史上最強のRTA ~梁山泊入門禁止縛り~   作:(´・ω・`)ガンオン修行僧

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いつもご愛読&ご感想ありがとナス! 誤字報告兄貴も愛してる!
そして次の休日が待ち遠しいので初投稿です。

お遊びアンケ、琳お姉さん強すぎぃ!


(誘拐事件)~

 邪悪な活人拳集団に拉致られるRTAはーじまーるよー。

 

 

 前回は横浜抗争編にてケンちゃんVSハーミットのフラグを無事回収した後、ホモくんが馬師父に拉致されてしまったところまででしたね(白目

 どうやら、蓮華ちゃんと戦おうとする趙円臣を止めたことで、活人拳側の人間として認識されてしまったようです。

 

 逃げる最中、琳師父は古傷のせいで無理がきかなかったようで、振り切られてしまいました。殺人拳側の琳師父が梁山泊に乗り込んでしまうとまずいので、馬師父ナイスですね。

 そして、気づけば蓮華ちゃんは何処かで降ろされていました。おそらくは白眉伯父の店付近でしょう。馬師父は自身を連れ戻しに来た蓮華ちゃんに、自身の居場所である梁山泊を知られたくないため、自分から梁山泊に連れて行くことはありません。

 

 

 そうしてホモくんが梁山泊に連れてこられたわけですが、どうやらホモくんは闇に反旗を翻したYOMIか何かと勘違いされているようで、とりあえずの安全確保として保護するべく連れ去られたようですね。

 原作でもこの時期のケンイチくんは闇や殺人拳について知らず、本プレイにおいてもまだ知らなくて良いとされているようで、師匠達から席を外すよう言われました。ケンイチくんは顔見知りのホモくんのことが気に掛かっているようですが、師匠達に従い退出します。

 

 さて、ホモくんがYOMIかどうか尋ねられました。実際にはホモくんはYOMIでもなんでもない、一般通過元闇人の弟子です。そのことを告げると、達人達の間に馬師父を責めるような微妙な空気が流れましたね。

 そして今度は、ホモくんが一体何者なのかという問いが投げかけられます。これは作中で何度か投げかけられる、アライメントや静・動の気などに関係する問いですね。今回は活人拳・殺人拳に関係するものでしょう。

 

 

 ホモくんはYOMIに所属していません。しかし、師匠は正式な闇側の人間ではないとはいえ立派な元闇人であり、ホモくん自身も一影九拳とするために鍛えられている身です。

 正直に話してしまったらアライメントが闇側に傾くでしょうから、ここは多少嘘を織り交ぜた活人拳側っぽい選択肢を選びましょう。

 ……あれ? 「活人拳を志す者である以上、友達である兼一くん達を助けるのは当然です」という、いかにも活人拳らしい選択肢が灰色になって選択できなくなっていますね。

 あ、どうやら「知性×」により嘘と真を織り交ぜた回答ができなくなっているようですね。というか活人拳・殺人拳が何かよくわかっていない可能性があります。どうして……どうして……。

 

 仕方ないので、もう一方の「正直に話す」を選びます。

 すると、ホモくんが「自分は闇?とかいうところに所属していた強くて綺麗でかっこいいお姉さんの弟子であること」「将来は一影九拳?とかいうのを目指して鍛えられていること」など、全て話してしまいましたね(白目

 話せば話すほど、空気が凍りついていきますね。それもそのはず、師匠達からすると、一影九拳を目指す元闇人の弟子の誘拐など闇への宣戦布告と捉えられかねず、まだまだ未熟なケンイチくんが襲われる可能性が高まり大ピンチになるからですね。

 なお実際は全然そんなことはない模様。

 

 

 ホモくんの話を聞き、またもヒソヒソ話をしていた師匠達が、何かを感じ取ったようです。なんでしょうか。

 ……り、琳師父!? 振り切られたはずなのにどうしてここがわかったんですかねぇ!?

