"役立たず"の奮闘記   作:緑川翼

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すいません遅れました…
戦闘描写が難しい…書き直すかもです…


Cheat

「よお、待たせたな」

 

 DRがエレベーターを上がれば、法廷にまで行った甲斐あってか、ハイレートフロアを囲っていた柵が消えていた。

 

「パレスに入るタイミングまでずらすなんて、徹底してるね」

「そりゃ、俺まで証拠掴まれたらたまったモンじゃないからな」

 

 クロウの言う通り、裁判の終わった後、DRは怪盗団と別れて他の場所からパレスに侵入したのだ。共に行動しているが、クロウは元より探偵()。警戒するに越したことはない、ということだ。

 

「兎に角、現状の共有をしてもいいかしら?」

「と、悪いな。頼む」

 

 DRは怪盗団から遅れてパレスに入ると決めていた為、その時間を待機して無駄にすることなく、軽く探索をしておいてくれとクイーンに伝えていた。

 

「まず、『お姉ちゃんのいる支配人フロアに入るにはコインが十万必要』なこと。そして『ハイレートフロアには二つのギャンブルがある』こと……くらいね。今分かっている事は」

 

 更に詳しく聞けば、ギャンブルは迷路をクリアする『ハウス・オブ・ダーク』と『バトルアリーナ』の2つ。しかしアリーナは参加するのに『一万コインが必要』な為、手持ちのコインで挑戦できる迷路から挑むことになった。

 

「あからさまに誘い込まれてるな……」

「でも、コインを集めるには行くしかないよ」

「よっしゃ、ならさっさとクリアしてやろうぜ!」

 

 スカルが振り立て、オー、と皆で腕を上げた。 

 

 

 

 

 

「だぁぁっ疲れた!」

 

 

 アリーナの受付にて、ひとつ目のギャンブルであるハウス・オブ・ダークを終わらせたDRは壁に寄りかかる。他の面子も、思い思いに休んでいる。

 

 受付では『少々暗い』だの『シンプルな迷路』などと()かしていたが、蓋を開けてみれば真っ暗な部屋と大量のシャドウ、そして解かせる気のない迷路の最後に強シャドウが待ち構えていて…と、矢鱈疲れさせられる迷路だった。

 

「兎に角、これでバトルアリーナに参加する分のコインは集まったな」

「ようこそ、夜の炎燃える闇の競技場、『バトルアリーナ』へ! ……ところで、確認ですがコイン一万枚、持っていらっしゃいます?」

「あ、あるよね? あります、一万枚!」

「あーらら荒稼ぎしてくれちゃって。まあいいでしょう。それではルールの説明です」

 

 バトルアリーナのルールは単純。()()()()と1対1の三回勝負で全勝するだけだ。それだけで賭け金の10倍、十万コインが手に入る。丁度支配人フロアに入れる十万コインなど、如何にも罠らしい賞金設定だが、ここで勝たなければ十万コインなど遥か先。怪盗団は勝負に出る事にした。

 

 しかし……

 

 

「1対1か……」

「そのとーり。ではお一人、代表者さんを選んで頂けますか」

 

 怪盗団の強みはチームワークにある。各々の弱い所をカバーし合うのが怪盗団の戦い方だからだ。

 

「なら代表者はジョーカーがいいと思う。どんな敵が出るか分からない以上、ジョーカーの高い適応力がベストだからね」

「……しょうがな」

「いいや駄目だね、俺がいく!」

「……DR」

 

 何時も以上に興奮した様子で、DRがしゃしゃり出た。

 

「タイマンでの殴り合うだなんて、楽しそうなこと人に譲れるかよ! 俺にやらせてくれ!」

「……まあ、DRも若干の不利なら力技で解決できるし、一応応用も効く。反対がいないなら、彼でもいいんじゃないかな」

 

 クロウは少し呆れながらも、DRが出場する事には賛成的だ。DRは他を見る。

 

「……しかし、本当にいいのか? 一人で戦うんだぞ……」

「何言ってんだフォックス! ()()()いいんじゃねぇか!」

「……DRらしいね。でも、本当に気をつけてね?」

「代表は決まりました? エントリーすればすぐに試合開始です。どうします? エントリーします?」

「当然!」

「ほぉ……、それではリングの方へどーぞ」

 

