機動戦士ガンダム 宇宙の彼方へ   作:単眼駄猪介

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このあと、(迷?)シーンが……





23 復讐鬼と堕天使のデュエット

ザドキエル、透火の一周目での搭乗機でこの世界ではチート級の性能を誇る機体。

唐突に声が聞こえたときは驚いたが(GN粒子散布下だし)、どうやら脳量子波で俺にテレパシーしてたらしいね。

ニュータイプとはまた違う、人類の革新。

まあ、そんなことをしてるならさっさと戦えってのが第三者視点ならそう言うだろう。

にしても、コクピットへの恐怖症は抑えられたのか……それとも克服なのか、解らないが、少なくとも今は加勢してくれるならとてもありがたい。

 

「へへっ……さて、殺るか!」

 

俺はルーギスに狙いを定める。

 

「来るか…!」

 

激闘の末に、敵を倒す………よくあるテンプレだと思う。

が、どうせなら型破りな事をしたい。

というこの場で変な悪戯心と、そしてもしかしたらこのあと死ぬかもしれないと不吉ながらそう考えた末だ。

ふざけてる。

うん、そう言われても仕方がない。

だが、何も言えず死んで後悔するより(後悔できるのかは解らないが)ぶっちゃけた方が何倍も良い。

死亡フラグと生存フラグ二つとも建つが………ま、願掛けみたいなもんだ。

俺はアベンジャーの機体をパッと確認する。

左腕は使い物にならず、コクピットの周りには歪みと破損が少々。

右肩の装甲は砕け、関節部が丸見え。

頭部は片目を潰され、ブレードアンテナも折れている。

ホバーは機能しているがかなりの時間を核融合炉の発電を全開でやってるから、いずれオーバーヒートするだろう。

 

「さて、あっちはあっちで決着を着けてもらうことにして………ルーギス、悪いがお前を倒す」

 

「ふん……まだ弾やエネルギーは余裕だ。勝てないわけがない!」

 

ルーギスがバトルアックス……にしてはサイズアップされたものを、腰にマウントしていたアックスを取り出す。

片方の手にはソードがあり、俺はコイツは近接戦も得意だと感じる。

俺が知ることはないのだが、実はルーギスは射撃、近接戦も得意なのだ。

本気でやりあえばクルーガーと互角。

何故、役割分担しているかというとクルーガーの近接戦はずば抜けており、反してるは射撃戦がずば抜けている。

クルーガーも本気でやれば、射撃でも十分活躍できるのだが……まあ、ここからは蛇足というものだろうか?

 

ともかく、俺は最後の一本であるソニックブレイドを取り出そうと…………しなかった。

 

「……透火!」

 

『何!?』

 

俺は後ろでいまだ出方を探る透火とクルーガーを脇目に、叫ぶ。

その間に、俺は使い物にならない左腕を引っこ抜く(・・・・・・・・)

 

「好きだぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」

 

『え、ちょはぁ!?』Σ(Д゚;/)/

 

引っこ抜いた左腕を、棍棒のようにルーギスの頭部にぶち当てる。

あまりの非現実からか、ルーギスは当たるまで反応できず、思いっきり俺から見て左に吹き飛ばされた。

 

「ぬうぉぉぉーー!?」

 

「言っちまったが……後悔はない!」

 

これで死んでも、後悔はしない!

 

《愛の告白…………///》( 〃▽〃)

 

アリスは告白で動揺していたが。

いや、なんかいつの間にかって感じでいるが……まあいいか。

良くないかもだけど。

 

「さあ、EXAM!行くとこまで行こうぜぇ!」

 

俺は覚悟を決めた。

さあ、EXAM。

お前も覚悟を決めていこうじゃないか!

 

      [HADES system]

 

俺はモニターに出た文字に面食らった。

いや、まあ覚悟決めろって言ったの俺だけどさ……何故にHADES何だよ!

そうツッコミながら、俺は不気味な効果音と共にブラックアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急に停止、そして禍々しい程の殺意と何かの存在を感じるアベンジャーに、間近で感じるルーギスはともかくとしても、そこから離れて戦う三日月たちやオルガたちにまでそれを感じた。

 

「バルバトス………?」

 

「背中が……痒い……」

 

三日月はバルバトスが怯えるような感覚を覚え、昭弘は背中が、特に阿頼耶識がある部分が無性にむず痒い。

それははたまたガエリオとアインにも、それを感じた。

 

「何だ?この嫌な気配は……?」

 

「あ、汗が止まらない……!?」

 

そこから離れたオルガやビスケットたちにも、それを感じる。

 

「何だこりゃ……?いったい何が……!?」

 

「に、兄さん!?……この感じ、禍月さんから感じる……?うっ!?」

 

ビスケットは民間人であり、兄であるサヴァランが泡を吹きながら気絶して倒れるのを防ぐが、ビスケットもまた、その気配に吐き気を覚える。

そして、先程ザドキエルを堕天使だと感想を洩らしたギャラルホルンのとある兵士は、アベンジャーを見て怯えながら、いや発狂寸前で叫ぶ。

 

「に、逃げろ!!ありゃ死神だ!!」

 