 

 

 梁山泊の道場に飛び込んできた琳師父は、ホモくんを庇うようにして眼前に立ちはだかりました。そして逆鬼師匠の姿を認めると、滾らせていた殺気をさらに増して師匠達を睨みつけます。あかん(白目

 

 そして琳師父の様子に気づいた馬師父がどういう関係かを逆鬼師匠に尋ねると、逆鬼師匠と琳師父による過去編解説パートが始まりましたね。中身は以前聞いていた通り、逆鬼師匠の世界ケンカ旅行の際に戦ったことがあること、その時に負った傷が元で、琳師父が武の道を諦めることとなったというものですね。

 つまり琳師父にとっては、弟子を取り戻すためであり、私怨を晴らすための戦いでもあるということです。

 

 

 琳師父から爆発的な動の気が発せられ、その強大な気当たりと殺気に、師匠達が一挙に色めき立ちます。

 あちら側は逆鬼師匠が一歩前へ出て、絶対防御とされる前羽の構えを取ります。他の師匠達は手出しせずに、静観するようですね。安定の武人ムーヴです。

 

 琳師父の鋭い吐気音と共に、その姿が霞んで見えなくなりましたね。どうやらホモくんの目で追える速度を一瞬で超えていったようです。

 そして次に、逆鬼師匠と交叉するようにして拳を打ち抜いた琳師父の姿が一瞬見えたかと思えば、琳師父が弾き飛ばされてホモくんの横を後ずさっていきました。

 交叉した刹那に一撃貰ったようで、その口からは一筋の血が垂れています。一方の逆鬼師匠の右脇腹に僅かな裂傷があるのみですが、羽織っている革ジャンの右裾部分が大きく穿たれ、まるで槍で貫かれたような大穴が空いていますね。

 

 再び仕掛けるべく、血を吐き捨てた琳師父が腰を落とします。一方の逆鬼師匠も、今度は攻めるつもりのようで一歩前へ踏み出します。

 達人級同士に全力でぶつかられたら動画がヤムチャ視点になるからやめちくり~。これ以上は本当にまずいので、危険が伴いますが止めに入りましょう。

 

 

 双方が踏み込んだまさにその瞬間、ホモくんが二人の中間に飛び込んで制止しようとします。

 活人拳たる逆鬼師匠の拳(おそらく不動砂塵爆)がホモくんの鼻先で完全に制止し、その余波がホモくんの髪を残らず逆立ててますね。直撃したら死なない程度に即死します(?)

 一方の琳師父の一撃は、ホモくんの脇腹を掠めて左に逸れました。いくら琳師父とはいえ、殺意マシマシで放った一撃はそう簡単には止められなかったようです。

 

 HPの減り具合からして、本当に掠めただけですが軽く切れて血が少量飛びましたね。自身の手に付着した僅かな血を見て、琳師父が明らかに狼狽し、傷口を圧迫して止血しようとしています。

 その様子を見た逆鬼師匠はフッと小さく息を吐き、無言のまま背を向けましたね。どうやら上手く戦闘を止めることができたようです。

 

 そのまま、再び琳師父が殺気立つ前にさっさと帰りましょう。殺人拳側の人間とはいえ、梁山泊の達人達は悪事を働いてもいない人物を徹底的に追撃するようなことはありません。今回も例外ではないようなので、安心して帰りましょう。

 道場を出た辺りで、複雑そうな視線を向けてくるケンイチくんと目が合いましたね。あの様子では、おそらく話を盗み聞きしていたのでしょう。しかしここで話しかけてもタイムロスでしょうし、何より琳師父の手を離したら何をするかわかりませんのでさっさと撤収してしまいましょう。

 そして門を出る間際、馬師父から生傷に効く漢方薬を塗りこんだという貼り薬を貰いましたね。ありがとナス!

