機動戦士ガンダム 宇宙の彼方へ   作:単眼駄猪介

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順番的には23話の方が良かったですが、もう前回で起こしちゃったから仕方がないよネ!!( ^ω^ )

まあ、そんな訳でどうぞ!




25 追憶の狭間で

俺が手を伸ばした先は見覚えのある部屋の天井。

そして、一瞬にして寝ていたときの記憶を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あの時、目を閉じたあと俺は暗闇の中に閉じ込められていた。

だが、それもすぐに終わった。

ほんの一瞬、巨大な何かを見て呆けていると………

 

「ーーー伍長!クガヤ伍長!」

 

「ッ!?は、はいっ!」

 

「何をしてるんだ!敵の目の前だぞ!」

 

「まっずっ!?」

 

そこは、宇宙世紀0079年。

一年戦争まっ最中だった。

夢を見ていたのか?それとも、本当にここは夢の中?

疑問はつきないが、今は……目の前のザクを落とす!

 

「てぇあぁぁーー!」

 

防御をかなぐり捨てた、渾身の袈裟斬り。

ザクⅡは爆散する。

 

「やった…………ッ!!?」

 

すると、今度は濃霧の中に俺は立っていた。

いや、俺自身ではない。

俺とアベンジャーがだ。

目の前にそびえ立つ、復讐鬼として生み出された俺の最初の愛機。

何だかんだで、俺の命をその性能で救ってくれた。

 

「アナタハ………ナゼイキルノ?アナタハナゼゼマダイキルノ?……オシエテ?」

 

アベンジャーが膝をつき、手を伸ばしてくる。

何故生きるのか、か。

…………正直なところ、解らない。

 

「解らない。何故俺がこうして生きているのか。俺には前世があって、そこでは俺は普通とは違う物だったし、そして今も宇宙世紀でも俺は普通とは違かった。でもな……」

 

アベンジャーの赤く灯るツインアイを見つめる。

それは、俺にとって最初の前世への決別であると思う。

 

「最初の前世と宇宙世紀での違いは、その普通とは違うものが俺にとって良いものなのか、悪いものなのか関係なく、それは俺の経験の一つでそれを何時までも引き摺る訳にはいかない」

 

「……………」

 

小野川桐保(オノカワキリヤス)としての俺と、クガヤ・アルファラとしての俺、そして禍月桐谷としての俺は全部違うけど、全部同じなんだ」

 

………自分でも途中から何を言ってるのか、理解ができなくなった。

でも、言いたい事だった……はず。

すると、今度はアベンジャーのコクピットにいつの間にか座っていた。

 

「我が宿敵よ。貴様はここで停滞するのか、それとも私を越えて死んでいくのか。どちらかを選びたまえ!」

 

目の前には、俺が殺したはずのヘグタス・シュターゼンのイフリート・ジオン。

場所も宇宙に変わっていて、俺はこの目まぐるしく変わる状況に混乱する。

 

「お前は!お前は俺が殺したはずだ!」

 

頭が痛い。

体も痛い。

駄目だ、正常な判断が…………できない。

アイツを見ると、思い出すといつもこうだ。

戦争の狂気を初めて触れたコイツを見ると、どうしても俺は………憎悪と怒りが溢れてしまう。

そして、ヘグタスに殺された数多の人達の声が聞こえてしまって、狂ってしまいそうだ。

 

「私は貴様が生きている限り、何時までも生き返るのさ!ジオンの騎士である私は!不滅なのである!!」

 

「黙れ……黙れ……黙れぇぇぇーーっ!!」

 

ビームライフルを乱射する。

イフリート・ジオンは背部に無理矢理くっ付けたビショップの腕部を射出し、オールレンジで攻撃してくる。

 

「貴様が!貴様がぁ!」

 

「フハハハハ!!」

 

アイツの嘲笑が、俺の、俺の精神を苛んでくる。

止めてくれ、俺が何をしたんだ。

何で俺は、誰にも聞こえない声を聞き続けなきゃいけないんだっ!!

俺は……道具じゃない………人を殺すだけの道具じゃ…ない。

止めろ、そんな目で俺を見るな。

道具を見るような目で、俺を見るなぁぁぁっ!!

