やりますからね?
まあ、なくなる可能性もありますが。
やって来た敵機は、そう多くはなかったがそれでも部下たちが被弾するくらいは質が良く、特に黒い塗装を施しているやつらが強かった。
まあ、どういうやつらがいるかは原作知識で知っている。
クロスボーン・バンガードの【黒の部隊】。
手練れが多い部隊だ。
部隊長は、ザビーネ・シャル。
貴族主義を掲げ、木星戦争で散っているが、今はそんなことは関係ない。
俺は目の前の敵を倒すだけだ。
「セシリー!?」
シーブックの声が通信機から聞こえた。
部下やビルギットには聞こえていないようなので、運が良いのか悪いのか。
にしても、やはり連邦は腐りきっている。
俺の部下の機体ももう四機しか残っていない。
だが、そのぶん残ったパイロットの実力は高い。
【ヘビーガン】と【Gキャノン】二機ずつで連携をとって、【黒の部隊】と渡り合っている。
これが才能…若さの力かな?
我ながら年老いていると感じているが、なんとなく感覚的にはというか、精神的には20歳くらいな感じがする。
「ニック、ベーガ、アストルファ、ネーヤルカ、一度退け!」
「な、何故です!?」
暫定小隊長を務めるはベーガ。
彼は隊長としての能力はとても高い。
それを見極めた俺は、ある意味確かに老兵か……自分で何言ってんだか。
とりあえず、簡単に言うと思った通りに隊長に向いていた、というだけだ。
「そろそろエネルギーに弾薬が足りないだろ?」
「ぐっ…しかし!」
「いいから!行け!まだ抑えられる内に行け!」
「了解…」
渋々といった感じで【スペースアーク】に帰投するベーガたち。
だが、俺の計算が正しければここらで一度補給をしないと戻れなくなる。
まあ、勘も半分あるのだがニュータイプ能力のおかげか確率は高い。
ビームサーベルで斬りかかってきた【デナン・ゾン】を軽くいなし、頭部を踏み潰して落とす。
その鮮やかな技をビルギット君が褒めてくれた。
よせやい。
ベラ・ロナことセシリー・フェアチャイルドの【ビギナ・ギナ】が増えて、今度は宇宙に出て月へ向かうことになった。
今だ宇宙では、無能共がバカみたいに汚い花火に変わっているだろう。
ただ改めて確認すると、脱出するにしても、タイミングを誤ればまとめてデブリの仲間入りだ。
そこら辺、階級が一番上の俺がどうにかしないとダメだな。
そして、ついに鉄仮面の【バグ】による虐殺計画が始まった。
本当なら始まる前に脱出したかったが、どうしても弾薬補充やメンテナンス、【ビギナ・ギナ】のエンブレム消去で時間がかかり、原作通りになってしまった。
ここで別れる運命。
この時にビルギットが戦死するのだが、俺がいる影響で生き残るのか。
いや、生き残らせる。
アニメやマンガなら、そこまで感情移入しなくてすむが、リアルでそらに遭遇するなら普通の人なら助けられたら助けたいだろう。
しかも、その運命を知っているなら尚更だ。
スレッガーさんの時は失敗。
マリーダの時は何とか上手くできた。
やはり、俺がどう深く関わるかで彼らの運命が決まるようだ。
結果的に言うと、死にはしなかったが大怪我をさせてしまった。
コクピット近くまで【バグ】が通過し、爆発しなかったのが奇跡だという。
まあ、そのぶんビルギットの体がパイロットとして再起不能までの大怪我を負ってしまったが。
宇宙を出た頃には俺とセシリーちゃんにシーブック、臨時小隊が前に出ていた。
だが、この先は原作を知る俺にとっては臨時小隊が一番危険なので距離を取らせながら【スペースアーク】の護衛につかせた。
さすがに避難民の収容船を無闇に撃墜なんてしないだろう。
彼らは貴族主義を掲げている。
余程のアホ頭でもない限り、攻撃はしないだろう。
「…!前方に高熱源体!」
シーブックから報告が。
やはり、セシリー狙いで来るか。
「フェアチャイルドは俺とシーブックの援護を!シーブック、俺と合わせろ!」
「了解しました!」
「やりゃあいいんでしょ!やってやるさ!」
「その意気だ、シーブック。君なら俺についてこれる!」
まあ、ニュータイプだしね。彼も。
「ぬう!?なんだ、この感触は…!?まるで目の前で獅子に睨まれている感覚………貴様かっ!」
「来たか!この花モドキ!」
巨大モビルアーマー【ラフレシア】が十二門のメガ粒子砲を撃ってくる。
だが、反応速度の高い俺やシーブックには軽々と避けられ、セシリーに関してはビームシールドで防御するときもあるが、やはりニュータイプとしての鱗片を見せつける。
「当てる!」
ビームライフルで【ラフレシア】を攻撃するが、Iフィールドに阻まれてダメージを与えることはできなかった。
やべぇ、忘れてた。
お返しとばかり、【ラフレシア】からテンタクラー・ロッドが展開され、俺に敵意を向けてくる。
いや、敵意よりも殺意か。
しょうもないことは置いといて、俺はビームライフルでテンタクラー・ロッドを破壊しながら、華麗に避ける。
半数以上は俺に来たが、【F91】にも10本くらい行って近寄らせないでいる。
やはり、脳波コントロールを使うだけあってコントロールも上手い。
【ビギナ・ギナ】は、遠くからビームランチャーやビームライフルによる牽制や援護をしている。
モビルスーツに乗ってまだこれで二回目くらいなのに、ちょっとした熟練パイロットの動きをしている。
客観的に見れば、やはりニュータイプは成長力も合わさればチートと呼ばれても致しかがない。
「ええい!ガンダムタイプが二機だとさすがに手こずるか…!」
「鉄仮面の野郎、焦ってサイコミュのコントロールが甘くなってやがる!」
「うおおぉぉーーっ!」
シールド裏のミサイルを発射し、【ラフレシア】の装甲に初めて傷をつける。
そして、【F91】が残像を持ちながら【ラフレシア】のコクピットの真上で急停止する。
「ば、化け物め!」
「なんとぉぉーーー!!」
至近距離のビームランチャーに、Iフィールドが起動するはずもなく、コクピットにビームが直撃する。
これにより、【ラフレシア】は機能を停止し、スペースデブリの仲間入りをするのだった。
この戦争後、俺は連邦軍を辞めてサナリィのテストパイロットとして金を稼いだ。
まあ、もちろん木星戦争にも俺は参戦し、クロスボーン・バンガードに勝利をもたらした一因を担った。
まあ、その話は別の機会に。
一気にVガンまで。
宇宙世紀編、ラストスパートです!