史上最強のRTA ~梁山泊入門禁止縛り~ 作:(´・ω・`)ガンオン修行僧
まさかの首位&日々増えていく評価とご感想に感動したため初投稿です!
毎回着々と文字数が増えてる……増えてない?
追記①:誤字報告兄貴ありがとナス! 神かな?
追記②:アンケートにご協力ありがとナス! 好評につき小説パートは存続しますが、あくまで各キャラクターの掘り下げ的なフレーバー要素になります。根幹部分はなるべく書かないようにするので、興味のない兄貴は読み飛ばしてどうぞ。
きれいなおねえさん(当社比)に手取り足取り指導してもらうRTAはーじまーるよー。
前回はジークンドー使いの物騒なお姉さんに弟子入りしたところまででしたね。
于 丹琳お姉さんは、ホモくんには自分のことを
なお、肝心の会話パートはスキップしてしまったため、気が向いたら途中のセーブファイルからロードし直し、該当部分を別撮りの動画として投稿します(投稿するとは言っていない)
琳師父の修行は期待以上のもので、これまで耐久やスタミナ寄りに鍛えていたために疎かになっていた、筋力をはじめとしたステータスが伸びまくっています。
特に技術ステの硬功夫や発勁・寸勁が恐ろしい速度で伸びていますね。やはり、このような高度な技術を、そこらにある町道場でしっかりと教わるのは無理がありますね。特に、硬功夫などは鍛錬の方法を間違えると故障待ったなしです。
ちなみに修行場所は町外れにある粗末なあばら家こと、琳師父の住処です。もっぱらその庭を使っているようですね。
そこでは組手も頻繁に行っているようです。琳師父はホモくんの好きなように攻めさせて、それを受け流し、その後ホモくんの攻め筋を改良したお手本とも言える動きで打ち倒し、ホモくんの攻めの甘い部分と改善方法を叩き込んでいますね。
そして先手必殺スタイル同士の組手は驚くほど短時間で終わるため、短い時間でかなり試行回数を重ねることができるようです。
戦闘パートの短縮を見越して組んだ先手必殺スタイルですが、育成面においても有益なようですね! チャートにちゃーんとに書き記しておきましょう(激ウマギャグ
それにしても順調に修行が進んでいますね。
達人級の修行をより高い密度で受けるために、これまで耐久・スタミナ寄りに育てていたこともあるでしょうが、それを差し引いても限度を知った優しめのお姉さん(一般達人比)を師匠にできたのではないでしょうか。
ケンちゃんがうっかり飛び込んでしまった有料地獄めぐりがどれほどイカれた内容で、反面どれほどイカれた超効率的経験値獲得源であったかがわかりますね。スルメ踊りはもう嫌なんじゃあ……。
師匠さえ見つかれば、残りの小学生期は消化試合です。小学生期は探検コマンド実行時以外でのイベント発生率が低いため、修行に入ると倍速放置が捗りますね。
ゲーム内時間で数年単位放置する走者の貴重な休憩タイムですので、おやつでも食べながら見守っていましょう。決して目を離してトイレに行ったりしてはいけません(1敗)
あとはひたすら自動操作に任せて放置しますのでここはひとつ……み~な~さ~ま~の~た~め~にぃ~!
ホモくんと琳師父がひとつ屋根の下で過ごした、あんな日やこんな日の映像を流してイキま―――ど う し て 等 速 に 戻 す 必 要 が あ る ん で す か !
えー、テキストログを読み返してみましょう。なになに……「週末は友達ん家に泊まるとでも親に言っとけ」「新調してやった道着を持ってこい」「あー……それなりに覚悟して、気合入れてこいよ?」とのことです。
も、もしかしてこれはお泊まりのお誘いでしょうか大変ですこれは青少年の危険が危ない!