その言葉をキッカケに、逃げるギャラルホルンのモブ兵士。

既にその気配だけで気絶したり、ショック死している者もいたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、当のアベンジャーはルーギスに絶対の敵意と殺意を向けながら、ゆっくりと歩いて近付く。

 

「はっはっはっはっはっ!?」

 

生体ユニットとして、モビルスーツに組み込まれたのにも関わらず、ドンドン過呼吸になり始めるルーギスの肉体。

それほどまでに、アベンジャーから発せられるプレッシャーは凄まじい。

 

「こ、ここで!」

 

ルーギスは仕掛けた。

 

「終わってたまるか!」

 

まずは小手調べにソードをぶつける。

が。

 

「何故だ!?何故止められる!?」

 

沈黙の死神は右手でソードを掴み、離さずにそのまま砕く。

 

「…………………」

 

いつもの口うるさい口も、何も答えない。

ただ敵を滅する。

それだけの今、ルーギスにはただ一人でアベンジャーと対峙する。

 

「う、うわあぁぁぁぁーーー!!!」

 

アックスを上から振り下ろす。

が、その前にソニックブレイドが一閃。

逆手持ちのソニックブレイドが、グレイズ・ファントムの肘から先を切り飛ばす。

切り飛ばされた件のアックスは、その腕と共に付近の建物の上に突き刺さる。

そこをザドキエルがビームで牽制しながら、クルーガーを追い詰めていたがそこは今語るべきではないだろう。

 

「な、なんて……性能だ…!?」

 

いつもの冷静な判断は、感じたこともない圧倒的なプレッシャーで明後日の方へと飛んで行き、武器がないことに気づいたルーギスは、肩のマシンガンを撃ちながら次なる獲物を手にするために、市街地を移動する。

 

「見つけた!」

 

ルーギスは残った左手でグレイズリッターのソードを持つ。

一方、アベンジャーは既に彼の後ろへとソニックブレイドを手に、近付いていた。

 

「ぐおぉぉぉーー!!」

 

「……………………………………………」

 

二機が交わる。

どちらもほぼ同時に剣を振り抜いた。

そして、崩れ落ちたのは………

 

「なん……だと!?」

 

ルーギスだった。

もちろん、アベンジャーもただでは済まず、頭部が破壊されていた。

木端微塵に。

HADES、EXAM共に消滅したアベンジャーは機体のそこら中から冷却の煙が吹き出るが、まだ動く。

それは禍月の執念。

 

「禍根は残さない……!」

 

ソニックブレイドを手に持たせ、ゆっくりだが着実に近付く。

しかし、その前に禍月の意識が途切れそうだった。

コクピットの中は血塗れで、モニターにも血がこれでもかと張り付いている。

原因はもちろん、今だ口から吹き出るように飛び出る吐血である。

目の前には胴体を真っ二つにされたグレイズ・ファントムは、左手で這って逃げようとするが動きはアベンジャーが早い。

サブカメラで何とか敵を捉え、歩かせる。

 

「捕まえた…ゴフッ」

 

「まだだ、まだ死ぬわけには…!」

 

アベンジャーの足がグレイズ・ファントムを押さえ付け、ソニックブレイドの切先が中心を捉える。

 

「あばよ!イレギュラーぁ!」

 

「ー!」

 

最後に何を言ったのかは、聞こえなかった。

だが、彼の思念を感じる前に禍月は一瞬意識を失う。

それと同時に、アベンジャーも機能を停止し、あちこちで火花を散らしながら倒れる。

寿命を迎えたかのように、ゆっくりと仰向けに倒れる。

コクピットハッチが衝撃で弾け飛び、コクピットの惨状が顕になる。

 

「青い空………こんなにじっくり見たのは何時ぶりだろうな……ゲホッ」

 

禍月は重い瞼を開け続ける事ができず、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗闇の中、俺は立っていた。

周りは光も通さない黒。

いや、真正面に人が見えた。

色が落ちて白黒になっているが、あれは……!

 

「ユミ!」

 

俺は走る。

だが、中々近づけない。

ユミ、ユミ、俺の妻として支えてくれた生前の姿とは多少違うとはいえ、その面影を持っていたユミ。

人殺しの俺を、避けることもせず暖かく抱き締めてくれたユミ。

彼女に会いたいとは思うことはすまいと、あの時決めた。

だが、今こうして見れば俺はユミの元へと行こうとしている。

俺を迎えに来たのか、それともこの非現実から引き抜くために来たのか。

ああ、解らない。

思考が纏まらない。

だけど走る。

走る。

走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユミ

 

 

あと少しで、ユミの元へ行ける……

そんなとき、唐突に振り返ったユミは叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

「こっちに来ちゃダメェッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユ、アヅァッ!?」Σ(>Д<)!?

 

手を伸ばして起き上がる。

と、同時に息をする度に激痛が走る。

思考がまだ纏まらないが、ただこう思う。

 

 

 

 

俺はまだ生きている。

 

 

 

 




このあと、バルバトス&グシオンリベイクVSシュヴァルベグレイズ&キマリストルーパーのガチンコです。

明日か明後日か。
書き終わるのは何時なのかは定かではありませんが…………

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