嬉しくて一人転蓮華です…
高評価して頂いた方々ありがとうございます。これからも楽しめる話を書けるよう精進します。
日は変わりまして週末。日課の鍛錬を終え、俺は部屋でテレビを見ながらダラダラしていた。体育祭も終わって束の間の休息である。坂柳という不安要素は増えたけど…
ペコポーンと部屋のチャイムが鳴る。ここは地球。扉を開けると一之瀬さんのご登場である。何の御用ですかね?
「はい~何で来たか分からんけどようこそ~。」
「お邪魔しま~す!って、甚平って渋いね赤羽君…」
「気にしなすんな。どうぞ入りんしゃいよ。」
一之瀬の言葉はさておき、部屋への招き入れる。
「…!?…おぉ…和室だね…なんか赤羽君っぽくないね…」
なんだァ?テメェ…喧嘩売ってんのかぁ?
と、ご冗談はさておき、一之瀬が呟いた通り、部屋のテーマはザ・和室である。
フローリングは流石に剥がすことは出来ないので畳っぽい茣蓙を敷いて和室っぽくしており、机とベットは撤去してある。そのため、他の生徒の部屋よりは広めである。寝る時はクローゼットから布団を引っ張り出している。真ん中には冬には炬燵としても使える正方形の座卓が鎮座している。
流石に障子は設置できなかったので、窓の外に簾をかけ、日差しを遮る効果と景色をそれっぽくしている。
壁には秋口になので薄の掛け軸を飾ってある。冬になったら鶴に変更する予定である。
ベタだが白檀のお香も焚いている。檜も好きだが、今日は白檀の気分だったので。ただマンションは風通しが良くは無いため、数分燻らして残り香を楽しむ程度にしている。クローゼットから座布団を引っ張り出し、一之瀬が座るであろう所に置いておく。
「…なんか…田舎のおじいちゃんの家に来た気分だね~」
「お茶入れて来るので、そこに座ってちょいとお待ちを。」
「は~い!」
一之瀬には少しお待ちいただいて、いそいそとお茶を入れにキッチンへ移動。鉄瓶に火を入れお湯を作り、茶葉を入れた急須に注ぐ。湯気と共に滋味深いお茶の香りが広がる。お湯を注いで香りが解き放たれる瞬間が良いんですよね。急須で葉を蒸らし、温めておいた湯呑へ交互に注いでいく。最後の一滴まで注ぎ終わった後、お茶請けと共にお盆へ乗せ、部屋へと戻る。
お茶請けはネギ味噌煎餅と和菓子。来客用では全く無く、完全に自分が食べる用である。快適な室内で食べるネギ煎餅とお茶は贅沢なのである。
「…粗茶でございますが。」
「どうもどうもご丁寧に。」
コト…と座卓にお茶とお茶請けが並べられる。
お互い、向かい合わせに座り、まずはズズズ、と茶を一口。和菓子を黒文字にて一口大に切り、口に運び、さらに茶を啜る。
一之瀬も同様に和菓子を美味しそうにハムハムと食べ、お茶を啜っていた。ふふふ、たんと食べて大きくなりなさい。心はすっかりおじいちゃんである。
「…ふい~落ち着く~」
お菓子とお茶で気が緩んだのか、ふにゃふにゃな声で一之瀬が呟く。くつろぎタイムを満喫していただくのは結構なのだけど、何をしに来たのかしら。
俺は頬杖をつきながら何の用ですかねぇ…と呟くと、ハッ!、と彼女は目を見開く。和の雰囲気に呑まれていた彼女も本来の目的を思い出したらしい。良かったよ記憶を失って無くて。IBM5100を見つけられずに許して許して許して許してされるのはご勘弁である。
「にゃはは…えーっと、体育祭で赤羽君が貰ったポイントを返しに来たんだ。クラスで成績が振るわなかった人にはその分の補填はしちゃったけど、やっぱり本人が貰ったポイントだから返すべきだと思って。」
彼女はポチポチと携帯を操作する。俺の携帯のバイブが鳴ったので、おそらくポイントが振り込まれたのだろう。
「必要無いって言ったはずなんだけどねぇ…」
「赤羽君は頑張ったんだから貰っておいてよ。ポイントは幾らあっても困らないしね。」
「へ〜い有難く頂戴させて頂きますぅ〜」
「よろしい!」
彼女の用事が終わり帰るのかと思いきや、そのままくつろぎモードに戻っていく。この空間が気に入ってもらったのは良いが、半分ぐらいうまる~ん化している。ぽていととコーラ与えたら完全にうまる化改めほなみ~ん化しそう。クラスでの頼りになる彼女はどこへやら。
「赤羽君はさ~週末はどう過ごしてるの?」
「鍛錬してあとは基本的に部屋で過ごしてるねぇ。そちらさんは?」
「私は友達と買い物行ったりが多いかな~こっちから誘う時もあるけど誘われて行く方が殆どかな~」
「うわぁ大変そう…」
「それが楽しいんじゃん!」
「その気持ちが分かりませんで。週末の過ごし方の方向性の違いで解散ですね!」
「そ~ですnって解散しないから!そんなんで解散してたらキリが無いから!」
はぁ、と一之瀬はため息を一つ吐いて話を流す。お茶をずずーっと啜り、また話し始める。
「…あとさ、体育祭の時はありがとうね。いっぱい引っ張ってもらっちゃった。」
「運動でしか俺の見せ場は無いからねぇ。ま、俺なりに楽しませてもらったよ。」
「クラスの人とも仲良くなれたんじゃない?いざって言う時に頼りになる人って皆に思ってもらえたと思うよ。」
「どうなんだかねぇ…?部活の勧誘はあったけどな。陸上部とか空手部とか。」
「空手部?」
「誰か中学ん時の俺を知ってる奴がいたみたいでねぇ、断ったけど。」
もしかして堀北先輩が流したか。いや、あの人はそういう人では無いな。
「へぇ~結構凄かったの?」
「まぁぼちぼちよ。」
「運動神経良かったから結構良いとこまで行ってたり?」
「一応全国で優勝はしたけど。」
「凄いじゃん!有名人じゃん!」
「過去の栄光だからねぇ…今はどうなるやら。」
「体育祭でさ、他のクラスにも意外と運動できる人いたよね。例えば綾小路君とか。堀北会長ともの凄い速さで走っててビックリしちゃった。」
「いやぁ、あれ位は出来るでしょうに。」
「そういえば前も言ってたね。凄い強そうだって。」
「そのうちやり合いたいけど、あっちのやる気を出させるのが難しそうでねぇ…」
「にゃはは…荒事は程々にね…」
「へ~い。」
話が終わった後も、テレビを見ながらお互いにくつろいだり雑談しながら適当に過ごし、彼女は帰っていった。
その後彼女が何故か入り浸る様になってしまったのは別のお話。俺のプライベートはどこへやら。
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