スーパー戦隊このすばメガフォース   作:伊勢村誠三

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冒険とロマンを求めこの世界を往く若者たちがいた。
悪の帝国魔王軍に反旗を翻し、
海賊としての汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!


ママ!寄生怪物の叫び

澄み切った青い空のお陰で差し込む日差しを遮るものはない。

お陰で程よく肌寒い程度のこのごろ。

佐藤和真は今にも小唄でも歌いながら踊りだすような上機嫌で歩いていた。

彼は知ってしまったのだ。

このアクセルの街の男性冒険者共通の秘密を。

 

(まさかエチチなサキュバスのお姉さんたちがやってるお店があるなんて!)

 

システムとしては、店で直接夢を見せてもらいたい人が内容を指定して、その夜枕元に立ったサキュバスに淫夢を見せてもらい、その間にサキュバスは冒険に障りがない程度に精を吸う。

冒険者はスッキリできてサキュバスは腹を満たせる。

まさにWIN-WINの関係なのだ。

 

(どんな夢みせて貰おうかなー……個人的には年上の方が好きだが…)

 

などと文字通り夢に思いをはせて居た和真だが不意に走って来た人に突き飛ばされる。

 

「痛っ!気を付けって……」

 

和真にぶつかった人はすぐに走り去って行き、

その後も次々と人が走り去って行く。

悲鳴をあげながら

 

「どんだけボーっとしてたんだ!

思いっきり魔王軍が暴れてんじゃねーか!」

 

<ゴーーッカイジャー!>

 

ゴーカイグリーンに変身して飛び出すと、

そこには赤いずんぐりむっくりな体系の怪人と、

気持ち悪い植物を真ん中あたりだけ割いたような見た目の怪人が暴れていた。

 

「テメェら魔王軍だな!」

 

「んー?おお!来たな海賊!ワシはチブチ星人ブッチー!

そしてこっちはワシが造った頭脳獣べガヅノーだす!」

 

「ベガヅノーだか弁当箱だか知らねえけど、人様のお楽しみを邪魔してくれたお礼!たっぷりしてやるぜ!」

 

そう言ってゴーカイグリーンはゴーカイガンとゴーカイサーベルを取り出し戦闘を始めた。

2対1とだけあって正面からでは勝ち目がない。

サーベルのワイヤーを建物に飛ばして壁を走りながら銃撃を与えていく。

 

「ムムム!中々やるだす!けど、これはどうかな?

目ん玉リボルバー!」

 

愉快な名前とは裏腹に強力なビームがワイヤーを付けていた建物の壁を屋根事消し飛ばした。

 

「うわだ!ててて……マジかよ。

だったら無敵防御のこれだ!ゴーカイチェンジ!」

 

<ジューーッウレンジャー!>

 

ドラゴンレンジャーに変身し獣奏剣をで斬りかかる。

 

「ぐわああ!」

 

「うう!」

 

「は!もういっちょ!」

 

しかしそこで横から入って来たキババックルが獣奏剣を受け止めた。

 

「な!?お前ギルドス!」

 

「如何にも!」

 

獣奏剣を弾いてキックを叩きこむギルドス。

 

「おおギルドス来てくれただすか!」

 

「ああ、こいつには俺も借りがある。行くぞ!」

 

「まずい!」

 

すぐに防御の構えを取るドラゴンレンジャー。

三体の怪人のビームが放たれる。

何とか拮抗するがじわじわと押され始める。

 

(こ、このままじゃ…)

 

「今だ!スゴーミン!」

 

「え?」

 

背後から連続して光弾を食らった和真は変身解除させられてしまった。

 

「よし!ベガヅノー!アイツに胎児を産み付けろ!」

 

指令を受けたベガヅノーが和真に向かってビームを放つ。

それを受けた和真のお腹は、ふっとたにしては不自然に膨らみ始める。

 

「……え?う、産み付けるってまさか…。」

 

「お前の想像通りだす!

