史上最強のRTA ~梁山泊入門禁止縛り~   作:(´・ω・`)ガンオン修行僧

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2日連続日間1位ありがとうございます!
たくさんの評価&感想を頂き、モチベ上がりまくりですよ神!

もうすぐ原作が始まると言ったな。あれは嘘だ。


(中学生編・前編)

 強制的にノンケに目覚めさせられるRTAはーじまーるよー。

 

 前回は李 雷薙ちゃんとの仕合に敗北したホモくんに琳師父が新技を授け、見事リベンジマッチを果たした(勝ったとは言っていない)ところまででしたね。

 その後は特にイベントもなく、ホモくんは無事に中学校へと入学しました。ちなみに、卒業式・入学式には琳師父の姿もありました。アレ身内以外が入ってもいいんですかね(困惑

 

 さて、中学生になったということは、待ちに待った要素の解禁を意味します。

 本ゲームは非常に自由度が高いですが、やはりレーティングの都合上、小学生期は何かと制約が多いですからね。これからが本番です。

 まずは手始めにして最大のテコ入れ、梁山泊式に言うところの「死んでもともと、人生武術化大作戦」を発動します。

 

 

 なぁに、やることは単純です。まずは両親の許可を取―――え、取れた? あ、そう(無関心)

 そして次に、琳師父に提案と、併せて両親の許可が取れたことも伝えましょう。

 本ゲームには、マスクデータですが各キャラクターからの好感度が設定されており、その数値によって各種交渉等の成功率に補正値が入ります。このシステムの実装により、一部の兄貴達からは「21世紀最高のギャルゲ」と称されていますね。

 今回のプレイにおいて、ホモくんと琳師父の関係性は非常に良好でしょう。つまり、これから行う提案を断られる可能性はほぼありません。

 

 では提案しましょう。師匠! 内弟子にしてくださいオナシャス!

 

 ―――おファッ!? 即決で認めてくれるかと思っていましたが、何故か一日待って欲しいと言われてしまいました。

 なんでや! 試走で他の達人に弟子入りした時は、もっと師弟関係が悪かろうがお構いなしに認めてくれたぞ!!!

 

 

 その夜、修行が終わると、なんと琳師父が家まで送ってくれました。

 そして両親と何やら話し込んでいたかと思えば、話し合いの場に出ず庭で自主トレをしていたホモくんの元にやって来ました。

 ホモくんの頭に手の平を乗せた琳師父は、いつになく真面目な表情でホモくんの内弟子入りを認めてくれましたね。

 

 やったぜ! まったく、ヒヤヒヤさせてくれますね……ここからはホモくん超強化の時間や!

 内弟子をご存知でない方向けに説明しておきますと、内弟子とは人生のための武が武のための人生へと変わるだけのシステムです。

 弟子は師匠と寝食を共にし、二十四時間を武術のために捧げることができます。その光栄な制度にホモくんは選ばれました! ラッキー!

 

 内弟子になることによりホモくんの修行時間が爆発的に増え、それに伴ってステータスがガンガン伸びていきますね。

 家に帰って飯食って風呂入って寝るだけという社畜の私生活みたいな無駄パートも省けますし、やっぱり内弟子を~……最高やな!

 唯一の難点を挙げるとするならば、ホモくんのノンケへの覚醒がさらに早められてしまうことくらいでしょうか。美人なお姉さんとの同居で喜ぶホモの恥さらし……恥ずかしくないの?

 

 

 さあ、いよいよ琳師父との同居が始まりましたが、日常生活や修行は全て自動操作で倍速をかけているので、映像的にはほとんど影響ありませんね。

 中学生になることで「探検」コマンドが「うろつく」コマンドに変化し、マップの移動可能範囲がさらに広くなりますね。

 しかし、すでに最高の経験値獲得率を誇る達人との修行に専念できるため、特定のイベントを発生させに行くなどの目的があるとき以外、そこらへんを歩き回る意味はありません。

 

 通常プレイでは時間泥棒の名を欲しいままにする今作ですが、RTAでは使われないことが多いシステムもあり、少々勿体無い気もしますので一部をご紹介しましょう。

 新白連合やラグナレクのようなチームに入ったり作ったりする抗争システムや、特定キャラとの友好関係を築いていく親密システム。芸術や製作など、武術と全く関係のない技術を磨いてその道で名を馳せていく名声システム。

 果ては企業や商店を興して拡大させていき、最終的には裏組織である闇を経済的に破綻させることもできる経済闘争システムなど、やりたいことは大体なんでもできますね。

 特に、新白連合やラグナレク、果てはYOMIから最高の人材をスカウトし、僕の考えた最強のチームで覇権を狙うプレイは皆さんも一度はやったことがあるのではないでしょうか。

