実力至上主義の学校で平穏を求めてみる   作:さっきのピラニア

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更新頻度が遅いのはスプラ3とポケモンと薩摩ホグワーツと妖怪と自分のせい。


追加試験

3月2日、ひな祭りイブの朝のホームルーム。クラス担任である星乃宮先生から新たな追加試験の内容が告げられた。というかひな祭りイブって何なんだチョコボール。

 

ざっくり言うとクラス内投票。クラス内の賞賛票三つ、批判票も三つ、そんでもって他のクラスへの賞賛票一つを誰かに投票しろとのこと。

そして集計結果でクラス内一位にはプロテクトポイントなる退学取り消し君を与えられ、最下位には『お前もう船降りろ』と某海賊が言ったんだか言ってないんだかの台詞と共に退学させられる、とのこと。

温厚そうな坂柳理事長にしては苛烈な内容な気がするが、娘がアレな以上100%否定出来ないのが悲しいところ。

 

さて、今回の試験は俺にとってはマジヤバい。

どれ位ヤバいっていうとマジヤバい。ヤバヤバのヤバヤバだよヤバヤバ。

クラス内の誰かが退学する場合、クラスで大きいグループにいる人物、つまるところクラス内カーストが高い人物程有利なのは間違いない。そして言わずもがなクラス内カースト最下位であろう、とある人は狙い打ちにされた場合は終了です。ジ・エンドのバッドエンドです。そいつはは野に放たれます。虎の様に駆け、人を襲い、何やかんやあってバターになります。

 

ぼっちざぼっちの俺ではあるが僅かながら股間から漏れる光の如くある希望としては、クラスでは圧倒的に身体能力が優れる点だけである。すっかり忘れていたが体育祭ではトップを勝ち取っているので、そこらへんと脂とニンニクと野菜マシマシに加味してプラスになってたら良いなぁ…なんか要らないの混じったな。

 

クラスでは質問が飛ぶ。全体でプラマイゼロになった場合は再投票。一位と最下位が出るまで続けられるとのこと。救いがないね。

 

放課後、教壇には一之瀬が立つ。議題はもちのロン、追加試験の内容である。

誰を退学させるか。クラス内に重苦しい空気が流れる。

 

「ごめんねみんな。忙しい人もいるかもなのに、集まって貰っちゃって。」

「私に心当たりがあるから、一任させてくれないかな?試験前日の放課後まで。もしそれが駄目そうだったら、また相談させてくれないかな?それまでクラスのみんなにはいつも通りに生活して欲しいんだ。」

 

「僕は一之瀬さんに任せたいな。僕たちは今までこうして上手くやれて来た訳だし。」

柴田が賛同の意を示す。それに続いてか一人、またひとりと一之瀬に賛同する声が上がる。誰も反対する者はいなかった。

 

 

追加試験の話し合いが終わりその日の夜。チャイムが鳴る。こんな時間に客人ですか、とおっちらえっちらドアを開けると、一之瀬さんのご登場。

「あーいいらっさい。時間には目をつぶるとして、一応歓迎しますよ。」

「遅い時間にごめんね。お邪魔します。」

 

そんなこんなで一之瀬を部屋に招き入れる。お湯を沸かしながらこれは面倒なご相談事でもあるのかなと多少辟易しながら、いつものが如くお茶を淹れてお出しさせていただきます。客人はいつでも大事にするのが俺流ですよ。

 

「どーぞ。」

「ありがとう。」

いつもの様に手を付ける事はしない。大分思い悩んでいる様子ですね。

  

「巧君は平常運転みたいだね。羨ましいや。」

「一之瀬委員長とは違ってお気軽な身分なもので。」

一之瀬からのちょっとした嫌味はさらっと受け流しておく。

「明日、私が巧君を退学させる。ってクラスの皆に伝えたらどうする?」

おぉっとその考えは至りませんでした。坂柳理事長が気を付けろと言っていたのはこんな場合を想定していたんですかねぇ…

そんな俺の表情に満足したのか一之瀬は言葉を続ける。

「フフッ嘘嘘。そんな事しないってば。もし誰かを切るってなったとしても特別試験で活躍してた巧君が挙がることは無いんじゃないかな。誰も退学させない方法は一応考えてはいる…かな。」

「ほ~ん。」

 

一之瀬から退学はない言われたっ点は一安心だが、俺にはクラス内の団結力があるという訳では無い人間でございまして、大変遺憾でイカンであります。

 

「でね、南雲先輩に協力を求めたんだ。一時的にプライベートポイントを貸してくれないかなって。」

「南雲先輩ねぇ…なんとなく嫌な条件提示されてそうにゃぁ。」

「にゃはは、一応この話は秘密ね。先輩に口止めされている話だから。」

「へいへい。」

 

生徒会繋がりで納得の相談相手ではある。条件に関しては一抹の不安があるが、一之瀬が誤魔化したのだから、あえて突っ込んでいくのはよしましょうね。

Bクラスをかばいすべての責任を負った一之瀬に対し、2年生の主、生徒会長南雲が言い渡した交渉の条件とは・・・

 

「あ~あ、今回の追加試験は学校側からの意地悪で、本当は退学者なんて出さないんじゃないかな、って思うのは楽観的にかなぁ?」

「そ~だったらいいでせうねぇ…そんなことはないんでせうねぇ。」

 

俺は携帯を取り出してポチポチと幾つか操作する。

一之瀬の携帯が震え、ん、と小さな声をだして携帯を確認し、瞳を大きく見開きこちらを見つめる。

「足りんと思いますが、とりま全部渡しときますよ。俺にはこれ位しか出来そうにないんでね。」

「…ありがとう。」

今回の試験、ぶっちゃけ出来る事は殆ど無い。もし、Bクラスで無かったら、自分の実績を誇示したり、票の操作だったり、と裏で根回しをするのだろう。俺にそんな大立ち回りが出来る訳ないけど。俺に出来る事と言えば、強迫くらいだが脅迫は悪手じゃよアリンコ、俺。逆に退学させられチャグチャグ馬コ。

 

「ま、どうしようも無かったら俺を退学させてくれていいさ。」

「…大丈夫。巧君も、クラスの皆も誰も退学させないから。」

その言葉は確信めいた答えなのかそれとも彼女の願望だったのか。それが分かるのは数日後、賽は投げられた、俺は匙を投げた他人任せにしてスミマセンネどうしようもないじゃないかすき焼き食べたい。ま、とにかく様子見です。後は中心人物たちが頑張ってくらはっさい。

 

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