元気な赤ちゃん生んでくださいだすねー!」

 

ゲラゲラと笑いながら魔王軍たちは去って行った。

そこにただ一人残された和真。

しばらく右斜め37度の方向から飛んできた事実に放心していたが

 

「に、妊娠って、俺がぁ!?

う、嘘だ…。嘘だぁあああああああああ!」

 

 

 

「マジですね。」

 

「チクショぉおおおお!」

 

和真の慟哭がガレオンに響く。

頭を抱えて大きなお腹を睨んだ。

 

「しっかし男だろうと妊娠させる怪人ですか。

魔王軍もまた奇妙な怪人を造りましたね。」

 

さっきまで使っていた聴診器を外しながらリアが和真のお腹を撫でる。

 

「あ、蹴りました。もしかしたらキック技が得意な怪人かもしれませんね。」

 

「呑気に言ってる場合か!

怪人の赤ん坊なんてどうすりゃあいいんだよ!?」

 

「確かにカズマの血を受け継いだ怪人などどんな鬼畜が産まれてくることか…。

そ、想像するだけで武者振るいが……っ!」

 

顔を紅潮させてだらしない笑みを浮かべるダクネス。

アクアはそんな彼女に肘打ちをくらわすと前に出て

 

「兎に角!どうするかなんて決まってるでしょ!

カズマ!降ろしなさい!」

 

「降ろすたってどうやって?」

 

アクアはドヤ顔でジョーとルカに目配せすると指を鳴らす。

意図を察した2人はゴーカイサーベルと荒縄を取り出した。

 

「いや待って待って何やろうとしてるんですか?」

 

「めぐみんもソーイチも退いて!

生まれてくる前にさっさと取り出す。」

 

「安心しろ。餓鬼しか切らん。」

 

「そう言う問題じゃねーよ!

人斬り包丁で開腹手術しちゃいけないぐらい医学のいの字も知らない俺でも分かるわ!

産ませるにしろ降ろすにしろ医者に診せるべきだろ?」

 

「怪物の子供を妊娠してる男を人間を妊娠した女しか診たことしかない医者に見せてどうするんだ?」

 

「少なくとも俺らより応用できる知識はある。

それに下手に取り出して和真を人質にして暴れても困るからな。」

 

 

3

結局和真は医者に診せることになった。

ガレオンの留守をダクネスとジョーに任せて残る6人で向かった。

 

「はぁーーー………。

俺、この先どうなっちまうんだろ…。」

 

「大丈夫よカズマ!

なんて言ったってこのアクア様がついてるのよ?」

 

「余計不安だわ!」

 

背後から和真が何かネガティブなことを言う度にアクアが励ますと言ったやりとりが続いている。

 

「和真の奴、思っきしマタニティブルーになってんな。」

 

「なんですかそれ?」

 

「女性が出産前に出産や育児なんかな対して抱く漠然とした不安の事だ。」

 

「和真さんは男性ですけどね。」

 

「うーん。流石に命ともなると『スティール』で取り出せそうにないしなー。」

 

話しながら歩いていると6人を囲む様に無数のゴーミンとブッチーにベガヅノーが現れた。

 

「お出ましか!」

 

「当然だす!折角孕ませたのに中絶なんてさせないだす!」

 

「野郎っ!良いぜさっきの借り返してやるぜ!

ゴーカイ…」

 

「ちょっとちょっと駄目ですよ!」

 

変身しようとした和真からリアがレンジャーキーを取り上げた。

 

「1人の体じゃないんですから無茶しないで下さい!」

 

「奴らは俺らが引き受ける。

お前はさっさと潜伏スキルで逃げろ!」

 

総一、アクア、ルカ、めぐみんもキーを構える。

 

「「「「「ゴーカイチェンジ!」」」」」

 

<<<<<ゴーーッカイジャー!>>>>>

 

「ゴーカイレッド!」

 

「ゴーカイブルー!」

 

「ゴーカイイエロー!」

 

「ゴーカイグリーン!」

 

「ゴーカイピンク!」

 

「海賊戦隊!」

 