とかいう冗談はさておき、これは梁山泊式裏社会科見学のような同伴イベントの可能性が高いです。ホモくんがノンケになってしまうイベントは発生しないので兄貴方は安心してどうぞ。
原作未読兄貴向けに説明しておくと、裏社会科見学とは「表には出せないような仕事の現場に弟子を連れて行き、当事者として見て学ばせる」といった修行であり、実際にケンちゃんもロクでもない目に遭ってきました。
長い長い倍速中にひっそりと12歳にまで成長したホモくんですが、それでも所詮は小学生六年生です。
この年齢で成人武術家とやり合えるのは千影ちゃんやしぐれ姉貴(幼少期)、アパチャイ兄貴(幼少期)のような神童だけです。
もちろんホモくんは神童ではありませんので、琳師父がきっちりと守ってくれることを祈りましょう。
それでは裏社会科見学へ……いざ鎌倉!
はい、琳師父からのお呼び出し当日ですね。琳師父の家に荷物を置くと、すぐにタクシーに乗せられました。
琳師父は昔、一影九拳を目指してバリバリ闇組織内で活動していただけあって、相当な額を貯め込んでいるようですね。今では一線を退いているようですが、そんな達人がなぜ日本のあばら家に住んでるんですかねぇ……。
着いたのは横浜中華街でした。ここは原作でも度々登場し、色々なキャラがいた場所ですので、原作が始まる前の年代ですが少しワクワクしてきますね。もちろんタイムロスになりかねないランダムイベントは勘弁してください! なんでもしますから!
二人はタクシーを降りた場所から少し歩き、雑然とした路地の奥にある廃ビルに入っていきましたね。
そして階段で三階に上がるとそこには……おファッ!? あのピンク髪ツインテールの中国人ロリは
えー、裏社会科見学ではありませんでしたが、これは修行の一環として琳師父が用意した他流試合のようですね。
テキストは例によってスキップしていますので私の方から解説しますと、李 天門と顔見知りだった琳師父が他流試合を持ちかけ、父である李 天門が闇からの仕事にかこつけて雷薙ちゃん(ロリ)を連れて来日したというわけです。
ちょうど同世代の少年少女でそれも拳法使い同士、ちょうど良い仕合相手になると考えてのことでしょう。
実際、本作では実力が近しい者との死合が最も高い経験値効率を叩き出します。今回は死合ではありませんが、かなりのうま味イベントになるでしょう。
お馴染みのプロテクター付きボディスーツとヘルメットを身に付けた雷薙ちゃんと、真新しい道着で身を包んだホモくんが向かい合って一礼します。
雷薙ちゃんが李 天門から叩き込まれている地躺拳は非常にトリッキーな拳法で、地を転げ回り戦う武術です。その接地の衝撃を和らげるために、外功・内功共にかなり鍛え上げるのが特徴です。
実際、雷薙ちゃんの師である李 天門に生半可な攻撃は一切通用しません。雷薙ちゃんは外功・内功が不完全なためプロテクターを身に付けていますが、それでも耐久寄りに育ててきたホモくんをさらに上回る耐久性能があるでしょう。
要するに、回避力・防御力に優れ、ホモくんにとって厄介なタイプの相手です。こういった苦手な相手を短時間で仕留め切るコツを身に付けることが今回の修行の目的でしょう。有能かな?
口火を切ったのはホモくんでした。一礼するや否や、これまで琳師父のもと鍛えてきた震脚で踏み込み、打ち込んでいきます。しかし地躺拳のトリッキーな動きと、カス当たりをものともしない外功に阻まれてなかなか攻めきれませんね。
そうこうしているうちにホモくんの動きが鈍り、雷薙ちゃんの攻撃により沈められてしまいました。
その後何度か仕合を行いましたが、何度も同じ負け筋を辿っています。これはいけませんね……どうやらこのロリ雷薙ちゃんはまだ酔八仙拳を修めていないようです。達人に師事する者同士とはいえ、酔八仙拳を習得する前の雷薙ちゃんに勝てないのは少しマズいかもしれませんね……。
ホモくんと雷薙ちゃんの体力が限界に近づいたため、この日はこれでお開きとなりました。厳しい師匠である李 天門もなんだかんだ言って甘いところがあるので、雷薙ちゃんに必要以上の負担はかけていませんね。
李親子は日本にしばらく滞在するようで、数週間後に再戦することを決めて李親子を別れた二人は琳師父の家へ戻りました。
琳師父の家に帰るなり、琳師父の提案により武技修練イベントが発生しました。どうやら他流試合での敗北がフラグとなったようです。
これは特定の技の取得を目的とした修行で、実行している期間は基礎ステータスの成長率が著しく低下する代わりに、一定確率で戦闘中に使える武技や特徴を身に付けることができます。確率はマスクデータとのことですが、有志兄貴の検証によると才能と現在のステータスにより増減するようです。
攻略Wikiによると、時には不完全な状態で武技を習得する場合もあるようです。ケンちゃんの初期制空圏のような感じですね。
ここから数週間、琳師との修行の時間はほとんどこの武技修練に当てるものとします。自宅にて一人で行う修行についてもこの自主練習ですね。
できることなら再戦の前に何らかの武技を習得したいところですが……倍速中、一向に習得する気配がありませんね。
うーん、これはもうダメかもわからんね。再戦まであと一週間を切りましたが……お、武技習得きましたねぇ! これは……おファッ!? 『二歩一撃(偽)』ってなんだこれ!?
