悪の帝国魔王軍に敢然と反旗を翻し、
海賊としての汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!
1
「「はぁあああ!?しゃ、借金!?」」
ギルド中に俺、
なぜなら辛くも今世界を震撼させている魔王を撃退したと思ったら、まだ受け取っていなかった前に魔王軍幹部を倒した時の報酬が払われないどころか見に覚えのない借金を背負わされていたからだ!
「いつ!?いつ俺たち借金しました!?
てか何で報酬なしなんですか!?」
「ま、魔王軍幹部を倒した時にアクアさんが壊した城壁の修理代とアクアさんの無差別攻撃によるフレンドリーファイアで怪我された方達の治療費です!
ソウイチさんのパーティーとカズマさんのパーティーに支払われた計6億エリスで相殺しても1億エリスは残っちゃうんです!」
「「い、いちおく……!」」
ハンマーで殴られた様なショック!
俺は崩れ落ちそうになるのを何とか踏ん張り、信頼する仲間たちの方を向いた。
長髪の偉丈夫、剣士のジョーは帽子を押さえる様なやれやれ、って感じのポーズ。
黒髪の槍使い、リアは引きつった笑みを浮かべており、
白いヘアバンドがトレードマークの盗賊、ルカは目を見開いたまま固まってしまっている。
和真のところの2人、金髪ポニーテールのグラマラスな聖騎士、ダクネスとチーム最年少の爆裂魔法の使い手、めぐみんも似た様な表情だ。
そして、一番の大戦犯である奴は!あのクソ女は!
「な、何?何よ皆?どうしてそんな怖い顔してるの?
と、特にカズマとソウイチ!
ブリンガーソードに荒縄なんてしまってよ。
ね、ねえ!ちょっと!」
「おいお前駄女神。」
「特別危険指定宗教団体教祖が……」
俺とカズマの行動は早かった。
すぐさま駄女神、アクアの前後に入り込み
「本当に余計な事しかしないやつメェ!」
「どうしてくれんだ!
どう責任とってくれるんだぁ!」
一も二もなく襲い掛かった。
「いやぁああ!何!?なんなのよぉ!」
「離せ!離せジョー!全ては借金返済の為だ!
こいつの髪と内臓売っぱらった後に変装して首を魔王軍に持ってく!」
「よせソウイチ!気持ちはわかるがそれはやめろ!」
反対側を見るとカズマもダクネスに羽交い締めにされている。
「ダクネス離せ!俺はお前みたいなドMと違って借金返済地獄で苦しみたい訳じゃないんだ!」
「私だってそんなプレイはごめん被る!
だがアクアを殺すのは駄目だ!
見捨ててやりたい気持ちは分かるが!」
そこで唯一遺憾の意を示したのが当の本人アクアだ。
「ねえちょっと皆!
なんで私が全部悪いみたいに言うの!?
あのデュラハン倒したのは私なのよ?
もっと私を褒めて甘やかして讃えてよ!」
「じゃあ借金も全部お前のだな?
よし皆ガレオンに戻ろう!アイツは借金返済が有るそうだ。」
和真がそう言うと優しいリア辺りは最後まで残ってだがやがてアクア以外の全員が続いた。
「わぁー!待って待ってごめんなさい!
調子に乗った私が悪かったから許してー!」
2
そして泣きじゃくるクソ女神を一通り叱り飛ばした俺たちは移動拠点のゴーカイガレオンに戻った。
「で、どうする!?1億だぜ1億!
しかもあんだけ苦労して倒したベルディアの分の報酬はびた一文出ないと来た。」
一先ずリアが入れてくれた紅茶のおかげで少しは落ち着いたが状況は最悪に違いなかった。
何せ俺たち全員冒険者。
命がけにも関わらず収入不安定な職なわけだ。
先行き不安で仕方ない。
「取り敢えず今すぐに金になりそうなのは俺たちの家とルカの指輪ぐらいだな。」
「はぁ!?なんでよ!大体アクアのせいで作った借金なんだから売っぱらうんならあの子の羽衣からでしょ!?」
あのなルカ、言わせてもらうけどお前が持ってる指輪やら宝石やらは8割がた俺とジョーに無理やり手伝わしたりして悪徳貴族やら奴隷商からパクったやつだろ?
