史上最強のRTA ~梁山泊入門禁止縛り~   作:(´・ω・`)ガンオン修行僧

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焚書すべき害悪は分厚くした方が良く燃えるらしいので本作ももう少し分厚くしておきましょう。誰も覚えていないので実質初投稿です。


(約束の果て)~

 ケンちゃんが山篭りに行ってくれないRTA、はーじまーるよー。

 

 

 前回は何故かケンちゃんが新白連合と一緒にいる状態のまま、ラグナレクとの最終決戦が始まってしまったところでしたね。

 

 ラグナレクが襲撃する予定の親睦会ですが、幹部クラスのみが集まる幹部会とその他が集まる親睦会に分かれています。

 原作では、親睦会の会場と幹部会帰りのTKD兄貴と宇喜田兄貴を第二拳豪バーサーカーが、幹部会帰りのキサラ姉貴を第三拳豪フレイヤとワルキューレが襲撃しましたが、今回は幹部会にケンちゃんも出席しているのでどうなるかわかりませんね……。

 

 仮にハーミットが新白連合側で参戦するとしても翌日以降ですし、ロキも神聖ラグナレクをどう動かすかをホモくんにあまり教えてくれないため、どうなるかが全くわかりませんね。

 それに何より、ケンちゃんがこの時期の山篭り修行へ行っていないとするならば、絶対に龍斗に勝つことはできません(絶望

 

 しかし、そこを何とかするのが走者たる私です。高度な柔軟性を維持した臨機応変なチャートで乗り込んでいきましょう。いざ鎌倉!

 

 

 

 

 まずはホモくんの―――あ、また雷薙ちゃんからメールが来ましたね。最近多いですが、これから戦地へ赴くのでマナーモードにしておきましょう。決闘の最中はマナーモードにするのが礼儀って拳帝肘皇も言ってたからね仕方ないね。

 それでは気を取り直して、いつもの不良狩り装束で新白連合のアジトへ向かいます。ホモくんの目的はこの後やってくる新島です。我らが新島総督は幹部会でハブられており、もうしばらくするとこちらの集会へやってきます。現在の状況がわからないため、まずは新島総督に会ってインタビューしましょう。

 ここでしばらく待っていればバーサーカーが来るはずです。新島総督はバーサーカーの襲撃後にやってくるため、まずは隠れてバーサーカーの襲撃を確認し―――おファッ!? 雷薙ちゃん!? しかもYOMI活動用の格好しとるやんけ!

 

 えー、どういう訳か、バーサーカーではなくYOMIの"スパーク"こと雷薙ちゃんが未来の新白連合のアジト(現キサラ隊のアジト)に現れましたね。YOMIはラグナレク編が終わるまで介入してこないはずなんですが……これもうわかんねぇな?

 理解不能な事態にプレイ当時の私も混乱し、操作を放り出してチャートとWikiを確認していますね。やめたら? RTA。

 

 原作通りと仮定するなら雷薙ちゃんの目的は兼一くんです。兼一くんが出てくるまで彼の仲間を痛めつけて呼び出させようと行動しますが……なんでこのタイミングで来るんですかねぇ。

 雷薙ちゃんが本格的に暴れだすとどんな影響が出てくるかわかりません。幸いにも雷薙ちゃんとは見知った仲なので何かする前に止めに入りましょう。

 

 

 

 新白連合のアジトへ乗り込もうとする雷薙ちゃんに声をかけます。雷薙ちゃんは逡巡する素振りを見せたものの、呼びかけに応じて敷地の外へ出てくれましたね。なんで日本にいるのか尋ねてみましょう。え? 数時間前にメールを送ってる? そんなの来てませ……来てましたねぇ。

 雷薙ちゃんの目的は兼一くんの首です。活人拳たる梁山泊の一番弟子である兼一くんの首は殺人拳を旨とする闇にとって大きな意味を持っており、彼の首を取ることができたYOMIは幹部に取り立てられることとなっています。

 貧しい生活を送る家族のために武術でお金を稼ぎたい雷薙ちゃんにとって、兼一くんを殺すことは非常に重大なことなんですねぇ。

 しかし、ラグナレクとの最終決戦を控えた兼一くんを彼女と戦わせるわけにはいきません。我々の存在に気づかれる前にどうにかして雷薙ちゃんをこの場から引き離す必要があります。

 

 あ、新白連合のアジトから出てきた旗持ちの松井と目が合いましたね。そういえば彼は買い出しに出かけていてバーサーカーの襲撃を逃れることになっています。今がその買い出しに出かけるタイミングだったんですね(血涙

 つい先日、新白連合の主要メンバーを襲撃した不良狩りの姿を目の当たりにした松井は大騒ぎしながらアジトへ逃げ込みます。瞬く間にアジトをひっくり返したような騒ぎになりましたねコンチキショウ。

 見つかってしまったものは仕方ありません。せめて雷薙ちゃんを連れてこの場を離れ―――囲まれてる……囲まれてない?

