また、この夢だ。
自分の人生を振り返るかのように、宇宙世紀での思い出を俺の視点で見ていた。
『次の隊長はお前だ、クガヤ・アルファラ……』
『隊長、今までありがとうございました…』
『あたしはプロトプルツーだ!』
『私を煽るか!俗物めが!』
『私、シャア・アズナブルが粛清しようと言うのだよ、アムロ!』
『すみません、僕のせいで……』
『クガヤさん……ありがとうございます!』
『兄さん、その…助けてくれてありがとう…///』
『クガヤさんは……どうやってそのガンダムを…?』
『クガヤ大尉ですか!?僕、フォント・ボーって言います!サイン下さい!』
『すごい…これが一年戦争の大地の復讐鬼…』
『私の理想を、貴族主義の実現を邪魔するなぁー!』
『ヨナ・バシュタです…今日からしばらくお世話になります』
『クーくんはクーくんだから良いんだよ♪』
『お父さん大好き~』
『クガヤさん、ありがとうございます。相談に乗ってくれて……え?同じニュータイプだから仲良く?……ハハハッ!』
カミーユ、アムロ、シャア、トビア、フォント、ヨナ、マリーダ、バナージ、良き先輩であり、上司だった隊長、最愛の妻と娘逹、ハマーン、良い部下だったカナデ、シーブック……沢山の人達と出会った。
今思えば、こんなに原作キャラと出会えるなんてオタクとしては嬉しすぎるものだろう。
そういや、結局フォントとベルナデットは上手くやっていけてるのかな?
そう思いながら、俺は目覚めた。
俺が起きたときには既に氷の華を作りかかっていた。
俺も手伝おうかと思ったが、止めた。
せっかく良い目覚めだったのに、この宙域で死んだ魂逹の声がうるさくてたまらない。
気持ち悪くなって、二回くらいトイレで吐いた。
出せるものを出しきって、食堂でアトラちゃんの作った飯を食べた。
うーむ、美味い!
三日月、マジで羨ましいなぁこんな良い嫁さんを貰えるのだから。
でも、彼はそこら辺には全然興味もないからアトラちゃんにはしっかり伝えるようにと言っとかないとな。
いや、でも原作では結局くっついてたから大丈夫か……?
と、考えながら食べているうちにライドがホームシックを起こして来たようだ。
俺も、一年戦争のオデッサ作戦直後はホームシックになってたなぁ。
いや、あれは精神衰弱か?
まあ、どちらにせよ懐かしい記憶である。
というか、もはや俺は影だな。誰も気付かねぇ(笑)
俺は船外に出て、鉄華団のみんなと共に氷の華を見ていた。
俺は無意識に連邦軍式の敬礼を、氷の華に、死者に捧げていた。
みんな、氷の華に夢中だったから俺の敬礼には気づいていなかったので、運が良かった。
だが、やっぱ気持ち悪い。
船内でも色々聞こえて気持ち悪かったのに、船外に出るとさらに気持ち悪くなった。
正直、死んでいった彼らには悪いが早くこの場を去りたかった。
だが、透火がこっちに来て俺に昭弘のフォローを頼んですぐに元の場所へと戻っていった。
「ふう……まあ、あの様子じゃそうした方が良いよな」
ヘルメットのバイザーのおかげで透火やすれ違う鉄華団メンバーには、俺の顔色が悪いことには気付かずにいた。
わざわざこんなことで心配されるのは、俺としてはやめてほしい。
まだまだ、先は長いし。
深呼吸して、俺は昭弘のフォローに向かった。
船内に戻り、自室にでも戻ろうかと思いながら展望室がある場所に近付くと、歌声が聞こえた。
たしか、ダブルオーのマリナ王女と子供逹の歌っていたものだよな。
そして、この歌声は……透火か。
聞いていて心地の良い歌は、いつの間にか聞き入ってしまい、そして俺のざわめきが落ち着いていった。
あのうるさい死者逹の声が聞こえなくなった。
その事実に俺は驚く。
が、その前に彼女が俺がいることを気付いてこっちを向いていたので俺は頭を掻きながら、謝った。
彼女は気にしてないと言いながらも、少し気まずそうだ。
しかし、俺の顔に違和感があったのだろうか?