そう言ってやろうと思ったが拗れるし理不尽な暴力が待ってるからやめといた。
代わりと言っちゃなんだが喧嘩を始めたルカとアクアに割って入り
「わかった!しばらく宝石の件は保留として、
取り敢えずガレオンの中身を探ろう。
もしかしたらなんか金目のもんがあるかも知れない。」
「宝探しって訳ですか。面白そうですね。」
「確かに宇宙ガレオン船の拠点なんてこの世広しと言えど私達ぐらいしか持ってないだろうしな。」
「よし、行こうぜめぐみん、ダクネス!」
「あ、ちょっと待ってよカズマ!」
カズマ達4人は早速はさっさと下のエリアに向かった。
いい加減借金以外の事を考えたかったんだろう。
「俺たちも行くか。」
「俺はリアと甲板の方を見てくる。
ジョーとルカはあの不運の女神がなんか変なもん触らないか見ててくれ。」
「了解だ。」
「もしお宝とか見つけたら見つけた奴の物ね?」
なんて軽口を叩くルカに決まりだなと言って別れる。
この時は思いもしなかった。
まさかあんな事態になるだなんて。
3
やあ皆!和真だよ。
俺たちは今新たに手に入れた移動拠点、ゴーカイガレオンを探索していた。
「外側から見るより随分広いな。」
「もう少し狭いと思ってました。」
船内は結構広くて良さげのホテルの客室みたいな1人用の部屋が10部屋。
確かにこれなら総一さん達の家を売っても問題ないだろう。
「それ以外は…エンジンとかそんなんなのかな?
食料庫とかはさっき通ったけど。」
「意外と部屋の種類はそんなでもありませんでしたね。」
「そうだな…ん?ルカ!ジョー!」
どうやら反対側から回って来たらしいジョー、ルカと合流した。
2人は白い四角い機械の前に立っていた。
「お、アンタ達もこっち見に来たの?」
「ええお2人も?」
「ああ、粗方調べたんだが、
この箱だけは使い方が分からないんだ。」
「確かに…なんでしょうかね?」
首をひねる4人。しかし和真とアクアはすぐにそれが分かった。
「「自販機だ。」」
「ジハンキ?」
「ってなんですか?」
まず使ってみせることにした。
右の腹ぐらいの高さに有るコインの投入口にエリス硬貨を投入して棚の様になってる部分のボタンを押して缶ジュースを購入した。
「おお!」
「これは物を売る道具なのか!」
「………誰もいないし、中の金抜き取ってもばれなさそうね。」
「おいルカ、それやったらリアにチクるぞ。」
冗談よ、と冗談に聞こえない感じで笑うルカ。
口止め料として先に買ったカズマ以外のジュースも買う。
「それじゃあ、誰かさんのせいで背負った借金完済の私からの前祝いって事で!」
「「「「「かんぱーい!」」」」」
「か、かんぱーい……」
ルカの言う誰かさんだけテンションが低かったが6人がジュースに口を付けると
「ふっふっふっふ!はーっはっはっはっ!」
自販機の方から野太い笑い声が聞こえて来たのだ。
「まんまと引っ掛かったな海賊共め!」
自販機がガタガタと不自然に震え、自販機に手足の生えた奇妙な怪人に変身した!
「な! 貴様いつから!?」
「お前たちが冒険者ギルドに行ってる間にさ!
俺は魔王軍幹部メレ様直属の兵士、ジハンキジゲン!」
「飛んで火に入る夏の虫とはアンタの事よ!
皆、変身いきましょう!」
アクアの掛け声でジュースを捨てて変身ケータイ、モバイレーツを構える一同、懐から取り出したレンジャーキーを変形させ
「「「「「「ゴーカイチェンジ!」」」」」」
<<<ゴーーッカイジャー!>>>
<<<デーーッカレンジャー!>>>
「ゴーカイブルー!」
ジョーは帽子を正す様なポーズを取りながらゴーカイブルーに。
「ゴーカイイエロー!」
ルカは右腕をしゅっ!と横に払うようなポーズをしながらゴーカイイエローに
「ゴーカイピンク!」
めぐみんは胸に手を当てるポーズをしながらゴーカイピンクに!
