今度の戦場は宇宙。
一年戦争をくぐり抜け、精神崩壊起こした後は愛機自爆させたり(いや、正確には療養後にだが)、エゥーゴに参加してシロッコの野郎に地球に落とされたりして、転生したのにかなりハードな時間を送っている。
………一年くらい妻とイチャイチャさせてくれ!?
というのはさておき。
現在、グリプス戦役の最後の戦いに俺はいます。
さて、俺が対峙しているのはなんでしょう?
ヒントはピンクのやつらと、白いやつです。
…………。
正解は、【ガザC】と【キュベレイ】です。
なんて、脳内で茶番劇をしている間に、現在の俺の愛機【ガンキャノン・ソレデリア】の後ろにファンネルが数基回り込んでくる。
「うおっと!?」
ギリギリで攻撃を回避する。
ただ、【ガザC】部隊も追撃とばかりにビームを撃ってくる。
ただ、ファンネルによるオールレンジ攻撃よりは全然マシだが。
俺のニュータイプ能力は、一年戦争を通してもまだ半覚醒までにしかいっていない。
だが、モビルスーツの操縦技術には磨きがかかり、ベテランの方と肩を並べるほど強くなっている。
そんな俺が、年下のハマーン様に(顔のやつは年齢詐欺だろ…)負けるわけにはいかないし、逆にプレッシャーでは意外と俺の方が強いみたいで、感覚からして焦っている模様。
「とった!」
元々ジャンクパーツの寄せ集めの【ソレデリア】が、ここまで戦えるのはアナハイムの人達のお陰だろうか。
ビーム・キャノンをファンネルバインダーに照準を合わせ、ビームを撃つ。
だが、そこはニュータイプ。
軽く避けた。
ニュータイプとしては半覚醒なのに、ここまで圧倒してしまって良いのだろうか?
ピーピーピーピー
警告音がなる。
推進剤がレッドゾーンまで来ている。
やべぇ。スラスター吹かしすぎたか。
【ソレデリア】は、ジャンク製ながら、改造が凄いので機動力が半端ない。
地上では、往年の【ガンキャノン】と機動力は変わらないが、宇宙だと別物。
身体にかかるGが凄い。
ちなみにさっきから戦闘宙域から離脱しようとするが、なかなか行かせてもらえない。
まあ、そりゃそうだろう。
色々とコケにしたからなぁ。
そうだ!受け売りだが、ビーム・コンフューズやってみるか!
右手に持たせているビーム・マシンガンをマウントにおいて、ビーム・サーベルを抜く。
ミスっても、とりあえず逃げ切れる時間があればいい。
「上手くいってくれよ!」
左手に、持ち主がいなかったビーム・ライフルを持っているのであとは投げて撃つだけだ。
ビーム・サーベルを投げる。
ファンネルの群れがやって来る。
ビーム・ライフルの引き金を引く。
まるでコマ送りのように感じられた。
母艦【アルビオン】に着くと、かなりダメージを負っている。
まあ、スターダストメモリーの時に造られた戦艦だ。
性能差があってなくても納得の状況だ。
戦況は、こちらが一応優勢というところか。
「クガヤ中尉。ご無事で何よりです」
俺の部下になった、カナデ少尉の【ネモ】が近づいてくる。
「一応、俺は隊長だろ?クルギス大尉が急に戦死しちまったから、わからないことはないけど、気を付けとけ」
「…すみません。私のミスで…」
急に謝ってくるカナデ少尉。
「いやいや!別に責めてるわけじゃないんだから!謝んなくていいって!」
とりあえず、着艦した【ソレデリア】は補給を受ける。
<ミサイル、数十二!衝撃に備えてください!>
艦内放送で、衝撃に備える旨を伝えられた直後に衝撃。
迎撃間に合わず、【アルビオン】に二発当たったようだ。
「補給、まだっすか~!?」
さすがに、この艦のダメージでくらっているのだから、焦る。
俺の所属するヘルファイヤ隊が壊滅なり、解散なりするのは別にどうでもいいが、帰る場所が、それに知ってる人達を見殺しになんてしたくない。
「クガヤ!あとちょっとで補給が完了するから!」
「おっけー!」
コクピットに待機するため、床を蹴る。
すると
<敵機が左舷カタパルトに侵入!押し返ちっ…てください!>
戦闘中なのに思わず笑ってしまう。
他の人達もしかり。
つーか、ユミのやつ、いつからなのですの口調直せたんだ?
後で聞いてみよう。
<艦長!笑わないでくださいのです!!ちょっ、みんなも!>
ブリッジの人達も、笑っているようだ。
気が抜けてはいるが、もう戦闘に入って時間が結構たっている。
とりあえず、笑いたいのだろう。
この緊張した雰囲気を打開したいがために。
ちなみに俺は、補給の終わった【ソレデリア】で入ってきた敵機…【ハイザック】を被害を最小限にするために、モノアイ狙って殴り、頭部を潰し、コクピットに蹴りを入れてパイロットを気絶させる。
動かなくなったのを確認し、【ハイザック】の事は任せ、カタパルトの上に足をのせる。
「じゃあ、行ってくる!」
カタパルトが動き、急速なGに耐えながら戦場の嵐に向かう。
【アベンジャー】の時は、これの何倍ものスピードで動いていたのだから驚きだ。
まあ、EXAMのお陰ではあるが。
エゥーゴ、ティターンズ、アクシズの三つ巴合戦は、まだ続きそうだ…