実力至上主義の学校で平穏を求めてみる   作:さっきのピラニア

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ガバガバな物語ですが、作者の道楽ということでご容赦くださると幸いです。


無人島⑤

 

 

三日目以降、スパイ特に動きは無かった。

ぶっちゃけ暇である。多少増えた食料調達ノルマをクリアし、あとはこっそり監視するだけである。見る人が見たら、ホモである。まずうちさぁ、屋上(ハンモックの上)あんだけど....焼いてかない(日光浴)?

 

 

…六日目、遂に動きがあった。大分待たされました。…耐え忍ぶ者 それが忍びというものよ…

同じクラスの…たしか白波だったか…?と、スパイ(仮)が森の奥へと消えていく。俺も気付かれない様、後を追う。

 

俺は白波がカードを取り出し、スパイ(仮)が写真にバッチリ収めるのを見届ける。

というかウチのクラスのリーダーって白波だったのね。僕ちゃんBクラスなのに知らなかったよ(血涙)。リーダーが裏切りって…Bクラスは団結力が売りな所は返上しないとですなぁ。一番団結乱してる俺が言うなって話だけど。

 

二人が解散した後、スパイ(マジ)の尾行を開始する。

 

森の奥深くでトランシーバを取り出しかけた瞬間に、俺は彼の意識を刈り取った。

カメラとトランシーバーは別々にし、隠しておく。メモリーカードは念のため塵(物理)にしておいた。

 

俺が考えた案は二つ。尾行し、おそらくリーダーである龍園の居場所を付き止め、その現場を押さえる事。

もう一つは、スパイが確定した後、彼を裏で抑える事。

 

今回は証拠を写真で収めたのを確認した為、後者を選択した。前者はぶっちゃけ、俺自身へのペナルティを怖れたためである。つまりチキンである。ポンコツである。その方法だとリーダを当てられる事を防げないというのも理由ではあるのだけれど。

後者のデメリットは口頭でリーダーを伝える可能性がある事である。これはカメラとトランシーバーを持っている事から可能性は低いと考えた。彼は龍なんとかさんの潜伏場所を知らされていない。龍なんとかさんは全ポイント放出という大胆な案を使いながら、慎重さも持ち合わせたタイプだと推測した。クラスメイトを本当の意味で信用していないって言った方が正しいか。

ぶっちゃけ中途半端で穴だらけな予測である。これが俺の能力の限界ってことだ。後は運を天に任せるだけ。…と言いたい所だけど、監視生活からやっと解放されたので、深夜の外出をそのまま続けることにする。この圧倒的な解放感、たまんねぇっすわ。

 

木々を飛び移り、闇の森の中を移動する。気分は完全にナ〇トである。でも火遁も雷遁も土遁も出来ない模様。

 

暫くひゃっはーしていると、人の気配を探知。バレていないかちょっとハラハラしながら木上の陰に身を隠す。客観的に見たら俺の動き完全に猿である。猿かぁ…。

 

下の方を見下ろすと確かCクラスの伊吹がいるのが確認できた。俺は彼女の前に降り立った。

 

「うひゃぁっ!何!?…って赤羽か…」

 

「ど〜も〜!その反応酷くな~い釣れなくな~い?」

 

「U・Z・A」

 

「うわぁマジで酷いなコイツ…ってことは。Dクラスのスッパイさんは伊吹ってことね。オーキードーキー。」

 

「…どうしてそれを知ってる?」

 

「Bクラスにもスパイが潜入してたからな。いや~尻尾掴むまで苦労しましたよホント。」

 

「…アンタが知ってるってことは、アイツはミスったって事ね。使えないわね。」

 

「よっぽど俺よりBクラスに馴染んでましたよ。なんか言ってて悲しくなってきたな…」

 

「じゃ、私は船に戻るから。」

 

「もし俺が今龍園を探してるって言ったらどうすr…っていきなり仕掛けてこないでくんなまし。人が話してる途中でしょうよ。」

 

人が喋ってる顔に上段蹴りとか、えげつない事しますねぇ…いや実践格闘なら起こりえるかぁ。

 

「とは言え不意打ちの割に前みたいな技のキレが無いねぇ…誰かと一線交えた?それとも無人島生活疲れちゃった?」

 

