スーパー戦隊このすばメガフォース   作:伊勢村誠三

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冒険とロマンを求めこの世界を往く若者たちがいた。
悪の帝国魔王軍に敢然と反旗を翻し、
海賊の汚名を誇りとして名乗るゴーカイな奴ら!
その名は!


巨大化アクア大逆走

1

ベガヅノーを倒してから1週間。

我らが『赤き海賊団』の空気は

 

「何よ……」

 

「お前こそなんだよ?」

 

最悪の一言だった。

特に和真とアクア間で。

無理もない。和真はアクアのせいでお腹痛めて産んだ我が子を失い、アクアはこの中で誰よりも長い付き合いの和真との友情に決定的な亀裂を作ってしまったのだ。

険悪になるなと言う方が無茶だろう。

 

「ごちそうさま…」

 

やがて耐えられなくなったアクアが席を立った。

皿にはまだモーニングが半分ぐらい残ってる。

 

「あ、アクア大丈夫なの?

アンタここ数日毎日朝食残してるわよ?」

 

「いいのルカ、気にしないで。

ただ食欲ないだけだから。」

 

そう言ってトボトボとアクアは居間を後にした。

そしてアクアが完全に居なくなった瞬間、一気に泣いてるのか泣いてないのか分からない表情になり、無茶苦茶に残っていた朝食をかき込むと去って行った。

 

「「「「「「………。」」」」」」

 

痛い様な沈黙の時間が流れる。

ここ最近ずっとそうだ。

アクアはこのまま財布も持たずに飲んだくれてベロベロに酔っ払って夜中に帰ってくるし、和真は和真でアクアと違ってクエストについてくるがボーっとしてる事が殆どでロクに使えない。

 

「…なぁ。」

 

総一は沈黙を破って立ち上がった。

自分のフォークをとりアクアが残した皿の前に立つ。

 

「空気は悪りぃ…」

 

ドス!フォークを残っていた手付かずのウィンナーに突き立てる。

 

「景気は悪りぃ…」

 

ドス!フォークを残っていた手付かずのウィンナー(2本目)に突き立てる。

 

「おまけに俺の虫の居所も悪い!」

 

ドス!フォークを残っていた手付かずのウィンナー(3本目)に突き立てる。

 

「このジットジトな空気のおかげでウチはこの冬期に加湿器要らずだわバーカ!

おまけにあの馬鹿女神が毎日毎晩浴びる様に酒を飲むお陰で手元に一銭も残んねえから貯金をパクられる心配もねえと来た!

和真も気持ちはわかるが!自分からあの馬鹿女神に歩み寄らなくていいから話しかけるなオーラを出すのをやめろ!纏まる話も纏まんねぇんだよ!」

 

一通り喚き散らして乱暴にウィンナーを3本丸ごと頬張った。

 

「…ソーイチ、そうは言うけどどうしようってのよ?」

 

「アクアは兎も角カズマは…」

 

「簡単だ!あの馬鹿女神は首輪でもつけて引張りゃいい!和真はあの馬鹿女神と殴り合いの後にキャッチボールからの乾杯でもすりゃいいんだよ。」

 

「そんな安い青春小説みたいなのでいいのか?」

 

「ダクネス、そこは気にしないであげて下さい。

ソウイチは疲れてるんです。

察してあげて下さい。」

 

和真とアクアが使い物にならないここ数日、ガレオンの炊事洗濯家事の類は殆ど総一がこなしていた。

 

ジョーはケーキ以外の料理はからっきしだし、

ルカは宝石しか磨いた事ないし、

リアは洗剤と柔軟剤の違いも分かってないし、

ダクネスは知っての通り不器用だし、

めぐみんは一日一爆裂とか言って朝の忙しい時間に決まって行動不能になるし、

アクアはまるで駄目亭主の様にめちゃくちゃに酔っ払って帰ってくるし、

和真はひどい時には一日中ベガベビーの墓の前から動かない。

消去法で全ての負担が総一にかかる事になった。

 