「デカレッド!」
俺は右腕を大きく後方に伸ばしながら前屈になるポーズを取りながらデカレッドに
「デカイエロー!」
ダクネスは開いた両手を交差させるポーズを取りながらデカイエローに
「デカブライト!」
アクアは開いた右手を前に突き出し、左腕のブレスロットルを見せるポーズを取りながらデカブライトにそれぞれ変身した。
「特捜戦隊!」
「「「デカレンジャー!」」」
「海賊戦隊!」
「「「ゴーカイジャー!」」」
4
「わぁ……」
皆さんこんにちは。リアです。
今私は総一さんと一緒にゴーカイガレオンの甲板に出てアクセルの街を見下ろしています。
「こんなふうに景色を見下ろすのは久しぶりだな。」
「私もです…なんだろ、凄く懐かしい。」
「…戻るといいな、記憶。」
「はい。けどゆっくりでも良いと思ってます。」
「て言うと?」
「私は、赤き海賊団のみんなが好きです。
お姉ちゃんみたいなルカさんや、寡黙だけど仲間想いなジョーさんに、ぶっちゃけクズだけど頼りになる和真さん達。
この場所を失くしたくはないです。」
「嬉しい事言ってくれるじゃんか。」
と総一さんが私の頭を撫でた時、私達が入って来たドアから……自販機にゴツい手足を生やして、不細工な潰れた顔をつけた様な怪人が出て来ました。
「ま、魔王軍!」
私と総一さんはモバイレーツとレンジャーキーを構えて
「「ゴーカイチェンジ!」」
<<ゴーーッカイジャー!>>
私はゴーカイグリーンに、総一さんはゴーカイレッドに変身しました。
敵の自販機お化けを切りつけながらドアの方に回って退路を塞ぎます。
「ソウイチ!」
船内の方から他の6人も変身して飛び出て来ました。
「よっしゃ!一気に決めるぞ!」
そう言って一斉に攻撃しようとした時でした。
急にゴーカイブルー、ジョーさんが変身を解除したのです。
「え?ジョーさん?」
「はぁーー…つーかれた。皆!休もうぜ!」
なんとそのまま奥に帰って行ってしまいました。
「はぁ!?おいジョーお前何言って!」
「それもそうだな。
別にわざわざ俺たちがやる必要ないんだし!」
そう言ってデカレッド、和真さんも変身解除して戻って行きます。
「私は爆裂魔法がやりたくて冒険者になったんです!
こんな雑魚、別に放って置いても問題ありませんし!」
と、ゴーカイピンク、めぐみんまで我儘言って帰ろうとします。
「ちょっと皆!真面目に戦わないと駄目よ!
こんな調子じゃいつまで経っても魔王なんて倒せないわよ?」
そう言って皆にゲキを飛ばすのはルカさん…ではなくなんとデカブライト、アクアさんです。
ルカさん、ゴーカイイエローはいつ間にか何も言わずに居なくなってました。
「別にあんな奴らほっとけばいいだろ。
金さえ積めば魔王軍と戦う奴なんて幾らでも集まるだろ?」
「ダクネス!?お前まで何言って」
「あ、逃げるわ!」
見ると自販機怪人はロープを使ってガレオンを降りる所でした。
私達は何故か性格激変した仲間たちに気を取られてる内にまんまと逃げられてしまいました。
5
やあ皆、総一だ。
見事に敵、ジハンキジゲンの術にはまった6人をどうにかすべく話を聞き出したいところなのだが…
「そんなのどうでも良いです!
それより爆裂魔法を撃たせてください!
もう起床してから3時間42分18秒もお預けをくらってるんですいい加減良いでしょ!?」
と、杖持ってずーっと落ち着きなく足踏みしてるめぐみんに
「別にわざわざ戻る方法探さなくてもいーじゃん。疲れるだけだよ」
ソファーでだらけるだけだらけてすっかりこう、溶け出してるジョー。
「確かに、1エリスにもならないな。」
引き篭もってしまったルカの宝石の手入れをしているダクネス。
ていうか地味に無器用な癖にそうゆうのは出来るのか。
もしかしたらこいつの無器用は戦闘限定なのかも知れない。
その上今は性格までこんなひがみとか最悪かよ。
「あーもー!皆普段は私を寄ってたかって叱る癖に今日はどうしたってのよ!
ほらカズマ!アンタもなんか言ってやりなさい!」
「えー、なんでお前なんかに言われてやりたくもない纏め役なんてやらなきゃいけないんだよ……」
ぱっと見いつも通りに見えるけど、怠ける和真にそれを叱るアクアって軽くホラーだな。
「うーん。アクアさん。この6人で何か同じもの食べたり飲んだりしてませんか?」
「同じ食べ物や飲み物?