「…ツッ!…うっさいわ。ねっ!」

 

罵声をこちらに浴びせながら攻撃の手は止める様子はない。

 

「手を出して来たって事は図星ですかぁ。手を出してきたのはそっちから。こっちもぼちぼち反撃させてもらいますよ。」

 

対人でしか試せない技があるのでやってみますか。流石に死んだりしないよね、多分。

勝負所と見たのか、はたまた無理を承知での特攻か、頭への蹴り。それを避けず、逆へ前に出て腕で止める。足技は如何に先端を相手に当てるかが要。それができなければ威力はほぼ無いに等しい。

前に出て防がれるとは思っていなかったのか、後ろへ退くのが僅かに遅れる。俺は掌を彼女の鼻と口に密着させる。掌を当てられた身体は糸を切れた人形の様に崩れ落ちた。…上手くいきましたねぇ。

 

空掌ーーー拳の中に酸素比率6%以下という、人間にとって有害な真空状態を作り出し、物体に接触させ急激に押し戻す技。吸い込めば意識を失い、その場所を抉りとることも可能である。

 

気絶した伊吹を木に預け、意識が戻るのを待つ。烏が俺にまとわりついたり、バイクを素手で止めたり、人を背負って川を渡るイベントは起こりません!

 

あと流石に意識の無い女子を放置するのはねぇ…薄い本が厚くなっちまうよ…!

とか要らんことを考えていると、伊吹が意識を取り戻す。俺を見るや否やクソデカ溜息をはきだした。

 

「…負けたわ。龍園の所でも好きな所に行きなさいよ。私にはアンタを止められない。」

 

「居場所を話す気は?」

 

「無い。というか分からない。多分明日の制限時間まではどっかに潜伏してるんじゃない?」

 

「ほ〜ん、じゃ俺は拠点に戻ることにしますかねぇ。」

 

「何、探さないわけ?私に情けをかけるつもり?」

 

「伊吹の今までの努力を無駄にしない俺なりの気遣いですますよ。保険をかけるなら龍なんとかさんを見つけた方が得策ではあるけどねぇ。」

 

「情けと変わんないじゃない…あと、さっきの技は何?逃げようとして気付いたら、もうやられてた。」

 

「それは企業秘密。情報引き出されたくないんで、ぼかぁは帰りま〜す。」

 

「あ!ちょっと待ちなさいよ!…クソ、逃げられた…」

 

 

 

――伊吹視点

 

龍園への報告が終わり、一応私の役割も終わらせることができた。想定外のトラブルもあったけど。これでDクラスは終わりだ。Bクラスも上手くいけば差を縮める事が出来る。

龍園の言いなりになるのは癪だけど、アイツに従うしかCクラスが上に上がれる方法は無かった。

 

船に戻る途中で、上から何かが落ちてきた。猿か何かかと思ったら、赤羽だった。一番出会いたく無い、逆立ちしても勝てる気がしない相手に。彼は軽口を挟みながらこう言っていた。

 

「もし俺が今龍園を探してるって言ったらどうすr…っていきなり仕掛けてこないでくんなまし。人が話してる途中でしょうよ。」

龍園が見つかったら無人島での私の苦労が、Cクラスが上に行く大事なポイントがパーになる。それはどうしても避けたかった。

 

アイツは話し続けるが攻撃する手は止めない。こっちが攻めているはずなのに弄ばれている違和感が拭えなかった。

 

決めてを欠いた攻めでは、直ぐさま反撃が待っている。可能性は限りなく低いが意識を刈り取れれば、最悪少しでもダメージを与えられれば良いと思って放った今日渾身の蹴り。

でもそれは通用しなかった。気付けば私は気絶させられていた。アイツの手が顔の前にあった所までは覚えている。でも何をされたのか全く分からなかった。

 

私以上に遥か先へと行ってしまった様な錯覚へと陥ってしまう。腕っ節ではそこらの男子には全く負ける気がしない。でもこの男には私の技が全く通用しない。たまらなく悔しかった。

 

結局、アイツは何をしたかも教えてくれず、かといって龍園を追うこともせず。何処かへ去ってしまった。疲労の色濃く残る身体を引きずり、私は船に戻った。次は絶対にひと泡吹かせてやる。

 




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