えー、攻略Wikiによると、これは一瞬で数メートルもの間合いを詰める歩法のようですね。他作品で時折見かける縮地の元となった技術のようです。
(偽)とついているため実戦でどれほど役に立つかが気になりますが、このタイミングで攻め手が強化されたのは大きいですね。
あとは週末の雷薙ちゃん戦を待つのみです。
待ちに待った再戦の日です。
例によって琳師匠の家に荷物を置いてタクシーに乗り込み、以前と同じ廃ビルにやって来ました。
前回同様、雷薙ちゃんと李 天門がいますね。
経験値のためにもここでの仕合には最低でも一回は勝ちたいので、ホモくんが一回も勝てないようなら手動操作に切り替えましょう。若干のタイムロスになりますが、仕方ありません。
いくらか言葉を交わした後、一礼するや否や、再びホモくんから仕掛けていきました。
お、ちゃんと二歩一撃を使用しましたね。お利口なAIです。
雷薙ちゃんはホモくんの速度に対応し切れず、懐まで接近を許してしまいましたね。
ホモくんの猛烈な攻めはそこからの挽回を許さず、ものの数十秒で雷薙ちゃんを打ち倒しました。
見たか! これが上手く回った時の先手必殺スタイルの威力や!
とはいえ、流石は雷薙ちゃんですね。二歩一撃の速度を知られた二戦目以降は、ホモくんの攻めを凌いで互角に渡り合っています。
やはり技を見切られた二回目以降や、長期戦が苦手な傾向にあることに変わりありません。
最終的な勝敗は五分五分で、実力は大体互角といったところですね。
未来のYOMIと渡り合えていますし、このまま育成が進めば八拳豪上位くらいになれるのではないでしょうか。
もちろんそんなものでは全く足りませんので、今後とも琳師父にしごいてもらいましょう。
次回からの中学生編ではいよいよ待ち望んだ要素の解禁もありますし、気合いを入れてイキましょう。
それでは今回はこのへんで。ご視聴ありがとうございました。
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「かの于丹琳の愛弟子だ。手心は不要だぞ雷薙よ」
「基樹、遠慮せずやっちまいな」
父……師父が用意した他流仕合の相手は日本人の男の子だった。
恵まれた国に育った甘ちゃんかと思っていた私の考えは、すぐに裏切られることとなった。
男の子は元気の良い声で一礼するや否や、身体を起こして凄まじい震脚で猛然と打ち込んできた。
これまで何度か同年代の子と仕合をしたことはあるけれど、これほどの使い手はそうはいなかった。
しかし、対応できないほどではない。
打ち込んできた右拳を捌き、連続して放たれた肘撃と手刀を地に転がり回避する。
地に転がる私を見て好機と思ったのだろう。さらに勢いに乗って次々と打ち込んでくる男の子の拳を防ぎ、捌き、払っていく。
しばらくそうして凌いでいると、男の子の動きが明らかに鈍っていった。
今回の相手は長期戦を不得手としていると、事前に師父から教えられていた情報通りだ。
動きが鈍った男の子に対し、反撃に出る。
男の子は地の力を用いた下方からの攻撃に対応できず、拳を打ち込むのはそう難しいことではなかった。
ただ、思っていたよりずっと頑丈で、打ち倒すのは少し時間がかかってしまった。
それから何度か仕合をしたが、いずれも同じような顛末で私の勝ちに終わった。
「っかー! なんだあの子めっちゃつえぇ!」
「あんたはそれだけ攻めが甘いってことだよ。ったく、鍛え直しだねぇこりゃ……」
最後の一戦で私の裏拳がクリーンヒットし、男の子の鼻から血が垂れている。
師父である女の人はそんな男の子に目線を合わせ、白いハンカチで血を拭いながら、二人は笑い合っていた。
