スーパー戦隊このすばメガフォース   作:伊勢村誠三

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冒険とロマンを求めこの世界を往く若者たちがいた。
悪の帝国魔王軍に敢然と反旗を翻し、
海賊の汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!


魔法使いの里

温泉街から帰った翌日。

一同は屋敷の掃除に精を出していた。

普段ガレオンでいることの方が多いのだが、

それでも現代日本で言うところの固定資産税はかかっているし、

馬のドンやアクアが言うところには幽霊の少女も居るらしいので定期的に掃除しているのだ。

 

「ただいまー!」

 

「おかえりなさーい!洗剤買ってきてくれました?」

 

「ああ。可愛いこいつにまけてくれたよ。

気分はどうだい?ララティーナちゃん?」

 

「やめろぉ!頼むからやめてくれ…ううぅ…私はこうゆうのは駄目なのに…」

 

和真の言っていたダクネスに対するすっごいこと、長らく実行できていなかったそれの正体は、彼女の本名を広めるという物だった。

冒険者連中は見た目や普段の行いに反して可愛らしい名前を面白がりすっかり浸透してしまった。

 

「和真、お前もわるぞよのぉ…」

 

「いえいえ!総一さん程ではございませんよ!」

 

と、まるで小判をいれた菓子の箱でも渡すような手つきで洗剤を渡す和真。

総一もそれを悪い笑顔で受け取る。

 

「こらこらあんまりララティーナいじめないの。ほら仕事仕事!」

 

「ルカァ!お前までわかって言ってるだろ!」

 

「喧しいぞララティーナ。」

 

「年上がみっともないですララティーナ。」

 

「ジョー!めぐみん!特にめぐみん!

普段年上とか年下とか全く言わないくせになんで今だけ!」

 

今にも地団太を踏み出しそうなほど悔しそうにうつむくララティーナ。

 

「おい地の文!天の声!貴様らまで!」

 

「ララティーナさん誰と話してるんですかね?

まさか前にアクアさんがいると主張して憚らなかった幽霊とか?」

 

「ちょっとリア!あなたまだ信じてないの!?」

 

掃除してる一方で局所的に埃が舞ってる気がしながらも、つつがなく作業を進めていくと、誰かが乱暴にドアを叩く。

何事かと言ってみると、めぐみんと同郷のゆんゆんが血相を変えてやってきていた。

 

「おいおいどうしてんだそんない急いで?」

 

「か、カズマさんは!カズマさんはいますか!?」

 

「いるけど…」

 

失礼します!と叫んでジョーを押しのけ屋敷に上がるとゆんゆんは大声で告げた。

 

「私!カズマさんの子供が欲しい!」

 

ぶっ―!、と思わず和真が噴き出す。

残る全員も完全にフリーズし、無音が屋敷を支配

 

「ねえリア!私あなたはいい子だから信じてくれるって信じてるの!

本当に居るのよ!いるから私のお酒をかってに飲むの!

私が飲んでるわけじゃないの!」

 

しなかった。アクアだけはマイペースにリアを揺さぶっている。

 

「いやアクアさん話聞いてました?」

 

「話?話って何よ?」

 

「ゆんゆん、ワンモア。」

 

「カ、『カズマさんの子供が欲しい』」

 

「……!?!?!?!?!??」

 

「そうよ!アンタ気は確か!?

こいつよりもいい男なんて星の数いるわよ!?」

 

「ゆんゆん考え直してください!

このオークと人間のハーフと言われても信じる様な鬼畜外道の子供なんて無理して生む必要ありません!」

 

「ルカさん?めぐみん?

俺も普通に傷つくんですよ?」

 

「た、確かにある意味カズマさんでなくてもいいんですけど!

でもそれじゃあ間に合わないんです!