 

 

 

その時、俺は思考を止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に動き始めたのはグリプスでの脱走劇。

ハイザックとアベンジャーの性能差は、近代化改修を受けてもその差は愕然としていた。

 

「ここまで性能が違うのかよ!!」

 

かつての俺をコクピットで見る。

一筋のビームがアベンジャーの機体を掠める。

が、すぐに腕や脚をもぎ取られてやられる。

何だよ、今更こんな夢を見させられてもどうすりゃいいんだ。

場面はまた変わり、カミーユの親父がリック・ディアスを強奪したところだ。

この時の俺は……もう一機のMk-Ⅱに乗り込んで、近付いてきたハイザック達を圧倒した。

けれども…………あの時の高揚感は今はない。

 

「ハハハハッ!これがΖ時代の機体かよ!アベンジャーとは全く違うぜ!」

 

今ではこれを改めて見ると、どうかしてんじゃないのかってくらい、油断しまくりだった。

この戦いで死ななかったり、Mk-Ⅱを傷つけなかったのは単に運が良かったと思う。

 

「俺も………まだまだ若かったって事か」

 

そんな俺に苦笑するが、今度はジャブローでの戦いに移る。

命懸けだった。

最初から核爆弾が地下深くにあることを知っていた俺は、さっさとアウドムラとかを見つけようとしていたし、カミーユを手助けしたいという気持ちがあった。

でも、やっぱり精神的に成熟している今の俺には傲慢だ、と感じた。

瞬きしたら次はホンコン。

サイコガンダムが、街を破壊していく。

この時には既に俺の機体はソレデリアになっていて、Iフィールドに苦戦した。

そして今度はキリマンジャロでの戦い。

結局、俺はフォウ・ムラサメを助けることが出来ず、カミーユは原作と同じようになった。

ロベルトにしろ、スレッガーにしろ、結局、俺は誰かを助けたいと思いながらも実行できていない。

我ながらその愚かさを呪う。

どこか、視聴者としての視点を捨てることができないことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ZZ時代。

一人の少女を拾った。

プロトプルツー。

既に子供はいたが、俺は半分強制で俺の養子にした。

それは何故か。

きっと、彼女(プル)たちや俺が見殺しにしてしまった人達へのせめての償いだったと思う。

どちらにせよ、それもまた無意識な傲慢なんだろう。

量産型キュベレイなんて、すぐに判別できるシルエットなのに俺は無力化させようとして、結局見殺しにしたのだから。

プルトゥエルプ……マリーダにしたってそうだ。

俺が戦闘後に、無茶をしてでも探しに行けば原作通りにマリーダが悲惨な目に会うことはなかった。

いや、それはそれで……………どちらにせよ、俺は罪人なんだろう。

傲慢の大罪人。

戦争だからと割り切っていたが、結局第三者から見ればそんなもんだ。

それが………俺の心を蝕む。

改めて見せられて思った。感じた。

俺は……誰かを愛せる、愛していい人間ではないと。

彼女(透火)に、俺の過去を話したがあれもまた無意識に同情してほしい、俺を憐れんで欲しいと思っていたから…………話したんだろう。

だが、それに関しては俺は後悔しない。

きっと、いつかそれが最悪の形になって暴発したら、きっとクルーゼの様に世界を破壊しようとする最低の人間になるだろう。

CCA時代。

俺はアムロの見せた人の心の光を生で見せつけられた。

シャアのいう通り、優しさだけでは世界は救えないし、破壊してしまう事もあるが優しさがなければ世界はきっともっと冷たい世の中だったはずだ。

でも、彼が起こした奇跡はやはり科学の視点で理解不能、原因不明という結果のみで片付けられ、連邦は腐っていく。

閣僚達の会議のテレビを見れば、しょうもない事を会議に出すわきっと神様がうんたらかんたらとアクシズショックをいもしない神様のおかげだと話すクソ野郎達がいた。

ただでさえ、秘密裏に賄賂で小惑星アクシズを渡したくせに我々は悪くないと何も疑問も持たず、当たり前のように言う。

だから、マフティーが生まれたんだろうに………だが、マフティーにしろ、袖付きにしろ結局武力での改革だった。

ラプラスの箱は効力を無くしていたし、人々は既につかの間の平和に浸ってしまい、どこかで戦いが起きても無関心になった。

可能性を信じる、それはいい。

けれども、宇宙世紀の果てにあるR.C.(リギルド・センチュリー)でも結局人類は宇宙へと住処を変えることはなく、地球に居座り続けた。

そして、また戦争を始めていた。

もし、また宇宙世紀へと行くのならきっと俺はアクシズ落としを……手伝うだろう。

連邦軍は腐っても軍。

しかし、連邦政府は完全に腐りきったF91以降は軍を動かすことさえ面倒くさがり、放置していた。

 

 

 

 

…………結局、俺というイレギュラーがいてもそんな程度で終わってしまう話だったのだ。

戦うことしかできずに、俺はただただ戦い続けた。

前世でもマトモに夢を見付けられない奴に、どうこうできる話ではなかったな。

熱中できたのはガンダムやアニメ、ラノベ、そんな娯楽の類い。

とりあえずと興味のあった工業の高校へと進学したが、夢が無いゆえにか点が取れず通信制にへと転学した。

それでも、結局俺は夢が見つからない。

俺の能力がどうしても皆より劣って見える。

そんな俺が転生したのは何故だろうな………宇宙世紀の自分は、結局最後まで子供だったのかもしれない。

生きることを難しく感じていた俺にとって、戦うだけで、レポートを書くだけで金がもらえるなら前世よりマシだと思っていたのかもしれない。

そんな俺が………醜い。

醜くて傲慢であったことに、自分自身に憎悪を抱いた。

俺の存在に、意味はないのだと俺は自分を責めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして全てを見せられ、終わったあと。

今度は虹色の空間にいた。

あの光の中に。

突如として目の前に、老人の俺が現れた。

 

「お前は………俺?」

 

「ああ、そうだ。俺は君で君は俺。君がこの世界に転生した意味を与えに来た」

 

すると、彼の後ろに十人以上はいるだろうか?