「おまけに和真さんに代わってアクアさんのツケを待ってもらう様に頭下げて回ってるのも総一さんですしね。」

 

「あー!クッソ!どっかでアクアがトラブルでも起こして俺が八つ当たりするいい口実にでもなんねーかなぁ……。」

 

口は災いの門、6人はこの言葉の意味を思い知る事になる。

 

 

 

2

少し時間が経って、アクセルの街を歩く青髪の少女がいた。アクアだ。

 

(なんで、殺そうとした私の事なんか守ったのよ?)

 

アクアの頭の中をぐるぐると回るのはただそれだけだった。

しかも守った理由が和真にとって大事な人だから。

 

(私はアンタ達の仲を裂こうとしたのよ?

アンタばっか構う和真を見て嫉妬したのよ?

なのに、なのになんでよ……)

 

ずっと胸にそれが燻っていた。

アクアは、それを追い出そうと酒に逃げていた。

 

「羊羹ー!芋羊羹は要りませんかー!」

 

道端で誰かが売り声を上げていた見るとそこで芋羊羹を売っていたのは、海牛とピエロを混ぜた様な怪人だった。

 

「ま、魔王軍!」

 

「あ、そっちのメチャクチャ美人なお姉さん!

芋羊羹買って行きませんか?」

 

「誰が買うのよアンタみたいな化物の作った羊羹!」

 

アクアはこんな状態でも持ち歩いていたレンジャーキーを構える。

 

「ひ、ひぃ!ま、待って!俺は別に戦うつもりは!」

 

「そんな事信じれる訳!………信じ、れる訳…」

 

力なく項垂れ、変身をやめてしまうアクア。

 

「あの、大丈夫ですか?

良かったら、これでも食べて元気出して下さい。」

 

そう言ってピエロ怪人は元気をなくしたアクアに売り物の羊羹を差し出した。

 

「え?…いいの?これ、売り物なんじゃないの?」

 

「まあ、売り物だし、なんなら家計もキツいですけど貴女も何か辛いことがあったみたいですし、放って置けませんよ。」

 

そう言って改めて差し出された芋羊羹がぐしゃぐしゃに見えてくる。

アクアは鼻水を啜ると

 

「ありがとう、ありがとうね。

モグモグモグ…ん!結構おいしいじゃない!」

 

そう言ってぱっ!とアクアが顔を上げるとそらがガレオンから見た時ぐらいに近く、何故か右を見ても左を見ても視線の先に建物が無い。

 

「え?え、えぇー!!?

な、何がどうなってるのよ!

助けてカズマ!カズマさーん!!」

 

パニックになってその場でオロオロし始めるアクア。

その度にズシンズシンと地響きが起こり少し身体が当たるだけで、建物に大きなヒビが入る。

 

「え?あ、ちょギャアアアアアアアア!」

 

人々は降ってくる残骸と今まさに踏みつぶされた彼の様になってはたまらんと()()()()()()()()我先にと逃げ出す。

まだイマイチ状況を掴めてないあなたの為にただ一行、たった一行だけ残された『赤き海賊団』のこの日の航海日誌の記述を引用しよう。

 

『謎の怪人の手作り羊羹を食べたアクアは巨大化してし暴れた。』

 

 

 

「………。」

 

ベガベビーの墓石に水をかけながら、和真はずっとその場に立ちつくしていた。

 

「ベガベビー…ママは、本当にレンジャー失格だよ。

くすぶってアクアも許してやれないで何やってんだろうな?」

 

アクアのせいでベガベビーは死んだ。

だが、それでアクアを見捨てるのはベガベビーの意思を無視することになる。

 

「はぁ………。」

 

自分自身に向けた深い深い溜息をつく。

視線を広がった水面に向けると、それが不自然に揺らぐのが分かった。

 