「「「「「ゴーカイジャー!」」」」」

 

「派手に行くぜ!」

 

和真が隠れたのを確認して5人は戦闘開始した。

ルカはリアと武器を交換して二刀流+ワイヤーの遠距離攻撃で、リアは槍先でも見る様に軽快に敵の銃口を避けながら狙撃を。

 

アクアとめぐみんも武器を交換し、インファイトにガン=カタ風のスタイルで攻めていく。

総一もアクロバットなキックを織り交ぜた銃撃と剣戟でゴーミンを減らしていく。

 

「ええーい焦ったいだす!目ん玉リボルバー!」

 

ブッチーがゴーミン諸共ゴーカイジャーに強力なビームを放った。

 

「よしよし、これで全滅…」

 

「する訳ないでしょ、バーカ!」

 

煙の向こうから5人の戦士が現れた。

 

「ゴセイナイト!」

 

「ガオシルバー」

 

「メガシルバー!」

 

「ボウケンシルバー!」

 

「ゴーオンシルバー!」

 

「スーパー戦隊!」

 

「「「「「シルバーレンジャーズ!」」」」」

 

「ぜ、全員シルバー!?そんなの有りだすか!?」

 

「有りよりの有りよ!」

 

「ま、変化球って奴?」

 

「目が眩むぐらい輝いてやるってな!」

 

 

 

4

和真は街外れの方に来てようやく潜伏スキルを解除した。

頬にはじっとりと汗が浮かび、息切れを起こしている。

 

(ま、まずい…腹が、さっきより大きくなってる…。

このままじゃこいつが産まれちまう!)

 

「ママー!見て、何あれ!」

 

「きっとアクシズ教徒よ!見ちゃいけません!」

 

それにこれ以上周りから変な目で見られるのもごめんだった。

まあパンツ脱がせ魔とか借金海賊とか色々悪評は尽きない和真だが、それとこれとは話が別だ。

 

(誰が化け物のガキなんて産むか…)

 

絶対に降ろす。

改めて決心して和真は病院を目指した。

 

(お願いママ!私を殺さないで!)

 

「え?」

 

ふと、声がした。

辺りを見回すが、自分に話しかけてる様な人影は無い。

 

「ま、まさか…お前、脳内に直接!」

 

(はい、ママ。)

 

「ママ!?俺がお前のママだって!?」

 

周りからの視線は一層キツくなったが、それ以上に和真は混乱した。

 

「誰がお前のママなんかなもんか!

お前なんかさっさと降ろす!」

 

(なんでですか!?私、ママに殺される嫌われる事をしてしまったんですか!?)

 

「それは……」

 

宿った子供に罪はない。

安い何回も俳優変わってるだけのようなドラマでよく聞いたセリフが和真に纏わりつく。

 

(ママ、私を好きにならなくてもいいです。

けどママがくれた命で生きてみたいです。)

 

「や、やめろ…やめろ良心に訴えるなぁあーーーーーッ!」

 

和真は走った。

人目も気にせず何も見ないように走った。

耳を塞いでも聞こえてくる赤ん坊の声を振り払うように。

 

(畜生…畜生なんで俺ばっかこんな目に…)

 

疲れ切った和真は道の脇に座り込んだ。

体力は有るが気力がなかった。

 

(参ったな……なんだか可哀想になっちまったよ…)

 

この佐藤和真という男、基本的に助平で金に汚く楽な方に流され易い人間だが根は善人で、もし会社員とかになったら部下の為に土下座ぐらい出来る人間である。

そして現代日本人的な人並みの良心も持った人間である。

今にも泣きそう(胎児が、それも頭脳獣が泣くか知らんが。)な声で訴えられれば心も揺らぐのだ。

 

(もし、もし俺が母さんに死ねと言われたら?)

 

自分がトラクターに轢かれてショック死したと聞いて思わず笑ってしまった様な親だが、それでも自分を産み落としてくれた親である。

そんな親に『死ね』と言われたら自分はどうだろう?

