悪の帝国魔王軍に敢然と反旗を翻し、
海賊の汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!
1
「一刻も早くいきたいところですけど、
ガレオン最近機嫌悪いですよ?」
リアの発言に一同肩を落とす。
だが思い返せば前回のハンス戦の時は一番きつい囮をやらせていたわけだ。
それに思い切ったメンテナンスの機会も手に入れてから一度もなかったので痛んできてるはずである。
「仕方ないか。
めぐみんとゆんゆんだけでも先に送れないか?」
「そういえば、ウィズこの前確かアルカンレンティアにテレポート用のマーキングしてなかった?」
「ならそこまでショートカット出来るな。」
「んー、じゃあテレポートで行くメンバーは…」
リアは一同を見回す。
一番の当事者であるめぐみん、ゆんゆんは除くとして…。
和真。器用。
アクア。器用。だがそれ以上にトラブルを起こす。
ダクネス。不器用。
総一。普通。
ジョー。不器用。だが力はある。
ルカ。器用。ただし希少金属のパーツを盗む可能性あり。
「……。」
何という事だろう。
こんなにも精密機械を相手にするのに適さないパーティーもそう無い。
「……ジョーさんだけ残ってくれればいいです。
皆さん先に行っててください。途中で追いついて絶対に拾うんで。」
リアは努めて穏やかな笑顔で言った。
全てを察した和真はリアの肩に手を置き言った。
「気持ちはわかる。けどもう一人ぐらい貰ってくれない?」
「いやです。」
攻防虚しく和真はいつもの面子+ゆんゆんを率いてアルカンレンティアから歩いて紅魔の里に向かった。
2
「あー、懐かしい。ガレオン手に入れるまであちこち駆けまわってアクセル目指してた頃思い出すぜ。」
アルカンレンティアの外。
一同は仔馬の里に向かって徒歩で進んでいた。
なんでも厄介極まるモンスターの出るエリアがあるそうで、
紅魔の里に向かって走る馬車がないからだ。
「懐かしいわねー。ドンも確かどっかの誰かが道端でひっくり返って両手足を振り回しながら駄々こねたから買ったんだっけ?」
「ぷぷー!なにそれアンタまるで子供じゃない。」
「いやアクア…散歩のたびに宝物とか言って変な石とか拾い集めてくるお前が言えた事じゃねえからな?」
「それで、結局どれくらいかかるんだ?」
「歩きだけなら二日ってところですかね?
途中でガレオンが拾ってくれれば半日かかるかかかんないかぐらいですけど。」
「あれってそんなに早いの?」
なんて話しながら進んでいるとルカが急に立ち止まった。
「みんなちょっと待って。敵感知に一体引っかかった。」
すぐさま全員が武器を構える。
そしてルカと和真を先頭に進んでいくと…
「敵って…あそこに座ってる怪我した女の子か?」
「みたいっすね。あれ、擬態したモンスターですよ。」
和真とルカ以外の全員が驚きの声を上げる。
無理もない。その擬態モンスターと言われた者はどう見ても簡素なワンピースを着た傷だらけの少女にしか見えない。
「おいルカ、なんかめっちゃすがるような目で俺たちを見てくる女の子がいるけど、
あれがモンスターだって?」
「ええ。こいつは安楽少女っていって植物型のモンスターよ。」
そう言われてよく見ると、服や包帯は全て植物のような模様が見えた。
「筋力や速力は見てくれ通りだし、
特に攻撃してくるような敵ではないんだけど、
こいつが厄介なのがこうやって通りかかる連中に庇護欲を抱かせる仕草をすることなのよ。」
安楽少女と呼ばれたその子は今にも泣きそうな顔をしている。
総一は罪悪アkんを感じながらもヒールをかけようとするアクアを和真と二人がかりで止める。
「ちょ!なんでよ!薄情者ね!
この子が可愛そうに見えないの!?」
「思わない訳ないだろ!せめてルカさんの説明を全部聞け!
それで?こいつはその通りすがりの誰かに何をするんですか?」
「一説には高度な知能を有してると言われるほど演技上手よ。
離れようとすると泣くし、近付いてくれば安心したように笑うわ。」
「あ、ホントだ。ておいダクネス!モンスターだっつってんだろ!