「な、なんだ!?まさか魔王軍!?」

 

和真はブリンガーソードを引き抜き、飛びのく。

もつれ合いながら揺れる水面から現れたのは、騎士風の仮面を付けた2人の戦士だった。

一人は赤のスーツに銀と黒のアーマーで、左手のバイザーや仮面は東洋龍を模している。

 

もう一人は黒に、日向で見ないと分からいぐらい黒寄りの青のアンダースーツに銀に水色のラインで縁取られたアーマー。

仮面と腰に刺した剣は蝙蝠を模していた。

 

「イテテ……蓮どいて!」

 

「す、すまんケイタ!怪我はないか?」

 

「ああ。変なとこには出たけど。」

 

アーマーの泥を払うと2人は立ち上がり和真の方を振り返る。

 

「お、和真!久しぶり!元気にしてた?」

 

「しけた面だな。アクアかダスティネスあたりと喧嘩でもしたか?」

 

蝙蝠の仮面に冗談めかして言われる。

思わず目を逸らした。

 

「……図星なのかよ。」

 

「まあ、色々あって。」

 

「そっか。ま、兎に角。今日はこれを渡しに来たんだ。」

 

そう言って東洋龍の仮面は和真の手に7本のレンジャーキーを握らせた。

 

「これって!?」

 

「皆と話し合ったんだけど、やっぱりこれはお前らスーパー戦隊が持ってるべきだと思って。」

 

「仮面ライダーの『大いなる力』、託すからには正しく使えよ?

俺はケイタみたいに甘くないからな?」

 

「おい蓮悪く言うなよ。そこは紳士だとかさぁ。」

 

「どっちも同じだ。帰るぞ。

エリーも一夏も待たせたら後が怖い。」

 

「違いない。それじゃあまた!総一さん達にもよろしく!」

 

仮面ライダーを名乗る二人は入って来た水溜りに再び飛び込み消え去った。

 

 

「誰だったんだよ…全く記憶にないぞ。」

 

 

ところ変わってゴーカイガレオン。

終始イライラしながら家事をこなす総一の負担を少しでも軽くしようと自分たちから手伝いだした海賊団一同だったが

 

「ジョー!包丁を剣でやるみたいに研ぐんじゃねえ!」

 

「駄目なのか?」

 

自前の砥石で包丁研ぎを始めるジョーに、

 

 

「ルカ!雑巾はもっとちゃんと絞れ!」

 

「ちゃんと絞ってるわよ!」

 

「まだ水滴が垂れてんじゃねーか!」

 

雑巾絞りが下手過ぎて二度手間の乾拭きが必要になりそうなルカ。

 

「リア!洗濯物を畳むんあらもう少し皴に気を使えアイロンがけしたんだから!」

 

「す、すいません!」

 

はっきり言って歌と槍以外全部ガサツなリア。

 

「めぐみん頼むからコンピューターに触ろうとするな動くんじゃない。」

 

「まだ何もしてないじゃないですか!?」

 

「何もしてなくていいんだよ俺がやるから!」

 

かっこいいモノなら無条件に触りたくなるめぐみん。

 

「ダークーネース!皿を割ろうとするんやない台所に近付くな!?」

 

「わ、私だって皿洗いぐらい!」

 

「そう言って昨日俺のお気に入りのマグカップをお釈迦にしたのはだぁれ!?」

 

言わずもがな不器用の極みの様なダクネス。

逆に総一の負担を増やしていた。

 

「くっそ!これ以上面倒が重なったら切れる自信があるぞ俺!」

 

「す、すまん。」

 

「謝んな悪気ねえのは分かってるから。」

 

そう言って時ドタバタと入り口の方から誰かが走って帰ってきた。

 

「あーもー次は何だよ!和真ぁ!