私も、もっと父上と……師父とあんな風に……。
そこまで考えて、頭を振って自分の考えを否定する。
武術に親子の情は不要と、師父が言っていた。事実、私はもう長いこと師父を父上と呼ぶことを許して貰えていない。
私の守りを攻めきれないあの子の攻めの甘さは、もしかしたらあの師弟が情を捨てきれない故のものなのかもしれない。
だから師父は情など不要と言ったのだ。
数週間後、再び仕合が行われることになったが、その時の私は結果は何も変わらないと思った。
しかし、私のそんな考えはまたも裏切られることとなる。
男の子が仕掛けてきたのは、前回同様、元気よく一礼をした直後だった。
前回と変わり映えのしないタイミングでの、読めていた攻撃。しかしそのあまりの速さに意表を突かれたこともあり、私は男の子に全く対応ができなかった。
両方の脚で同時に地を蹴った男の子は、前回とは比較にならない速さで私の懐に飛び込み、単純な右拳を放つ。
すんでのところで拳を防いだが、続く左掌打を捌くことができず、大きく体勢を崩されてしまう。
あとはそのまま押しきられ、ものの数十秒で私は硬いコンクリートの床に倒れていた。
その後、何度か仕合を続けるうちに、あの速さにもどうにか対応できるようになってきた。
それでもやはりあの歩法は驚異的で、前回の仕合は全勝だったのに、今回の勝敗は五分五分といったところだった。
この短い期間でまさか新しい歩法を習得し、ここまで追い縋ってくるとは思いもよらなかった。
男の子は今、師父と共に成長の喜びを分かち合っている。
やっぱり、私もあんな風にと思わずにはいられない。
私は男の子に歩み寄り、まだちゃんと話せない拙い日本語で話しかける
「えっ……と、キミ、名前を教、エてほしイの」
「あ! なんだよ喋れるんじゃん! オレ、鉾崎 基樹!」
「ワたしハ、雷薙。李 雷薙ナの」
私の名前を聞くと、モトキと名乗った男の子は満面の笑みを浮かべた。
そして私の手を握ると、楽しげな、けれどもどこか少し悔しげな表情を浮かべて「またやろうな!」と告げてくる。
私が頷いて肯定すると、モトキはまた笑みを浮かべて、手を振りながら駆けていった。
そして私の師父と話を終えた彼の師父と一緒に、廃ビルを立ち去っていく。
はしゃぐモトキの頭をちょっぴり乱暴に撫でる彼の師父の姿は、まるで本当の親子のようで……。
そんな姿を見せつけられた私は、少しの羨ましさと共に、対抗心のようなものを抱いていた。
この先も、私は師父とあんな風に過ごすことはできないだろう。それはもう、武に生きると決めた時点で諦めなければいけないことかもしれない。
だからこそ、武のために情を捨てるしかなかった私が、武も情も双方得ようとする彼に負けるわけにはいかないのだ。
次は引き分けではなく、明確な勝利を。
そう胸に秘め、踵を返した私を師父が迎える。
モトキとはきっとまた会い、仕合うことになる。この予感にいくらかの願望が混ざっていたことに、この時の私はまだ気づいていなかった。
師弟日常編のような番外短編集の需要は……
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ありますあります!
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あれば読む
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(需要は)ないです
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そんなもん書いてる暇があったら本編を書け