今すぐにでもしなきゃダメなんです!じゃないと、じゃないと紅魔の里がなくなっちゃう!」

 

 

 

『この手紙が届くころにはきっと私はこの世にいないだろう。』

 

紅魔族の族長、つまりゆんゆんの父親からそんな一文から始まる手紙が届いた。

急展開に若干キャパオーバーだっためぐみんにアクアも真剣なまなざしで手紙を読みあげるゆんゆんの声に耳を傾けた。

 

「前線基地の破壊も出来てなくて、

倒さなきゃいけない魔王軍幹部様は耐魔EX持ち、か。

なかなかきついみたいだな。

ジョー、元軍属として噂程度でも心当たりは?」

 

「さあな。尖兵みたいな風に扱われてたベルディア以外は実はそんない知られてないぞ?

戦ったやつらは大抵死んでるか、

何が起こってるか分からないままやられてるからな。」

 

ジョーのつぶやきにさっきまで取り乱しきっていたゆんゆんはもう半泣きだ。

 

「ゆんゆん手紙読めますか?

つらいなら私が変わりますが…」

 

「ううん。大丈夫。続き、読むよ?」

 

何でも里の占い師は魔王軍の総攻撃の日と紅魔族壊滅の日、

そして最終的に唯一の生き残りとなったゆんゆんと、

駆け出しの街で出会ったある凡庸な冒険者の少年が結ばれ、その子供が旅の末に魔王を倒す未来を。

 

「じゃあめぐみんが死ぬってことは二人の子は女の子じゃなきゃおかしくないか?

ピンクの席がなくなるわけだし。」

 

「しれっと殺さないでくださいよ!

そうなるとは限らないでしょ!手紙には男の子ってっ書いてありますし!」

 

「つ、続けるよ?『【紅魔族英雄伝 第一章】著者:あるえ』ってえ?」

 

「「「「「「「「は?」」」」」」」」

 

再び屋敷を静寂と沈黙が支配した。

そんな中次第にゆんゆんの顔が羞恥で真っ赤に染まっていき

 

「あるえのばかーっ!」

 

と、叫んで二枚目の手紙をビリビリに破き捨てた。

 

「展開が派手過ぎてついていけん…」

 

こめかみを押さえながらジョーがつぶやく。

ルカはゆんゆんが破った手紙の切れ端の裏にも文字が書いてあるのを見つけた。

 

「『追伸、郵便代が思ったより高かったので族長に頼んで同封させてもらいました。二章が出来たら送ります』だって。よかったじゃない。」

 

「なんも良くないっすよ。なんすかこれ?

俺はもう部屋に戻って寝ていいってこと?」

 

「そうもいかないんじゃないですか?

このあるえの追伸を信じるなら一枚目は正真正銘族長さんからの手紙なんでしょ?」

 

そのセリフにかつて故郷を魔王軍に滅ぼされたジョーとルカの表情が決意を秘めてるようなものに変わった。

そして掃除道具や頭のタオルを外して戦闘装備を身に着け始める。

 

「お、お前ら急にどうした?」

 

「ゆんゆん、出発はいつだ?俺たちも手を貸す!」

 

「じょ、ジョーさん?」

 

「故郷がピンチなんでしょ。それに来てるのは幹部…

報酬としてレンジャーキーは全部いただくわ。」

 

「ルカさんまで!」

 

ジーン!と感動で涙ぐむゆんゆん。

2人は当然お前らもついてくるよな?みたいな目でこっちを見てくる。

 

「行かなければならないようですね。

紅魔の里に!」

 

めぐみんがカッコつけたポーズでまだ乗り気じゃない面子の方を振り返る。

 

 

「分かったよ。分かった。けどゆんゆん。

帰ってきたらお前にも屋敷やガレオンの掃除、手伝ってもらうからな?」

 

「しょうがねーな。ララティーナ。

紅魔の里ではダクネスで浸透すると良いな?」

 

「だ、誰のせいだと思っている!」

 

からかいもそこそこに一同は装備を整えると屋敷を立った。




次ーーッ回!第二十四話!

総一「あれがモンスターだって?」

リア「わ、私には無理です!」

オーク「男よ!男が三人もいるわぁあああ!」

和真「なんだこの数!なんでこんなにいるんだ!?」

ジョー「だから言っただろさっさと逃げようって!」

壮観アバレオーク!

総一「ちょっと嘘でしょー!」
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