俺に近づいてきて手を額に当ててきた。
柔らかい手だな……こんな手がモビルスーツを動かし、人を殺す兵器を作り出し、修復している……なんとも言えないが、別にそこに忌避感はない。
ただ、転生者だとしてもそんな人生なのは悲しいな…と思っただけだ。
が、次の瞬間何かが流れ込んできた。
まるで、白昼夢を見ているように。
「ご、ゴメン!もう寝るね!」
と、彼女は言っていたが俺は呆けていた。
何故なら、彼女の過去の記憶が流れ込んできていたから…………
多分、この記憶は透火という転生者としての記憶だ。
ハシュマルから出され、三日月たちと出会い、そして楽しい日々を過ごしていた。
そして、バエルやらラスタルやらと戦乱において彼女は戦況をもコントロールした。
ヤバイよ、結構な策略家だよ、この娘。
ちょっと怖く感じだが、別に敵でもないしそもそもこれは彼女の記憶だ。
勝手に見ておいて嫌いになるとか、ただのクズだわ。
だが、それを言ってしまうと俺がもっともえげつないだろう。
バリュートを破って焼き殺し、戦闘中にも関わらずハマーン相手に煽りまくったり。
記憶は場面を飛びながらだが、俺に見せ続けていた。
そして、この世界での新しい転生人生。
出だしは最悪すぎる物だった。
何処か、おかしくは感じていた。
たまに、少し暗いところににいるだけでも、ちょっとだけ体が震えていたり怯えた感じを無意識ながら見せていた。
これは確かに暗闇が怖くなり、偽名を作ることになるだろう。
まあ、その偽名の由来が気になる所で解らなかったので、とても気になるが。
ただ、この本来の少女の記憶を見せられたというものらしいので、疑念を感じる。
もし、転生させるなら、テンプレな赤ん坊からか、俺のように唐突に前世の記憶を取り戻すパターンがある。
透火の場合、後者に近いのだが俺の場合は前世の記憶が甦るまでの記憶が、ただの映像のように思い出せるだけだ。
しかし、彼女の場合はまるで体感させたかのようだ。
簡単に言えば、少女の記憶が透火に心理的に大きく人格に影響を与えているのだ。
本来の転生が俺と同じパターンの転生なら、これは何か裏があるかもしれない。
意図的に与えた心理的な攻撃……嫌な感じがするな。
アムロさん…だった者逹の言っていた事にも、これは通ずるが確証がない。
結局、俺は勘が良いだけの人間なのだから。
「あ……」
長いようで短かった。
彼女が出てからほんの1分。
その間だけで、彼女の人生を見てしまった。
無遠慮に。
「こりゃ、また悩み事が増えるな…」
この高い感受性もどうにかしなければな……
まあ、フィルターかけるだけで精一杯なので無理だが。
「ま、悩んでも仕方がないか。俺は今まで通り、鉄華団を壊滅させず、ハッピーエンドで終わらせるだけだ」
あ、そういやオルガに仕事が終わったらテイワズの各々の組織に挨拶してこいって言わないとな。
これは将来的にも大事なことになるし。
なので、俺は自室へ向かう通路からオルガがいるだろうブリッジに向かう。
ー ー
俺は透火の過去に関しては、俺はどうすることもない。
何故なら、それは彼女の克服すべきトラウマであり、試練でもある。
彼女が助けを求めるなら、迷わず助けるがそれまでは俺はなにもしないだろう。
どうするかは彼女次第。
同じ転生者ではあるが、経緯が違う。
そして、俺は彼女の苦痛やトラウマ、その時の感情をどんなものか理解できても、完全な共感はできない。
だから俺が下手に口を出せば、闇堕ちなんてなりそうだから洒落になんないので助けを求めるまで、俺はただ待つだけだ。
オルガでも、俺でも、三日月は微妙だがとにかく誰かに相談し、克服する覚悟ができるまで待つしかない。
もしかしたら、既に求めているのかもしれないがそこまで俺はできた人間ではない。
最近はマキブオンでΖガンダムに目覚めました~
ビーム乱射が楽しい…!
「グリプス戦役 地球降下作戦」と一緒に出したので、そちらもよろしくです。