アンケートがあるのでお答えいただければ。一応他作品のアンケートで書いたことがありますが、『どちらでも良い』という選択肢を作ると必ず票がそちらに流れるので二択にしてます
「よし。全員集まったようだな。忙しい中遅刻も無しに集まったくれたこと、スカーレット家当主として大変誇らしく、またありがたく思っている」
スコットがウチに来てから数週間。私はスカーレット家の支配下にいる吸血鬼家を集めて話し合いの場を作った。誰か一人でも欠ければ大幅に予定が狂うので、各家当主の予定を念入りに調べて今日に定めた。
今この場、紅魔館の大広間にいるのはスカーレット家の統治を甘んじて受け入れている全13の家の当主とその側近一人ずつだけだ。
全員に会ったことはあるが全員が顔を合わせるのは初めての事だ。知らない相手の事を知ってもらいたいということもあって全員集めた。
この場にいる全員で28人。私たちを除いた家の数、13と言うのはかなり少ないと言える。一つの勢力が持つ家の数は30以上が目安と言えばその少なさが改めて分かるだろう。実際にスコット家が持つ配下の家は現在は34のはずだ。ウェールズを獲れば37だ。
そして圧倒的な勢力を誇るエカルラート家は少なく見積もっても150。多ければ300を超えるかもしれない。大陸側の吸血鬼家が軒並み奴の配下であるから調査も満足にできないのは痛いところだ。
十年後にはこれらが敵となる。家の数だけで言えば戦力はこちらの24倍以上と見積もっておいた方が良いだろう。だが負ける気は無いし、負けるとも考えていない。
兵力の差は桁違いだが、それに伴って統率の難易度は撥ねあがる。エカルラートは絶対的な力による統治をしている。つまり奴の配下は全てエカルラート家より弱い家しかなく、それはスコット家にも同じことがいえる。
家の数だけは無駄に多いが、少なくともその全てが万全の紅魔館よりは下であるという事は確実だ。しかもエカルラート家とスコット家の支配している家の全てが彼らに協力的であるとは考えにくい。圧政は反発を生む。
支配下にいることと言いなりになる事は同義ではない。寝がえりはしなくともまともな戦力として数えられるほど活躍してはくれないだろう。そもそもエカルラートやスコットの顔すら知らない吸血鬼家だってあるかもしれない。
確固たる団結によって数十倍の戦力差を覆す。十年で私ができることはそれくらいである。
「スカーレット様、今宵は如何様なご用件で集められたのでございましょうか」
「今宵皆に集まってもらったのは他でもない、戦争が起こるからだ」
私がそう言うと途端にざわざわと騒々しくなる。尤も話し合っているのは主人と従者同士ばかりだが、それでもそれが13組もいれば当然うるさい。
「静粛に」
「ですが、戦争とあればそう落ち着いてはいられないでしょう!」
「静粛にと言っている。安心しろ。戦争は十年後だ。それまでに何とか戦えるだけの状態にしておきたい。何か言いたいことがある者は?」
少し高圧的になりすぎたか。皆委縮してしまってまともに意見を述べてくれそうな者がいない。或いは十年後と明確に宣言した期限について考えている者が多いのか。
どちらにせよ言いたい事を言えないような場になってしまっては全く意味がない。
「……私が何故お前たち全員を集めたと思っている。戦略など私一人でも考えることは可能だ。何故そうしなかったと思っているのだ?」
「お嬢様……ここは一つ、この方たちを試してみてはいかがです?」
「ふむ、それも悪くは無いだろう」
執事長の『試す』という言葉に大きく反応する当主たち。上に立つ者がそんなに狼狽しては下の者に示しがつかないだろうに。
確かに力を試すのならば、紅魔館の配下であるがゆえに狼狽するその気持ちはわかる。百年前ならいざ知らず、あれから欠かさず鍛錬した今の私は自惚れでも何でもなく強くなった。サシでの勝負なら、中堅吸血鬼家の当主たちにはまず負けない。
「だが私が求めているのは押し付けられる忠義ではないんだよ。自ら私に従ってくれなくては心地よい信頼関係など築けるはずもなかろうて。お前や美鈴のようにね」
一人、美鈴という名前に反応した吸血鬼がいたような気がしたが、文字通り気のせいだったのだろうか。私以外の誰もそのことを気にする風ではない。
「確かに、その通りでございます。余計な口をはさんでしまったようで」
「構わん構わん。それよりもそろそろ食事を出しなさい。出す相手を間違えるんじゃないよ」
いちいち予定を尋ねるときに好物も聞いてきた。ちょっとしたついで程度の調査なのでそれほどの労力ではなく、欧州の市場を席巻する私たちにとって珍しい食材を集めることも難しくはない。
なんだかんだでエカルラートも利益はきちんとこちらに分配しているようで、定期的に各地から送られてくる報告と照らし合わせても計算の狂いは今のところない。
