スーパー戦隊このすばメガフォース   作:伊勢村誠三

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冒険とロマンを求めこの世界を往く若者たちがいた。
悪の帝国魔王軍に敢然と反旗を翻し、
海賊の汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!


氷のアバレ竜

時間をかなりさかのぼり、赤き海賊団がようやく形になった頃、この世界に神やその周囲の者が正式に送り出していない者がこの世界に流れ着いた。

 

「う、うぅっ!おのれ…おのれ憎きアバレンジャー!

ゆるさん、ゆるさんぞぉおおお!」

 

その者は細身の怪人だった。

腕から延ばしたカギ爪を「振り回して一しきり八つ当たりを済ませ、

クールダウンすると足元に落ちる何かに気付いた。

それを拾い上げると、何かに気付いたのか怪人、ガルヴィディは身を震わせて

 

「これは…はは!はははは!

いいじゃないか…待って居ろ!必ずや他のも集めて必ず目にもの見せてやるぞ!

アバレンジャー!そして今度こそ!世界を氷に閉ざしてやる!」

 

そう言ってガルヴィディは去って行った。

 

 

 

久しく帰っていなかった、その上掃除も途中で放り出してきたゆえに埃っぽい我が屋敷の応接間で佐藤和真は頭を抱えていた。

その反対側に座る七海総一の顔も渋い。

 

「ソウイチさん、その話マジっすか?」

 

「マジだ。全部、凍り付いてた。」

 

魔王の娘、ワルズに変身アイテムを奪われた和真に予備のモバイレーツを渡そうとしたのだが、案の定、恐らく魔王軍の手によって預けていた知り合いのプリーストごと溶けない氷で凍らされてしまっていたのだ。

 

「どうだったんすかそれ?」

 

「常温だったけど触った感触は間違いなく氷だった。

けど溶ける様子は全くない。

うちのスペック以外ロクにあてにならないアークプリーストが言うには生きてるし呪文破りも通じなくはないだろうけどレンジャー由来の力だからこっちのルールを強引に当てはめるとどうなるか分かんないってさ。」

 

ため息を吐いて肩を落とす和真。

 

「俺、しばらく変身できないんすね…。」

 

「一回怪人を妊娠してて戦えなかったとき有っただろ?

それに比べりゃずっとましな状況じゃないか。

休めるチャンスだとでも思っとけ。」

 

「いやベガベビーの時と比べないでくださいよ!

あれとはどう考えても別ベクトルの問題でしょ!

その氷の敵だってどお考えてもデラツエイガーの件で報復に来た連中だろうし!」

 

「そうは言うけどお前そんな真正面か突っ切るタイプでもねえだろ。

潜伏しながら援護射撃してくれるだけでもいいから。」

 

「いやでも…」

 

なお食い下がろうとする和真だったが、青い顔をして飛び込んできたダクネスにかき消された。

 

「どうしたダクネス?顔色悪いぞ。

新たな快感を求めて毒草でも拾い食いしたか?」

 

「いくら私でもそんなことするか!

王女様から…王女様から……」

 

「なんだって!?」

 

和真は勢い良く立ち上がるとダクネスに駆け寄り

 

「お前まさか王女様にすら自分のドM性癖を隠してなかったのか!?

それはおとりつぶしにされても仕方ないぞ!」

 

「お前らさっきから私をなんだと思ってる!?

苦手だが社交界のマナーぐらいわきまえてるわ!

晩さん会の招待が来ただけだ!」

 

「じゃあ何が問題なんだよ?普通に行きゃいいじゃねえか。

下手に断って相手の印象悪くしたらそれこそ王に翻意有りだろ?」

 

「それは正しくソウイチの言う通りなのだが…」

 

片頭痛を覚えたように右側頭部を押さえながらダクネスは苦しそうに言った。

 

「ぜひ、赤き海賊団全員で来て欲しいと…」

 

この時、和真と総一は揃って全く同じ想像をしていた。

変なカッコつけを作法とか色々無視してやらかして連行されるめぐみん。

急に手品とか魔法を使い始めて衛兵にその場で斬り殺されるアクア、

金品をちょろまかしてさっさと質屋に売りに行こうとするルカ。

そして当然それを連れて来た他の五人もたちまち取り押さえられ…

 

「「やばいな。」」

 

「ああ。やばい。どれぐらいやばいって前にあの身長の無い魔王に皆が捕まった時ぐらいやばい。」

 

「けどそれってあいつら連れて行かなければいいだけの話だろ?