さっき箒掛けしたのに走って来るんじゃねぇ!」

 

ぜーぜーと息を切らしながら入って来た和真は呼吸を整えると

 

「皆大変だ!望遠鏡持って甲板に来てくれ!」

 

あまりに緊迫した表情に言われた通りに外に出てみると

 

「痛い痛いやめて攻撃魔法を当てないで!

好きで大きくなったんじゃないわよウミウシの怪人が作った芋羊羹を食べたらこうなっちゃっただけなの!

う、うわあああああん!何とかしてよカズマぁ!

お願い助けてカズマ様ーーーー!」

 

巨大化したアクアがギャン泣きしながら街を走り回っていた。

いや、何を言ってるか分からんと思うが事実そうなのだ。

ゴーカイオーと同じぐらいの大きさになったアクアが大粒の涙で街に水害をもたらしながら当たりの建物にぶつかって甚大な被害をもたらしている。

 

「……皆さん、どうやら私は夢を見ているようです。

現実に戻る為に寝直してきますね。おやすみなさい。」

 

「ダクネス、めぐみんを気持ち弱めに叩け。」

 

ゴン!と鈍い音がしてめぐみんが頭を抱えたまま蹲る。

現実を見たくないのかそのまま動かない。

 

「なあソウイチどうす……ッッッッ!!!」

 

後ジョーは語る。

 

『火薬や爆裂魔法って爆発する寸前、一瞬静かになるよな?

あれって人の感情も同じなんだよ…。』

 

後たまたまその時の総一の表情を見ていたルカは語る。

 

『あんな顔のソーイチ初めて見た。

あんなひどい笑顔、とても子供に見せらんない。

レッドレンジャーがしていい顔じゃなかった。』

 

「お前ら、船降りろ。」

 

「そ、総一さん?」

 

「いいから降りろ全員今すぐだぁ!」

 

有無を言わさないその気迫に六人はすぐさま下に降りる。

そうするとガレオンは街の方に向かいながら残り四機のゴーカイマシンを発進させ、街に入りながら合体する。

 

「ま、まさか総一さんアンタ!」

 

『もう我慢できん!!!借金に山みたいなツケに永遠に終わらない家事!

やってられっかってんだよ!こいつさえいなくなれば半分は解決するんだ!

俺はゴーカイオーで出る!』

 

「「「「「「えええーーー!!?」」」」」」

 

 

 

「ど、どうしましょう!

このままゴーカイオーと巨大化アクアが街で暴れ続けたら大変なことになりますよ!?」

 

めぐみんが叫ぶ。

 

それは全員が思ってることなのだが、如何せんサイズがデカすぎる。

ジョーの剣でも流石に斬れんだろうし

ルカや和真のスティールで何か盗れても人間に支えられるサイズか分からんし、

ダクネスのパワーも流石にゴーカイオーには負けるだろう。

リアの神器のバリアは、流石にゴーカイオーやアクアを包むような大きさは無理だろうし、

めぐみんの爆裂魔法じゃ双方を殺しかねない。

 

「カズマなんかないの?」

 

「俺っすか!?」

 

「毎日のように私の胸やリアの太ももを見ながらどんな辱めを与えようかと考えてるようにお前ならここぞという時に何時も奇策を思いついてくれるだろう!?」

 

「おい待てダクネス今の物言いには抗議するぞ!

そんなことないからリアも槍しまって!」

 

「それで結局どうするんですか?

流石にこの局面で爆裂魔法は使いたくないですよ?」

 

全員の視線が和真に集まる。

正直言って彼は関わりたくなかった。

難ならこれを理由にアクアとかかわりを断っても良いだろう。

けど、それは……。

 

「…カズマ、どうしても動けそうにないならこう考えろ。」

 

「ジョーさん?」

 

「アイツを泣かせていいのは、俺だけだ。

俺はいつかソウイチを倒すつもりだが、そう考えればアイツに背中を預けられる。」

 

ジョーはそう言い切った。

ルカはそれを聞いて

 

「妬けるなぁ。ソーイチと一番付き合い長いのは私なんだけど?」

 

「それを言うなら私だって皆さんを皆さんに負けないぐらい信じてるつもりですよ?

