実力至上主義の学校で平穏を求めてみる   作:さっきのピラニア

13 / 60
本日も駄文ですがお楽しみください。


無人島④

さて、愛しの拠点から移動して、今はAクラス拠点の洞窟の前。

見張りは先日いた葛城の隣に居た男子生徒、名前はまだ知らない。というか興味ないんで聞かなかったな。

 

「こんにちは~葛城君います~?」

 

「…あんな突っかかり方しておいてお前はまた来たのか…?今は葛城は奥で休憩中だ。で何の用だ。」

 

「いや何となく。葛城君元気かなーと思ってさ。」

 

「はぁ何言ってんだお前?頭おかしいんじゃないのか?」

 

「客観的にはそれは否定できない所が痛い所。で、呼んでもらって良いですかね?」

 

「うわぁ話通じないよコイツ…」

 

…くだらない禅問答をくりかえしていると、洞窟の奥から足音が近づき、帳が開く。葛城の登場である。何度見てもデカいなコイツ。それより気になるのが何でこいつ上裸で弓背負ってんの!?その出で立ちで下半身馬だったらケンタウロスって呼んでまうわ。

 

「…何事だ?……お前は確か…赤羽だったか…Aクラスの拠点に何の用だ?こちらとしては他クラスとは接触する気は無いんだがな。」

 

「そんな釣れない事言わないで相手してくれたって良いじゃないかぁ。強いてしまえば暇つぶし?俺とお前との仲じゃないか、話すのまだ二回目だけど。いやぁ~警備も厳重になったねぇ~。他のクラスと揉め事でもした?」

 

ただでさえ強面の葛城の顔が更に険しくなる。おー怖い怖い。隣の彼も大分ビビッてるじゃんかよ。

 

「…どうして気付いた?」

 

「いや分かるっしょ。こんな分かりやすい気配。」

 

木陰からAクラスであろう人物達が出てくる。数は全員合わせて11人、防衛にしては人数が多すぎる気がするねぇ。中に何か隠してるか情報を外に漏らさないためか。…もしかしてこの中にワンピースが!?ってそんなわけないよねピーッパッパラッポ。あいむすきゃっとま〜ん。

 

「この前は見逃してやったが、1つのスポットを1つのクラスが占有する、その暗黙のルールを破ったらどうなっているか分かってるだろうな?」

 

「勿論。現に俺は暇つぶしに来ただけ。争うつもりは無い。おーけー?」

 

「…フン、下らんな。怪我をしたくなければ大人しく帰る事だな。この人数を相手にするなら話は別だが?」

 

このハg…じゃなくて葛城の顔が相変わらず大分怖い。本当に高校生ってレベルよ。後ろからゴゴゴって音聞こえてきそうだもん。

 

「う~ん…棒を持った人を殴った事も無いカカシがいくら揃ったって、俺は制圧できないよ。ち・な・み・に・。先にそっちが手を出したらそれなりの対応は取らせてもらうよ。俺の懸念はそっちが勝手に襲ってきて返り討ちにして、Bクラスに迷惑かける事ぐらいかねぇ。」

 

俺は周りを見渡しながら答える。棒の持ち方が素人ばかりで吹き出しそうになる。

 

「…それとも…アンタが相手してくれるの。その獲物を使ってさ。」

 

俺は笑いを堪えながら葛城の背後の弓を指差す。多人数を相手にするのも良いが、やっぱりやり合いはサシでしょう。さて、相手はどう出るか。

 

葛城が返答する前に、横の生徒が棒での攻撃を仕掛けてくる。威嚇なのか単調でつまらない一撃。

俺は特に焦る事もなく、振り下ろされた棒を避けてすれ違い様に奪い取る。

 

「…そちら側から仕掛けて来たってことは、正当防衛は成立って事で良いっすかね。」

 

俺は奪い取った棒切れを上に放り投げる。

その棒切れ目がけ、シッ、と短く息を吐き手刀を振り下ろす。

カラカラリン、と真っ二つになった木片が足元に転がる。…後で薪にするんなら縦に割っときゃ良かったな。

 

その様子を見てA クラスの面々が後ずさる。

これはメッセージだ。次の仕掛けて来た奴はこの木片と同じになるぞ、と。

 

膠着状態が続く。誰からくるか、誰からやるか。そんな事を考えていると、

やはりこの静寂を破ったのはこの男。

 

「…聞きたい事がある。Bクラスを仕切っているのは本当に一之瀨か?お前が裏で糸を引いているんじゃないか?」

 