白衣を着た、研究者っぽい人達が一斉に俺を見ていた。

 

「……意味?」

 

「そうさ、未来の俺。彼らは透火……セファーの作り主だ」

 

確かにそんな話を聞かされていたが、だからと言ってこんな屑の俺に、能力だけは優秀なゴミに頼られてもどうしようもない。

 

「ああ、クズだ。俺もお前も含めて、ゴミと呼ばれても仕方がない。だけれども、過去の俺にはなくて未来の俺にある物があるだろう?」

 

「………解らない。俺には……解らない」

 

俺は頭を抱える。

夢の中なのに頭が痛い。

頼られたくないと、叫んでいるようだ。

 

「……………今の君には世界の有り様を確実に変えてくれる仲間がいて、そして君はそこにいる。鉄華団の皆を支える裏の立役者としているじゃないか」

 

仕方がないな、といった感じで話す過去の俺。

 

「それさえ、君は自分に劣等感を抱いて逃げるのか?必要とされているのに」

 

俺は顔をあげる。

そこには、いつの間にか白衣を纏う、人々の魂が俺を囲んでいた。

 

「彼らはセファーを作って、守りきれなかった。それを償いたいと、数多のパラレルワールドがあるなか、俺を呼んだんだ」

 

改めて、彼らの目を見ると助けて欲しいと言う目だった。

守れなかった罪悪感を感じながら。

 

「未来の俺はさっさと進んでこい。過去の俺は過去であって、今のお前でもさらなる先の未来の俺でもない。例え、人外だろうが微生物だろうが俺は俺なんだ。胸張って生きろよ。俺と違って、今のお前には最初から求めてくれる人達がいるだろう?」

 

……………罪を背負え。

だけれども、停滞は許されない。

それは、俺を本当に人類で一番最低の人に成り下がる事だから。

暗にそう言われた気がした。

 

「……解った。やってやる。できる範囲で、やってやるさ!俺は戦って生きて、誰かを守って死ぬ!それが俺にできる唯一の成し遂げられる偉業だから!」

 

虹色の空間が、歪み始める。

 

「そうだ、それでいい。今まで殺してきた人々と守ってきた人々の死を無駄にするな。それがお前の罪を償う物になる。罪を重ねたとしても」

 

そして、暗闇に閉ざされた。

 

 

 

 

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まだ眠気がある頭で、俺は体を寝かせていた。

 

「……………」

 

まずは、透火に謝らなきゃな。

彼女を作った人々の無念を、俺は宇宙世紀での罪と一緒に背負って俺は未来を生きて、戦い続けなきゃならない。

誰かの手の平の上で踊らされていたとしても。

あの夢での話は、透火には言わないでおこう。

透火に話したら、きっと彼女はそれさえも受け止めようとして壊れ始めてしまうかもしれない。

きっと、永遠の秘密になるだろう。

…………俺が彼女と共に幸せになる資格はない。

俺は、この世界でもどこか傍観者であった。

原作、史実………今からでも意識を変えなければならない。

テレビの中にある作り物(物語)と、今生きる現実を区別させなければならない。

誰だろうと、救いたいと思ったのなら俺のエゴで押しきってでも救う。

これから、ずっとそうしよう。

そう、覚悟を決めた。

俺が幸せになる必要はない。

少しの幸せで充分。

我儘だと言われてもいい。

今、俺ができるのは、透火と鉄華団をハッピーエンドに向かわせることだけ。

そこには戦いがあって、その戦いは俺にできる事だ。

 

Å¶Γ¶∬♭∀♪ξθησχЗЕЖ⑦┝⑧㌔㌘┗|(それが俺にできるケジメのつけ方…だよな)

 

…………誰もいない部屋で、俺は場違いなほどの奇妙な言語に頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

 




はい、第二の鬱シーンでした。

5000文字越えたぜ。
一話で纏めてみたらこうなったぁ……(疲)

P.D.の次、マジどうしよ。
まあ、サイコロで決めるか。(適当)

それと、アベンジャーガンダムのイラストを「一年戦争 宿敵と相対す」にて公開しましたので、お目汚しなイラストですが、まだ書き足している一年戦争での活躍をするアベンジャーのイメージをしやすくするため程度で見てくだされば。

ん?何でここでも公開しないのかって?
何でか上手くできないのですよ………(鬱)

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