そう思ってしまう程度には和真は善人だった。

 

「…ごめんな。」

 

(ママ?)

 

「俺は…レンジャー失格かもだけど…」

 

 

 

5

「その子を産む!?和真さん本気ですか!?」

 

ガレオンに戻った和真は自身の決断を伝えた。

当然と言えば当然だが、やはり反応は良くない。

 

「か、カズマ?あなた自分が何を言ってるか分かってるんですか?」

 

めぐみんがこめかみに手を当てながら尋ねる。

 

「わかってるよ。この子をアホみたいな借金がある中で育てるなんて至難の業だ。

皆に迷惑をかけないようにするなんて無理だと思う。」

 

「いやそこじゃない!

そこじゃないぞカズマ!

私達が言ってるのはその腹の子が、お前の中からどうやって出てくるかだ!

もしお前の腹を食い破って出てくるような奴だった場合お前の命は!」

 

ダクネスが本気で焦りながら肩を掴んで言った。

さっきと違いかなり取り乱した様子だ。

 

「この子はそんな子じゃねえ!

もしダクネスお前の言う通りなら俺が降ろそうとしてるのを察して『殺さないで』なんて言うかよ!」

 

「それが罠だったら?

そうじゃない保証なんてないでしょ!」

 

ルカが間髪入れずに鋭く言う。

 

「もしそうなら俺がケジメを付ける!」

 

「だーかーらー!そう言う問題じゃないのよ!

問題はソイツが魔王軍の生物兵器って事!

ほっといても暴れるの確定じゃない!

何かあってからじゃ遅いのよ!」

 

「じゃあ何もしてないのに殺すのかよ!」

 

「居る事自体が問題じゃない!もういいわ!

ヘタレだとは思ってたけど魔王軍に絆されるなんて!

私が掻っ捌いて取り出す!」

 

そう言ってサーベルを構えるアクア。

和真は躊躇いなくブリンガーソードを抜いた。

 

「いいぜ相手になってやる!」

 

2人は同時に斬りかかる。

それを間に入った総一とジョーがそれぞれの愛刀で受け止めた。

 

「な!邪魔しないでよ!」

 

ジョーは全く答えない。

対して総一は和真に問う。

 

「本気なんだな?」

 

「…はい。」

 

「行け。」

 

「!?…はい!」

 

和真はそのまま居間を後にした。

 

「ソーイチ!アンタ正気!?」

 

「正気じゃねぇのはお前らだろッ!!!」

 

静まり返る一同。

総一の目には怒りと、確かな失望が見て取れた。

 

「お前らには分かんないのか?

自分の子供を無理矢理取り上げられる和真の気持ちが。

親から無理矢理引き剥がされるあの赤ん坊の気持ちが。」

 

そして総一はアクアの胸ぐらを掴むと壁に叩きつけ小さく、そしてとても低い声で呟いた。

 

「信仰なんてあやふやな物から産まれる神々(おまえら)なんかには一生分かんないさ。

命の尊さや親子の情なんて。」

 

アクアを乱暴に放ると総一は和真に続いて出て行った。

 

 

 

6

和真は優しくお腹を撫でながらよく日の当たる広場の一角で『こんにちは赤ちゃん』を歌っていた。

腹に時々痛みが走る。きっともうすぐだ。

 

「あの時、なんとなくお前の考えが読めてたから一応アクアを止めはしたが…本当にあれで良かったのか?」

 

その様子を近くから見ていたのは魔王軍と他に2人。

総一とジョーだった。

 

「アイツがやりたいようにやらせただけだ。

良いも悪いもない。」

 

「そうか…」

 

ジョーの分析としてはアクアが和真に理不尽を与えるのが我慢ならなかったのと、それ以上に血の繋がった家族を引き裂きたくないだけでは?

といったものだがあえて言わなかった。

 

「ウゥッ!」

 

「!?」

 

「来たな。」

 

和真が悲鳴になってない悲鳴をあげて仰け反る。

大きくなったお腹から光が飛び出した。

それは太った小鳥の様な人型の怪人になった。

ベガヅノーには体色ぐらいしか似ておらず、

当然ながら和真ともあまり似ていない。

 

「やっと、やっと産まれる事が出来た!

