の一撃』にふっとばされたブラックコンドル。
しかし空中でバードブラスターとビークスマッシャーを引き抜く。
「うおおおおお!」
銃弾をもろに受け、怯んだ黒騎士に飛行しながら接近し、ギリギリで再び武器をブリンガーソードに切り替える!
「コンドルフィニッシュ!」
左わき腹から一閃。
肩まで真っ二つに斬られた黒騎士はレンジャーキーに戻った。
「か、勝てた…さて、向こうは…ええぇ?」
ヘルメット脱いで汗をぬぐいながらダクネスが戦っていた方を見ると、
そこにはなぜかバニルの仮面をつけたダクネスが他の冒険者たちと戦っていた。
「な、なんだぁ!?あいつは何をしてるんだ!?」
「サ、サトウカズマ!やっと手が空きましたね!」
そう言ってなぜかモバイレーツとダークモバイレーツを持ったセナがやって来た。
「これは一体…」
「あの大悪魔がダスティネス卿に憑依したんです!
なんとかこの神器は投げ捨ててくれたんですけど…」
「く、くそう!ダクネスがこんなに強いなんて!」
「ハハハハハ!なんて具合のいい体だ!
筋力も耐久力も申し分ない!
それに
返信を妨害されたのは驚きだが十分だな!
レンジャーキーさえあれば魔力切れも体力切れもない!」
そう言ってダクネスに憑いたバニルは高らかに笑って向かってきた剣士を裏拳一発で吹っ飛ばし気絶させる。
「お、おおおおお!すごい!すごいぞ!
これが、夢想ならぬ無双と言う奴か!」
そしてさっき癇に障る男の声がしてたのと同じ口から本来のダクネスの声がする。
どうやら無双ゲーの快感を知ってしまったようだ。
「あの通りまだ決定打こそ使っていませんが、
心が力の快楽に乗っ取られかけています!
このままでは全滅です!」
「アクアの奴はどうしたんですか?」
「それなんですけど…」
セナが反対側を指さすとそこには
「オイふざけんな糞女神!
またゾロゾロトアンデッドを引き連れてきやがってお前ぇええええ!」
デカブルー、モモレンジャー、オーグリーンを先頭に迫りくるリンシーの群れに追い掛けられる三人だった。
「私のせいじゃないもん!
あのダクネスにとりついた仮面悪魔が呼んだだけだもん!
私は絶対悪くないでしょこのピンク!」
「ピンクで悪いか!今どき男だってプリキュアやれるんだよ!
男がピンクで何が悪い!」
「お前らこんな時ぐらいいい加減にしろ!」
そう言ってシンケンブルーが剣のエンドグリップで二人の頭を叩く。
三人はそのまま口論しながら走り続ける。
「あちゃー。ありゃしばらく無理ね。」
「そうっすねルカさん…ってルカさんいつの間に?」
「気配遮断で逃げて来た。流石にあの数はね?」
そう言ってるかは変身解除する。
一人、また一人と死んではいないようだが戦闘不能されていく冒険者たち。
「お願いです!彼女をどうにかしてください!
このままでは被害が…」
確かに下手に全滅されて奴の思惑通りここにダンジョンを造られても大迷惑だ。
奴に死を与える、というのやや癪だが、やるしかない。
やらなければ、ダクネスは帰ってこない。
ダークモバイレーツがないとは言え、強敵には変わりないのだ。
「ルカさん、まだいけます?」
「ええ。ちょっと余裕なぐらいよ!」
2人はレンジャーキーとモバイレーツを再びに構え、キーをセット。
「「ゴーカイチェンジ!」」
<<ゴーーッカイジャー!>>
変居sんした二人はダクネスに斬りかかる。
ダクネスは元々持っていた大剣と、
足元に落ちていた他の冒険者のグラディウスを拾い上げて対抗する。
「ふふふ!果たして倒せるかな?
下弦の利かない変身した姿でまともに戦えるかな!?」
痛い所を突いてくる。
2人は繰り出される連撃に防御に徹するしかない。
「それでも戦い様はあるんだよ!『バインド』!」
和真は取り出したアンカーに魔法をかけて一瞬ダクネスを縛り上げる。
それは本当に一瞬のスキしか与えられなかったが、その隙に和真は仮面にセナからもらった封印の札を張ることに成功した。
「これは?」
「セナからもらった封印の札だ!
お前じゃ剥がせないし、ダクネスの体から逃げられない!」
「ほう!考えたな?
しかし無理に動かし続けさせられる方はどうなるかな?」
そう言って口をゆがめるバニル。
実際その通りなのだ。
バニルがちょっと無理に扱うだけでダクネスは壊れてしまう。
「もらった!」
「ッ!?しまーー」
バニルはまず剣を投げつけ櫃ませたイエローにボディーブローを当てて吹っ飛ばすと、次いで和真にネックブリーカードロップを仕掛け、叩きつけた。
「ふむ。やはり戦闘面に関してはスキル頼りの素人だな。
さて、そろそろ…。」
そう言ってバニルが見た方からアクアが一人で三人のレンジャーに追われて来てしまった。
「嘘だろ…」
「さーて。吾輩、人間は殺さん主義だが、
だからってが!殺されはしないだろうと思われるのも…悪魔の沽券にかかわるのでね。」
「え、えっと…ちょっと待って嘘よね?
