眠いーー!
最近眠気が酷くて、授業をまともに受けられない……期末があるのに…
袖付きとの戦いは熾烈を極め、そしてフル・フロンタルの【ネオ・ジオング】の登場により味方に混乱が起きていた。
一方、そこから離れたところで、【バンシィ・ノルン】と中途半端に修理された【クシャトリヤ】と【ユニコーンガンダムペルフェクティビリティ】が対峙していた。
「馬鹿野郎が!!」
「うおおぉーー!!」
激しくビームサーベルで切り結ぶ、ユニコーン。
だが、その時間も終わりを告げる。
「死ねぇぇーーー!!」
「させるかっ!」
俺はギリギリのところで、【クシャトリヤ】に放たれたビームマグナムの弾をアームドのシールドで防ぐ。
「一旦そこで大人しくしてろぉっ!!」
俺はNT-Dを起動した。
ここは俺がバナージに任せろと言ったんだ。
ちゃんとやらせてもらう。
「ヴヴぅぅうりゃぁぁーー!!」
「がはっ!?」
思いっきり、コクピットにパンチを入れてリディを動けなくする。
「マリーダ、一度帰投しろ!さすがにこれ以上は【クシャトリヤ】が持たない」
「わかりました、兄さん」
実質、【クシャトリヤ】の装甲は所々溶けたり、斬られたりと、傷跡が目立っている。
そのため、俺はマリーダに帰投命令を出してマリーダを【ネェル・アーガマ改】に帰還させる。
「じゃあ、俺はやれるとこまでやりますか……!」
バナージは、あの屋敷に戻り、そして自分の祖父であるサイアム・ビストと、ミネバと共に対面した。
だが、悠長に話している余裕はなく、フロンタルが現れ、そして再び戦いの場に出ることとなった。
「出てきたか!」
操縦桿を動かそうとした直前、【バンシィ・ノルン】がやって来た。
「すみません、俺は……」
「…誰にでも過ちはある。そして、お前の呪縛がどんなものであろうと、それはお前次第で決めるしかない。俺としては、血の呪縛なんて気にすんなって話だ。正直、今の世の中ラプラスの箱を開けたところで、あんまり変わらないだろ」
「そう……でしょうか」
「とりあえず、今は目の前の敵を叩きのめす。それだけだ!」
虚空の宇宙に、まるで神のように、そして赤く染められた巨人と、三機の【ユニコーン】がいた。
どちらも、平行線の話し合い。
「フル・フロンタル、あんたは器ならそこにいる必要はない。あんたは偽物のシャアを演じてろ」
「確かに私は器だが、私はスペースノイドの意思を汲み取る器だ」
「勝手にやってるだけだろ。確かにシャアを求めている民衆がいるかもしれない。だがな、シャアは、キャスバルは、彼は優しさゆえに地球を核の冬に閉じ込めようとした。あんたは、そんな優しさもない。ただの器だからな」
「……私がシャアを演じるのに不満があると?」
「別にそういうわけでもないが……なぜ、お前の記憶の底に失敗作の姿が見える?」
「……何を言おうが私は器だ。今までも、これからも」
「…器ならさっさとこの場から消えろ!!」
戦いが始まった。
マグナムが【ネオ・ジオング】に襲いかかるが、Iフィールドで防がれる。
ある程度だが。
「バナージ!リディ!Iフィールドの内側に入れ!」
「わかってます!でも…!」
「サイコ・シャードが邪魔で動けない…か」
「うおぉっ!」
しばらくすると、【ネオ・ジオング】が後ろにリングを展開させる。
「っ!」
そして、【ユニコーンガンダム】が捕まり、俺ももう一方の腕で捕まれた。
「では、時の彼方へと行こうか…!」
フル・フロンタルの呟きに似た言葉が、聞こえたような気がした。
だが、それもすぐに消え去る。
「宇宙の記憶……!」
「…すげぇ」
まずは過去を遡った。
アクシズショック。俺もあの戦いにいた。
ハマーン戦争。フロルと会った。
グリプス戦役。【Ζガンダム】や【ソレデリア】が見えた。
