グレイズだと、ちょっと性能不足だなぁ…
グレイズ改でもついていけんだろうし、乗り継ぎ機体どうしようか……
急いでグレイズでCGS基地まで向かったが、もう戦闘は始まっていた。
モビルワーカーの撃ち合いで双方に被害が出ており、グレイズも一個小隊出ていた。
「ケッ!一応原作通りかよ…!」
まあ、逆に安心感があるけど。
ライフルをグレイズとギャラルホルンのモビルワーカーに攻撃して、動きを制限させる。
一方のオルガたちは、突如乱入したグレイズに困惑していた。
「なんだ!?仲間割れか!?」
「オルガ、バルバトス動けるよ?」
「少し待ってくれミカ!状況確認させてくれ!」
オルガは、目の前の光景に戸惑い、ミカに出す指示を出しかねていた。
しかし、ミカ…三日月は「出るよ」とだけ言って地上に出てしまう。
「ちょっ!おい!待てミカ!」
「あーあー…行っちまった…」
そして視点は主人公に戻る。
「ファッ!?バルバトスか!」
「あれ?敵は三機だったはずだけど……まあいっか」
バルバトスのバトルメイスが、俺の相手をしていたグレイズに当たる。
頭部を叩き潰され、動きが鈍るグレイズ。
そこに俺がバトルアックスでコクピットを叩き潰して、パイロットがいなくなったグレイズは倒れる。
「あんた、敵?」
「ちげぇよ。とりあえず、今は味方であるはずだぞ」
「わかった」
いや、ほんとそっけねぇな……
俺の敵味方の判別がわかると、すぐにスラスターを噴かして他のグレイズに攻撃を開始する三日月。
そして俺はライフルでパンパンと、三日月の掩護射撃をする。
今はそれぐらいしかできなさそうだし。
しばらくして、ギャラルホルンは撤退し、一時の休憩の時間が作られた。
「アンタ…何者?」
「ん?」
グレイズから降りた直後に、三日月から問われたセリフは俺は何者か。
確かに俺は何者なんだろうな。
また転生をしたし、それでいてニュータイプの力を保持している。
それが事実なら、俺は化け物と呼ばれても仕方がないかもしれないな。
「……禍月桐谷。俺の名前は禍月桐谷」
「マガツキ…キリヤ……キリキリ?」
「いやなんでそうなるん!?」
「おいミカ、ちゃんと名前で呼んでやれ。俺達の恩人でもあるんだからな」
「わかった。オルガ」
オルガ団長(予定)の一言で下がる三日月。
マジでオルガ依存だな。
と考えていたら、オルガが話しかけてくる。
「俺はオルガ・イツカ。CGSの参番組…いや、とりあえず現段階のリーダーだ」
「どうも初めまして、オルガ・イツカ。俺は禍月桐谷だ」
「早速本題だが、どうやってグレイズを奪ってきたんだ?それと、なんで俺達の味方を?」
「グレイズに関しては、色々あってパクってきた。味方をする理由は…まあ、なんとなくわかるでしょ?」
「ははは……確かにな」
これでもかなり頑張って会話に違和感がないようにしています。
ついつい、オルガ団長って言いたくなる……
時間は経過して、クランクさんから一騎討ちの話が。
「オルガ、俺が出る」
「…わかった」
別にバルバトスじゃないとダメとは言ってなかったし、クランクさんは普通に死なせたくない人格者だし、俺が相手をすることにした。
「俺がやらなくていいの?」
三日月がもっともな事を言ってくる。
「大丈夫さ。それに、バルバトスの武器があのバトルメイスだけじゃ少し無理がありすぎる」
「……わかった」
「む、グレイズだと…?」
グレイズと言っても、ちょっとシステムやOS弄くって俺の動きに合わせられるようにしたけどね。
武器は彼が剣一本なので、俺もCGSの在庫にあったソードメイスと元々あるバトルアックスの二刀流で相手にすることにした。
「バルバトスがご所望だったか?悪いがうちは整備環境が悪くてね!」
これを聞いていた雪之丞は、「悪くてすまんな!」と叫んだらしい。
すみません。
「さて、やりますか!」
「君達が戦う必要などないというのに…!」
右手のソードメイスが相手のソードとぶつかる。
左手に持たせたバトルアックスが横に振りきるが、すんでのところでスラスターを噴射して後退された。
その後も何度も打ち合うも、中々当たらない。
しかし、パイロットの二人はそれぞれ違う心境だった。
まず、俺は何度も敵とモビルスーツ戦闘をやっているので、見た目は青年か少年だが、能力値は熟練以上の腕だ。
とはいえ、油断するつもりはないので真面目にやっているが、正直余裕だ。
一方のクランクさんだが、声からして焦っていると思われる。
まあ、経験値が違いすぎるのもあるんだろうが、俺を攻撃することにもある程度迷いが生じているのもあるのだろう。
「俺はついさっきまで赤の他人だが……結局同じヒューマンデブリってやつだよ」
「っ!だが、君達がそんなことをやる必要はないだろう!?」
「それしかないんだよ!彼らには!」
「!」
「孤児である俺やCGS…いや、鉄華団のみんなも、他のヒューマンデブリと呼ばれる存在は、こうでもしなきゃ明日も生きれるか解らない!今更止めろと言われても、どうしようもねぇ!暴論だが、全部まともな機能をしていないギャラルホルンがわりぃんだよ!」
「ぬ…!」
いつの間にか感情的になっていたらしい。
俺の目には涙が一筋流れ、操縦桿を握る力も強くなっていた。
そして、遂にクランクさんのグレイズの剣をバトルアックスで上に弾き飛ばし、武装を無くす。
「くっ……私の負けだ…!」
ソードメイスの攻撃が当たり、コクピットの入口が露出しておりそこからクランクさんの顔が。
しかも原作通りかは解らないが、腹にも大きくはないが破片が刺さっていた。
「これでは…自分で責任を取ることもできん……殺してくれないか…?」
ゴホッと少量の吐血をしながら、話しかけてくるクランクさん。
「あんたは良い人だよ」
「そうか?…私はこういう風にしかできない、不器用な…人間だ…」
「名前は?」
「クランク・ゼントだ。…君は?」
「…禍月桐谷」
「そうか……ではゴホッ…やってくれ」
俺は一応こっそりパクってきた三日月が持ってる拳銃と同じものを、クランクさんに砲口を向ける。
「じゃあ、さよなら。クランクさん」
パン!パン!
銃声が、夕焼けの火星の空に響き渡る。
俺はコクピットを閉じて、そのままクランクさんのグレイズを引きずって基地に戻る。
一方の彼の部下、アイン・ダルトンは深い悲しみと憎しみが心の中で渦巻いていた。
「クランク二尉…!ウソだぁぁーー!!」