 

 

 

 え何これは。

 あ、恥将(笑)ロキさんお疲れ様です(笑)

 神聖ラグナレクを率いて総大将の援護に来るとは中々の忠誠心ですね。

 ……は? お前はここで終わり? ……ハァ?(威圧

 

 どうやらロキの裏切りのようです。おのれ知将!!!!(憤怒

 

 

 

 ホモくん達を取り囲んでいる連中はラグナレクの下級兵のようです。そして何故か、新八拳豪を率いるロキの隣にはバーサーカーの姿もありますね。どうやら第一拳豪が敗れて頭を失ったラグナレクを取り込むために、事実上のトップとなったバーサーカーに取引を持ちかけてホモくんを売り渡したようです。

 ……ナンデ!? 龍斗=サン ナンデ!?

 

 状況を整理しましょう。まず、この時期の龍斗に勝てるのはYOMI幹部級の一部やきちんと育った兼一くんくらいです。ここまでの進行上、YOMIが龍斗と戦う要因はありませんので龍斗を倒したのは間違いなく兼一くんでしょう。

 ラグナレク最終決戦前に決着が着いているとなると、戦う機会はあの駄菓子屋近所の公園しかありません。原作では手も足も出ず敗北したはずなんですがそれは……なんでケンちゃん勝ってるんですかねぇ……(困惑

 あとは先ほどロキの口から語られた通りですね。ホモくんに恨みがあるバーサーカーに取引を持ちかけ、ラグナレクと神聖ラグナレクを合併させる代わりにホモくんとの戦いの場を提供したようです。ロキから聞かされていたラグナレク対新白連合の最終決戦の情報はホモくんをおびき寄せるための餌だったというわけですね絶対にゆるさない。

 

 

 とはいえ、悪いことばかりではありません。確定情報ではありませんが、ほぼ間違いなくケンちゃんは龍斗に勝利しています。ケンちゃんの育成具合によってはこの龍斗戦を突破できないこともあるため、ここは素直に喜んでおきましょう。

 問題は不完全燃焼のまま放置されることとなったこいつらです。最も警戒すべき相手であるバーサーカーの標的はおそらくホモくんとケンちゃんでしょう。

 ここでホモくんが尻尾を巻いて逃げ出した場合、新白連合の救援要請を受けてやってくるであろうケンちゃんとバーサーカーが鉢合わせる可能性があります。龍斗戦のダメージが残っているであろう状態のケンちゃんが勝てるかは……正直なところ五分でしょう。

 しかも雷薙ちゃんにも狙われている以上、バーサーカーを倒したとしても連戦は避けられません。ここでケンちゃんに退場されるわけにはいかないので、やはりここはホモくんが一肌脱ぐしかないようですね。

 

 

 

 さて、ここで敵の戦力をおさらいしましょう。相手方のネームドはバーサーカーとロキのみであとは大量の雑魚がいるのみです。新八拳豪?あいつらもモブに毛が生えた程度です。宇喜田兄貴といい勝負ができる程度の実力しかありません。

 ロキも戦闘力は大したことありませんので、警戒すべきはやはりバーサーカーのみですね。問題はケンちゃん達が到着するまでにバーサーカーを撃破して雷薙ちゃんを連れ去ることができるかどうかです。

 

 バーサーカーですが、前回戦ったのはゲーム内で3年も前の話です。あの時は不意打ち込みで辛うじて倒した相手ですが、今回はもっと楽に勝てるはずです。

 というのも、バーサーカーが拳聖から教えを受けて鍛錬を始めるのはラグナレク編以降の話であり、それまでのバーサーカーは時間経過によるステータスの成長がほとんどありません。対するホモくんは琳師父の指導により日々成長していますので、この時点ではそれなりに差がついているはずです。

 

 

 