デラーズ・フリート。俺はあの戦いには参戦していないが、男の輝きが垣間見えた。
一年戦争。全てはそこから始まった。
水天の涙、震える山、ア・バオア・クー、ソロモン、オデッサ……様々。
そして、首相官邸ラプラスの破壊。
西暦、様々な激動。第二次世界大戦、日中戦争、第一次世界大戦、日露・日清戦争、明治維新、フランス革命、関ヶ原の戦い……歴史を遡り、越えていく。
そして、今度は未来。
フェネクスの捕獲、マフティー、クロスボーン、火星ジオン、木星帝国、ザンスカール帝国……
そして、全てが無に還る。
寒い。
寒い。
「寒い…!」
だが、いつかはそうなる未来を、どうしようが俺には関係ない。
「いずれ、全てが無に還る。見えているだろう?バナージ君。そして、クガヤ・アルファラ」
「それでも…それでも…!」
「そんなのは、今を生きる俺達には関係ない!今を俺達はそれでもと、生きるしかないんだよ!」
【ユニコーン】が共鳴しあい、覚醒する。
「うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」
俺は、機体を拘束する腕を引きちぎってぶっ飛ばし、バナージは徒手格闘で【ネオ・ジオング】の装甲をぶち破り、破壊していく。
そして、全ての時が戻った。
「バナージ、コロニーレーザーが来る!」
「マジか!」
「くっ!」
リディには、何が見えたかはわからない。
それでも、彼等がとてつもないことをしてきたことを理解し、尊敬した。
だが、コロニーレーザーはそんな感慨に浸っていられない。
「【ユニコーン】!!」
「サイコ・フィールド!!」
「やらせないっ!」
【ユニコーン】のシールドが前に、その次にバナージ、俺、リディの順でサイコ・フィールドが展開される。
あの光だ。
そう、奇跡の光。
「来たっ!」
凄まじい衝撃が、俺達を襲う。
そして、俺の体には多大な負荷がかかり、気を失いそうになる。
だが、ダメだ。
ここでなくしたら、もう二度と戻れなくなる。
【ペルフェクティビリティ】がそれに呼応するように、光る。
目の前の【ユニコーン】が結晶化した。
そして、俺も。
「「うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!」」
絶叫。それだけしか言えないだろう。
俺の肉体から離れた俺は、前世の俺を見た。
幸せそうで、そして悲しみ。
俺の死。
そして、恩師や仲間達の姿が見えた。
俺はどこまでも行けそうで、怖かった。
ダメだ。これ以上は、本当に帰れない。
待っている人達がいるんだ。
もう、思考もまともに動かない。
言葉の操りがおかしく感じる。
《クガヤ・アルファラ!お前は生きて生き延びて、死んでみせろ!!》
一年戦争からの先輩で、恩師。
《貴様は、俺を倒したのだろう?ここで果てるなら、貴様は人間以下だ!》
宿敵。あの時、俺がとどめをさして、俺にトラウマを植え付けた。
《アナタハ、ヤサシイ人。ワタシヲ拒絶シナガラ、ウケイレヨウトシタ、オモシロイ人》
かつて、システムに飲み込まれかけて、いつの間にか対話できるようになった、マリオン。
皆、俺の帰るべき方向を教えてくれる。
指差す方へ、向かえば!
ラプラス事変は、ラプラスの箱の開示と共に終息。
袖付きは壊滅し、ミネバやその関係者も行方をくらました。
俺は、一週間ほど昏睡状態になり、目覚めたあとは早速また別の任務に呼び出せれた。
フェネクスの捕獲。
ユニコーンガンダムは封印された今、俺はまた戦地に向かう。
眠いので、文章がおかしくなってるかも……
それと、お気に入り五十人を越えました!
(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
ありがとうございます!
引き続き、「宇宙の彼方」へをお楽しみください!