今朝みんなで食べたじゃない。」
「性格多少マシになってもオツム足らないのは変わんねえな。
それはお前らみたいになってない俺やリアも食ってるだろ?」
「ッ!…そ、そうよね、私ったら、皆が大変な時に何的外れな事言ってるのかしら……。」
シューンと目に見えて落ち込むアクア。
リアが非難する様な目を俺に向けて来た。
何?俺が悪いの?
「大丈夫ですよアクアさん。
総一さんがアクアさんに当たりが強いのはいつもの事ですから。
それ以外で何かありませんか?」
「それ以外だったらジハンキジゲンが化けてた自販機から買ったジュースだけね。」
俺とリアはアクアの案内でジハンキジゲンのいたと言う場所まで案内された。
「この散らばってる缶がそうか。」
取り敢えず比較的中身が多かったのを持って行ってグラスに注いでみると、柑橘系の匂いのはずなのに何を混ぜたのか真ピンク色の液体が出て来た。
「うっわ!如何にも人工物混ぜてますって色ですね。」
「これ終わったら医者行くべきだな。
リア、ガレオンの設備でこのジュース解析してくれ。俺はギルドに報告してくる。」
俺は愛剣と何本かのレンジャーキーを持って船の底の方のエリアに向かって地上からの出入り口から鎖を使って降りた。
ガレオンは今アクセル郊外の平原の上にステルスモードで停泊している。
(さて、ギルドに報告して…昼飯とかはまだいいか。)
なんて思いながら歩いているとまだ何処かの後先考えない女神のせいで壊れて、ようやく修理に着工した城門が見えて来た。
「な、なんだテメェら!」
「黙れ!貴様らは今日から我ら魔王軍の為に働いてもらう!
ゴーミンども!連れてけ!」
今のうちのメンバーよか働き者らしいジハンキジゲン率いる魔王軍が土方さん達を連れ去ろうとしていた。
「たく、ちっとはこっちを休ませろよ。
ゴーカイチェンジ!」
<ゴーーッカイジャー!>
俺はゴーカイレッドに変身してゴーカイガンを打ちながらゴーミンどもに向かった。
「ゴー!」
銃弾を受けて倒れるゴーミン。
俺は自由になった土方に逃げろと叫びながら残る奴らに近接戦で挑んだ。
「ほう!統率が取れないからと1人で来るとは思い切ったなレッドレンジャー!」
「成り行きって感じなんだけど、まあいい。
1人でも派手に行かせてもらうぜ!」
俺は土方さん達を解放しながら戦った。
けど流石に多勢に無勢。
「ならこいつだ。ゴーカイチェンジ!」
<ジューーッウレンジャー!>
「ティラノレンジャー!龍撃剣!」
まずは近接特化のティラノレンジャーにチェンジ。
伝説の剣たる龍撃剣を持ってすればゴーミンの武器など簡単に切り裂けた。
「まだまだお代わりだ。ゴーカイチェンジ!」
<ハーーッリケンジャー!>
「超忍法!影の舞!」
背中の疾風丸を引き抜き影になって丸腰のゴーミン共を切り裂く。
あとはスゴーミンが五体とジハンキジゲン本体だけだ!
「やれ!スゴーミン!」
スゴーミンが武器腕からビームを飛ばしてくるが
「くらうかよ!超忍法、空翔!からのドライガン!」
空中にジャンプして回避してドライガンを連射する。
前方の3人は倒せたが残り2体は飛行モードに変形して突進攻撃を繰り出して来た。
「う、うわぁ!く、空中戦だったらぁ!」
<ジェーーットマン!>
レッドホークに変身してドッグファイトを展開した。
が、ジハンキジゲンが地上から投げる缶ジュース型爆弾を避けたりで想う様に動けない。
こんな時にアイツらが居ればとも思ったが、今の有様を思い出してやめておいた。
「もう少し、1人でも派手に行くか!」
次ーーッ回!第二話!
総一「流石に1人じゃジリ貧だ!」
アクア「直ぐ行くわ!」
ジョー「別にいいじゃん。」
リア「いい加減に働け!」
危険な遊び 後編!
リア「ここからは派手にいきましょう!」