 

 

 

 

 

 

 はい、無事にガバをカバーし、ケンちゃんとなっつんのイベントを発生させることができましたね。この後も要注意ですが、取っ掛りは無事クリアです。

 この後はしばらくまたTKD兄貴を鍛えつつ倍速ですので、ケンちゃんの予定でもお話しておきましょう。

 

 ケンちゃんはこの後、ジークフリート兄貴との一騎打ちと無拍子の取得イベントを控えています。無拍子はケンちゃんの代名詞とも言える重要な技となりますので、絶対にこの戦闘を邪魔してはいけません。ジーク戦でなくとも取得は可能なのですが、その時期が全く安定しませんのでここで覚えさせるのが安牌です(1敗)

 そして次に、なっつんの家に出入りしていたケンイチの妹、白浜ほのかちゃんがロキに捕まり、ケンイチくんを誘き出す人質にされるイベントがありますね。

 これも下手に介入してしまったらなっつんが活人拳√に入らないため、ほとんどのチャートで参加しない方がベターとされているイベントですが、今回は色々と面白いフラグを踏んでいるためオリチャーを引っ提げて突撃します。

 早期に馬槍月と接触したであろうなっつんが、どういうスタンスを取ってケンイチと向き合うのかを見届ける必要もありますしね。

 

 

 ケンちゃんが梁山泊の修行を逃げ出し、新白連合の根城である空き教室に姿を見せ始めるとイベントの時期が近い証です。新白連合宛にロキから来た挑発で妹が攫われたことを知るんですねぇ~。

 お、噂をすればケンイチくんが来ましたね。ホモくんは新白連合のメンバーではないので、空き教室の近くに待機して見守ります。修行で痛めつけられた傷心の少年を見守るホモ(16)。

 

 ……おや? ケンちゃんがホモくんに話しかけてきました。あっそっかぁ……この間、梁山泊であった出来事が気になっているようですね。

 やはり師匠達からはまだ教えられていないようで、闇や一影九拳、殺人拳などについて聞かれますが、ホモくんは何一つとして他人に説明できるレベルで理解していないようで、要領を得ない回答しかしていませんね。この調子なら残りの会話はスキップしても問題ないでしょう。

 

 ホモくんとの会話を終えたケンイチくんが、新白連合がいる空き教室に入っていきます。

 そしてしばらくすると、ケンイチくんが物凄い勢いで部室を飛び出していきました。早速イベント開始ですね。はい、よーいスタート。

 

 

 

 いいところですが、長くなりそうなので今回はこのへんで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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―――――

―――

 

 

 活人拳の象徴的存在であり、殺法を是とする闇と対局に位置する集団、梁山泊。並みの達人が束になっても敵わない豪傑が幾人も集うその場に、アタシは何の迷いもなく飛び込んだ。

 あの子を連れ去った馬剣星はこの身体のせいで見失ってしまったが、奴は間違いなく梁山泊へ戻るはずだ。()()()()理由で知り得ていた梁山泊の場所が、まさかこんなところで役に立つとは思わなかった。

 

「アタシの弟子を返してもらう!」

 

 弟子の前に降り立ったアタシの目の前にいたのは、よりによって()()逆鬼至緒だった。

 滾らせていた自身の殺気が、いよいよ抑えきれなくなるのを感じる。アタシから武と夢、全てを奪った男が、今度は大切な弟子……次なる夢を叶えるための存在を奪おうと言うのか。

 どこまで人を虚仮にすれば気が済むのだ。

 

 

 うだうだと他人(ヒト)の過去を話す逆鬼至緒を尻目に、あらん限りの動の気を練り上げ、解放し、掌握する。

 アタシから発せられたその強大な気に、達人共の目の色が変わった。

 どうやら逆鬼至緒が一人で相手をするらしい。お優しい、実に活人拳らしい行為だが、その選択がお前達を殺すのだ。

 

 先手必殺を地でいくあの子のために密かに編み出した技を、よりによってあの男にぶつけることになるとは業腹だが、たった一撃に賭けるとするならばこれ以上のものは思い浮かばなかった。

 

 

 動の気で極限まで強化されたアタシの両脚が、道場全体を震わせる。

 そして普段はただ爆発させるように、無軌道に解放することが常の動の気を鋭く研ぎ澄ませ、ただの一点に凝縮させる。

 その凝縮した動の気を、捻りを加えた右打突と同時に解放した。

 

 長期戦を苦手とするあの子のために編み出した、アタシの武の全てを注ぎ込んだ無二の一撃。

 音すらも置き去りにした拳は、しかし逆鬼至緒を捉えきるには至らなかった。

 逆鬼至緒の脇腹を掠めて浅く切り裂いた拳は、奴の着古された皮のジャケットを穿ち、風穴を空けるに留まった。

 