 

 

 

 さて、ホモくんが中学生に上がったということは、原作開始まであと三年となりました。このあたりから、原作に関わるイベントがちらほら発生し始めますね。

 兼一世代で開始した今回では関わる機会がありませんが、天地無真流古武術の御堂 戒(みどう かい)緒方 一神斎(おがた いっしんさい)に殺害されるのも今年です。

 

 また、緒方一神斎への朝宮龍斗の弟子入りや、ラグナレクの前身であるスリー・オブ・カードの結成などのイベントも、この時期から発生する可能性があります。

 あくまで可能性があるだけで、これらのイベントはプレイの進行状況によって発生時期が異なります。早期に結成される確率は決して高くありませんが、原作に近づくにつれてどんどん発生確率が高まっていくため、大体原作の前年に結成されるのが一般的な流れです。

 

 ラグナレクは兼一の実家や荒涼高校、梁山泊などがある原作舞台の町を本拠地としますが、結成以降は周辺地域の治安がかなり悪くなるため、ホモくん達がいる隣町も決して無関係ではありません。

 緒方一神斎による弟子育成プログラムの一つであり、ラグナレクの並列組織であるティターン、マビノギオンなどは本拠点位置が定まっていないため、運が悪ければこの町で結成されます。治安の悪化は雑魚とのエンカウント率が上昇し、タイム的に非常にまず味なので気を付けましょう。

 

 

 学校が終わり、あとは琳師父の家に帰るだけとなったホモくんですが、おもむろに体育館裏にたむろしていた数名の不良をシメていますね。

 お、シメた不良が立ち上がり、仲間になりたそうにこちらを見ています。ホモくんの強さに感激して舎弟♂になりたいようなので、もちろん許可します。これでホモくんのチームを結成することができます。

 やっぱり「豪運」の特徴を持っていると、乱数が絡む人集めがスムーズになって良いですね。「人たらし」や「カリスマ」系統でも同様の補正を得られるので、チームプレイをしたい兄貴は取得してみると良いかもしれません。

 

 さっそく、手に入れた舎弟の遠野くんと中田くんと共に、自身のチームである"淫ファミ"を結成しましょう。

 補足となりますが、チームを結成するためには最低でも主人公ともうひとり必要になります。だから不良をシメて仲間にする必要があったんですね。

 舎弟二人にやってもらうことは、周辺の不良チームに関する情報収集です。ホモくん自身が周辺をうろついて情報を集めることもできますが、チームの機能を使って舎弟に働かせた方がタイム的にもうま味です。

 クズ運により舎弟が手に入らないこともありますが、「豪運」を取得する今回のチャートでは問題ありません。

 

 そうして不良チームの結成を察知できた場合、原作と関わりのない弱小チームであれば今後の兼一達の取得経験値に悪影響を与えないため、さっさと潰しに行きましょう。

 治安の悪化を防ぐことができるので雑魚とのエンカウント率を下げることができ、結果的にタイムの短縮に繋がります。

 

 

 数ヶ月が経つ頃、さっそく遠野くんと中田くんが不良チームの情報を持ってきましたね。さっそくチーム画面の調査報告から確認してイキましょう。

 

→「スリー・オブ・カードの結成」

 「ティターンの結成」

 「マビノギオンの結成」

 「謎のチームYOMIの勢力拡大」

 「不良チームの結成」

 「不良チームの結成」

 「不良チームの結成」

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 ファッ!? ウーン……

 上三つの結成は緒方一神斎の弟子育成プログラムが稼働を始めた証であり、龍斗がすでに弟子入りをしているということでもあります。早すぎる弟子入りにより、龍斗が原作より強化される可能性が高いです。

 また、原作では幹部やネームド等、主要構成員である闇人の弟子ばかり登場していたため印象が薄いですが、そこらの不良であるYOMIの末端メンバーの数も通常より増大しているようです。殺人拳側の勢力強すぎィ!

 

 プレイ後に調べて判明したことですが、一線を退いた元闇人である琳師父の弟子となったことで、ホモくんも準YOMI構成員、つまり殺人拳勢力のキャラクターとしてゲームシステムに認識されています。

 そして常時発動している「豪運」の効果によって、所属している側である殺人拳側の強化に繋がるランダムイベントが発生しやすくなり、今回のような事態を招いてしまったようです。

 

 

 これは非常にまずいですよ!