ダクネスさんとめぐみんは?」

 

「私か?もちろん、守り守られる仲間だ。

いい加減借金癖は勘弁だがな。」

 

「おや、ダクネスが苦境に文句を言うとは。

明日は雨ですね。」

 

「はぁーー……本当にしょうがねぇなあもう!」

 

「おお!てことは?」

 

「何か秘策、有るんですか?」

 

「ああ!ブラックレンジャーの!

『赤き海賊団』参謀の!あの駄女神のやりたくもない尻拭い係の意地!見せてやるよ!」

 

 

 

「海賊合体!完成!ゴーカイオー!」

 

アクアの前にゴーカイオーが降り立つ。

 

「ゴーカイオー?皆来てくれたのね!

お願い助けて!」

 

『うるせぇえええー!』

 

…ゴーカイオーがアクアにビンタした。

何されたのか分からないのか目をパチクリさせながらゴーカイオーを見るアクア。

 

『テメェ俺たちの懐が寒いのを知っときながら自分だけ飲んだくれて暖まりやがって畜生!

ツケが幾らになってると思ってる!?』

 

ヤクザキックで転ばせてそのまま馬乗りになったゴーカイオーは胸ぐらを掴んで往復ビンタをし始める。

 

「いだぁ!いた、痛い痛いやめて!」

 

『そんな女に酒を出す酒屋も酒屋だ!

どうせ「後でカズマさん達に払わせればいいから」とか言ったんだろう!?知ってるぞ!

そんなんだから増長してどんどんツケにするんだろうが!』

 

遂にはサブウェポンの左腕のビーム銃を飲屋街に向けて発射した。

もはや正義の味方の『せ』の字もない。

 

『あーくそ!喋り出したらだんだんムカっ腹が立って来た!

ギルドォ!テメェらにも言いたい事がある!』

 

ビシッ!とギルドのある方を指差し、アクアの胸ぐらを揺らす手を休めず捲し立てた。

 

『緊急招集とかなんとか言って戦わせといてコラテラルダメージ戦った俺らに払わせるとか何様だ!

確かにこの巨大馬鹿女神が馬鹿やったせいさ!

だけど直すの手伝わせるとかもうちょっとなんかあったろ!

無理矢理矢面立たせて自分は剣も持たないくせにざけんな!』

 

言いたい放題のゴーカイオーに流石にカチンと来たのか誰かが叫ぶ。

 

「正義の味方のくせにメチャクチャ言うな!」

 

「「「「「そーだそーだ!」」」」」

 

『俺は兵隊じゃねぇー!』

 

ゴーカイオーの拳が地面に叩きつけられる。

それだけで一同青ざめて静まり返った。

 

『俺たち海賊!好き好んでお前らなんかの為に命張るかバーカ!

たまたま俺たちの敵が魔王軍ってだけだし!

お前らの安全なんか知るか!

守ってもらって当たり前とか思ってんなら思い上がりもはだはだしいんだよ!』

 

それには冒険者の中にも何人か頷いてる奴らがいた。

 

『言わせてもらうが俺たちは欲しいもん手に入れる為なら魔王軍についた方が楽なんだからな!

それでもアイツらについてないのは単に奴らが気に食わないのとギルドが金払うからだかんな!

「金の切れ目が縁の切れ目」ってやつよ!

それにこれ以上借金増えるぐらいなら暴れ倒して元締めも綺麗に更地にして全額チャラにしてやらぁ!』

 

再びゴーカイオーがガンガンとアクアが取っ組み合いを始める最早止めようと思う者は1人もいなかった。

 

 

 

7

「よし、行くぜ!」

 

和真は先程受け取った新しいレンジャーキーを使って変身する。

 

<カーーッメンライダー!オーズ!>

 

タカ!トラ!バッタ!