ダクネス?聞こえてるでしょ?私、信じてるわよ?
悪魔なんかに負けないわよね?ねえ!返事してよ!」
「まずい!」
なんとか立ち上がる和真だが、この局面で打開策はそうない。
(ど、どうする?下手に攻撃したらダクネスが…
でもダクネスなら今はレンジャーキーも強化も有るし、
まあまあ耐えられないか?だがそれはいいとして流石に2対4では…)
正直あまり使いたい手ではないが、
もう、和真には一つしか思いつかなかった。
「おいダクネス!
今お前は悪魔に憑かれるとかいう聖騎士としての沽券にかかわる状態なわけだ!
これ以上の侮辱はそうない!
けど、それ以上の辱め、俺ならできるって言ったら!?」
ダクネスの体が、ビクン!とはねた。
「お見合いの時、約束したよな?
戻ったらお前に『もっとすんごいことしてやる』って!」
それを初めて聞いたルカは和真にまさにゴミを見る目を向けていた。
セナも完全にドン引きしているし、アクアもそれ今言う事!?と、状況がつかめず喚き散らしている。
「さあどうするダクネス!?そのままクルセイダーなら多分100人に一人ぐらいはあるんだろう程度の苦痛で満足するか!?
それとも俺からダスティネス・フォード・ララティーナ史上最低の辱めを受けるか!?
さあ選べ!お前は、どうする!?」
「わ、私は、、私はぁあああああ!」
恐らくこの先味わえない無双の心地よさとか、
気になり過ぎる『すんごいこと』とか、ぐるぐる頭をかけ巡る。
「今だぜ!ゴーカイチェンジ!」
<ゲーーッキレンジャー!>
和真はゲキレッドに変身。
更にパワーアップアイテムであるスーパーゲキクローを装備!
「スーパービーストオン!」
「あれって…大いなる力!?」
スーツの黒と赤が反転し、黒だった部分が白くなり、
ブースターが追加。マスクにも白いラインが入り
「過激気のアンブレイカブルボディ!スーパーゲキレッド!」
見事ポーズを決め見栄を切った。
「まずは前哨戦だ…今からこのスーパーゲキクローと激気技の数々でお間の体をボコボコになぶりつくし、弱ったところをアクアの浄化魔法で引きはがす!
そりゃあもうとんでもない痛さだろうさ!」
「ま、まずいこの娘…すっかりその気じゃあないか!
よ、よせ!いいのか?この先あんな風に無双出来るなんてないんだぞ!」
しかしダクネスは震えたまま動かない。
和真は仮面の下で二ヤリ、と笑う
「過激にゴーカイ!いっちょ行くぜ!」
そしてそのままダクネスに渾身の飛び蹴りを食らわした。
そしてゲキクローで仮面を引っ掻き傷を与え、動揺した所ブースターを余すことなく使った多段攻撃を仕掛ける!
その間三体のレンジャーたちは動かない!
「ば、馬鹿な!この子娘がアイツらに手出しさせないようにしてるとでもいうのか!
何という鋼の精神!今までこんなにも支配できなかった者はいない!
しかもそれだけの理由を引き出す貴様は、いったい何者だ!?」
「ただの冒険者だよ!こいつでトドメだ!」
「来てくれカズマ!それはもう!すっごいのを頼む!」
ついにはバニルから発言権まで奪い返したダクネスがヨロヨロと立ち上がりながら両手を大きく広げる。
「いくぜぇええ!スーパータイガー撃ぃいい!」
ゲキタイガー型になった過激気がダクネスに突進し、最後に大爆発を引き起こす。
瞬間、アクアの背後をふさいでいたレンジャーたちもキーに戻る。
「ナイスよ和真!あとは私に任せなさい!」
三本のキーを拾い上げ、アクアは再び詠唱を唱えだす。
「『セイクリッド・ターンアンデッド』!」
聖なる光が柱の様に吹き出す。
それが収まった後には、
これ以上ない高校つとした表情と大怪我のまま気絶したダクネスと、彼女についていたバニルが取り込んでいたレンジャーキーだけが残っていた。
「そ、そんな馬鹿な…」
「ま、カズマだからな。」
「そーそー。あいつにルール無用で戦いを挑む奴はああなる。」
よかったな。アンタは検事で。
セナは何とかリンシーを巻いて戻って来た総一にそう言われて肩を叩かれる。
生きた心地がしなかった。
次ーーッ回!第十八話!
ダクネス「すっかりグータラになって…」
ルカ「ま、カズマだしね。」
ジョー「コタツも有るしなぁ…。」
ダクネス「いい加減にしろ!」
めぐみん「どうにかしないと不味いですよ?」
アクア「だったら!温泉なんてどう!?」
この温泉街に呪いと惨劇を!
総一「だ、だまされたぁ…」