それぞれの家を回って聞き出してきたのは私だが、真に大変だったのはその後の料理担当の執事たちだっただろう。何せ普段作らないような物は作り方を調べるところから始めなくてはならず、紅魔館の図書館にはそもそもそのような本が無い。それ以前に図書館に行くまでに迷うけれど。
結局は作り方を彼ら自身で調べさせて作らせることになってしまった。私が各家の使用人なんかに聞いていればよかったのだろうが、そもそも料理名を聞いてもどんな料理なのか分からない私にとって、ここまで面倒な事になるとは思ってもみなかったのだ。
一月と少しの間にここまで準備してくれた執事たちには感謝してもしきれない。
「さあ、長らくお待たせしたな。食堂が狭すぎるがゆえに大広間での会食となってしまい大変申し訳ない。食事の間くらいはゆっくりと寛いでくれ」
そう言って私が食べ始めたのを確認した者たちも次々に食事を始める。
分かってはいたが静かだ。誰かととる静かな食事と言うのはもう二百年以上ぶりかもしれない。
ここは交流のための場であるが、互いを尊重すべき場でもある。静かに食事をするのが多くの吸血鬼家の慣わしなのならば私もそれに従うのが道理というものだ。
上に立つ者として下の者たちの思想を合わせさせるエカルラート。
上に立つ者として下の者を尊重する姿勢の私。
どちらが本当にトップとして相応しいのか、それは今はまだ分からない。私のやり方が間違っているとも思えない。無理にでも考えを合わせさせることも時には重要だろうと思う。
今はまだ優劣のない統治方法が決着するのは十年後だ。勝てば官軍負ければ賊軍と言ったか。世の中は何時だって正義と悪で構成されている。しかしそれさえもただの主観に過ぎない。
全ては個人の見方。正義はすなわち悪であり、悪もまた正義となる。結局は誰から見たのか。それだけの問題だ。正義だの悪だのと声高に叫んでいる連中がこの手の話に最も興味がない。
馬鹿馬鹿しい。こんな考えに囚われていたら他の事が考えられなくなる。
食事が喉を通っていないのも執事に注意されている。私とてこの人数でテーブルを囲むのは初めてだし、よく知らない相手がこれ程多く自分の近くにいる状況というのはあまり経験してこなかった。人間の相手は基本美鈴に任せているし。
「各々食事を楽しまれたようで何よりだ。さて、ここからが本題だが堅くならずそのまま寛いで聞いてほしい」
結局私が残したのは小食であるせいにした。別に嘘というわけではない。私が小食であることはもう随分昔から知っていることだから。
食後の血をグラスに一杯飲んだ後、程よく寛いでいるところで話を切り出す。時刻は真夜中少し過ぎ。夜食をとって少し眠気が来ている今が、おそらく一番本音を聞き出しやすい。無駄な頭が回らないから。
「おーい、入るよフランちゃん」
「はいはーい……あ、今日も美鈴一人なんだ?」
フランドールは姉が来るかもしれないと少し期待していたようで、扉を開けた先にいたのが
それも仕方ない。ここ二週間ほど彼女の部屋に訪れているのは毎晩美鈴だけだからだ。レミリアは他の事で忙しい。当然今夜の準備のためである。つまり明日からは平常通り、彼女もフランドールの部屋に来るだろう。
「そんなに露骨に残念がられると私でも拗ねてしまうじゃないか」
「別に……残念がってなんかいないわ。それよりもお姉様がいないんならいつも通りでいいわよ。貴方は変なところで律義だからここのところ毎晩言っている気がするけれど」
「……まあ慣れの問題ですよ。ここはイギリスですし、そもそもレミリアがいない日の方が珍しいんですから」
「でも凄いわよ。この短期間でここまでやれるなんて」
「そんな……中国出身だというのが効いているだけですよ。それかふらんちゃんの教え方が上手なのかもしれませんね」
名有りのモブキャラが13人も一気に増えるか否かなので、割と重要なアンケートになっています。もちろん反対多数ならいちいち名前を出さずに『(地名)の当主が~』などで書きます。一応名前や館を構えている地域については13人分既に用意してありますが、結局出てくるのはこの戦争関係の話だけなので、あくまでもただのモブです。それ以上の価値はありません
投票結果による傾斜のかけ方などは以前のアンケート時と同じ方式をとります
オリジナルモブキャラに名前を付けるか否か。実は私個人としてもオリキャラを大量投入するのは好きじゃないのですが、進行の都合上の理由です
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付ける(その方が判別しやすい)
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付けない(モブに名前なんて不要)