 ……はい、思いの外ダメージを受けてしまいましたが、無事撃破しましたね。この時期のバーサーカーはフェイント技やカウンター技に弱い傾向にあるため、趙円臣と打ち合える程度にはカウンター技を鍛えられているホモくんがぶっ刺さっていますね。

 バーサーカー撃破を皮切りに新八拳豪が襲いかかってきますが、どうしたわけか雷薙ちゃんも参戦してくれましたね。嬉しい誤算です。どう足掻いても避けられそうもない戦闘なので、小休憩がてら自動操作に切り替え倍速放置にして不足しがちな実戦経験値を稼ぎ出しましょう。

 

 ラグナレクの下級兵は100人以上いますが、ホモくんと雷薙ちゃんの敵ではないですね。八拳豪下位級が3~4人いれば制圧出来てしまえる程度の戦力でしかありません。処理に時間がかかる雑魚ラッシュは集中力×デバフを持つホモくんが不得手とするところですが、雷薙ちゃんのおかげで心配は要らなそうです。

 ものの数分で下級兵の8割が床ペロしていますね。ぅゎ雷薙ちゃんっょぃ。

 この調子ならあと2~3分で全滅させられそうで―――ど う し て 等 速 に 戻 す 必 要 が あ る ん で す か !

 

 

 

 あ、ケンちゃんきちゃったぁ……はやぁい……。

 

 不良狩りとラグナレクが攻めてきたと連絡を受けていたようで、ラグナレクと決着を着けると息巻いています。しかし、ホモくんと見知らぬ女の子に壊滅させられているラグナレクを目の当たりにして困惑していますね。

 そら(味方同士のはずのロキとホモくんが潰し合っていれば)、そう(何も知らないケンちゃんは困惑することに)なるよ。

 ロキの胸ぐらを掴んでいた手を離すと恥将は地面に崩れ落ちましたね。新八拳豪(笑)は雷薙ちゃんの足元に転がっています。危険人物2人の動きが止まった隙に、生き残っていた下級兵どもが蜘蛛の子を散らすように逃げて行きます。

 

 

 到着しているのはやたらと足の速いケンちゃんだけですが、アジトからは彼の名を呼ぶ歓声が上がります。

 ケンちゃんの名を叫ぶアンチキショウ共のせいで雷薙ちゃんが標的を認識して襲いかかっていっちゃったんですが……どうしてくれんのこれ(憤怒)

 

 見たところ、やはりケンちゃんの身体には龍斗戦のダメージが残っています。一方の雷薙ちゃんは万全の状態どころか、ホモくんとの組手を経て原作よりも強化されています。加えて、漢の中の漢であるケンちゃんは女性に手を上げられませんので圧倒的に不利です。雷薙ちゃんはほんとに殺すところまでやりかねないため、万が一を考慮してホモくんに戦ってもらいましょう。

 YOMIで出世することが目的の雷薙ちゃんからすれば、実力で梁山泊の弟子を上回っていることを示す必要があるためホモくんが強引に割って入ると拳を引いてくれます。2対1で倒したとしても何の自慢にもなりませんからね。

 もちろん雷薙ちゃんからの好感度は下がるでしょうが……背に腹は変えられません。

 

 

 

 はい、前回に引き続きまたまたケンちゃん戦です。

 ケンちゃんに負けても再起不能にされることはありませんが、ケンちゃんが戦闘可能な状態かつホモくんが行動不能になってしまうと雷薙ちゃんを止める人がいなくなってしまいます。なので是が非でも勝たなくてはいけません。

 ケンちゃんもホモくんと戦う気満々だったようで躊躇なく拳を合わせてきます。

 

 ケンちゃんは龍斗戦のダメージが残っていますが、ホモくんもバーサーカー戦のダメージと集中力デバフがありますので条件はほぼ五分ですね。

 龍斗戦後のケンちゃんは制空圏を会得していますので、初手から制空権崩しをぶちかましていきましょう。短時間しか使用できませんが、奥の手である気の発動も用いて身体能力にバフもかけておきます。切り札だからと出し惜しみしてはいけません。スロースターターのケンちゃんが本気になる前に如何にして削りきるかが肝要です。

 制空圏を潰した勢いのままいい感じの一撃が入り、押しに押しまくっていますがケンちゃんの耐久値を甘く見てはいけません。二度と立ち上がれないようにしてやるくらいの気持ちでぶっ叩いたとしても、その気になったケンちゃんは何度でも立ち上がってきます。ゾンビかな?