 

 怪盗団の持つメンバーズ・カードからジャリリリと音がなり、参加費の一万コインが抜かれた。そう言えば一万コインかかっていたなと、DRは今更思い出した。

 

「……まあ、派手にのたうち回ってくださいよ」

 

 

 

 

 

 

『さ~あ始まりました、注目の一戦! 大人に楯突くバカ怪盗団のバカ一員が入場だぁ!』

「……いいね。アウェイな空気は大好物だよ」

 

 半分本気、半分嫌味でDRがそう言っている間にも、リングアナウンサーの煽りは止まらない。その内にリングを見回せば、それなりの広さがリングにはあった。これならば自由に動き回れそうだ。

 

『では始めましょー! 『1対1』の真剣勝負! チャンピオンサイドの選手入場だぁ!』

 

 リングアナウンサーの声と共に現れたのは、()()()青い象(ガネーシャ)だった。

 

「ってきったねえええ! オイ2匹いんじゃねーか!」

「ちょっ、どこが『1対1』よ! もう最初っからルール違反じゃん!」

「……ハハッ!いいねぇ。最高じゃねーか!!」

『さーあそれじゃあ地獄の三連戦。レディゴーだぁ!』

「最ッッ高の時間だァッ!」

 

 

 外野はワーワー騒いでいるが、興奮したDRは既に聞いていない。開始のコングと共に、DRは昂るままペルソナに搭乗して突っ込んだ。

 

「≪ペイン・トレイン≫!」

 

 興奮の勢いで放たれたタックルは、ガイィンと鈍い音を立てて片方の象を吹き飛ばし、ダウンさせる。

 

「いいねぇ楽しいねぇぇ!」

 

 ダウンさせた勢いのままに、倒れていない方の頭を掴み地面に叩き付ける。が、あまり効いた様子は無い。確かこの象は銃物理に耐性が有ったなと、DRは思い出した。

 

 

──≪五月雨切り≫!!

 

 ──≪ミラクルパンチ≫!!

 

 

「いい痛みだ、もっとやろうぜぇ!」

 

 起き上がった象らの放ったパンチと無数の斬撃とを物ともせず、DRは先程ダウンさせた方の象の鼻先を握りスレッジハンマーで頭をぶん殴る。

 

「いい、これはイイ音だ!」

 

 もう一体の象がスレッジハンマーを振り回してるDRに攻撃を仕掛けてくる。DRはそれが当たるより素早く弱点の念動属性であるサイコボムを投げてダウンさせた。正直弱点が念動だったかは微妙だったが、運良く正解だったらしい。

 

 仲間がダウンさせられたことで混乱したのか、DRと戦っていた方の象が何故か補助スキルの≪リベリオン≫を使って反撃のチャンスを無駄にする。DRはそんな悠長な事をしている隙にダウンした象を思い切りぶん殴り、象を1匹消滅させた。

 

「おかわりだ!」

 

 物理に耐性が有ると言っても、攻撃を完全に無効化できる訳では無い。DRは結局、力押しでもう1匹の象も消滅させた。

 

「……ふう」

 

 しっかりとシャドウが消滅したことを確認してから、DRはファントムから降りた。少し、ペルソナに搭乗しすぎた。次の勝負では温存できればいいが…とDRの冷静な部分が考える。

 

 

『うわー。流石はバカ怪盗団。空気も読まずに勝っちゃいましたよ。でもご安心下さい。勝負はこれからだ! 第二回戦、選手入場だぁ!』

 

 リングアナウンサーの好き勝手言う声に合わせて、次の相手が表れた。それも、()()。 

 

「なんだと……、更に増えたぞ!」

「卑怯だよ! どこも正々堂々じゃない!」

「てかアイツって……、DRヤバイんじゃないの!?」

 

 表れたのは、銃と物理を()()()()小さい魔女(ランダ)3体であった。

 

『はーい。雑音は無視でお願いしますねー。戦慄の第二回戦、レッツダイイングだぁ!』

「……さて、どうするかね」

 

 DRは仮面の下で、こっそりと冷や汗をかいた。

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