ベガベビー!こんにちは、ママ!」

 

「ベガベビー!」

 

和真は生まれたばかりのベガベビーを抱きしめようと近付いた。

 

「お前の役目はそこまでだす!」

 

和真とベガベビーの間にベガヅノーのトゲミサイルが発射される。

隠れていたブッチー、ギルドス、ベガヅノー、ゴーミンの大軍が現れる。

 

「ベガベビー!お前の親はこのベガヅノーだす!

さあ、ベガヅノーの言う事を聞け!」

 

しかし、ベガベビーは言う事を聞くどころか立ち上がると和真が倒れている事を確認して

 

「ママ!ママーッ!」

 

「な、何!?何故ベガベビーがアイツの方に!?」

 

「たりめーだろ!」

 

総一とジョーがキーとモバイレーツを持って立ちはだかる。

 

「あのバブちゃんは知ってんのさ。

仲間と斬り合いになろうと産む決意を変えなかったアイツを。

男でも立派に生もうとしてくれた母親と、望まぬ戦いを強いようとしてる父親。

どっちを取るかなんて分かりきってるさ!」

 

「えーい!だったらそんな出来損ない要らないだす!

ゴーミンども!ベガヅノー!」

 

ベガヅノーとゴーミンが和真とベガベビーに向かう。

 

「ジョー、行くぞ!」

 

「ああ!」

 

「「ゴーカイチェンジ!」」

 

<<ゴーーッカイジャー!>>

 

ゴーカイジャーに変身した2人が走る。

しかしそこにブッチーとギルドスが割って入る。

 

それを見た和真はブリンガーソードを杖代わりに立ち上がりベガベビーの手を取って走った。

 

「ママ…」

 

「大丈夫だ。ママがついてるからな。」

 

和真は産後の痛みも引かないまま走った。

正直かなりキツかったが、産まれた我が子への愛情を思えば乗り越えられる気がした。

たとえ仲間と戦う事になっても。

 

「カズマ!」

 

前方からアクア、めぐみん、ダクネスの3人が走ってくる。

和真はブリンガーソードを上段に構えた。

 

「カズマ?……!?

お腹が元に!じゃあその怪人が…」

 

「ああ。俺の息子だ。指一本、触れさせない。

俺が居る限り殺させない!

下がってるベガベビー!ママが絶対守ってやる!」

 

和真は3人に斬りかかった。

アクアは拳を、めぐみんとダクネスは杖と剣を構える。

元々非力な上にレベルとスキルのランクだけで言えばぶっちぎりで『赤き海賊団』最低値の和真は当然明らかにダクネス、めぐみんに手加減されていても良い様にやられた。

だが何度でも立ち上がり何度でも剣を握った。

 

「いい加減!諦めが悪いのよ!」

 

アクアの左ストレートが和真の顔面を捉える。

鼻血が弧を描きながら仰向けに倒れた。

 

「ママァ!」

 

「「カズマ!」」

 

思わず駆け寄るダクネスとめぐみん。

和真はそれを振り払うとベガベビーに向かうアクアの形のいい足首に飛び付いた。

 

「俺のぉ!俺の息子に手を出すなぁ!

そいつは!ベガベビーは俺が必ず幸せにする!」

 

「この!離せ!離しなさいよ!」

 

アクアは和真の頭を容赦なく踏みつけた。

 

「あんなカズマに似ても似つかない化物が幸せになって良くて!

何で私はダメなのよ!

私は!私は魔王軍を倒さないと帰れないのよ!」

 

何度も何度も和真を踏みつける。

2人はボロボロと涙を流すアクアを止められなかった。

 

「確かに帰ったって仕事ばっかの毎日しかないわよ!

アンタらみたいにパパやママが待ってる訳じゃないわよ!

だけど私にとっては故郷なのよ!

そっから無責任に連れて来た癖に!