 

 十八番である裡門頂肘からホモくん版最強コンボとも言える連続技で畳み掛けますが、一向にダウンする気配がありませんね……いやほんとに硬すぎない?

 あ、これもしかして……流水制空圏発動してない……?

 

 ……間違いないですね。第一段階だけですが流水制空圏を発動していますねクォレハ……。

 流水制空圏の第一段階ですが、間合い全てを覆っている制空圏を薄皮一枚まで絞り込むことで敵の動きを流れで捉え、最小のロスで攻撃を躱してきます。本来ならまだ会得していないはずですが……なんで使えているんですかねぇ……。

 さっきから命中させていると思っていたホモくんの攻撃ですが、流水制空圏が発動した段階からは一切クリーンヒットしていませんね。ケンちゃんの化け物じみた耐久値にこの回避性能が加わって頭おかしい受け性能になってます。

 

 

 

 そうこうしているうちに気の発動の効果が切れてしまいました。集中力デバフも深刻な状態になっていますね。

 一方、ケンちゃんは完全にエンジンがかかっています。ちょっとまってこれほんとにまずいゆるしてお兄さ―――あ、その小さく前へならえの構えはもしかして―――

 

「無拍子!!」

 

 ―――ホモくん、完全にダウンしました。この無拍子ですが、隙だらけの予備動作と絶望的な間合いを代償に(弟子級同士の戦闘においては)致命的な破壊力を誇ります。ホモくんの身体壊れちゃ^~う

 

 

 

 意外にも雷薙ちゃんはケンちゃんに向かって行かずに膝をついているホモくんへと駆け寄ってきました。これは……愛じゃな?(適当

 しかし、それでは納得しない男が1人いるはずです。あ、きましたぁ。地躺拳の李天門さんです。

 

 ホモくんとも面識があるこのミサイル着弾おじさんですが、弟子同士の戦いに師匠は出ないという暗黙の了解をあっさり破ってくる結構やばいおじさんです。

 今回も原作同様、標的ではなくホモくんに駆け寄る甘さを見せた娘に腹を立てて鉄拳制裁をかましましたね。雷薙ちゃんは一撃で意識を刈り取られ、固いアスファルトの上を転がります。弟子級の戦いに出てくる達人のクズが。ペッ

 

 このおじさんはケンちゃんを誘拐して拳聖への手土産にしようとしています。原作ではそれを妨げようとした新白連合の弟子級どころか武道家でもない子供をボコボコにしたこのおじさんですが、現場に駆けつけた馬師父によって止められ―――まってこれ馬師父来なくない?

 馬師父はYOMIの名前を耳にすることで闇との関係を懸念し、万一に備えて現場に駆けつけてくれます。しかしイベント開始時にケンちゃん達と一緒にいない場合、YOMIの名前を聞く機会がないため当然現場には現れません。

 今回は雷薙ちゃん襲来のタイミングが変わったことにより親睦会の帰りに呼び出されているので……馬師父の登場は……ナオキです……。それどころか美羽さんも蓮華ちゃんも来ませんね。

 

 ……どうすんのこれ?

 

 

 

 

 今回はこのへんで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

―――――

―――

 

 

 

「僕が相手だ、兼一君!」

「来い! 鉾崎君!」

「も、モトキ―――!?」

 

 龍斗が言っていた。冷酷に敵を破壊する非情の拳、それこそが真の武術だと。

 ……鉾崎くんも同じ考えなのだろうか。僕はどうしてもそれを確かめたくて、彼ともう一度拳を合わせたいと思っていた。そして、その機会は唐突に訪れた。

 

 突然襲いかかってきた見知らぬ女の子と僕の間に、鋭い動きで鉾崎君が飛び込んできた。バーサクモードのような状態(後に知ったが、あれが気の発動という気の運用の第一段階だったらしい)となった彼は、腕を体に密着させるような小さな構えで僕の制空圏に飛び込んできた。

 半ば反射的に、彼を迎撃しようと拳を繰り出す。

 

 しかし迎撃の拳は全て弾かれてしまう。

 そうか、小さく強固な制空圏を築くことで僕の制空圏を正面から押し潰してきたのか。そう理解した瞬間には、もう鉾崎君の拳が僕の横っ面を捉えていた。

 目の奥で星が明滅するのも構わずに、後ろに転がって距離をとって制空圏を築き直そうとする。しかし彼はそんな隙も与えてくれず、築きかけた制空圏を再び破って懐に飛び込んできた。こうまで詰められると制空圏を封じられてしまう。