 ただでさえ原作ケンちゃんは薄氷を踏むような勝利を重ねてきたというのに、これ以上敵が強化されたら本当に勝てなくなってしまいます。

 元闇人である琳師父や李親子との交流で殺人拳側に寄ってしまったアライメントを、序盤は治安向上という善行によって、中盤からはYOMIとの交戦により活人拳側に戻す予定でしたが、どうやらそれでは遅すぎたようですね。

 かくなる上は、これ以上の殺人拳側の強化を防ぐため、早急にアライメントを活人拳側まで戻しましょう。タイム的にはまず味ですが、完走できなくなっては元も子もないのでやむを得ません。

 

 さっそく琳師父の許可を取り、弱小不良チームを狩りに行きます。

 ホモくんの育成は万全ではありませんが、ロリ雷薙ちゃんと互角に戦う程度の実力はありますので、八拳豪上位級のネームド以外なら問題なく倒すことができるでしょう。

 それでは不良狩りに……いざ鎌倉!

 

 

 はい、四つ目の不良グループが壊滅しましたね。等速に戻す価値もありません。

 反社会的という点で殺人拳側にカウントされている不良グループが雨後の筍のように乱立していますが、大抵は烏合の衆ですね。

 一応、ランダム生成のリーダー格だけは名前も用意されており、小ボスとも言える強さはあるのですが、所詮は八拳豪未満の雑魚なので大したことはありません。

 この調子でアライメントを回復させ―――ど う し て 等 速 に 戻 す 必 要 が あ る ん で す か !

 

 バ、バーサーカー!? その場を立ち去ろうとするホモくんの目の前に、吉川 将吾こと未来のラグナレク第二拳豪にして現スリー・オブ・カードが現れました。

 お前この時期は龍斗の舎弟になってベッタリくっついてるんとちゃうんかい!!!

 幸い、龍斗達は来ていないようですが、この戦闘狂に見つかって何事も起こらないわけもなく……案の定喧嘩を売られ、有無を言わさず戦闘が開始されましたね。

 

 

 バーサーカーは非常に厄介な相手で、生まれながらの強靭な肉体による圧倒的ステータス値と、天賦の才に裏付けられた"我流"により、師を持たずして数々の武術家を超える戦闘力を持つチートキャラです。

 実際、我流を名乗るキャラクターは、本作および原作最強格にして公式ぶっ壊れキャラである無敵超人 風林寺隼人やその息子の風林寺砕牙など、いずれも作中トップクラスばかりです。

 型を持たぬが故にその戦い方は変幻自在で、武術に慣れていれば慣れているほど動きを読み違える武術家キラーですね。

 

 さらには、一定ダメージを与えると動の気を発動し、アドレナリンの多量分泌によりダメージを無視することでさらに攻撃面・防御面が強化され、洒落にならない強さになります。お兄さん許して!

 現状のホモくんが実践できる対応策はシンプルです。それは動の気を発動する前に一撃で最大火力を打ち込み、沈めきることです。結局いつもとやることは変わりませんので、出し惜しみせずイキましょう。

 

 

 手動モードに切り替えて戦闘開始です。

 相手の前口上を無視して初手で二歩一撃を使用し、一気に距離を詰めて八極拳の裡門頂肘を打ち込みます。

 これはRTAなので前口上を聞いてやる義理はありません。獲物の前での舌なめずりは三流のやることだと、軍曹も言っていました。パパパッとやって終わり!

 この一撃でバーサーカーが膝を付き、勝敗が決しー――おファッ!?

 

 不意打ち補正が掛かっていたホモくんの必殺を受けたにも拘わらず、立ち上がってきました。耐久力ありすぎぃ!

 明らかに動の気が暴走していることに加え、不意打ちによって怒り状態になったことでさらに攻撃性が増しています。

 

 こうなったバーサーカーは非常に凶暴かつタフですが、こちらも時間制限がある以上、攻めの手を緩めることはできません。

 幸いにも戦闘開始時点でホモくんのHPはほとんど減っておらず、一方、あちらは不意打ちによりHPが大して残っていないはずなので、ダメージ度外視で殴り合いを続ければダメージレースで勝てるはずです。

 こちらのHPの方が減りが早いですが、この分なら先にHPが尽きるのはバーサーカーですね。

 

 はい、なんとか勝てましたね。

 こちらのHPが減少してくると、大振りの攻撃でトドメを刺してこようとするので、それに合わせてカウンターを打ち込むと面白いように決まります。

 ちょうど原作でハーミットこと谷本くんがバーサーカーと戦った時と同様ですね。バーサーカーと戦うのが苦手な兄貴は試してみると良いでしょう。

 ちなみに、ホモくんにしては珍しい最後のカウンター技は、つい最近、琳師父の武技修練にて習得したものです。北米の喧嘩で編み出された喧嘩殺法(ジェイルハウス・ロック )を取り込み、中国拳法の寸勁を織り交ぜた琳師父オリジナルの技として設定されている珍しいものらしく、私も実戦で使うのは始めての技ですね。