近付いていこうとするんじゃない!」
「だって!だってお前も見ただろあの『もしかしてそばにいてくれるの!?』
みたいな安心した笑顔を!聖騎士としてけが人をほおっておくわけにも…」
「だから擬態だって言ってんだろ!」
「それで?あいつは人を侍らせて何がしたいんだ?」
「自分に生える神経性の毒を含んだ実を食わせて名の通り安楽死させるわ。
そして残った死体を苗床にして育つの。
その身の毒は本当に何の苦痛も感じなくなるから老いて死に場所探してる冒険者に人気の終の棲家って訳。」
「なるほどよくわかった。さっさと通り過ぎよう。
ほら行くぞ。あれは食虫ならぬ食人植物だ。ほら行くぞ!」
「な、何を言うんですか!
あの子が泣きそうな顔で手を振ってるのが見えないんですか!?
めぐみんあなたもなにか…あれ?もういない。」
「あ!あの馬鹿ども…何やってんだ!」
アクア、めぐみん、ダクネスは安楽少女を囲んでいた。
「痛いわよね?今傷を治して…あれ?これ全部模様だわ。
包帯も傷もそれっぽい形してるだけね…」
「よく見ると、岩に腰かけてるように見えるのも根だな。
先に実ってるのがさっき言ってた果実か。」
比較的冷静に事態を分析していたアクアとダクネスだが、
めぐみんが差し出した手を『触ってもいいのかな?』と、不安そうに顔を窺いながら握ったのを見て完全にやられてしまった。
「和真。」
「そうっすね。」
総一は両刃剣を、和真はブリンガーソードを引き抜き少女の後ろに立つ。
2人でせーのに振り下ろして頭を落す。
それで少なくともしばらく他の旅人が惑わされることは…
「ちょ!アンタたち何やってるのよ!
まさかこの子を経験値の足しにするつもり!?」
アクアが安楽少女の頭を抱きながら前に出る。
総一は隠そうともせず思い切り舌打ちをしてアクアの額に刃を向ける。
「退け。そいつはモンスターだ。」
「それも人が確実に死ぬタイプの。
倒したいんじゃなくて倒さないとダメなんだ。」
「た、確かに安楽少女の存在自体は私も知ってましたよ?
でもまさかこんな女の子のモンスターを傷付けませんよね?
アクセルの少年たちの憧れレッドレンジャーにブラックレンジャーがそんなことしません、よね?
そう…ですよね?」
まるで拾った子猫を保健所に行かせたくない子供の様に安楽少女の手を握ったまま訴えるめぐみん。
「アンタたちはそいつに苗床にされた人間を見たことないから言えるのよ。」
「いや、そうですけど…」
「いや、私はカズマたちに賛成だ。
こんなに高度な擬態をする狡猾なモンスター、ほおっておくわけにはいくまい。
死人が出る前に駆除しなくては。」
そう言ってダクネスは自分のゴーカイサーベルを取り出した。
そしてそれを大上段から振り下ろそうとした時
「コロ……スノ?」
小さく、したったらずな高い声で案吾r苦笑所はつぶやいた。
その声は目に真仁田を浮かべ、ものすごく不安そうな表情でダクネスを見上げる安楽少女からだった。
一瞬の硬直の後、汗をダラダラ流しながらダクネスは和真と総一の方を見る。
「お前までそんなんでどうするっ!」
と、苦々しく言う総一だが、彼も彼で罪悪感を感じるのか、
剣を持つ手にあまり力が入っていない。
仕方なく和真が剣を振り上げるとアクアが彼女の頭を抱きかかえて威嚇するように和真をねめつける。
いつかのベガベビー騒動と真逆の様相をていしていた。
「………。」
痛いような沈黙が場を支配する。
全員が苦渋の決断を迫られていた。
「ミンナ、クルシソウ…。ゴメンネ。
ワタシガ、イキテルカラ…ダネ。」
「行くぞ。」
総一の決断は早かった。
喚き散らすアクアとめぐみんを変身して引きずりその場を後にする。
残るメンツもそれに続いた。
「あー、参ったな。
危険なモンスターって言われても流石にあんなのは予想しないぜ。」
「だな。もうさっさと行こう。
あれの事は一刻も早く忘れて…あれ?」
「どうしたのソーイチ。まさか忘れ物でもした?」
「いや、俺じゃなくてめぐみん。
お前、いつもダイナマンのキーつけてる紐、切れてるぞ。」
「え?嘘!テレポートした時にはつけてたのに…」
「しょうがねえな。
俺、さっきの安楽少女のところまで戻ってみます。」
そう言って戻っていった和真は30分後ぐらいにレンジャーキー片手にホクホク顔で戻ってきた。
「みんなー!さっきの奴倒したらレベル3つも上がったぜー!」
全員に冷気が走る。
そして…
「カズマの鬼畜!鬼!外道の中の外道!
