さぁて、やってきましたよ中間試験。あれから、特に何もなく日課をこなしながら平穏な日常を俺は過ごしていましたよ。
勉強に関しては凡人ですからね。クラスの足は引っ張らないように勉強はそこそこにやってまいりましたが、どんなもんでしょうかね。
試験範囲はおおかた一之瀬からもらった試験範囲通りですねぇ。小テストで警戒はしていたけど杞憂だったみたいね。知らんけど。平均よりちょい上くらいは取れたんではないでせうか。
クラス内での俺の立ち位置は相変わらず。他のクラスより結束力が強いと言われているBクラスだけども不良は警戒されてしまうようなのよね。誤解だけど。一之瀬がそこはフォローしてくれてるようだけれども、第一印象は払拭し辛いなんですよね。時たま水泳部の彼が勧誘ついでに話しかけてくれる位。残念ながら断ってるけどね。
さっき結果も出て、クラスのポイントも増えて懐具合は全く寒くはない。自分へのご褒美にそのうち焼肉でも食べに行きましょうかね。ギュウカックギュウカック♪結果は可も無く不可も無く。勉強はそこそこ出来てりゃ良い派なので満足よ。
そういえば一之瀬から女子の護身術の指導をして欲しいってお願いされていたけどどうしようかね。ぶっちゃけ面倒くさい。流石にクラスの女子全員から金的はされたくないしなぁ。そんな事したらあだ名が金的になりそうで嫌です。可愛い女子に踏みつけられるのは良いかもね!(ヤケクソ)
最近は誰とも手合わせしてないから退屈だねぇ。平穏なのは良いことだけど、退屈は嫌なんですよね。人間って面倒くさい生き物ですよねまったく。
噂によると夏休みに学校で豪華客船での旅行があるみたいだけど、そんな美味しい話があるもんなんですかねぇ。美味しい話にゃ裏があるって死んだばっちゃんが言ってた。まだ全然元気に生きてるけど。
そろそろ新技も開発したいので、週末あたりに良い場所探しに行かないとなぁ。この街って監視カメラ多すぎて中々そういう場所見つけるのが大変なんだわさ。
で、放課後帰り支度をしていると一之瀬に話しかけられた。委員長も大変だね、皆の事を気にしないといけなくてさ。
「お疲れ赤羽くん!テストの結果はどうだったかにゃ?」
「まぁ普通よ。クラスの足は引っ張るつもりはないさ。腫れ物ポジションを確立しつつあるし面倒ごとは増やしたくないからね。」
「アハハごめんね私からも誤解は解こうと動いてるんだけど、ケンカの噂に尾ひれがついちゃって収拾つかなくなっちゃってるんだよね〜。酷いやつだとDクラスの人を半殺しにしたとかさ。」
「えぇ…そりゃあ距離取られるのも納得ですわ。俺から言っても説得力無いだろうし、一之瀬から言ってもらえると助かる。申し訳無いんだけどさ。」
「もちろん!赤羽くんもクラスのみんなと仲良くしてもらいたいしね!あと、女子の護身術の指導の件なんだけど、引き受けてくれる?」
「いーや、それはお断りしておくよ。これ以上変な噂立てられると困るしね。あと流石にクラスの女子全員から金的されるのは避けたい。」
「それもそうかもね。女子のみんなにはそう伝えておくね!」
「スマンな。んじゃ、俺は帰るわ、また明日。」
「うん!バイバイ、また明日だね!」
そう言って彼女と別れる。さて焼肉でも行きますね。腹一杯食うぞ!毒を食らわば皿までもっ!皿を食らわば盆までもっっ!!…って誰の言葉だったっけかなぁ。
たらふく焼肉を食べ、上機嫌で帰宅している途中、生徒会長の堀北先輩とばったり会ってしまう。入学式で代表挨拶をしていたような、していないような。まぁ全くの他人ってわけでもないので挨拶する。先輩だしね。
「堀北先輩、お久しぶりです。」
「赤羽巧か、久しぶりだな。この学校に入学してくるとは意外だったな。お前はもっと別の道に進むものだとてっきり思っていた。で、お前みたいな有名人がどうしてここに居るんだ?」
「夕飯の帰りですよ。あとこの街じゃあ堀北先輩の方がよっぽど有名人ですよ。」
「まぁそうかもな。どうだ?久しぶりに手合わせしないか?」
「先輩から誘ってくれるのはありがたい限りです。どこでやります?」
「…校内の武道場に行こう。あそこならこの時間に邪魔は入らないからな。」
「りょーかいです。」
俺達は武道場へ移動する。こんな場所で立ち合いするのも久しぶりだな。馴染む。
「どちらかがギブアップするまでやるか。手加減はしなくて良いぞ。」
「手加減するか決めるのは俺ですよ。じゃ、始めますか。」
堀北先輩は両手を胸の前に構える。オーソドックスな空手の構えですねぇ。俺は天地上下の構えを取る。前羽の構えでも良いけど堀北先輩程の相手だと警戒して打ってきてくれないからね。
彼は挨拶代わりジャブを放ってくる。半歩後ろ下がって避けるが、さらに踏み込んでくる。拳を下に受け流しさらに距離を取る。構えはもちろん崩さない。
「どうした?打ち込んでこないのか?」
「俺はそこまで攻め攻めのスタイルじゃないので。強みを生かせってやつです。」
彼は一歩踏み込み上段蹴りを放ってくる。俺は軽くしゃがんで避け元の体制に戻る。相手もすかさず顔面にジャブを放ってくる。俺はその拳を強めに上に捌く。…ここだね。
「シッ!!」
俺の蹴りは彼の正中線を捉える。正中線三段蹴り。流石に金的はしない。痛いからね。
モロに攻撃を食らった先輩は膝をつく。
「ぐガッ…参った。やはり勝てんな。」
「まぁこっちもこっちで鍛えてますから。急所突かれて完全にダウンしないのは流石ですね。」
「本気で攻撃してないのによく言うよ。…一つ質問だ。…一年間、お前はあそこで何を見てきたんだ?」
「あれ?この学校だと外部の情報って生徒は知ることができないんじゃなかったでしたっけ?」
「生徒会長は特別な権限があってな。」
「さいですか。その件は言えませんね。ただ、俺の求めるモノはそこに無かった。それだけです。」
「そうか。お前がAクラスに所属していないのは甚だ疑問だがな。」
「俺は武道しかないですからね。他は普通です。」
「何を言うか。それだけでも十分だ。」
「楽しかったです。またそのうち手合わせお願いします。」
「…なぁ、生徒会に入る気はないか?歓迎するぞ。」
「いやお断りします。プライベート第一なんで。」
「…そうか。気が変わったら声をかけてくれ。歓迎する。」
「頭の隅には置いておきますよ。」
そう言って彼と別れた。生徒会ね。入った時の特典ぐらい聞いておけばよかったかな。まぁそれは気が向いたらにしよう。
夜の街を歩く。様々な人が様々な立場を持って歩いている。ここは平和で平穏だ。俺はその平穏を噛み締めながら帰路についた。
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