無責任に仲間にしたくせに化物を優先させるとか何考えてるのよ!

ふざけんなふざけんなふざけんな!!!」

 

そして漸く和真が離れるとブリンガーソードを奪い取りベガベビーに迫った。

 

「あ、アクアよせ!」

 

「ベガベビー!やめろ!」

 

アクアは、こちらに怯えながらもどこか憐れむ様な瞳を向けるベガベビーが心底気に入らなかった。

 

(こいつさえ!こいつさえ居なければ!)

 

両手で構えたブリンガーソードを振り下ろす。

 

「危ない!」

 

ベガベビーがアクアを突き飛ばした。

さっきまで彼女が居た場所にベガヅノーのトゲミサイルが飛んで来る。

それをもろに受けたベガベビーは火柱を上げて倒れた。

 

「う、嘘……なんで!?なんでよ!

なんで私を……。」

 

思わず駆け寄るアクアにベガベビーは優しく言った。

 

「あなたは、ママの大事な人だから…。

私の事で喧嘩してても仲良しなのはママの記憶が教えてくれたから……。

あ、なたが…ママの、事大好きな、の。

知ってた、、から。お腹にいた頃から、ずっと…。」

 

それが彼の最期の言葉だった。

呆然としてしまうアクア。

そんな事は構いもせずにベガヅノーは次のミサイルを放つ。

だがそれは当たる直前に横から割り込んできたブラックコンドルに、和真にウイングガントレッドの裏拳弾かれた。

 

「お前は、お前だけは許さない!」

 

ブラックコンドルは飛びながらビークスマッシャーとバードブラスターを引き抜いてミサイルを撃ち落とし迫った。

飛びながら多段蹴りを浴びせて着地する。

 

「カズマ!協力します!」

 

「行くぞめぐみん!」

 

<<オーーッレンジャー!>>

 

和真はキングレンジャーに、めぐみんはオーピンクに変身する。

 

「「超力!ダイナマイトアタック!」」

 

火の玉となった2人のタックルが炸裂。

しかしまだ終わらんと和真は新たなレンジャーキーを構えた。

今度はダクネスが並び立つ。

 

「「ゴーカイチェンジ!」」

 

<ターーイムレンジャー!>

 

イエロー専用バイクのベクターサイクルが同時に出現してダクネスがそれを運転。

和真は後ろに乗り、DVディフェンダーを構える。

 

「DVチェンジ!バルカンモード!」

 

接近しながら銃撃し、距離が詰まってきたところでスイッチを押し

 

「DVチェンジ!ソードモード!」

 

スピードに乗ったまま思い切り斬りあげる。

そして最後にバイクを降りた和真はカブトライジャーのキーを構える。

並び立つのは、アクア。

 

「……何よ?」

 

「決めるぞ。」

 

<<ゴーーッウライジャー!>>

 

「二重連!」

 

「「ダブルガジェット!」」

 

「サンダー!」

 

2人の固有装備を合体させたバズーカから迅雷のパワーが凝縮された光球が放たれる。

防御もかなわず直撃を受けたベガヅノーは爆散して粉々になった。

中からグリーンサイのレンジャーキーが飛び出る。

 

「……。」

 

和真はそれを拾い上げ強く握りしめた。

その時聞こえた鼻をすする音や、嗚咽の声をあえて指摘すり者は居なかった。




(bgm 激走戦隊カーレンジャー instrument)

ジョー「最悪の空気だ…。」

リア「まあ、仕方ないですよ。」

ルカ「大変よ!アクアが変な芋羊羹食べて巨大化して街で暴れてる!」

一同「「「「はぁ!?」」」」

ジョー「どうするソウイチ!?」

総一「付き合いきれっか!俺はゴーカイオーで行く!」

一同「「「「えっーーー!?」」」」

リア「和真さん知恵を貸してください!
このままだとアクアさんがゴーカイオーに!」

ルカ「次回、『巨大化アクア大逆走』!」

総一「飛び出すな、車は急には止まれない!」キリッ
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