魔王が可愛く見える悪魔ー!」
「何が!何があればその判断に至るんですか!
非武装の敵を斬るとかあなたそれでもレンジャーですか!?」
「辛かっただろう…。
お前は、お前は冒険者としての義務を果たしたんだ…。
すまない、すまないお前だけに押し付けて…。」
その後彼の口から語られた安楽少女の狡猾な本性に若干センチな気分になる総一だった。
3
「はー、そんなことが。」
一夜明けた今日。
ガレオンで追いついたリア達と平原で合流する事が出来た。
「しかし残念だな。
お前たちの情けない様を見れなくて。」
「言ってろ。お前もあの場にいたら同じ目に遭う。」
アクア以外の女性メンバーが全員甲板に上がる。
自分たちも、と上がろうとすると、総一は和真の様子がおかしいのに気付いた。
「どうした?」
「囲まれてます。」
「…数は?」
「ちょっと数え切れないです。」
和真がそう言うと、どこに潜んでいたのか大群、いや大軍と呼んでも差し支えない数の醜悪な容姿のモンスターが現れた。
多少はRPGを嗜んだことのある総一はそれがオークだとあたりをつけた。
何故か、メスしかいないように見えるが。
「なんだこの数!なんでこんなにいるんだ!?」
「まさか、近くに集落が?」
「逃げるぞ。」
ジョーの判断にうなづく代わりに素早く抜いたゴーカイガンを一番前にいたやつの眉間に放った。
血の放物線を描いてそいつは真後ろに倒れる。
「バカ何やってんだお前!」
ジョーが総一の胸ぐらを掴み上げた。
何故か分からず困惑する間に、オーク達のボルテージが上がっていく。
「あの赤いの強いわね…」
「あっちの青いのはもっと…」
「緑が案外性欲強かったりするかしら!?」
「…なあアクア。この世界のオークってまさか…」
「オスの出生率が低すぎて多種族のオスを拉致して死ぬまで絞る男性の天敵よ。」
アクアの手を引いて3人は走り出した。
ガレオンに上げるわけにはいかない。
中に入られるなんて考えたくもない。
それ程までに見てくれも根性も悍ましい怪物達が追いかけて来た。
「男よ!男が三人もいるわぁあああ!」
「ちょっと嘘でしょー!」
「だから言っただろさっさと逃げようって!」
ジョーの叫びに総一はポケットからなんとかキーを取り出して2人にパスする。
「もうこれしかない!
あんな醜女どもで卒業しない為にもやるぞ!」
「「「ゴーカイチェンジ!」」」
<<<ラー《color:##221177》ーッイブ《/color》マン!>>>
変身した3人はそれぞれ専用バイクを駆り、オークの大軍とどうにか距離を作る。
「え!?ちょっと私も連れてっt」
大軍に踏み潰される仲間に感謝の敬礼を送り3人はマシンを呼び出す!
(BGM ライブロボの歌)
「ジェットファルコン!発進!」
「ランドライオン!発進!」
「アクアドルフィン!発進!」
出現した3台のマシンが変形合体。
地鳴りの如き着地音と共に屹立する。
「「「完成!ライブロボ!」」」
「では、今まで搾り取られた罪なき男性達に代わって!
ライブロボビーム!」
ライブロボの拳銃型武装から灼熱のレーザーが放たれる。
それはさっきまで追い立てる側だった大軍を次々クレーターと共に消し炭に変えていく。
「あは、ははは!はーっはっはっはっは!」
悪役じみた高笑いを上げながらビームを撃ち続ける総一。
悪ノリした和真ももう一つの腕で同じようにビームを撃ち始める。
(あれアクア生きてるかなぁ…)
いくらダクネス並みにしぶといアクアでも弱化を不安になるジョーだった。
次ーーッ回!第二十五話!
めぐみん、ゆんゆん「ようこそ紅魔の里へ!」
こめっこ「お姉ちゃんが男作って帰ってきた!」
あるえ「是非取材を!」
???「あら、あの子はあの時の…」
紅魔族と魔王軍
めぐみん「私がレッドで!派手に行きます!」