 そして尋常ではない重さの拳に弾き飛ばされ、アタシの身体は数メートルは後ろに撥ね飛ばされた。

 

 

 しかし、その程度で止まるアタシではない。

 今度は攻めに転じるつもりの逆鬼にも怯まず、再び打ちかかる。

 

 ―――その時だ。頭が真っ白になる出来事が起こったのは。

 

 

 基樹は昔から、時折とんでもないことをやらかす子だった。

 あろう事かこの日は、達人同士が激突するまさにその瞬間、何の守りも取らずに両手を広げ、逆鬼至緒に立ち向かうようにして割り込んできた。

 

 

 逆鬼至緒のドテッ腹をぶち抜くつもりで放った拳は、そう簡単には止まらない。

 すんでのところで軌道を逸らしはしたが、アタシの拳は基樹の脇腹を掠め、切り裂いて血を迸らせた。あの子の口から苦悶の声が漏れる。

 その鮮やかな赤色を見た瞬間、頭の中は真っ白になっていた。

 目の前にいる怨敵のことも頭になく、自身の衣服の一部を破いて止血を試みる。

 

 ―――よりによって、この子を傷つけてしまった……他ならぬこの拳で。

  

 

 

 それからのことはよく覚えていない。

 何故あの化物共に見逃されたのかもわからぬまま、アタシと基樹は家まで戻ってきていた。

 記憶にあるのは、アタシの腕を引いて歩いていく温かい手と、大丈夫と繰り返す優しげな声だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

―――――

―――

 

 

「殺人、拳……?」

 

 師匠達の言いつけに反し、鉾崎くんと師匠達の会話を聞いてしまった。

 殺人拳という言葉が意味するところはまだよくわからないが、きっと恐ろしいものであることはわかる。

 ただ、その殺人拳の頂点らしい一影九拳という存在を、よりによってあの鉾崎くんが目指しているという話はにわかには信じ難かった。

 

 一体何故? いつも快活で、弱い者が虐げられることを許さず、何度も僕を助けてくれた彼が。

 だって、さっきも窮地に陥った僕と蓮華さんを庇って、あの強そうな人と戦ってくれたばかりじゃないか。

 

 

 

 「誰もが見て見ぬふりをするような悪を片っぱしからやっつけるヒーローになる」という僕の信念を抱く切っ掛けになり、憧れでありいつか守りたい人(美羽さん)と並んで僕の目標である彼がそんな人間だと、僕は信じたくなかった。

 だから、僕は正々堂々と彼に聞いてみることにした。

 

 彼はその"闇"という組織のことをあまり理解していなかったようだが、決して否定はしなかった。そればかりか、その頂点である一影九拳という存在になり、師父の夢を叶えたいとも言い放った。

 しかし誰も殺すつもりはないし、目の前にいる悪人は片っ端から倒してやると息巻く彼が何を考えているのか、僕にはさっぱりわからなかった。悪の親玉を目指す正義の味方(ヒーロー)なんて、聞いたこともない。

 

 彼の師父……あのお姉さんにしたってそうだ。

 あのとき逆鬼師匠に向けられていた殺気は間違いなく本物で、正面から受けず、襖を挟んで覗いていた僕ですら身動き一つ取れなくなっていた。生きた心地がしないとはこういうことかと、体で実感させられた。

 しかし鉾崎くんが怪我をしてからの彼らは、どこからどう見ても、おろおろする優しいお姉さんとしっかり者の弟のような、普通の姉弟にしか見えなかった。

 

 逆鬼師匠も近しいことを感じていたようで、あんなもん見せられちまったらぶっ飛ばす気になれねぇと、ため息混じりに言っていた。

 ……そんな彼らが、殺人こそが武の本懐とする恐ろしい組織の頂点を目指すなんて、やっぱり変だと思う。

 

 

 僕は言い知れぬ感情を胸中に秘め、あっけらかんと笑う彼と別れたのだった。


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