実力至上主義の学校で平穏を求めてみる   作:さっきのピラニア

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駄文ですがお楽しみください。


入学式

あなたは普通を求めていますか?

 

→はい

いいえ

 

 

 

あなたは平凡を求めていますか?

 

→はい

いいえ

 

 

 

あなたは退屈を求めていますか?

 

はい

→いいえ

 

 

 

 

…あなたは戦いを求めていますか?

 

→はい

いいえ

 

 

 

 

あなたは強さを求めていますか?

 

→はい

いいえ

 

 

 

力はあるに越したことは無い。世界に目を向けるとよく分かる。力の強い国が弱い国を従えさらに大きな力になって世界を支配している。

従わない弱い国は蹂躙されるだけだ。力とは何のためにあるのか?それは自分を守るためだ。力にもいろいろある。地頭・運動・コミュニケーション・他人との駆け引き、その中で俺は単純に力を求めた。男の子だからね。俺なりの平穏な日常を求めて。

 

今日は高校の入学式だ。進学先は高度育成高等学校。希望先就職率99.9%、全寮制で最新設備を備える自由な校風の学校らしい。ただ一度入学すると外部との接触は一切禁止。家族を含めて、だ。ただ学校の周りは一つの町があり、暮らす分には不自由しないらしい。

 

事前に俺は1年B組だと封筒が来ていたので移動する。教室に入ると生徒がちらほらいた。とりあえず席に座って大人しくしておくことにする。人が増えてくるがこの教室には俺の興味のある人間はいなそうだ。チャイムが鳴り、ホームルームが始まる。めがっさ美人の女教師が入ってきた。教師からの説明を掻い摘むと、クラス替えは行われないこと、月の初めに10万ポイントが支給されるらしい。支給された端末を見ると10万ポイントと記載されていた。一ポイント一円でこれで生活を送る必要があるらしい。高校生一人にそんなにお金を毎日渡すのは流石に異常すぎる。財源どうなってるんだか。登校する際に先輩を何人も見かけたが、そんな裕福そうな印象は受けなかった。何か裏がありそうだ。例えば来月はポイント支給されないとかね。

 

説明が大方終わると入学式が始まる。他の生徒を見渡すと面白そうな生徒がちらほらいた。すげえでかい黒人とか、筋肉隆々そうなハゲ、一件普通そうなイケメンに女子にもちらほら。もしかすると、このクラスはハズレだったかもしれない。

 

入学式が終わる。今日の授業は無い。これから生活する街の探索に行こうかと思案していると、一人の女子生徒が発言する。

 

「みんな、注目してもらって良いかな?これから三年間同じクラスなわけだし、お互いの自己紹介をした方が良いかなと思って。」

 

彼女の一声で一人づつ自己紹介が始まる。少しピンクの入った金髪の少女は一之瀬帆波と言うらしい。不良かな?今時の女子はこんなもんか。最初にこんな事を言うのはとても勇気がいる。少なくとも俺はできないしするつもりもない。彼女がこのクラスを引っ張っていきそうだな。

 

「赤羽 巧です。昔、武道を少し習っていました。よろしくお願いします。」

 

無難な自己紹介を終え。今日は解散になる。最後に明日、委員を決めるからやりたい事を決めておいてねと言っていた。学級委員以外ならなんでもいいか。部活動の紹介があるらしいが興味がないからパス。そのうち勧誘がありそうだしその時でも良いだろう。

 

 

とりあえず校内を散策する。最新設備がある以外は普通の学校だ。ただ自販機の水が無料なのと、やたら監視カメラがあるのは気になった。そういえば教室にもあったな。

 

街を回ると、これまた至る所に監視カメラがあった。これから日本はこんな感じで監視社会になってしまうんだろうか。まぁ面倒事があった時に証拠になるから良いのかもしれない。寮の近くのスーパーに行ったが品ぞろえは普通だ。ただ、無料の食材もあった。普通は割引でおいてあるはずなんだが…しかも少し傷んでいる様子もない。このポイント制は何かカラクリがありそうだ。節約するに越したことはなさそうだ。

 

帰りにコンビニの近くを通ると、三人が言い争っていた。確か入学式にいたから全員1年生だった気がする。二人は個人的に興味がある人間だったから覚えていただけかもしれないけどな。言い争っていたがとりあえず和解したらしく解散していく。ただ喧嘩腰だった一人が先輩らしき人たちとまた喧嘩になりそうになっていた。血の気多いな彼。結局喧嘩にはならなかったが、先輩が奇妙な言葉を残していった。可哀そうな不良品と。この学校にはやはり何か特殊なシステムがありそうだ。喧嘩腰の彼と一瞬目が合ってしまう。

 

「何だコラ!俺は今、虫の居所が悪ぃんだ。これ以上関わんならぶっとばすぞ。」

 

「いやぁそんなつもりは…」

 

「なんかその口調がムカつくんだよ!一発殴らせろ!殴りがいのありそうな顔してるなお前。」

 

入学早々面倒を起こすつもりはないので、俺は脱兎のごとく逃げた。後ろから待てコラ!と聞こえた気がしたが無視して走る。逃げるが勝ちですよこういう時は。

 

 

 

寮に戻り、明日の準備とか適当に過ごしていると結構良い時間になる。今日はいろいろあったが、不良に絡まれるとは思わなんだ。次、彼に会ったらまた面倒な事になりそうな気がする。まぁその時考える事にしよう。

 

日課を行い、今日は眠りについた。明日から遂に普通の高校生活が始まる…普通だったらいいなぁ…。

 

 

 

 

 

4/1時点

 

氏名  赤羽巧

クラス  1年B組

部活動 無所属

 

学力   B

知性   B

判断力  A-

身体能力 A

協調性  D

 

備考 学力・知性共に平均以上で武道に優れ、Aクラス相当の実力があるが、昨年の行動の件によりBクラスに配属する。

 

 




他の作品を書く息抜きで書いていたら一話できたので投稿してみました。そっちの方が終わったら本格的に書き始めようかな~と思っている次第です。

感想、おまちしております。

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