タ!ト!バ!タ!ト!バ!

 

「おお!中々カラフルなのになりましたね。」

 

「信号機?」

 

「それから、今の…歌?は何?」

 

「歌は気にするな!」

 

そう言って和真が変身した仮面ライダーオーズは一緒に出現した自販機、ライドベンダーにベルト脇のケースに入っていたセルメダルを入れてボタンを押す。

中から青いラベルの缶が出て来た。

 

「柄的には炭酸ジュースか?

しかしカズマ、それで何をするんだ?」

 

「文字通り一泡ふかせんのさ。」

 

そう言って和真はもう一枚メダルを入れて1番でかいボタンを押す。

するとライドベンダーはバイクモードに変形した。

 

「おお!かっこいいです!」

 

「ライダーだし何かに乗るとは思ったけどジハンキとは!」

 

「それじゃあ行ってきます!」

 

和真が思い切りバイクのアクセルを開く。

アクセルの城門を走り抜け、瓦礫を避けながらアクアとゴーカイオーを目指す。

走って行くとアクアにヘッドロックを仕掛けるゴーカイオーの姿があった。

 

「おーい!アクアー!総一さーん!」

 

『ん?その声は和真!良いところに来た!

お前も乗れ!この馬鹿女神にキツいお灸を!』

 

「だったらこいつを飲ませて下さい!」

 

和真は持っていたジュース缶、フリフリカンアワーカンを投げる。

放物線を描きながら缶は巨大化してゴーカイオーに丁度いいぐらいのサイズになった。

 

『オラ口開けろ馬鹿女神!

お口を綺麗にしてやる!』

 

無理矢理むせるのもお構いなしにサイダーを飲ませるゴーカイオー。

 

「んぐぅ!ごくごくがぶがぶ!!!

ぷはぁ!何すん………ッッッッ!」

 

急にアクアが口を押さえて何かを耐え始めた。

 

「これで元に戻るはずだ!」

 

「元に戻る?まさか…」

 

「そのまさかだ!」

 

涙を溜めて堪えていたが

 

「げぇええええええええええええええええええええええええええええええええ!」

 

…めちゃくちゃ野太いゲップがこだました。

それに合わせてシュルシュルと縮んでいくアクア。

 

「まさか、ゲップで巨大化させてた『何か』を吐き出したのか?」

 

「そんな馬鹿な……。」

 

そんな馬鹿な事で元に戻ったアクアは

 

「うわぁあーんカズマぁああああ!

ありがどおぉーー!」

 

いつも通り泣きついたきたアクアを優しくなでる和真。

 

「アクア、お前この馬鹿野郎。

俺に感謝するより周りを見ろ。」

 

「え?……か、カズマさんもしかして怒ってます?」

 

「そう見えるか?」

 

全く見えない。その表情は吹っ切れた様に穏やかで、その声は幼児をあやす様に優しい。

 

「アクア、それに総一さん。

お前たちは、馬鹿か?周りを見てみろ。」

 

見渡せば壁、建物、地面あちこちにヒビが入り、飲み屋街の方は鎮火こそ迅速に行われた様だが、火事の跡が見て取れる。

 

「え、えっとカズマさん?これは、その…」

 

「アクア、総一さん。正座。」

 

「『は、はい…。』」

 

「全部片付けて全員に謝るまで屋敷の敷居は跨がせない。いいね?」

 

その後、アクセルの街名物に『工事する巨大ゴーレム』が加わったのは完全に余談である。




次ーーッ回!第七話!

ギルドス「甦れギルードヅノー!」

めぐみん「馬鹿な!?」

ダクネス「今のお前じゃ奴には!」

ジョー「お前なんかに何が分かる!?」

怪!? ギルドス最期の姿

ジョー「奴は俺が斬る。」
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