「いや、一之瀨で合ってるよ。俺みたいな人望もない奴が委員長務まる訳無いでしょうに。…で、やるの?」

 

「…やらん。…お前が裏で操ってるわけではないのは本当なんだな。」

 

「本当だよしつこいなぁ。…そっちの質問に答えたから俺からも質問だ。AクラスでCクラスの人間を匿っていたりするか?」

 

「…?…いや、そんな奴はここにはいない。」

 

「本当にぃ?」

 

「…お前は俺に悪魔の証明をしろと?」

 

「…うへぇ、一本取られましたねぇ。…AクラスにCクラスは匿っていない。そう言う事にさせてもらいますよ。んじゃ、俺は戻らせてもらいますよ。また暇だったら来ますよ。」

 

「…」

 

葛城は何も答えない。手を出してくるような気配もない。沈黙は金と言うが、裏を返せばYesともとれる。

俺も何も言わず。その場を去らせてもらった。特に追っ手が付いてくる事も無かった。

 

帰路につきながら思案する。内容はCクラスから追い出された人間がスパイかどうか、だ?

Cクラスの人間を匿っていれば白、そうでなければ限りなく黒に近いグレー。俺はそう予想した。理由は3つ。スパイ(仮)の外傷が顔面だけと言う事。動きを見る限り日常動作に支障が出ている様子は無かった。龍なんとかさんあたりが同情を誘う為、分かりやすい怪我を負わせたとすれば納得がいく。2つ目はBとDクラスが同盟を結んでいる現状で、AとCクラスが最も選択の可能性が高いのはこちらも同盟を結ぶ事。Bクラスが一番困るのはAとDクラスの同盟だったのだが、それは一之瀬が以前の暴力事件の際に回避している。最悪を想定していたのか、単なるお人よしだったのかは彼女に聞いてみるしか真意は分からないが。

3つ目は何かまではさっぱり分からないがAクラスの洞窟の中にあるであろう隠し物の事。それは今回の警備の人数の多さから推測がつく。あの人数を割いていれば多少なりとも食料に不満が出るはずだ。他クラスと比べて一番生存に必要な水源から離れているにもかかわらず選択してるのも気になる所。一番有力なのはCからAに食料中心に物資の融通。そして何か密約が交わされた。Cクラスが今後Bクラスを落とすための何か、と考えるのが妥当だろうか。もし、A・Cクラスに優待者を当てられた場合は100ポイント失う。と、いうことはおそらくCクラスは無人島の中に残っている。最低一人、または複数人で。もし一人の場合、島の中を探索してスパイを逃がすのは完全に愚策。俺の中ではスパイ(仮)の監視を行うことで固まった。

それにしても葛城も甘ちゃんというか慎重というか。あの時あの人数差で仕掛けて来なかったのは、あまりに消極的過ぎる。怪我の一つでも負わせられただろu…いや無いな。

 

 

 

拠点に戻り、俺は一之瀬の所に向かう。

 

「一之瀬、ちょっと良いか?」

 

「にゃ?どうしたの赤羽君?君から話しかけてくるの珍しいね!」

 

「ちょい~と気になる事があってね。Aクラスってどんなクラスなのかなって。雰囲気というかそんな感じ。」

 

「赤羽君が他人に興味持つの珍しいよね。…う~ん。私が知ってる事と言えば、Aクラスは葛城派と坂柳派で分裂してるって事位かな。今回は坂柳さんがお休みしてて、葛城君が代表として指揮を取っているみたいだよ。」

 

「ほぇ~そんなクラス事情があるのね。他のクラスと比べて、Bクラスはめちゃ平和ってことね。」

 

「委員長の仕事も大変なんだよ!孤立しちゃってる人もいるし!」

 

「それ完全に俺の事ですねホンマすいません…」

 

「それでさ、何か気になる事あるの。Aクラスの事?」

 

「…いや、俺の思い過ごしだったみたいだ。気にしなくて良い。」

 

「そっか…じゃ何か分かったら教えてね!約束だからね!」

 

「ほいほい。俺は寝床に戻らせてもらいますよっと。」

 

木を駆け上がり、俺は寝床へと戻る。ここだけが今無人島内で唯一の安息の場所だ。Aクラスの分裂しているとは知らなかった。つまり、今洞窟内には何か隠されている可能性もより高まった。かといって現状を打開できる策を思いつくわけでもないので、状況が動くのを待つしかない、スパイ(仮)が動きを見逃さない様にしないとなぁ。




ストックが早くも無くなりそうです。降りてこい新ネタ。降ってこい文才。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。