時は大して変わりませんで、体育祭の練習です。Bクラスは一之瀬を中心にまとまっているので、振り分けは大きな不平不満が出ずに最終的に決まった。俺が出る競技の順番は殆ど最初になった。他クラスの出場選手の情報が無い現状でクラスを勢い付けるのが俺の役目である。他クラスも様子見で無難な生徒が来れば堅実に勝ち星を貰い、同様の戦略を取って来た場合は勝って相手クラスの戦意を落とす重要な役割である。一番槍としてかき回させていただきます。
俺は結束力が求められる練習をぼちぼちしながら、他の生徒の指導に当たる。殆どクラス内で人と絡んで来なかった為、最初はぎこちない感じではあったが、一之瀬や何故か俺に友好的な水泳部の助けもあり何とかなっていら。一ノ瀬さんの真の狙いってクラスが勝つことじゃなくて俺をクラスに馴染ませる事の様な気がしてならない。知らんけど。あと未だに水泳部にちょくちょく勧誘するのは止めていただきたい。
俺が一番懸念していたのは二つある二人三脚だったが、両方足の速めの相手と組めたので問題ないでしょう。なんか配慮してくれました。俺のポイントは殆どクラスで分ける予定ですしおすし。
さてさて、時間はすっ飛ばしまして体育祭本番です。
クラス内の指導も怒られない程度にやりつつ、準備はしてきましたんで、勝つか負けるかは運次第。人事を尽くして天命を待つって事です。
最初の100メール走、この組で速そうな相手はD クラスの喧嘩大好きボーイこと須藤選手。
体育祭の練習の偵察でリーダー的ポジションにいた情報もあるので、ここでDクラスのモチベーションを落として差を付ける機会を得られたのはラッキークッキー八代亜紀である。コーナーで差を付けろ。
「あらら、須藤さんでないかい。お手柔らかに。」
「あ?集中力が途切れるから話しかけんな。」
「いやん、釣れないにゃあ。」
そんな御託もそこそこにスタート地点へ並ぶように合図があったので大人しく並ぶ。位置について…よーい…パァァン、と開始のの雷管が鳴り響く。スタートから抜けたのは須藤と俺。そんでもってちょっと俺がリードなう。
他のクラスからは驚きの声があがっているのは、俺が腕を組んで十傑集走りしているせいでせうか。流石Dクラスのエースと言った所で、突き放しを図っても須藤は離されまいと、しっかり付いて来ていらっしゃる。とはいえ、最初に付いた差はどうしようも無いもんで、俺が1位でゴールテープを切らせてもらいました。
D クラスからは溜息が、Bクラスからは歓声が沸き起こる。一応一番槍としてお仕事は出来たようですねぇ。
「クソッ!」
レース直後、悔しそうに須藤が太股をパンッ!と叩く。スマンね。こっちもクラスで大見得切った手前、負けられないんですよ。
「…お前、意外と速いのな。完敗だぜ。」
「逃げ足だけは速いもんで。俺以外だと須藤が一番速いんでないかい?」
一時期須藤に追いかけられて一度も捕まっていない事はお忘れの様らしい。
「お前に言われても嬉しくはねぇよ。次は絶対勝つ。」
手を、出されるかと思ったが穏便に話が切り上がる。彼は見た目に反してスポーツマンシップはあるようですねぇ。夏休み前に何度か殴りかかられたけど。
「お疲れ様〜!Dクラスエースの須藤君に勝っちゃうなんてやるねぇ赤羽君は!」
とてとてと一之瀬が近づき、うりうり~、と肘でこちらを小突く。
「はいはいありがとさんありがとうさん。」
学年でトップクラスの運動能力の須藤との直接対決に勝てたのがクラスの士気上げに繋がれば良いですねぇ。
「じゃこの調子で他の競技も頼むよ!応援してるぞエースっ!」
エースと言われると、期待されていると思う前に某敗北者を想像してしまう。ハァ…ハァ… 敗北者……?
「そちらも負けじと一位をもぎ取ってくれると嬉しいねぇ。」
「ニャハハ…ちょっと自信ないけど、頑張ります!」
一之瀬は運動神経が悪い訳では無いが、女子のエースを張れる訳でも無いので、人には適材適所ってものがあるもんで、全てが完璧ってのは難しいよね。こういったクラス対抗でのポイントの争いは、中堅どころが僅差でも良いので勝つのが重要である。俺が出来るのはその勢いを作るサポート位なものである。
次のハードル競争は特に対抗馬になる相手はおらず。俺は特に問題なく一位を頂く。競技の最初に登場して変な走りで一位をかっ攫うやべぇ一年がいるという噂が流れ始めている様だが多分俺ですね。帰宅部だったためか、俺のマークは現時点ではそれほど厳しい印象は無い。選手のオーダーは体育祭前に事前提出になっている為、分かっていても既にどうする事が出来る訳では無いのだけれど。
Bクラスのもう一人のエースである柴田も同様に一位を取れていたので、Bクラスの運動できる組は順調な滑り出しとなっている。
さて、ぼちぼち始まりました体育祭、何事も無く進んで行けば良いけど、どうなるんでしょうかね。
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