 先手必殺スタイルではあまり使うこともないかもしれませんが、あって損するものでもないので頭の片隅に入れておきましょう。

 

 

 それにしても、不意打ち込みの一撃で沈めきれないのは予想外でしたね。ホモくんの攻撃面がまだまだ足りていない証です。

 バーサーカーのようなネームドキャラクターと戦うことで新たな武技修練が開放されることもあるので、帰ったらちゃんと琳師父に報告して新しい技を授けてもらいましょう。

 

 それでは今回はこのへんで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

―――――――

―――――

―――

 

 

「なんだあの野郎は」

 

 師に教えを受けてくるという朝宮 龍斗(オーディン)が不在の間、暇つぶしがてら喧嘩相手を探してそこいらの不良グループを潰していた時のことだ。

 高校生の不良グループがたむろしているという河川敷に来てみれば、同年代の、中坊になったばかりくらいの奴がそいつら全員を一人で倒した後だった。

 数年後に知ったが、そいつは鉾崎基樹とかいう名で、不良狩りをやっている"淫ファミ"とかいうおかしな名前のチームの頭を張ってる男だった。

 

 のろのろ動いて踏んだら潰れる、そこいらのカタツムリみてぇな奴とは違う。

 一目見てそう確信した俺は、あいつと喧嘩することを決めた。

 

「ようお前、少しはでき―――」

 

 久しぶりのお楽しみを不意打ちで台無しにするのも勿体無い。そう感じて声をかけてやったというのに、あろうことかあいつから不意打ちを仕掛けてきやがった。

 一度の踏み込みで数メートルもの距離を詰めたあいつは、下からはね上げた両腕で俺のガードを上方へ弾き、流れるような動きで腕を折ると鳩尾に肘をぶち込んできた。

 武術をやっているという奴をこれまで何人も沈めてきたが、こうも見事に打ち込まれるのは始めてだった。やはり、こいつはそこいらのカタツムリとは違う男らしいが、さすがにあの不意打ちは頭にきた。

 

 突然打ち込まれたあまりの痛みに思わず膝を突くが、いつものように、痛みはすぐに消えてなくなった。

 そしてその高揚感のまま立ち上がり、あいつに殴りかかった。会心の一撃を入れたにも拘わらず立ち上がってきた俺に驚いたのだろう。その時のあいつの顔は中々に愉快だった。

 

 それから俺たちは、互いに守りを捨ててただひたすら殴り合った。

 あいつの守りをすり抜け、打ち砕き、俺の拳があいつの顔面や胴体を捉える。その合間を縫って、あいつの拳が顔面や胴体を打ち据える。

 やけに身体中が重かったが、そんなことは関係なかった。ダメージが響いてきたか、動きが鈍ってきたあいつにトドメをくれてやるべく、左拳を振り上げた。

 

 

 終わりは突然訪れた。

 

 隙を見せたあいつの顔面に左ストレートを放つ。しかし、あいつは独特の体捌きで俺の左側面に回り込みつつ、右肘と左掌で俺の左拳を外側から押し出すようにしていなし、懐に飛び込んできた。

 ヤバいと感じて左腕を引くよりも早く、左の脇腹に触れたあいつの拳から信じがたい衝撃が襲ってきて吹っ飛ばされた。

 これは確か、以前ツブしたことがある中国拳法野郎が言っていた寸勁とかいうやつだ。超接近状態からでも高い威力を出せるものらしいが、これほどの威力を出せるもんだったのか。

 

 河川敷を転がった俺の身体はそのまま仰向けに倒れ、いくら動かそうとしても動かなくなった。

 そして腹の底から言いようのない感覚がわきあがってきた。これはつい最近、朝宮 龍斗(オーディン)と初めて出会った時に感じたやつと同じ感覚だった。

 

「あっぶねー……そこいらの不良に負けたら琳姉ちゃ……師父に殺されちゃうよまったく」

「ヤロウ、待ちやがれ……!」

 

 俺がもう戦えないと見るや、あいつはよくわからねぇことをブツブツ言いながら踵を返す。

 呼び止めようとその背中に怒鳴るが、あいつは振り返ることなく立ち去っていった。

 いつか必ずあいつを見つけ出し、また()り合ってぶっ潰す。そう心に決めた俺は、ろくに力も入らねぇ拳を強く握り締めた。

師弟日常編のような番外短編集の需要は……

  • ありますあります!
  • あれば読む
  • (需要は)ないです
  • そんなもん書いてる暇があったら本編を書け

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