このまま黙ってれば…」

 

「無理だ。もうみんな知ってる。」

 

「それってルカもか?」

 

「ああ。」

 

「他の連中、特にアクアやめぐみんはなんて?」

 

「ドレスなんて持ってないから仕立てようとか、自慢の宴会芸が水を噴くとか、紅魔族流の派手な登場がどうとかもう大はしゃぎだ…。」

 

恐らく置いていこうものなら拗ねて暴れて挙句勝手についてきて目の届く範囲にいる時よりもひどい事をやらかすに違いない。

具体的に言えば近衛兵に女神を自称して大げんかになるとか敷地内で爆裂魔法をぶっ放すとか平気でやらかす。

 

「どうする?」

 

「あの馬鹿ども普段は左斜めの方向に頭良すぎて基本馬鹿のくせに物覚えは良い。

何か別の、とんでもない事態では起きない限りは…」

 

『緊急事態発生!緊急事態発生!大型の龍型魔物出現!

冒険者の皆さんは至急ギルドに集まってください!繰り返します…』

 

「渡りに船とは喜べないっすね。」

 

「だな。」

 

 

 

ギルドに行くともう既に大体の面子は集まっており、三人が席に着くとほどなく係員から説明が始まった。

 

 

「お集りの皆さん!本日は、

緊急の呼び出しに応えてくださり大変ありがうございます!

只今より、ドラゴン型モンスター討伐の、緊急クエストを行います!」

 

曰く、王国の騎士が追い立ててる手ごわいモンスターがこっちに来てるとか何とかでその足止めが今回の任務との事だった。

 

「サイズはガレオンより小さいぐらいで、

武器はデカい顎に長い尻尾。

特徴は足に対して小さすぎる前脚に襟巻、か。」

 

「んー…どっかで聞いた特徴っすね。」

 

「和真さんも思います?

私もなんですよ。どこでしたかねぇ…」

 

「俺はそんな魔物聞いたことないが、

ニッポンにいる魔物なのか?」

 

「なーに。敵の正体なんてどうでもいいじゃない。

アンタたちにはこのアクア様がついてるのよ?

大船に乗ったつもりでいなさい。」

 

「泥でできてそうだなその大船。」

 

「違いない。」

 

「ちょっと!ソウイチはともかくダクネスまで!」

 

斥候に任命された総一、ジョー、リア、和真、アクア、ダクネスの五人は龍が隠れるかもしれない森の中を探索していた。

 

 

「ッ!ストップ!敵感知に引っ掛かった!

全員脇に避けろ!すごいスピードで来る!」

 

全員武器を取り出しながら転がる。

耳を澄ますと、段々と振動のような物が聞こえだす。

それは次第に地鳴りのような物に変わっていき、気が千切れる音や岩が文壊される音までも聞こえてくる。

そしてついにそれは五人の前に姿を現した。

 

『ギャオオオオオオオオ!』

 

「あれは…」

 

「「「恐竜!?」」」

 

その姿はまさに多くの現代人がイメージする典型的なティラノサウルスに襟巻を付けたような外観をしている。

ただし体全体が白や青系統の寒色をしていて、

色も質感も生物的でない皮膚で覆われている。。

 

「いやどう見てもメガゾードでしょ!?」

 

「和真下がっろ!残り全員変身だ!」

 

総一の司令に全員モバイレーツを取り出そうとした時、また別の地鳴りが響く。

和真を見ると敵感知に引っ掛かってないのか首を横に振った。

先に現れた青い目がゾードに続いて現れたのは白いメガゾードだった。

トリケラトプスの角を短くした分、襟のところを大きくしたような奴だ。

その上に、人が乗っている。

日光に輝く長い金髪を三つ編みにまとめたあどけなく可愛らしい少女だ。

 

「やっと!追いついた!カルノリュータス!」

 

そう言って少女はアバレンジャーの共通武器、アバレイザーに似た剣を抜刀する。

 

「まさか、あそこにいるのは…」

 

「どうしたダクネス?顔色が悪いが…」

 

「ダクネス?…ッ!ララティーナ!手を貸して!」

 

ダクネスを本名で読んだ彼女は乗って来たメガゾードを降りると青いアバレイザーを片手にカルノーリュータスと呼ばれたメガゾードに向かって行く。

ダクネス、アクアにジョーが変身しながらそれに続く。

ワンアクション遅れた総一たちの元に

 

「頼む!俺の相棒を元に戻すのを助けてくれ!」

 

「喋った!このトリケラトプスの親戚みたいなの喋りましたよ!」

 

「ああ、喋ったな…」

 

「なあ、あっちの青いのは喋れないのか?」

 

「無理だ…あいつは、吹雪石に心を凍らせられちまった。」

 

悲しげにつぶやく白いメガゾード、カスモシールドンに和真を頼むと総一とリアもカルノリュータスに向かって行った。




次ーーッ回!第三十二話!

和真「なんでアイリスはあの子たちを助けたいと思ったんだ?」

アイリス「寒いのは、怖いし嫌ですね。」

総一「つまり、そうゆう訳か。」

アクア「けど相手が悪かったわね!」

ガルヴィディ「な、なに!?」

和真「ゴーカイチェンジ!」

凄い銀色の変身!

和真「ギンギンで行くぜ!」
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