実力至上主義の学校で平穏を求めてみる   作:さっきのピラニア

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本日も駄文ですがお楽しみください。


5月1日

5月1日、待ちに待ったプライベートポイント支給日だ。学校に向かい教室で確認したが十万ポイントは振り込まれていなかった。履歴を確認すると、六万五千ポイント増えていた。教室内でもその話題で持ち切りだった。世の中毎月10万円も貰えるほど甘くないよね。六万でも十分多いけど。

 

担任に話を聞くと、授業態度や生活態度がポイントに反映されているらしい。クラスポイントという形で。Bクラスは650ポイント。

 

放課後、学級委員長である一之瀬がみんなの前で話をし、授業態度を良くしてこれ以上ポイントの減少は無いようにしようという結論になった。クラスの皆も納得している様子だった。団結力と理解の速いクラスで助かるし、妥当な判断だな。教室にある監視カメラで授業態度とかを観察していたのだろう。学校の中と街中のカメラの位置を頭の中に叩き込んでおいた方が良さそうだ。なんか喧嘩ふっかけてくる不良少年もいるし。できればカメラが無い場所でそういう事はやったほうが良さそうだ。

 

「ねぇ、もしかしてこのポイント制度って気付いてたりした?」

 

一之瀬が話しかけてきた。さっきの話し合いで何も発言しなかったのは不味かったかね。

 

「いんや全然。どうしてそんな事を俺に聞くんだ?」

 

「カメラの事もあるし、白畑くんは察しが良さそうだから聞いてみただけだよ。そっかー残念。」

 

「俺はこれから予定があるから失礼するわ。話し合いも終わったようだし。」

 

「そっか、白畑くんにはクラスの皆ともう少し絡んでくれると嬉しいかな。結構一人でいることが多いし。」

 

「いやぁ、あの一件以来少し距離取られてる感じなんだよねぇ。皆も不良に絡まれたくないだろうししょうが無いんじゃないかな。」

 

「アハハ、それもそうかもね。」

 

「んじゃ俺はこれで失礼するわ。」

 

「じゃあね、また明日。」

 

教室を後にして学校を回る。改めて見るとそこら中に監視カメラあるのよねぇ。自販機で無料の水を飲みながら校内を回る。自販機の水が無料で飲めるって逆に良いことなんかと思うんだけどどうなんだろうかね。

 

 

校内を散策したあと、近所のスーパーに向かう。惣菜コーナーで値引き商品を漁っていると、視界の端に入学式と時目を付けていた少女がいるのを発見した。名前は知らん。他のクラスだしね。

 

「何でこっち見てんのよ?なんか用?」

 

「用って程じゃ無いんだけど偶然視界に入ってね。俺はB組の白畑 巧。君の名前は?」

 

「C組の伊吹 澪。よろしくするつもりは無いわよ。…もしかしてこの前D組といざこざしてたのってアンタ?」

 

「合ってるがどうして分かったんだ?」

 

「何となく同じ人種な気がしただけ。昔何かやってたでしょ。」

 

「まぁ多少はね。そのうちどっかで手合わせ願いたいもんだ。そこらの大人よりはよっぽど強そうだ。」

 

「今からでも良いわよ。ま、逃げるってんならそれでも良いけど。」

 

彼女はやたら自信ありげにこちらに言ってくる。

 

「あらら、それは願ってもないから手合わせお願いしようかね。できればカメラのないところでさ。」

 

お互い買い物もそこそこにカメラの無い路地裏に移動する。

 

「ルールはどうしようか?」

 

「どっちかが戦えなくなったらで良いんじゃない?」

 

「じゃあ、どっちかが参ったって言うのも追加で。」

 

「随分弱気ね。ま、私は参ったなんて言うつもりはないけど。さ、始めましょ。」

 

そう言って彼女は構える。綺麗な構えですねぇ。彼女は小柄だからリーチの長い足技主体で仕掛けてくるかな。どっちでも結果は同じかもだけどさ。俺は両手を顔の前に置き、前羽の構えを取る。

 

「はっ、随分弱気じゃない。守ってばかりじゃ私には勝てないわよ。」

 

彼女は構えの意図は読めるらしい。楽しくなりそうだ。

 

「初撃は譲ってやるさ。レディーファーストさ、なんつって。」

 

「そんな口、すぐ叩けなくしてやるわよ!」

 

そう言って彼女は上段蹴りを放ってくる。一瞬フェイントを入れてくるあたりは油断している様子は無さそうだ。片腕で受けた瞬間に逆方向に力を入れる。ほんの少しバランスを崩した彼女との間合いを詰め、彼女に首に手刀を寸止めする。

 

「これで一本かな。」

 

「私は参ったって言うつもりは無いって言ったでしょ!!」

 

そう言って彼女は俺の顔面にジャブを放ってくる。掌で受けて、距離を取る。威勢が良いなこの子は。確かに参ったルール追加したのは俺だけど、普通に無視してくるのは驚いた。

 

続け様に彼女は間合いを詰め拳を放ってくる。何発か躱し、受け流しをしながら反撃のチャンスを探る。彼女が回し蹴りを放った直後、間合いを詰め、両手首を掴む。そこから頭突きを食らわせて僅かに怯んだ瞬間に彼女の顎に軽いジャブを放つ。

 

俺のジャブはちゃんと決まったようで、糸の切れた操り人形のように彼女は崩れ落ちる。一応頭は打たないように支えておく。脳は揺らしたけどね。これで流石に決着だろう。

 

 

数分後、彼女は意識を取り戻した。こちらを一瞥して、

 

「…完敗よ。一発もアンタに当てられなかった。」

 

「まぁ何とかしのぎ切れたからな。」

 

「思ったより余裕そうだったじゃないアンタ。」

 

「俺は隙を見つけて攻撃しただけだからな。そっちの隙が無かったら、俺が負けていたかもしれない。」

 

「全く隙を見せなかったアンタが言うと嫌みに聞こえるわよ。」

 

「そりゃどうも。」

 

「私のクラスにはもっと強い奴がいるわよ。龍園とかアルベルトとか。」

 

「アンタ以外だとデカイ黒人にしか興味はないな。」

 

「アルベルトの事ね。龍園にも気を付けた方が良いわよ。彼は暴力でC組を支配しようとしている。そして頭も切れるから奇襲不意打ちには気をつける事ね。」

 

「忠告ありがとさん。もう立てるか?」

 

「もう立てるわ。そのうちどっかでリベンジするから覚悟しなさい。負けっぱなしは性に合わないのよ。」

 

「へいへい。んじゃあ連絡先でも交換しておきますか。気が向いたらまたやろう。実戦が少ないと鈍るのよね。」

 

「…分かった。」

 

 

彼女と連絡先を交換し、今日は別れた。いやぁ久々の戦闘らしい戦闘だったねぇ。たまには良いもんだ。しばらくはこれで退屈はしなさそうだな。




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