 この前戦った時は手を抜いていたんじゃないかと錯覚するほどの苛烈な攻めに何度も膝をつきそうになるが、その度に立ち上がり、立ち向かっていく。

 

 

 

 打ち合いの最中、鉾崎君版の最強コンボとも言えるような繋げ技を繰り出してくる。一撃一撃の重さを重視したスタイルからの変調に対応しきれず、ガードが間に合わないと直感したその時だ。

 龍斗のグングニルと相対したときに感じたあの感覚が、再び僕の中に蘇ってきた。

 

 ただ前からくる流れを、後ろへ流すのみ―――流水制空圏。

 

 敵の動きを流れで捉え、軌道を読み切って最小限の動きで躱す。極限までロスタイムを無くした最小限の動きは、本来なら対応し得ないスピードの敵にも対抗できる速さを与えてくれる。そして今は―――その流れがはっきりと見える。

 長老との修行では掴みきれなかった感覚。龍斗や鉾崎君との戦いで何かが噛み合って、今ははっきりと感じ取れる。まるでステレオグラムのような世界で、鉾崎君の連撃を薄皮一枚のところで躱しきる。

 

 

 連撃を打ち切る頃、彼の動きは当初の精彩を欠いていた。

 ここしかないと直感した僕は、連撃の最後の一撃を喰らうのも厭わずに鉾崎君の懐に飛び込んだ。

 

 

「前に……ならえ―――」

「ッ―――!?」

「―――無拍子!!」

 

 

 彼の目から驚愕の色が読み取れる。

 空手、ムエタイ、中国拳法、柔術……全ての突きの要訣を混ぜた必殺の技。超接近状態から放たれるノーリアクションの突きは返し技の介在を許さず、彼の腹部に突き刺さる。

 

「わからない……わからないよ鉾崎君……」

 

 僕の口から、自然と言葉が紡ぎ出されていた。きっと、紛れもない僕の本心だろう。

 

「君の真っ直ぐな瞳からも……拳からも……武術に対する真摯な姿勢がわかる! そんな君が何故闇なんかに……何のために武術を……!」

「……言ったじゃんか。どんな悪人も必ずぶっ倒す……正義の味方に―――」

「だったら何故―――」

「闇こそが、まさに生きた武術の最前線だからだ!」

 

 

 ―――闇なんかに! と、そう言いかけた言葉は女の子の声に遮られた。

 

 ヘルメットを脱ぎ捨てて鉾崎君に駆け寄って傷の具合を確認していた桃髪の女の子が、僕の言葉を遮って返答する。さっきは戦意をみなぎらせていた彼女だけど、今は鉾崎君の傷を勞って彼を優先している。

 冷酷無比にして手段を選ばない殺人拳の集団である闇……そのイメージとあまりにもかけ離れた彼女達の様子に、僕は困惑して言葉が出てこなかった。戦いや自分の目的よりも仲間を優先させるあの姿は……僕達と何の違いがあるんだろうか。

 

 

「何をしておる、一族の面汚しめ!」

 

 

 困惑しながらもそのことを口にしようとした、その瞬間だ。

 突然女の子の背後に現れた白髪の男性が、彼女が気絶するほどの鉄拳制裁を見舞ったのだ。

 

 

「何を……!? 誰だ、あなたは!」

「阿雷―――!」

 

 僕の中に怒りの感情が湧き出てくる。鉾崎君も同じように……いや、僕以上に怒気を孕ませて李天門と名乗った男性を睨みつけている。

 

「我が娘ながら何と甘い……そして貴様もだ于丹琳の弟子よ! 我が娘の死合いを妨げるとは何事か!」

「悪者でもない二人が命懸けで戦うのを……黙って見ていられるわけがないだろ……!」

「貴様……それでも闇人か!」

 

 李天門がさらなる怒りを顕にして鉾崎君を一喝する。状況はまさに一触即発だ。

 ……駄目だ。彼はもう満足に戦える状態にないはずだ。そして何より、自分の娘を力いっぱい殴るあの人を許してはおけない―――!

 

 

 気力を漲らせ、構えを取って李天門に相対する。

 師匠達に近い気当たりをもつ相手に、僕は戦いを挑もうとしていた。




序盤しか知らなかったホーリーランドと軍鶏を履修してきました。オススメしてくれた兄貴達ありがとナス!
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